2026年・第221通常国会
「稼げる大学」圧力やめよ
要約
日本共産党の吉良よし子議員は16日の参院文教科学委員会で、学生生活が経済的に厳しくなる中での学費値上げや授業料減免の廃止の動きを批判し、負担軽減と学費値下げを要求しました。
吉良氏の質問に文部科学省の合田哲雄高等教育局長は、学生生活調査などでも、学生生活費が増加し家庭からの仕送りが減少する中で、アルバイトに従事する学生の割合が過去最高となっていることを明らかにしました。
吉良氏は、国立大運営費交付金などの増額にもかかわらず、在学生を含む授業料値上げを表明した熊本大など、値上げする大学が相次ぐ状況は、増額が不十分な証左だと指摘。京大では国の修学支援新制度の拡充を理由に学費減免を縮小・廃止したとして、国の制度拡充を理由とした縮小廃止は制度の趣旨に反するとただしました。合田局長は「制度の趣旨に反するものでない」と開き直りました。
吉良氏は、京大など国際卓越研究大学(卓越大)の認定大学や認定候補の大学で学費値上げや減免制度廃止が行われていると指摘。卓越大は経済的に困難を抱える学生を排除する大学なのかと追及。松本洋平文科相は「それではいけない」「授業料の設定とは全く関わりなく選定が進められる」と答えざるを得ませんでした。
吉良氏は、事実として卓越大で学費値上げなどが行われ、背景に自己収入確保や「稼げる大学に」という政府の圧力があると厳しく指摘。大学に圧力をかけるのをやめるよう求めました。
議事録(未定稿)
※こちらの議事録は速報・未定稿版となります
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。今日は、初めに、学習指導要領の性に関わる指導、歯止め規定について伺っていきたいと思います。
昨年十二月四日の当委員会においても、この性教育について私取り上げて、文科省に届けられた四万二千人筆を超える、「はどめ規定」をなくしていまこそ当たり前の性教育をこの国にという署名について、現在学習指導要領の議論をしている中教審の関係委員にも届けるように求めたところ、大臣からは、中教審議会に所属をする関係の委員などへ事務局から情報提供をさせていただきつつ、専門的かつ総合的な議論を深めていただきたいと考えていると御答弁していただいたところです。
そこで、確認をしたいと思います。その署名については、その後、中教審の関係委員などに情報提供いただいたということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。
御指摘の要望書につきましては、ほかの要望書と同様に、中央教育審議会の関係ワーキンググループの委員全員へ今年二月に事務局より情報提供いたしております。
○吉良よし子君 二月に全員に届けていただいたということです。
では、その届けていただいた先の中教審のワーキンググループにおいて、この歯止め規定そのものについての議論が深められているのかという疑問があるわけです。三月五日付けの毎日新聞では、この規定を維持するか否かは議論のテーブルにすら上がっていない、今後も議題に上がらないだろうと関係委員からの回答があったとの報道があったわけです。
その報道から既に一か月以上たっているわけですけど、進捗状況どうなっているのでしょうか。この中教審の教育課程部会体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループにおいて、三月二十七日が最新、第八回だと思っているんですけれども、それまでの間にこの歯止め規定、テーマに議論した事実はありますか。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。
中央教育審議会のワーキンググループにおきましては、いわゆる歯止め規定といった個別具体的な文面についての議論はされておりませんが、性暴力、性犯罪に関する課題を踏まえた議論もいただいており、いわゆる歯止め規定に限った御意見ではありませんが、子供たち一人一人の発達の状況を踏まえた指導が必要であること等を保健の学習全般に関する意見としていただいているところでございます。
引き続き、社会の変化や子供たち一人一人の学びの充実等の観点を踏まえつつ、更なる専門的な御議論をいただきたいと考えております。
○吉良よし子君 歯止め規定そのものをテーマにした事実はないという、そういう御答弁だったと思うんですね。
