核廃絶の約束 実行迫れ NPT第6条の履行こそ
要約
日本共産党の吉良よし子議員は11日の参院決算委員会で、国連本部で開催中の核不拡散条約(NPT)再検討会議(~22日)を巡り、核軍拡を進める核保有国は全加盟国に核軍縮・核軍備撤廃のための誠実な交渉を義務づける同条約第6条に違反・逆行していると指摘し、同会議で同条の完全履行を求める成果文書を採択させる努力を日本政府に要求しました。
党代表団として同会議に参加した吉良氏は、同会議冒頭の各国政府による一般討論演説で日本政府が「第6条の履行」に触れなかったと批判。一方で非同盟諸国のグループなど締約国の7割以上が6条の履行・具体化を明確に主張したと指摘しました。
非同盟諸国を代表してウガンダが核保有国の新型核弾頭開発や「核共有」「拡大抑止」などに触れ「第6条への明確な違反」などと批判したことなどに言及。「第6条の履行」に日本政府が言及しなかったことは、核保有国の核軍拡に問題がなく、第6条の義務を果たしているとの考えなのかとただしました。高市早苗首相は「義務を果たしているか一概にお答えすることは困難だ」などと回答を拒否しました。
吉良氏は、同会議の「ゼロドラフト」(成果文書の最初の草案)も核保有国の核軍拡に言及し、6条の「未達成」は「遺憾」だとして、6条の義務や過去の再検討会議での約束に逆行する声明への「懸念」を示していると指摘し、核兵器国が6条の義務を果たしていないのは締約国多数の共通認識だと強調。核兵器国の核軍拡について答えられないのは唯一の戦争被爆国として「あまりにも情けない」と批判し、6条こそNPTの「魂」であり「完全履行」はNPT体制維持に「絶対に欠かせない」と強調しました。
今回の再検討会議に示されているゼロドラフトは、6条に基づく核軍備競争の停止・核軍縮に向けた交渉を「誠実に行う法的義務を負っていることを再確認する」ことや、2000年と10年の再検討会議で全会一致となった、核兵器国が「核兵器の全面廃絶」を「明確な約束」とする合意などの完全履行を「促す」ことに言及しています。吉良氏は「ゼロドラフトの方向が成果文書として採択されるよう努力を」と求めました。
日本原水爆被害者団体協議会の濱住治郎さんの、00、10両年の再検討会議での核兵器廃絶の「明確な約束」を「速やかに実行してください」との訴えを突き付け「これが被爆者の願いだ」と強調。唯一の戦争被爆国である日本が努力し、6条履行を進める成果文書を発出させるよう重ねて要求しました。
議事録(未定稿)
※こちらの議事録は速報・未定稿版となります
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。本日は、核兵器のない世界へ向けて、NPT、核不拡散条約の再検討会議について伺っていきたいと思います。
このNPT、核不拡散条約再検討会議は、四月二十七日から五月二十二日までの日程で、現在、ニューヨークの国連本部で開催をされているものです。私たち日本共産党は、この核兵器のない世界へ向けた基本的な立場としては、核抑止論を乗り越えて、核兵器禁止条約への署名、批准を更に大きく前進させることと同時に、このNPT体制、核不拡散体制をこの核兵器のない世界に向けた枠組みとして発展させる、つまり、核兵器禁止条約とNPT体制と、これを車の両輪として発展させることで核兵器のない世界をつくるというもので、これは被爆者の皆さんを始めとした世界の市民社会でも共有されている立場だと考えているわけです。
そして、今世界各地で国連憲章に反する戦争が行われ、人類が核兵器の重大な脅威に直面する下で開催されています今回のNPT再検討会議が、この世界の危機を打開して、核兵器のない世界を前進させる成果を収める、これは何よりも重要なことだと考えていますし、とりわけ過去二回の会議、二〇一五年と二〇二二年では成果文書が発出できなかった中で、今回それが出せるかどうかというのが焦点となるわけです。そういう下で私は、志位和夫日本共産党議長とともに、日本共産党を代表して、この成果文書の採択を始め、NPT会議の成功のためにニューヨークに行きまして、直接、各国の政府代表などに要請を行ってまいりました。
私たちが要請を行った中満泉国連事務次長、また今回の会議で議長を務めるベトナムのドー・フン・ビエット国連大使などは、それぞれ、何としても成果文書を発出したいんだと、そのために力を尽くすということを力強く語っていらっしゃいましたし、と同時に、その成果文書を発出するためには日本政府の努力が欠かせないと、日本政府にとても期待をしているということも語られたことはとても印象深かったわけです。
そこで、まず総理に伺いたいと思うわけです。
