吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2026年・第221通常国会

国立劇場は早期開場を!国立美術館・博物館への予算拡充を

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は2日の参院文教科学委員会で、建て替えで閉館中の国立劇場の再整備事業に言及し、早期再開場に向けて国が責任を果たすよう求めました。また、国立美術館・博物館に自己収入増加を押しつける新たな中期目標を批判し、文化予算の増額を求めました。

 国立劇場は再整備事業の入札不成立が続き、再開場予定が2033年以降へと後ろ倒しになっています。

 吉良氏は、劇団などから寄せられた「割高な別の会場を借りるなど出費がかさんでいる。小道具や結髪師など公演に欠かせない関係者も含めて存続の危機だ」との声を示し、再開場までの支援策を要求。松本洋平文部科学相は相談窓口を設けるなど支援を行っていると答弁しました。

 文科省は新中期目標で、国立博物館・美術館に展示事業の自己収入割合の65%目標を押し付け、4年後に同割合が4割を下回るなど「社会的に求められる役割を十分に果たせていないと考えられる館」は再編の対象にするとしています。

 吉良氏は「SNS上などで、“文化意識の低い国は先進国ではない”と怒りの声が広がっている」と述べ、再編ありきの新中期目標を批判しました。

 さらに、新中期目標が国立博物館や美術館に要求している入場料引き上げや二重価格導入は「文化への敷居を上げることになる」と警告。国立博物館や美術館への国費投入を渋る政府を批判し、文化予算を十分確保するよう求めました。

しんぶん赤旗4月10日付けより伐採

議事録(未定稿)