性暴力若しくは命の安全教育等についての議論はあるということですけれども、署名等で求められているのはこの歯止め規定そのものを撤廃するべきじゃないかという、そういう意見なのであって、やっぱり歯止め規定そのものが議論されるべきだと私は思うんですけれども。
もう一度確認をしたいと思うんですけど、ワーキンググループってあと何回残っているのか、その議論が終わるまでに歯止め規定そのものがテーマとして上がる予定があるのかどうか、もう一度、次長、いかがでしょう。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。
中央教育審議会における議論、まさに今、諮問に基づく専門家による御議論をいただいている最中でありまして、いついつまでにとか、あと何回までということでこの場で今後の進め方についてお答えすることは困難でありますが、通例でいけば、学習指導要領の改訂の通例でいけば、年度内には答申をまとめていくという形になると思います。
引き続き、専門的かつ総合的な御議論をいただきたいと考えております。
○吉良よし子君 年度内にこの学習指導要領についての答申をまとめていくということは、このワーキンググループそのものの議論というのは通例でいくと大体夏ぐらいまでには終わらなきゃいけないと、そういうスケジュール感だと思うんですね。
それまでに月一回の例えばペースで議論していくとすれば、あとワーキンググループってあと数回行われるかどうかと、そういう状況だと思うんで、そこで本当にこの歯止め規定についてちゃんと真正面から議論するのかどうかというのは、もう最大の、性教育を進めてほしいという皆さんからの関心事だと思うんですよ。
というのは、昨年の当委員会でもこの歯止め規定については、性について教えてはならないという趣旨ではないとスポーツ庁次長は答弁されているわけですけれども、実際の学校現場では、しかしそれが性交は取り扱ってはならないとする解釈が一般化されていて、現場を萎縮させて、子供たちにそういう正確な知識を伝えられないと、そういう課題、問題意識が指摘されているわけで、だからこそ先ほど冒頭申し上げたような署名が集まっているわけです。
さらに、お配りした資料一枚目、御覧いただきたいと思うんですけど、先日、四月十三日の時点で、日弁連からも、現在の歯止め規定は余りに硬直的で消極的であり不適切であるとして、学習指導要領の改訂に当たり、歯止め規定の撤廃及び国際セクシュアリティ教育ガイダンスに準拠した包括的性教育の導入を求めるという会長声明まで出されていると。
世論としては、包括的性教育を求め、歯止め規定の撤廃を求めるその声が高まっている、そういう状況で、その声に中教審がどう応えるかというのが今問われていると思うんですけど、大臣、歯止め規定について中教審の場でしっかりちゃんと議題にして議論していくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 学習指導要領の改訂についてでありますが、令和六年十二月の諮問に基づきまして、中教審において総合的かつ専門的な御議論をいただいております。
現在、まさに議論を進めていただいている最中であります。その進め方等について、私の立場から具体的な言及をすることは控えたいと存じます。
引き続き、中教審における総合的かつ専門的な議論の状況を踏まえながら、子供たちが性に関して正しく理解し、適切な行動が取れるよう対応してまいります。
○吉良よし子君 子供たちが性に対して正しく理解し行動できるようにということのためには、性教育をちゃんとやっていく、禁止規定と取られるような歯止め規定はやっぱりなくしていかなきゃいけないと思うんです。
以前にも御紹介しましたけど、二〇〇八年、学習指導要領の見直しのときの答申では、歯止め規定について、趣旨が分かりにくいため記述の仕方を改める必要があると、そういう答申が出された、そういう事実もあるわけで、今回、これだけ署名が集まって声が届けられている中で、やはり中教審、何らかの応答責任を果たすべきだと私は思っているわけです。
先ほど御紹介ありましたとおり、私も議事録読みましたけど、ワーキンググループの委員の中でも、やっぱり性教育の必要性、子供たちを性犯罪から守るなど、そうした関心を持っていらっしゃる委員はいらっしゃるわけですから、やっぱりそうした議論を進めるよう強くこの場でも求めておきたいと思います。
