重い奨学金返済 利率急上昇 325倍もー政府の責任で救済を
要約
日本共産党の吉良よし子議員は6日の参院予算委員会で、高市政権の「積極財政」が長期金利の上昇をもたらし、有利子奨学金の金利の上昇を引き起こしている事態を示し、政府の責任で奨学生を救済するよう求めました。
約2割近くの学生が利用する有利子奨学金の利率が急上昇しています。吉良氏は、2021年卒業の人の場合、利率が5年ごとに見直される「利率見直し方式」の利率が、21年3月の0・004%から26年3月には1・3%に上昇したと指摘。卒業当初の利率から「325倍も増えている異常事態だ」と訴えました。
有利子奨学金は学生支援機構が民間金融機関からの借り入れで行うもので、民間の長期金利の上昇により奨学金の利子も引き上がると説明。高市政権の発足以降、長期金利が急上昇している事実を示し、高市政権が「積極財政」の名の下に国債を大量発行し、国の財政の信頼を低下させた政府の失政によるものだと追及しました。
高市早苗首相が「(26年度予算案の)一般会計の新規国債発行額を30兆円未満に抑えた」と答弁したのに対し、吉良氏は、高市政権が発行した国債発行の総額は25年度補正予算、26年度当初予算案、子育て債などで58兆円にも上り、ここ数年で最高額だと指摘。「長期金利の上昇が有利子奨学金の利子の急激な上昇にも直結した責任は重大だ」と強調しました。
吉良氏は、今年利率が見直しとなる返済中の男性の切実な訴えを紹介。「奨学金を返しながら子育てし、子どもがまた借金を背負うことが耐えられない」から子どもを持つのを諦めようと話し合っているという声を示し、「政府の責任で、利率上昇への救済をすべきだ」と求めました。
松本洋平文部科学相は救済策について、「返還負担の軽減に向けて不断の見直しを進める」と述べるにとどまりました。
吉良氏は、そもそも返済能力のない学生を対象にした貸与奨学金に利子をかけること自体が間違いだと指摘。「時の政府の経済失策により、若い世代が負担を押しつけられることのないよう有利子奨学金は廃止すべきだ」と求めました。
議事録(未定稿)
※こちらの議事録は速報・未定稿版となります
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。今日は、有利子奨学金の利率、金利上昇について取り上げていきたいと思います。
この春大学を卒業して社会人となった皆さんが半年後に直面するのが奨学金の返済です。奨学金には給付と貸与とがありますが、奨学金利用者の圧倒的な多数は貸与奨学金を利用していると、しかも、所得要件によって、無利子ではなくて有利子の奨学金を利用する場合が多いわけです。
その有利子奨学金の利率が今急激に上がっているということで、パネルを御覧ください。(資料提示)
これ、二〇二六年、今年三月時点の金利なんですけれども、有利子奨学金の利率の場合、二〇二六年三月の時点で、固定方式で二・四二三、見直し方式、いわゆる変動に当たるものが一・六に上っているわけです。ちなみに、同じ時点での住宅ローンの場合は、固定で、フラット35で二・二五、変動で〇・六と比べても有利子奨学金の利率の方が高いというような事態になっていると、これ問題だと思うわけですけれども。ちなみに、奨学金の場合、この変動に当たる利率見直し方式というのを選んだ場合、五年ごとに利率を見直しをすることになるわけですね。
そこで、高等教育局長に伺いたいと思いますが、今年初めて利率の見直しとなる、五年前、二〇二一年に卒業した人の返済利率というのはどうなっているのか、卒業当初の二一年三月の利率と今回の見直し後の利率、確定した利率、それぞれ答えていただければと思います。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。
日本学生支援機構の有利子奨学金の利率につきましては、学生は利率固定方式と利率見直し方式のいずれかを選択することができ、利率見直し方式につきましては、今お話がございましたように、五年ごとに利率が見直される仕組みになってございます。
こうした仕組みの下、お尋ねのあった二〇二一年三月に貸与を終了し、利率見直し方式を選択された方につきましては、当初適用された利率が〇・〇〇四%であり、五年後に当たる本年四月からは一・三%に見直しがなされているところでございます。
○吉良よし子君 ということで、パネルに表してみたんですけれども、二〇二一年、卒業時点では〇・〇〇四、ほぼゼロに近かったものが、今年三月で一・三で、三百二十五倍に利率が増えてしまっていると、急上昇していると、異常事態だと言わざるを得ないと思うわけです。なぜこんな事態になったのかと。
そもそも有利子奨学金というのは、学生支援機構が民間金融機関からの借入れ、財政投融資で行っているものであり、つまり、民間の長期金利が引き上がれば奨学金の利子も引き上がると、そういう関係性にあるわけですね。
じゃ、なぜ民間の長期金利、この間引き上がっているわけですけど、なぜ引き上がったのかといえば、長年のアベノミクスの金融緩和に加えて、高市政権が積極財政の名の下に国債を大量に発行して、国の財政への信頼を低下させた政府の失政によるものだと思うわけですけど、総理、この急激な有利子奨学金の利率の上昇というのは、高市政権の積極財政により引き起こされた失政ではありませんか。総理、お願いします。