今回のNPT、核不拡散条約再検討会議において、世界各国や国連に期待されている役割を日本が果たしていくこと、成果文書を採択し、NPT体制を維持するために努力をしていくべきと思いますが、総理の決意を伺います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) NPT体制は、核兵器国と非核兵器国が広く参加する核軍縮・不拡散の唯一の普遍的な枠組みであります。その維持強化が必要です。
一方で、安全保障環境が一段と厳しさを増している中、全てのNPT締約国で見解を一致させて成果文書を発出するということはなかなか容易ではないというのも事実だと思います。でも、だからこそ、我が国は唯一の戦争被爆国としてNPT体制の維持強化のための外交努力を払ってきております。
会議の帰趨というのは予断できませんけれども、我が国としては、核兵器国と非核兵器国の双方が一致できる点を見出せるように、積極的な役割を果たしていくという考えでございます。
○吉良よし子君 NPT体制維持をしていくために、合意に向けて努力をしていきたいというお話だったと思うわけです。現在の世界情勢、人類が核兵器の重大な脅威に直面している今、NPT会議において各国の合意はもちろん、核兵器のない世界へ向けた積極的な成果文書、これを発出するということは、本当に非常に重要なことだということを強調したいと思います。(資料提示)
そこで御覧いただきたいのが、私たち日本共産党が行った要請の内容です。四点あります。一つ目は、NPTの前文にもあるように、全ての国が国連憲章を遵守すること、二点目は、非核兵器国に対する核兵器の使用や威嚇を行わないということ、三点目が、核軍縮を進めるためのNPT第六条の停滞と後退の打開へ向けて、二〇〇〇年、二〇一〇年の会議で核兵器の全面廃絶などに関する合意、これを再確認して具体化、履行していくこと、そして四点目に、九五年、一九九五年の会議で中東地域を非核地帯にするという決議が上げられた、それを再確認し具体化、履行するという、これら四点の内容を含む成果文書を求める要請というのをこの間行ってまいりました。
これら四つの内容というのは、過去のNPTの会議で全ての締約国が、先ほど総理は全ての締約国の合意は難しいということでしたけど、その二〇〇〇年や二〇一〇年等の、九五年の会議では全ての締約国が賛成して採択された最終文書の積極的な中身なわけです。
現在、核兵器をめぐる安全保障環境が憂慮すべき事態となっている今、この四点を含む、過去に全ての国が賛成をした内容を今再確認するということは、危機的な状況の中で極めて大きな意義を持つものだと考えているわけです。
先ほども述べたように、この要請で私たち日本共産党代表団、四月二十四日に中満泉国連事務次長に、そして四月二十九日に今回のNPT議長を務めているベトナムのビエット国連大使に、そして四月二十八日には核軍縮の議論を担当する第一委員会の委員長を務めているガーナのサミュエル・ヤオ・クマー大使、国連大使に要請を行ったわけですが、この今回の会議の成功のために中枢の立場で頑張っていらっしゃるこれらの方々から、この要請について方向性を共有していますと、この四点は多くの国が賛同できる内容ですと、今回の議論のハートの部分だなどのコメントももらったところなわけです。
その後、こうした会議の一般討論を踏まえて、五月六日の時点で再検討会議の議長、ベトナムの国連大使が成果文書の最初の草案となるゼロドラフトというのを配付したわけですが、そのゼロドラフト、読んだところ、私たちの党の要請内容四点に沿ったものとなっており、これ、私たち大変歓迎するものですし、日本政府には、この締約国の、これが、そのゼロドラフトが締約国のコンセンサスとなり、成果文書として採択されるようにということを強く求めたいと思うわけです。
今回の私たちのこの四点の要請の中で、とりわけ日本共産党が重視しているのが三番なんです。NPT第六条の履行、停滞、後退を打開するというためのもので、とりわけ、今回私、国連本部で一般討論傍聴もしてまいりましたけれども、世界中の国々が核戦争が起こるかもしれないという危機感を持って集まっているということを次々と語っていたというのは大変印象的だったんですね。
そうした危機を脱するためにも、この第六条、三の要請にあるように、核保有国が核軍縮を進め、核軍備撤廃の義務を果たすことというのは、今回の会議できちんと再確認していくことというのは何よりも重要だと思うんですけれども、外務大臣、今回のNPT再検討会議においてこの核軍縮、これをいかに進めていくかというのは議論の中心点だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 確かに、吉良委員おっしゃるように、核軍縮を進めるということは議論の中心点でもありますが、御案内のとおりNPTにおきましては三つの柱があるわけでありまして、この核軍縮、それから核不拡散、そして原子力の平和利用、それぞれについて締約国間で今議論が行われているところでありまして、日本としても議長国のベトナムを支えながら、それぞれの三つの委員会といいますか、セッションにおきまして大使を張り付けてしっかりした議論を進める、こういったことを行っているところでありますし、その中で、核軍縮についてお話しいただきましたが、NPTの柱として我が国が昨年秋に国連総会に提出をし、百四十七か国の賛成を得て採択をされました核兵器のない世界を目指す国連総会決議も、NPTの下で進める核軍縮の現実的、実践的な道のりを描いたものであると考えております。