続いて、大学の学費と学生の支援について伺っていきたいと思います。
アメリカのイラン攻撃による原油・物価高で、大学生も含め、庶民の暮らしというのは一層苦境に追い込まれていると思うわけです。
そこで、今の学生の経済状況、生活状況について確認をしていきたいのですが、日本学生支援機構が行っている学生生活調査、二年置きに調べているわけですけれども、その令和六年度の学生生活調査の結果が出たと承知しているわけですが、この学生生活の生活費、そして学生の収入額に占める内訳の割合等について、それぞれ、前回、令和四年度調査との変化、また、アルバイトに従事する学生の割合を示していただけますか、局長。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。
令和六年度学生生活調査と前回、令和四年度の調査を比較いたしますと、まず、学生生活費の総額は百八十二万円から二百二万円と約二十万円増加しており、その内訳のうち、学費よりも生活費に係る支出の方がその金額及び割合共に増加しているという状況でございます。
また、令和六年度調査における学生の収入総額は二百三万円であり、その内訳としては、家庭からの支援が五〇・七%で約百三万円、アルバイト収入が二五%で約五十一万円となっております。一方、前回、令和四年度調査における収入総額は約百九十七万円でございまして、その内訳は、家庭からの支援が五五・八%で約百十万円、アルバイト収入が一九・一%で約三十八万円となってございまして、両者を比較し、収入総額にほぼ変化は見られませんが、家庭からの支援及び定職・その他の金額及び割合が減少し、奨学金及びアルバイト収入の金額及び割合が増加をいたしてございます。
さらに、令和六年度調査におけるアルバイトに従事する学生の割合は八六・四%でございまして、前回、令和四年度調査の八三・八%に比べて二・六%増加しているという状況でございます。
○吉良よし子君 要するに、学生生活に必要な生活費というのは、総額は増えているわけですけれども、それを支払うための収入の割合というのを見てみると、家庭からの仕送りというのは相当減ってしまっている現状があるわけだと。
その代わりにどうなっているのかというと、アルバイトに従事する学生の割合が八六・四%にまで過去最高レベルに増えていて、ちなみに収入の割合で見ると奨学金は増えているんですけど、奨学金の受給者、奨学金を利用している学生の割合で見ると、今回の調査では五一・一%で、令和四年度と比較すると三・九ポイントも利用者が減っている実態があって、つまり、生活費、掛かる生活費は増えているんだけれども、それに対応するためにやっていることというのは、実家にも頼れない、奨学金も借り控えて、アルバイトに頼っているという実態があると思うんです。
それは、この間、東京私大教連が毎年行っている私大新入生の家計負担調査若しくは大学生協連の毎年行っている学生生活実態調査でも同様の傾向がありまして、私大教連の調査でいけば、もう一日当たりの学生の生活費は僅か六百六十円にまで下がってしまっている実態がありますし、また、生協連の調査によると、アルバイトをしている学生、その時間が長ければ長いほど、予習、復習、読書しない学生というのが増えていて、学びの機会が奪われているという指摘があると。こうやって、生活費は掛かるのにアルバイトに頼らざるを得ない事態というのは、やはり学ぶ機会を喪失するゆゆしき事態だと思うんですね。
じゃ、それ何で起きているかというと、やっぱりその背景には、各大学が授業料を値上げしていると、そして、先ほど午前中にも議論ありましたけど、奨学金借りようと思っても、例えば利率が急上昇している、そういう話の中で返済不安というのがもう増大をしていると、そういうことの表れで、それは、それはつまりは、大学への予算を出し渋って学生生活を支えてこようとしてこなかったこれまでの政治の責任ではないかと思うのですが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 学生がアルバイトに費やす時間、またその背景、学生によって様々な要因がありますので、その要因を一つの理由に求めることは困難だと考えております。
ただ一方で、文部科学省としては、経済的な理由で学生が学びを諦めないようにすることが重要であると考えておりまして、そういう意味では、授業料及び入学金の減免や給付型奨学金や貸与型奨学金などの経済的支援について充実を図ってきたところであります。
