2026年・第221通常国会
特支教室不足 解消早く
要約
日本共産党の吉良よし子参院議員は21日、参院文教科学委員会で、特別支援学校の深刻な教室不足の解消のため、国として対策を強化するよう求めました。
文部科学相が10日付で公表した「公立特別支援学校における教室不足調査の結果」によると、特別支援学校の不足教室数は3192に上ります。また、特別教室や体育館、廊下などの転用や教室の間仕切りなどによる「児童生徒等の増加に伴う一時的な対応をしている教室数」が7933もあることが明らかになっています。
吉良氏は「パーテーションで間仕切るような対応が、学習上全く支障がないと言えるのか」と追及。文科省の望月禎初等中等教育局長は「『一時的な対応をしている教室』の中には、授業の実施に支障が生じているケースもある」と認めました。吉良氏は「発表されている不足教室数は実態を反映しておらず、『一時的な対応をしている教室』も含めて不足教室数とカウントすべきだ」と求めました。
さらに、「特別支援学校の教室不足の解消は、子どもたちの学ぶ権利を保障するための文科省の最低限の仕事だ」と指摘。特別支援学校の設置基準ができて3年がたつが、国庫補助率を3分の2へ引き上げるなど、さらなる対策強化を求めました。松本洋平文科相は「文科省としても特別支援学校の教室不足の解消は喫緊の課題と認識している」と答えるにとどめました。
議事録(未定稿)
※こちらの議事録は速報・未定稿版となります
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。本日は、特別支援学校の設置基準について伺っていきたいと思います。
特別支援学校の設置基準、全面施行されてから三年が経過をいたしました。しかし、まだこの設置基準に満たない学校があるというのは課題だと思っているわけですが、そこでお聞きしたいと思います。現在、全国でこの設置基準を満たしている学校というのはどの程度になっていますか。
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。
公立特別支援学校のうち設置基準上の必要面積を満たしている学校につきましては、令和七年十月一日現在で、校舎につきましては六八・八%、運動場につきましては五七・二%となっております。
○吉良よし子君 三年たってなお約四割が基準を満たせていない状況だということなんですね。ちなみに、既存校についてはこの設置基準は適用されていないということで、そうした課題があると思っておりますし、その解消というのは待ったなしだと思うんです。
更に問題なのは、この設置基準が基準を満たせていない学校がまだ残っているだけでなく、特別支援学校に通う子の数は年々増え続けていると。その下で、この間、三十年以上の長きにわたっての課題である教室不足、これも今なお深刻な課題として残されているという問題なんです。
今月四月十日付けで文科省の公立特別支援学校における教室不足調査の結果というものが公表されたと承知をしているわけですが、この最新の調査の結果において特別支援学校における不足教室数は幾つになるのか、お答えください。
○政府参考人(蝦名喜之君) 公立特別支援学校における教室不足調査の結果におきます不足教室数についてのお尋ねでございます。
当該教室数につきましては、児童生徒等の増加に伴う一時的な対応をしている教室のうち、令和七年十月一日時点で、授業の実施に支障が生じており、今後整備する必要がある教室数と、今後必要が見込まれることから、新たに整備が必要な教室数を合計した数字でございますけれども、令和七年十月一日現在で三千百九十二教室となっております。
○吉良よし子君 全国で三千百九十二教室もの教室が特別支援学校の中で不足している実態があると。長年にわたって課題になってきたその教室不足の解消には程遠い状況だなというのがこの数字でも分かるんですけれども、と同時に、この三千百九十二という数字が現場の実態を反映した数字と言えるのかというところなんですね。
先ほどの御説明の中で、児童生徒等の増加に伴う一時的な対応をしている教室数という紹介がありましたけど、この調査では、そうした実態として、特別教室や体育館、廊下などを転用したり、教室の中に間仕切りを使ったりということで行われている教室の数も把握されていると承知しています。この一時的な対応をしている教室数というのは幾らになるのか、お願いします。
○政府参考人(蝦名喜之君) 委員からお示しをいただきましたものでございますけれども、この児童生徒等の増加に伴う一時的な対応をしている教室数につきましては、児童生徒等の増加に伴い一時的な対応をしている教室数について、教育上の支障の有無を問わず計上をいたしたものでございますけれども、これは、令和七年十月一日現在、七千九百三十三教室となってございます。
○吉良よし子君 文科省の調査において、こうした特別教室の転用とか、間仕切りの利用とか、倉庫等の転用がどのくらいあるかということを調査されているということは重要だと思うんです。そして、その一時的な対応をしている教室が七千九百三十三教室にも上るということも重大だと思うんですね。