また、今回、会議の冒頭で国光外務副大臣によります一般討論演説でも、核兵器国に対しまして核軍縮・軍備管理に向けた取組を促すと、こういう内容の総理の指示も得た演説も行っておりまして、核軍縮を進めることへの我が国の姿勢、これは一貫していると考えております。
○吉良よし子君 核軍縮についてはNPTの再検討会議における議論の中心だということをお認めになったと思うわけです。
やはり、核戦争が起きるかもしれないという危機に直面している中で、この議論ですね、この核軍縮についての議論が中心になっていくのは間違いないことで、パネルも用意しました、それがこの第六条になるわけです。このNPTの第六条が、その核軍縮の議論を進めることを締約国、特に核保有国、核兵器国に義務付けているという、そういう中身になるわけで、この第六条の完全履行、具体化をどう進めるかというのが今回の会議の議論の中心点だということだと思うわけです。
ところが、先ほど大臣もおっしゃられた会議の冒頭、各国政府代表による一般討論での日本のステートメントはどうだったか。私も国連の本会議場で直接、国光あやの外務副大臣のスピーチ傍聴いたしましたけれども、副大臣のスピーチでは、この核軍縮という言葉は確かにありましたけれども、第六条の履行ということについては全く触れられていなかったんです。
なぜ日本の一般討論のステートメントで第六条そのものに触れなかったのか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 吉良委員も六条につきましてよく御案内だと思いますが、核兵器国に対して核軍縮・軍備管理につながる取組をしっかりと進めていく、誠実にそれを進めていくと、こういう内容でありまして、冒頭の日本のスピーチにおきましてはその点をしっかり強調しておりまして、まさにNPT第六条、これに関することをしっかりと訴えていたと考えております。
○吉良よし子君 いや、しかし、第六条の履行という言葉は使っていませんよね。
○国務大臣(茂木敏充君) 言葉を使うよりも内容が重要だと思っております。
○吉良よし子君 要するに、言葉は使わなかったということなんですね。内容は多少は触れたかもしれないけど、第六条の履行という言葉はあえて一般討論のステートメントでは言っていないと、そういうことですよね。
○国務大臣(茂木敏充君) あえて言っていないということではなくて、内容についてきちんと言っておりますということで、第六条の趣旨、御案内だと思いますけど、そのとおりのことをしっかりと訴えかけさせていただいていると。第六条と言ったかというか、軍備管理であったりとか軍縮の重要性について誠実に取り組むというかと、これはほとんど誰が聞いても同じ意味に取れると思います。
○吉良よし子君 誰が聞いてもとおっしゃいましたけれども、私は国連の会議傍聴しましたけれども、ほとんどの国がちゃんと第六条の履行と、第六条という言葉を使ってスピーチをされていたわけです。
例えば、核兵器禁止条約の締約国を代表して南アフリカは、核兵器国に対し、第六条の核軍縮義務及びNPT運用会議で合意された行動とコミットメントを完全かつ早急に履行するための努力を活性化するよう求めているわけです。
また、ASEAN諸国を代表してフィリピンは、第六条の完全かつ効果的な履行並びに過去の運用検討会議で合意された約束等を可能にする明確かつ強力なロードマップを締約国が作成する道を開くことを期待すると述べました。
また、日本と同じアメリカの同盟国である韓国も、条約第六条に沿って、核軍縮及び核軍拡競争の中止に関する誠実な交渉を追求するという核兵器国の特別な責任を想起させる必要があると述べているわけです。
それ以外にも、非同盟諸国グループ、新アジェンダ連合、アフリカ・グループなどの国々始め、締約国の七割以上の国々が明確に第六条の履行、具体化を一般討論演説で主張している。に比べて、日本のステートメントというのは第六条という言葉は付かない、余りに抽象的だったと、聞いていてとても感じました。
第六条の完全履行についてコミットしなかった、やっぱり私は納得いかないです。やっぱりちゃんと明確に第六条の履行と言うべきだったんではないですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 同じ答弁になって恐縮な部分あるんですが、冒頭、南アフリカの例をお出しになりましたが、このNPT運用会議について、先週、南アフリカ・ラマポーザ大統領とも私直接お会いをしてきました。NPT運用検討会議、今回、共同ステートメント、共同声明を出すことの重要性、どういう方向で議論を進めていくか、完全に意見は一致したところであります。