そのほか文部科学省におきましては、奨学金の返還負担の軽減に向けました減額返還や返還猶予などの返還支援制度の拡充を図るとともに、企業などによる代理返還の更なる利用拡大に取り組んでいるところであります。
アルバイトを希望する学生につきましても、学業との両立を適切に図ることが重要であります。引き続き、学生の経済的負担の軽減に努めてまいります。
○吉良よし子君 様々支援策増やして、拡充をしてきたということです。
また、今回の予算では運営費交付金や私学助成も増やしたということだと思うんですけれども、ただ、それがやっぱり不十分じゃないのかと、その支援策にしても、運営費交付金や私学助成にしても不十分じゃないのかということを指摘をさせていただきたいと思うんです。
というのは、現実には、国立大学での学費、授業料の値上げは、運営費交付金を増やした下でも止まっていないと、そういう動きが止まっていないという実態があるわけです。東京大学、埼玉大学、名古屋工業大学、山口大学などに続いて、今度は熊本大学でも、二〇二七年度から全学生を対象にして授業料を約一割値上げすると、そういうことが、動きが進んでいて、学生たちはその学費の値上げ撤回を求める署名を集めているところなんですけど、この熊本大学の場合は、東大などは新入生から学費の値上げということだったんですけど、熊本大学の場合は、在学生も含めて全ての学生対象に一気に値上げということが行われようとしている、これはやはり看過し難いものなんですけれども。
学生たちも、今回の方針というのは、入学時の契約的信頼を毀損し得るものですと、現行の授業料を前提に生活設計を立ててきた在学生及び学資負担者に対し事後的に全学年一斉の授業料値上げを行うことは、大学に対する契約的信頼を根本から損ないかねませんというふうに批判をしているわけなんです。
こういう熊本大学のように在学生も対象にした授業料の値上げというのは、やはり勝手にやっちゃいけないと思うわけですね。在学生の生活実態や声を聞くなど、民主的な意思決定プロセスちゃんと取っていかなきゃいけないと思いますけれども、局長、いかがですか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。
国立大学が標準額を超える授業料を設定する場合には、学生に対する教育が充実することになること、また、経済的支援が必要な学生が学ぶ機会を逸することがないようにすることが重要でございます。各大学においては、授業料の改定を行う場合、学生と対話する機会を設けることを含め、関係者との丁寧なコミュニケーションを図りつつ適切に対応いただきたいと考えてございます。
なお、熊本大学につきましては、令和八年三月十日に、令和九年度からの在学生も対象にした授業料の改定を検討を行う、改定の検討とともに、今後の教育環境改善の方針を公表したことは承知をいたしております。
今後、大学においては、三月十一日に記者懇談会において説明するとともに、今後、学生や学資負担者との意見交換会を開催し、関係者の意見を踏まえた上で最終的に決定する予定と伺ってございまして、引き続き、関係者の理解を深めつつ御対応いただきたいと考えてございます。
○吉良よし子君 関係者の理解を求める、ちゃんと対話をするということは大事だということでしたけれども。
熊本大学、先ほど御紹介いただいたような意見交換会行われているんですけれども、学生らによりますと、これまでの意見交換会等は、その案内内容が分かりづらい上に、大学側からの一方的な説明、サービス低下か前に進み続ける大学かといった曖昧かつ短絡的な二者択一の提示にほぼ終始していて、学生との真摯な対話を欠いていると、そういう批判があって、今後行われる予定の意見交換会もそうした民主的な合意形成の場とならない可能性が危惧されるんだと、そういう声まで上がっているわけで、これは是正を図っていただきたいということを強く申し上げておきたいと思うんです。
さらに、学生たちは、国の二〇二六年度予算案で運営費交付金百八十八億円増額決定されたにもかかわらず、なぜ授業料も上げる必要があるのかについても十分な説明がなされていないと言っているわけで、やっぱりこれは本当にゆゆしき事態だと思いますし、また、裏を返せば、こうして運営費交付金が引き上げられても、それでも大学の資金不足の解消には至っていなくて、学生に負担を求めざるを得ないような状態が、実態がある。運営費交付金の増額まだまだ不十分だということは指摘せざるを得ないと思うわけです。