※こちらの議事録は速報・未定稿版となります

○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 本日は、まず国立劇場について伺っていきたいと思います。
 国立劇場は、建物、設備の老朽化と時代に合った施設への整備を理由に改修することが決められて、二〇二三年に閉場をしている状況です。
 先日の大臣所信では、二〇三三年度の再開を目指し、国の責任で早急に進めますと述べられたところであります。
 一刻も早い再開場、そして各劇団などによる国立劇場での公演の再開を願う声というのは日に日に高まっていると承知をしているわけです。
 何より、関係者の皆さんの願いは、閉場する前と同じような公演をちゃんと続けていけるという、それを保障されるということだと思うんですが、そこでまず一つ確認をしたいのが、今回の国立劇場の再整備というのはPFI事業で民間が行うことになっているわけですが、この劇場が再開した後の運営、公演をしていくことの運営についてもPFIで民間に委ねるということになるのか、今までどおり芸文振が担うのか、お答えください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。
 国立劇場の再整備事業は、本年三月三十一日に三回目の入札公告を行いました。本事業で民間事業者が実施する業務は建物の設計、建設、工事及び維持管理となります。
 このため、国立劇場の再開後、建物の保守、清掃、警備等の維持管理は民間事業者が行うことになりますが、主催公演の企画、実施、舞台芸術団体への会場の貸出し、伝統芸能の伝承者の養成など運営の主体は、これまでと同様、独立行政法人日本芸術文化振興会が担うことになります。
○吉良よし子君 要するに、公演に関わる運営の主体というのはこれまでと同じように芸文振が担うということで、であれば、過度に使用料を引き上げて使用者が使いにくくなるようなことがないようにということを強く求めておきたいと思うわけです。
 問題は、この再開場までの期間がやっぱり長過ぎるということなんですね。当初、閉場した当初は二〇二九年には再開場できるよという予定だったわけですが、ホテル併設を必須とする要件などが折り合わないことで、二〇二二年、二〇二三年と二回も入札の不成立が続いた。その結果、二〇三三年度の再開場と、後ろ倒しになっているのが現状だと思うんですけど、しかも文化庁の資料を拝見しますと、この施設整備期間について、想定する六年六月に加え、一年九か月の余裕期間を設けると書いてあるわけです。この余裕期間というのを含めると再開場というのは最長でいつになってしまうのか、お答えください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。
 国立劇場の再整備につきましては、二回の入札不調を受け、日本芸術文化振興会が次回の入札を確実にするため、建設業界の民間事業者と対話を重ね、その中で、働き方改革などにより人手不足が課題となっている事業者の参加を容易にするため、建設工事期間に余裕期間を設け、その期間の中で提供できるようにしたものでございます。
 余裕期間を含めた建物の完成時期は最長で令和十八年三月の提案が可能になりますが、入札公告におきましてはより短い期間の提案を評価することとしており、文化庁としては引き続き一日も早い再整備に向けて取り組んでまいります。
○吉良よし子君 最長で令和十八年三月、つまり二〇三六年になることもあり得るということで、ただでさえもう三三年開場でももう十年越しで待っていると。その間に劇団の周年行事をやる機会もあるのに、それが国立劇場でできないという残念な声も聞いている下で、やはり本当にできる限り早くというのは強く求めておきたいんですけれども。
 この国立劇場を使っていた劇団の皆さんから私直接話も聞いてまいりました。この国立劇場が閉まってから結局民間で会場を確保しなければならないと。それ、会場を探すのにも大変苦労していて、伝統芸能の場合は花道というのがあるわけですね。その花道があるような劇場がそもそもまれである上、それを設置するには一定客席を潰すことが必要になってくると。その分通常の使用よりもキャパが狭くなってしまっていて、減ってしまっていて、しかも使用料が割高で、国立劇場よりも、そういう中で、同じ日数の公演をやるにしても、国立劇場でやるのと比べると、もう採算取るのが本当に厳しい状態になってしまっているということなんです。
 一つの公演するためには、衣装や大道具、小道具など、現代劇とは比べ物にならないほどの出費がかさむわけですし、かつらや髪を結う結髪師、音楽を演奏する邦楽家など、公演するのに欠かせない関係者の皆さんへの支払もあるんだと。だから、劇団としては、もちろん自分たちの身を切ってでもそういった皆さんへの出費を惜しむことはできないと思っているけれども、公演自体で採算が取れにくくなっている中で、もう劇団の存続も、劇団を支えるそういう関係者の皆さんの存続も危ぶまれる、まさに伝統芸能存続の危機になっているんだよという声を聞いたわけです。
 大臣、やっぱり再開場、国立劇場再開場したときに、その国立劇場を使える劇団がなくなってしまうなんてことがあってはやっぱり本末転倒だと思うわけで、この再開場するまでの間、そういう劇団や公演関係者が存続し続けられるよう支援が必要だと。どういった支援が必要か、何に困っているのか、当事者の声ちゃんと直接聞いて必要な支援策講じるべきと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 国立劇場が伝統芸能の継承、発展を担ってきた役割を引き続き果たしていくため、閉場中においても伝統芸能に関わる方々の活動が継続できるように十分配慮していくことが重要である、そのように考えております。私も、こうした団体の皆様方お越しをいただいて、直接そうした御要望というものもいただいたところでもあります。
 日本芸術文化振興会が主催をいたします公演につきましては、公演施設を有する自治体との協定締結などによって代替場所を確保をし、出演者やスタッフの方々が活躍できる場を確保するように努めております。
 また、貸し劇場などで国立劇場を利用していた実演団体や実演家の方々に対しましては、相談窓口を設けまして、公演などの活動を円滑に継続するための支援、これらを行っているところであります。
 文部科学省といたしまして、日本芸術文化振興会と緊密に連携をいたしまして引き続き必要な対策を進めてまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 既にお話も聞いていただいたり窓口もつくっていただいたりと動いていただいているのは大事なんですけれども、本当に多種多様な皆さんが関わっていますし、是非とも丁寧に、話を受けて必要な支援があればちゃんと講じていただくと。何よりも早期の再開場に向けて国が責任を果たすようにということを強く求めるものです。
 次に、国立美術館、博物館の中期目標についても伺っていきたいと思います。
 二月二十七日、令和八年度から令和十二年度までの四年間の国立美術館、博物館等の第六期中期目標というのが発表、示されたわけです。これによりますと、展示事業の自己収入割合の目標を六五%とし、次期中期目標では一〇〇%を目指すとされ、中期目標期間の四年目に自己収入割合が四割を下回るなど社会的に求められる役割を十分果たしていないと考えられる館を再編の対象にするとされていると。
 これに対して、国立美術館や博物館が閉鎖されるのではないかという危機感が一気に広がって、「#文化庁による博物館美術館潰しに反対します」という声がSNSで今一気に拡散されている状況があります。文化庁が文化を守ろうとしないなんてどういうことかさっぱり分からないとか、文化を軽んじる行為であり浅はか過ぎるとか、博物館や美術館、利益にならないけど、日本文化や歴史的価値のある財産や知識を継承しているところにこそ税金使うべきでしょうとか、文化意識の低い国は先進国ではないよなど批判の声が次々と上がっているわけですが、確認したいと思います。