○吉良よし子君 意見が一致したことは重要ですけど、第六条の履行について、日本が一般討論のステートメントで明確に触れていないということはおかしいのではないかと。核軍縮というのであれば、第六条、一言言えばいいわけですから、第六条の履行と言わなかったというのがやっぱり納得がいかないわけです。
何より今問題なのは、NPTのこの第六条を履行するどころか、その義務を履行すべき核保有国、核兵器国がこの第六条に逆行して核軍拡を進めているという状況、これがもう各国、問題視していたわけです。
NPTの会議の一般討論の中でも、こうした核保有国の動きを批判するという発言は相次いでいました。例えば、非同盟諸国のグループ代表してウガンダが、核兵器とそれに関連する軍事ドクトリン、核戦力の近代化、そして低出力核弾頭を含む、より効果的かつ新型の核弾頭の開発、さらには、進化し続ける核共有の取決めや拡大抑止といった、条約の原則と目的に反する政策や慣行が継続していることによって平和と安全への脅威が高まっていることに深い懸念を表明します、私たちは、事実上の新たな核軍拡競争であり、条約第六条への明確な違反であるこの傾向を直ちに停止するように強く求めますと、核保有国による核軍拡の動きをこの第六条に照らして批判をしている。そういう発言も相次いでいたわけなんです。
核保有国や非核保有国との合意が必要だと、総理、冒頭おっしゃられましたけれども、その核保有国が新型核弾頭の開発や近代化を進め、新たな核実験の再開などにまで、その可能性にまで言及しているというのは今事実なわけです。そのときに、その核兵器国に対して、核軍縮を求めるNPT第六条の完全履行に日本が言及できない、言及しないということは、つまり、日本は核保有国、核兵器国による核軍拡の動きを問題ないとでも思っているということなのかと。
総理、改めて認識伺いたいんですけれども、日本政府はこの核兵器国の現在の動きをどう認識しているのか、NPT第六条の義務をちゃんと核兵器国が果たしていると、そういう認識なのかどうか、お答えください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 核兵器国のそれぞれがNPT第六条の義務を果たしているか、一概にお答えすることは困難でございます。
先ほど来委員が、日本が第六条に触れなかったということをおっしゃっていますけれども、NPT第六条、「各締約国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する。」ですよね。
我が国の一般討論演説、「我が国は、NPT上の義務を完全に遵守するNPTの守護者であり、これからもそうあり続けます。そして、唯一の戦争被爆国として、核兵器国と非核兵器国双方の協力を得ながら、NPT体制の維持・強化に努めます。その上で、次の三点を各国に訴えます。」とし、最後の三点目に、「核兵器国に対し、戦後最も大きな構造変化の中で核軍縮・軍備管理への道を開く、核兵器国間の取組を進めていくことを強く促します。これは、とりわけ核戦力の急速な増強を進める動きへ対応していく上で急務です。」と、こう言い切っていますよ。NPT全体のこの義務を完全に遵守するNPTの守護者であるとまで言い切っています。そして、核兵器国に対して強い要請を行っております。
○吉良よし子君 答えていただいていないんですけどね。第六条については、一般討論演説の中では、しかし、内容についてはおっしゃっていましたけれども、第六条の履行という言葉がなかったのは先ほどの引用でも明らかなんですよ。ほかの国々は第六条の約束の履行ということをはっきり述べていたのに、日本だけは第六条という言葉は使っていないんです。
そして、私が聞いているのは、核保有国が今、NPT第六条の義務をちゃんと果たしていると考えるのかどうかということなんですよ。
先ほど御紹介をしました成果文書の初めの草案、ゼロドラフトでも、会議は、数千発の核兵器の継続的な保有、進行中の核兵器の質的向上及び一部の核兵器保有量の量的拡大により、第六条の目的が未達成であることを深く遺憾に思う、会議は、第六条の義務や過去の再検討会議で行われた約束に逆行する声明に懸念を表明するということが述べられているわけです。
さきに述べたように、一般討論では多くの国が、核兵器国が第六条のこの義務を果たしていないことを批判した。これが締約国の多数の共通認識だから、ゼロドラフトでもそういう表現があるということなんですよ。そういう中で、日本が核兵器国の動向をどう評価するのかを問うているわけです。