○国務大臣(片山さつき君) 先ほど、国債をもっと出さなければいけないという御意見もいただいたばかりではございますが、まず、日本学生支援機構につきまして、有利子奨学金の貸与利率、これは国債の利回りに即して決定されているのはそうでございまして、日本学生支援機構の有利子奨学金の貸与利率は財政融資資金の利率になっておりまして、この財政融資資金の利率は、この貸付期間に応じて、国債の流通利回りを基準として毎月設定をしているというルールでございます。
確かに足下、金利、非常に乱高下しておりますが、確かに趨勢としては上がってきている部分もございますが、これは非常に多様な要因がございまして、この最近ということは、この委員会でも議論がありますように、イランをめぐる中東情勢にも非常に影響を受けております。
ですから、政府の財政政策のみをお取り出しになって、これが金利に与える影響であったというふうにおっしゃる向きもございますが、このように一概に申し上げることは非常に困難でございまして、私どもとしては、責任ある積極財政という考え方は、マーケットからの信認、財政の持続可能性を非常に重視し、これを実現していくということでございますから、日々の市場動向、経済指標にも常に十分に目配りをして運営をしておるところでございます。
○吉良よし子君 パネル、御覧ください。
様々な要因とおっしゃいましたけど、高市政権が発足した以降、この長期金利というのは急上昇しているという事実があるわけです。マーケットの信頼性と言いましたけれども、高市政権が積極財政の名の下に国債を大量に発行している、これがその信認を低下させた、それがこの長期金利の上昇というこの数字に表れているんじゃないかということを聞いているわけです。高市総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 例えば令和七年度の補正予算におきましては、生活の安全保障、物価高への対応ですとか危機管理投資など、必要な施策を盛り込みつつも、当初予算と補正予算を合わせた補正後の国債発行額は、前年度の補正後の発行額を下回っております。財政の持続可能性にも十分配慮した姿を実現できたと考えています。
令和八年度予算につきましても、経済・物価動向などを適切に反映したほか、危機管理投資、成長投資といった投資すべき分野に予算を増額するといったことで強い経済の実現に取り組む一方で、予算全体の中でめり張り付けを行いまして、国の一般会計において、新規国債発行額を二年連続で三十兆円未満に抑えました。国債依存度も低下させたほか、二十八年ぶりにプライマリーバランスの黒字化を達成したということで、財政の持続可能性にも十分配慮して、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる予算とすることができたと考えております。
マーケットとの対話をしっかりと行ってまいりたいと存じます。
○吉良よし子君 その責任をお認めにならないわけですけれども、先ほど来、国債発行額を抑えてきたとおっしゃいます。確かに当初予算での国債発行額というのは二十九・六兆円ですが、補正では十一・七兆円に上るわけです。そのほか、子育て債、財投債なども合わせると、高市政権の下で発行された国債発行額というのは五十八兆円にも上るわけですよ。ここ数年での最高額であり、これが国の財政への信頼を低下させ、この長期金利の上昇、そして有利子奨学金の急激な利子の急上昇にも直結したと言わざるを得ない状況だと思うので、その責任は重大だと指摘せざるを得ないと思うわけです。
これによってその影響を被るのは誰かといえば、これから奨学金を返済する若い皆さんなわけです。今年、利率見直しの対象となる四十代の方の話聞きましたけれども、この方は、高専在学中から愛知県内の大学に編入して、大学院の修士課程を修了するまでの六年間、月八万円から十五万円の奨学金を借り、総額八百二十二万円の借金を五十七歳になる二〇四二年まで返すと。これが、さっきの利率見直しで、最初は〇・〇〇四%だったのが三百二十五倍に増えたと。
こういう皆さんが、もう奨学金返しながら子育てし、子供がまた借金を背負うことが耐えられないから、子供持つのを諦めようと言っているとおっしゃっているわけです、この奨学金返済の利率の上昇のせいで。やっぱりこういう皆さん、すぐにでも救済すべきだと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、有利子奨学金の利子負担の軽減につきましては、在学中は無利子とするとともに、金利が上昇する場合であっても、返還利率は三%を上限としています。在学中や上限を超える利子分は国が負担をして、利用者の利払いが重過ぎないように配慮をしております。
このほか、奨学金の返済につきましては、貸与型奨学金の減額返済制度の拡充や、企業による代理返還の促進、給付型奨学金などによる支援の拡充など、負担軽減に取り組んでおります。
○吉良よし子君 三%上限と言いますけど、一・三とか一・六だって十分に高いですよね。住宅ローンだって、借り控えしようかなと思うような利率だと思うわけですよ。それを……
○委員長(藤川政人君) 吉良さん、時間が参っております。
○吉良よし子君 政府の政策のせいで起きている金利上昇なわけですから、救済するのは政府の責任であるということを申し上げて、この続きは午後の質疑に譲りたいと思います。
以上です。