なお、そこで疑問になってくる、納得がいかないのが、その一時的な対応をしている教室数が七千九百三十三教室もあるにもかかわらず、不足教室数としてカウントしているのは三千百九十二教室と、半数以下としてカウントしている。これ、私、どうしても納得がいかないんですね。
先ほどの御説明でもありましたけれども、その不足教室というのはどうやってカウントしたかというと、先ほどの一時的な対応をしている教室数のうち、授業の実施に支障が生じており、今後整備する必要がある教室数というのをわざわざカウントし直して抽出をして、そこにプラスして今後必要が見込まれる教室数というものを加えたものが不足教室数の数ということなんですけど、一時的な対応をしている教室数というのは授業の実施に支障が生じている教室ではないというのが、私はどうにも理解ができないんですね。
資料二を御覧いただければと思いますけれども、これは特別支援学校の教室不足解消を求める院内集会において配付された資料で、実際にその教室、パーテーションで区切った写真ということになるわけですけど、この説明の中を見ていただければ、パーテーションで区切れば個別のスペースが生まれますが、話し声や音は筒抜けで、他者を気にしながら生活しなければならない状況です、安心できる環境では決してありませんとあるわけです。
先日、四月二日の当委員会でも、古賀理事が、特別支援学級においてもこの教室内をパーテーションで区切る扱いについて質問をされて、それに対して初中局長は、パーテーションを一つの教室に区切ったからそれによって活動ができなくなるかどうかは学校現場の御判断と答弁をされたわけです。
いや、もちろん、各学校が教室不足の対応のために様々な対応をするのは各学校の現場の御判断だと思うんですけれども、しかし、その対応自体が、学習上の支障があるかどうかの判断まで学校現場任せというのは違うんじゃないかと、話し声や音が筒抜けとなるような状態というのは学習教育に支障があるというのは私は明らかだと思うんですけれども、初中局長、特別支援学校等において、教室不足によって教室内パーテーションで区切るこうした対応、この写真のような対応ですよね、というのは学習上全く支障がないと言えるのでしょうか。
○政府参考人(望月禎君) 特別支援学校におきまして、在学する児童生徒等の増加が予想を上回る等の事情によりまして、教室整備が追い付かずに、一時的な対応として御指摘のような対応となっている教室もあると承知してございます。
こうした学校におきましても、学習指導要領に沿って障害のある児童生徒に対して適切な指導と必要な支援が行われているものとは承知をしてございますけれども、一時的な対応をしている教室の中には、今御指摘いただきましたような、カーテンで間仕切りをして使用しているために授業中の隣の教室の音が聞こえてしまうといったような、授業の実施に支障が生じているケースもあると承知をしてございます。
特別支援学校の教室不足の解消というのは喫緊の課題であるというふうに考えてございます。
○吉良よし子君 やはり、支障を生じているケースもあるとおっしゃったわけで、全て全く支障がないとは絶対に言えないと思いますし、ケースもあるというか、むしろ、やっぱりパーテーションで区切るような対応というのは教育活動に明らかに支障がありますと私は現場の先生方から聞いているわけで、それが現場の判断なので、まるで一部しか支障がないかのような言い方というのはやっぱり改めていただきたいと思いますし、わざわざそうして、この現場に対して、パーテーションで区切る等のそうした扱いについて支障がある場合とない場合があるよねとカウントをさせ直して不足教室数を少なく見積もる対応というのは、私は、許してはならないし、納得はできないし、それでは解消につながらないんじゃないかということを訴えたいと思うんです。
何より、そもそも教室が不足しているから、児童生徒数に対して不足をしているから一時的な対応をしているわけで、ですから、大臣、やっぱりこの一時的な対応をしている教室も含めて、それ全てを不足教室数としてカウントしなきゃいけないんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 一時的な対応をしております教室ですけれども、仮設建物を設けたものの他の教室を転用しているもの、教室を仕切って使用しているものなど様々な対応を含むわけでありますが、その具体的な状況は、障害のある児童生徒の状況や地域、学校の実情に応じて異なることから、教育上の支障の有無については現場の状況を踏まえて判断をいただいているところであります。
このため、一時的な対応をしている教室数については、授業の実施に支障が生じており、今後整備が必要と判断された数を不足教室数に計上しているところであります。例えば、設置者の工夫によりまして、仮設建物でも通常の校舎同様の内部環境を備えた教室を整備している例、複数ある特別教室を融通している例なども含まれまして、このため、一時的な対応をしている教室の全てを直ちに不足教室数としては扱ってはいないところであります。