総理、もう一度お答えください。核保有国はNPT第六条の義務を果たしているとお考えなんですか、どうなんですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) その点については、先ほど答弁をさせていただきました。冒頭に答弁をさせていただきました。核兵器国のそれぞれがNPT第六条の義務を果たしているか、一概にお答えすることは困難ですというのが答弁です。
今回のNPT運用検討会議における我が国の一般討論演説では、核兵器国に対して、核軍縮・軍備管理につながる取組を進めていくことを強く促しております。五月二十二日まで続く会議の場では、引き続き各国と連携しながら、全ての締約国によるNPT第六条の義務の履行を確保すべく働きかけを行っていくというのが我が国の考え方です。
○吉良よし子君 ゼロドラフトに表現されたように、核保有国がNPTの第六条に基づく核軍備撤廃に向けた義務を果たしていない、むしろ逆行しているというのは明らかなんですね。なのにもかかわらず、一概にお答えできないと、明確に今答えられない、答えない。やっぱりそれは問題だし、その日本政府の立場というのは、唯一の戦争被爆国として余りにも情けない姿勢だと私は言わざるを得ないと思うんです。
何よりこの第六条というのは、NPT核不拡散条約の魂そのものなんです。そもそもこの条約は、条約国が署名を開始する一年前の一九六七年一月一日時点までに核兵器を製造、爆発させた国以外には核保有を認めないという不平等な条約だったんです。
しかし、それでも多数の非核保有国がこの条約に参加したのは、この第六条があったから。核軍縮の議論を進める義務を核保有国に課すと、そして、二〇〇〇年や二〇一〇年の再検討会議では、その核保有国が核兵器の全面廃絶を明確に約束するということも全会一致で合意をしたと、そういう第六条に基づく核軍縮、核軍備撤廃の義務が核保有国に課せられたから、核保有国も含む百九十一か国がこのNPT条約に参加、批准しているわけで、このNPT体制を維持するといったときにこの第六条の完全履行ということをはっきり言えないというのでは、話にならないわけです。
やっぱり絶対に欠かせないんです、第六条の履行というのは。成果文書の草案、ゼロドラフトにもこの第六条の履行というのはしっかり述べられていて、会議は、全ての締約国が、条約第六条に基づき、核軍備競争の停止及び核軍縮に関する効果的な措置について、並びに厳格かつ効果的な国際管理の下でのあらゆる側面における普遍的かつ完全な軍縮に関する条約に至る交渉を誠実に行う法的義務を負っていることを再確認すると。会議は、核兵器国に対し、二〇〇〇年及び二〇一〇年の再検討会議で行われた約束を完全に履行すること等を通じて、条約に基づく核軍縮義務を完全かつ体系的に履行することを促すと。
これも多くの国々が一般討論で主張したことで、こうした成果文書の草案、ゼロドラフトのこの中身ですよね、第六条の義務履行を求める方向というのが締約国のコンセンサスとなるように、そして会議の成果文書として採択されるように、日本政府がちゃんと今努力しなければならないと思いますが、総理、いかがですか。最後、お答えください。
○国務大臣(茂木敏充君) 吉良先生、一生懸命取り組んでいらっしゃるのはよく分かりますし、ニューヨークまで行っていただいたということですけれど、そこで見ていただいたと思いますけれど、議長国ベトナムを一番支えていると、これは日本でありまして、ゼロドラフトを作るに当たりましても、日本としても相当サポートをしながら作っているというところであります。
そういった中において、核兵器保有国と非核兵器国の間をどう取り持つか、そうでないと成果文書できないんですよ。その点もよく現実的に、語られるのは結構なんですけれど、成果文書が出なくていいということだったら吉良先生のおっしゃることでいいと思うんですけど、成果文書を出すべきだと私は思っていますし、日本としてはそうしたいと、そのように思っております。
○吉良よし子君 核保有国と非核保有国の合意を取り付けるのは当然大事ですけれども、そこで核軍縮の約束を再確認するというのはNPT体制維持の魂の部分ですから、それをなくして合意というのはあり得ないと思うんですね。そこをちゃんと明確に日本政府として言ってほしいと。
もう最後なので紹介にとどめますけれども、このNPT再検討会議NGOセッションで日本被団協の濱住さんもスピーチされて、二〇〇〇年、二〇一〇年に再確認した保有核兵器の完全な廃棄を達成するとの核兵器国による明確な約束を速やかに実行してください、これが被爆者の願いなわけです。
第六条の履行、これをちゃんと唯一の戦争被爆国である日本政府が主張し、そのコミットメントを成果文書として成立できるように、発出できるように努力をしていただきたい。二十二日までまだ時間ありますから、是非とも日本政府に力を尽くしていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