そして、もう一つ事例御紹介したいんですけれども、授業料そのものを上げる大学があるだけではなくて、この間でいうと、大学独自で行ってきた授業料減免制度を縮小、廃止をする大学まで出てきているということは私、見過ごせないんです。
京都大学では、国の修学支援新制度より幅広い学生の支援をやっていて、独自の授業料減免制度があったんですけれども、この四月の新入生からこの制度適用されなくなると、そういうことがもう決められ、進められているわけです。この京都大学の独自の授業料減免というのは国の修学支援新制度開始前から行っていて、国の制度が始まった後も、国の基準より高い年収の世帯も免除の対象にする、さらには、国の制度で三分の一、三分の二免除となった学生に対しても、半額や、半額免除、全額免除となるように差額の補填をすると、手厚い支援して、もうこれがあるから京都大学に通えると喜ばれていた制度だったんですけれども、これを昨年十一月、突然大学側が公表して、来年度、今年ですね、この四月の入学者から制度適用しないということを公表したんです。
その理由として挙げられているのは、国の制度で、多子世帯に対する入学料、授業料を無償とする支援が拡充されている状況があるからだという説明があるんですけれども、国が制度を拡充することを理由にして大学独自の授業料減免制度を縮小、廃止して、これまで救われていた学生が救われなくなるというのは、やっぱり国の学生の負担軽減を進めようという制度の趣旨に反するんじゃないかと思いますけれども、局長、いかがですか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。
国の修学支援新制度が二〇二〇年度からスタートするに当たりまして、制度創設以前は、国立大学運営費交付金の一部として各大学の学部段階における授業料減免を行ってまいりましたが、この修学支援新制度の開始によりまして、住民税非課税世帯等の学生に対して、国公私立共通の枠組みにまとめ、大幅に規模と額を拡充してございまして、学生にとって経済的負担の軽減につながっているものと考えてございます。その上で、各大学においてはそれぞれの大学の戦略と財源に基づいて、国の修学支援制度の対象を拡大したり、あるいは上乗せしたりするなど、独自の取組を行うという構造になってございます。
御指摘の京都大学については私どもも承知をいたしておりますが、大学独自の経済的支援につきましては、成績優秀者や災害の被災者、あるいは地方出身者、地方出身の学生や女子学生を対象とするなど、趣旨や対象等が様々であることから、国の制度よりも支援対象を拡大したり上乗せの支援を行ったりすることについては、各大学において適切に御判断いただくものであり、独自制度の縮小、廃止が修学支援新制度の趣旨に反するというふうには考えてございません。
○吉良よし子君 いや、残念な答弁なんですよね。
先ほど、だって大臣は、学生の支援やっていますかということについて、こうやって支援を拡充して負担軽減図っていますとおっしゃっていたわけですけど、その国の制度が出てきたことを理由にして、独自の制度を縮小、廃止をして、これまでだったら半額若しくは全額免除で通えていた学生がこの京都大学に通うということを諦めなくてはならない事態を生み出すかもしれないというのは、いや、大問題だと私は思うんですよ。
だから、京都大学ではこの決定に反対する署名というのは一万筆を超えて集まっていて、アンケートも集まっていて、その中で、私はと、医師を目指して環境の整っている京大で学び直そうとしていたと、しかし、まさかのこの独自の支援制度廃止になってしまって、しかも出願二か月前で今更志望を変えることもできない、もう少し早く言ってくれればその前提で対策を打てたんだが、それさえもできないと、内容といい時期といい、本当にひどい決定だと思うと、そういう声まで届いていて、もう本当に許されない改悪だと思うんです。
しかも、京都大学というのはどういう大学かというところも注目したいと思うんですが、それは、今、国際卓越研究大学に申請し、認定を目指している大学だということなんです。そういう取組を進めている中で、実際には学費減免縮小して、ステルス学費の値上げとも言われるようなことをやっているわけなんですけれども、この国際卓越研究大学一号となった東北大学は、留学生をターゲットに大幅に学費を値上げしました。そして、第二号となる東京科学大学もいち早く授業料の引上げを行っているんです。現在、審査継続中の東京大学も昨年度から学費を値上げしたと。今回、認定目指している京都大学も授業料の減免を廃止する。