障害のある児童生徒などが安心して学ぶことができる教育環境が安定的に確保されることが重要であります。文部科学省としても、設置者において適切な取組がなされるよう支援、促進をしてまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 いや、一時的な対応をしている教室が全て学習に支障がないと、学習上の支障になるとは言えないと、そういう御答弁だったと思うんですけど、何で倉庫の転用が、特別教室の転用が、パーテーション等による間仕切りが学習上の支障にならないと言えるのか、私は理解できないと思うんですよ。
例えば、廊下や玄関ホールに机と椅子を置いて授業をしているような例もある。こんなのはもう確実に学習に支障があると思いますし、特別教室の転用というのも、要するにそういった特別活動、音楽の授業とか理科の実験とか美術とか、そうした特別活動をそういった特別教室を使ってできない事態になっているということで、それは学習上の支障そのものだと思うわけですよね。
本来だったら、全ての子が普通の教室で周りの音を気にせずに授業できるようにする、そして音楽、美術や理科の実験などの特別活動はそうした特別教室でちゃんと行えるようにする、体育館もちゃんと利用できるようにする、そういう学ぶ権利を保障するというのは最低限やらなきゃいけない仕事であり、それがこの教室不足によって一時的にできない状況になっているのであれば、それを解消できるように文科省は仕事しなきゃいけないわけで、そのためにも、その一時的な対応をしている数がやはり不足教室数なんだとカウントするところから始めなきゃ、その学ぶ権利の保障はできないと思うんですけど、カウントの仕方、やっぱり見直すべきではありませんか。もう一度、大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 先ほど来お話をさせていただいておりますことの繰り返しになって恐縮でありますけれども、それぞれの状況に応じて、その状況に応じてですね、その児童生徒が置かれている状況というものが異なるということは委員も御理解をいただいていると思っております。
その上で、やはりその不足教室という形でどのようにカウントをしていくのかについては、それぞれの状況に応じてしっかりと把握をし、それに対応をすることが大切なことであるというふうに考えておりますので、そこはそれぞれの設置者におきまして、そのそれぞれがどういう状況になっているのか、その点をしっかりと認識をした上で件数として報告を上げていただくということが大切なことかと考えております。
○吉良よし子君 やっぱり、それぞれの状況に応じてと言いますけど、ほとんどが学習上支障あると思いますし、それと、あわせて、支障があるかないかで不足教室数をカウントするというやり方そのものが間違っていると。一時的な対応をしているということは、教室が不足しているから、だからそれを不足数とカウントするのは当然だと思うんです。そうした教室不足を解消するための対策も待ったなしだと思うわけです。
設置基準が全面施行されて以降、この間、特別支援学校施設の新築や教室数の増加等の改築に関しては国庫補助率三分の一から二分の一へのかさ上げがあったと確認、承知はしているわけですけれども、それでは足りないと。こうした教室不足等も解消していくためには、更にこれ加速する必要があると。国庫補助率三分の二へ更なる引上げするとかして、教室不足の解消や、全ての学校が設置基準満たせるように対策強化すべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 特別支援学校の教室不足の解消、これはもう大変大事な課題であるということは我々も認識をしているところでありまして、集中取組期間を設けまして、既存施設を特別支援学校として使用できるようにするための改修でありますとか、既存の特別支援学校校舎の改築、改修事業につきまして国庫補助率を二分の一まで引き上げているところであります。また、このために、本来、当初令和六年度までの設定でありましたこの計画の策定を令和九年度まで延長をするなど、こうした時限措置の延長というものも行わせていただいているところであります。
教室不足の解消が進んでいないことには様々な要因があると考えられているところではありますが、文部科学省としても特別支援学校の教室不足の解消は喫緊の課題と認識をしておりまして、各設置者の取組の進捗状況についてきめ細かくフォローアップを行いながら、施設整備に対する支援、好事例等の収集、周知などを通じまして、各設置者における計画的な施設整備を促してまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 かつて、一九七二年に公立養護学校整備特別措置法が改正された、その際には、七年間にわたって国庫補助率というのは三分の二に引き上げられたことがあるんですね。その七年の間におよそ三百校の養護学校が増えた、建設されたという実績もあるわけで、時限措置の延長などという悠長なことを言っている場合じゃなくて、やっぱり設置基準も新たにできたわけですし、そして教室不足は深刻ですし、それを解消するためにもこうした国庫補助率の更なる引上げ含めて対策強化していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