政府が鳴り物入りで進めている国際卓越研究大学というのは、そうやって授業料を値上げしたり独自の減免制度をなくしたり、経済的に困難を抱える学生を排除する大学と、そういうことになるんじゃないですか。大臣、いかがですか。それでいいんでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) それではいけないと思います。
国際卓越研究大学の選定に当たりましては、国際卓越研究大学法に基づきまして策定いたしました基本方針におきまして観点が示され、有識者会議において審査をすることとしておりますけれども、授業料の設定は全く関わりがありません。その授業料の設定とは全く関わりなく選定が進められることとされているところであります。
一方で、大学の授業料は、学生の教育環境の充実などのために各大学の設置者において適切に設定いただくものであります。
文部科学省といたしまして、引き続き、高等教育費の負担軽減、これに取り組んでまいります。
○吉良よし子君 授業料の設定、全く関わりないと大臣おっしゃいましたけど、実際としては、事実としては、国際卓越研究大学で学費の値上げや支援の打切りというのが進んでいて、その背景に何があるのかというと、国際卓越研究大学に対しては、自己収入を確保しろと、稼げる大学になれということを政府として圧力を掛けているわけで、それが学費の値上げを進めている、そして経済的に困難を抱える学生を最終的に排除することになってしまっているんじゃないかと思うわけで、やっぱりそうした圧力を掛けるようなやり方というのはやめるべきじゃないですか、大臣。もう一度。
○国務大臣(松本洋平君) 国際卓越研究大学は、世界と伍する研究大学となることを目指しまして、研究活動の発展を支える多様な財源による強固な財政基盤を構築する観点から、年間三%以上の事業成長を求めることとしておりますが、単に事業規模を拡大させるために授業料等の値上げによって学生の経済的な負担を増加させることは想定をしておりません。
我々といたしましては、例えば外部資金の獲得など、こうした取組というものを深め、進めていただくことによって、これらの目標を達成をしていただきたい、そうしたことを我々としては念頭に置いております。
○吉良よし子君 想定していない事態が実際には起きているわけで、授業料の引上げということがね。しかも、それは国際卓越研究大学だけの問題ではなくて、今、中教審では授業料の抜本的な見直しの議論が進められていて、そういう中で、国立大学授業料五十三万円は既に極端に低いとか、最低で百五十万円程度が妥当だとか、もう引上げとか自由化を求める議論というのが進められている、これ見過ごすわけにはいかないわけで、大臣、最後に、改めて、この授業料引上げ、国立大学の授業料標準額の見直し、授業料の自由化なんかはやるべきじゃないし、そうじゃなくて、全ての大学で学費無償化、値下げに進めるように、もっと大学への予算を増やすべきと思いますが、最後、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 国立大学の授業料についてでありますが、国立大学法人の自主性、自律性を一層確保するために、社会経済情勢等の変化や提供する教育サービスなどに応じまして各法人の経営判断によって設定できるよう、国が標準額を示しつつ、その一二〇%を上限として各法人が個別に設定する制度となっておりまして、直ちに見直しを行うことは考えておりません。
なお、国が示す標準額の設定に当たりましては、国立大学法人の、国立大学の役割を踏まえつつ、私立大学の授業料水準等や社会経済の情勢、家計負担の状況などを総合的に勘案をする必要がある、そのように考えております。
○吉良よし子君 直ちに考える、考えてはいないと、直ちに見直すつもりはないというお話でしたけれども、実際には、政策上の問題、若しくは予算が足りない問題の中で、学費の値上げとか、学生への支援が削られている問題が進んでいるわけで、政治によって学生の負担を増やすようなことは絶対にあってはならないんだと、負担軽減こそ、学費の値下げこそちゃんと進めていただきたいということを強く申し上げて、質問を終わります。