 ここでいう再編というのは閉鎖や閉館も含まれるのか、そして、自己収入割合が四〇%を下回った場合、直ちに再編の対象になってしまうということなのか、お答えください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。
 中期目標の社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館の再編は、各館の役割分担を見直すことで法人全体の機能強化を求めるものであり、御指摘の閉鎖を想定しているものではありません。
 また、中期目標に記載されているように、再編は、社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館について、各館の役割分担等を見直すことで法人全体の機能強化を図る趣旨であり、各館の展示に係る自己収入割合が四割未満となることだけをもってすぐに再編の対象とするものではありません。
○吉良よし子君 要するに、四割以下に、収入が四割以下になったとしても、社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられると判断されなければ直ちに再編の対象にはならないということだったと思うんですけれども。
 そこで、確認したいと思うんです。この中期目標に言われている社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館というのは、今現時点でどこかあるということですか。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。
 現時点で国立博物館、美術館の各館で社会的に求められている役割を十分果たせていない館はないと考えております。
 中期目標に示した文化財や美術作品の収集、保管、調査研究、教育普及、展示に取り組んでいただけるよう、文化庁といたしましても、引き続きしっかりと各法人と緊密に連携してその機能の充実強化に取り組んでまいります。
○吉良よし子君 社会的に求められている役割、十分に果たせていないと考えられる館は今現時点でないんですよ、ないんですよね。ないのにもかかわらず、何で四年後にはそういう館が出てくるんだということありきで、再編ありきで目標を掲げるのか、やっぱりおかしいんじゃないかと思うんですね。
 例えば九州国立博物館のように、立地などでいえば東京や京都と比べれば不利だと思われるところでも、歴史的な文化財などの修復作業を一般に公開するなどの工夫をして、その役割をしっかり果たしているわけです。ほかの施設にもそれぞれ特色や強みがあるわけで、四年後にその役割を果たせなくなるということをやっぱり前提にしてこうした目標を掲げる、再編の方針示すというのはもう間違っていると私言わざるを得ないと思うんです。
 しかも、文科省、文化庁は、この中期目標において、運営費交付金及び施設整備費補助金が収入の六割以上を占める状況を改善すると、国立博物館や美術館の運営に国の交付金や補助金が使われていることを問題視するかのようなことまで言っていると。私、おかしいと思うんですよね、大臣。法人化したとはいえ、国立を冠する博物館や美術館に国費を投入するということは当然だと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 国立美術館、博物館への国費の投入、これは重要であると考えております。
 作品等に関してでありますけれども、別にこれ展示をしているだけではなくて、これらの館というのは、収集、保管、先ほど修復のお話もされておりましたけれども、教育普及、調査研究など、様々な役割というものを実際にはこれら美術館、博物館というのが役割を果たしていただいております。これらに係る基盤的経費につきましては、引き続き運営費交付金などを充てることとしているところであります。
 令和八年度の政府予算案には、運営費交付金に初めて物価高対応などを含めたほか、インバウンド対応予算の創設など、国立美術館、博物館に対しまして昨年度に比べて三十七・五億円増の予算措置というものを盛り込んでいるところであります。
 今後とも、国立美術館、博物館が我が国の文化芸術の顔としてこれまで以上にナショナルセンターとしての存在感を国内外に示すことができるように、引き続きしっかりと予算の確保に努め、機能強化や整備に積極的に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 重要だからちゃんと予算も確保しているというお話だったと思うんですね。ただ、やっぱり本当、現状、この国立博物館や美術館も予算も人手も足りないという現状があるんだということは、やはり確認しておきたいと思うんです。
 この国立美術館については、外部評価委員会がその活動を評価する取組というのが行われていて、昨年六月に公表された令和六年度外部評価報告書というのを読みました。これによると、各館において、それぞれの特色を生かした収蔵作品展や新たな視点や調査研究に基づく企画展、地方の開催地と連携した巡回展など国立美術館にふさわしい質の高い意欲的な取組が行われているなど、その活動について高く評価するという評価がされているわけです。
 その一方で、人員や資金の不足、職員の業務量や、労力や負担の増加、作品購入予算は決して潤沢とは言えないなどの課題があるということを指摘した上で、必要な運営費交付金や専門人材の確保等が実現することを強く望むと結論付けられているわけで、この予算も人員も全く足りない事態に対して、やるべきなのは再編ではなくて、やっぱり国費をもっと増やすということのはずだと思うんですよ。
 先ほど大臣は、展示以外の部分ですよね、保存若しくは収集、保存、教育普及、調査研究などについてはちゃんと予算確保していくよというお話だったんですけど、問題は展示なんですよ。今回の中期目標でも、展示事業のみ自己収入割合を一〇〇%目指すと言っているわけです。つまり、それは、もう展示事業に関してはもう国費を出さない、出さなくていい、減らしていくという話になると、それでいいのかということを伺っているんですが、もう一度大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) やはり、これら美術館や博物館というものが果たしているその多面的な役割という話を先ほど私の方から答弁をさせていただいたところであります。
 これらの事業の中には、当然採算事業にはふさわしくないような、そうした役割というものがあるわけでもありまして、こうした部分に関しましては運営費交付金などのこうした国費というものも投入をしながらしっかりとその機能を守っていくということも大変大事なことだと思います。
 一方で、やはり、より多くの皆さんにこれらの作品に触れてもらう、また知ってもらう、見ていただく、やはりこうした様々な創意工夫を促していくような仕組みというものも同時にあっていかなければならないのではないかという議論の中で、こうした形での今回計画というものになったというふうに承知をしているところであります。
○吉良よし子君 要するに、展示についてはより多くの人に見ていただくために自己資金を確保しなきゃいけないと、自己収入一〇〇%にして国費は出さないんだという方針だということなんですけれども、その自己収入を確保するために中期目標で言われているのが、入場料の引上げとか二重価格の導入なんですね。それを実施するとまで明記しているわけですけど、そのより多くの人に見ていただこうというときに入場料を引き上げてしまったらそれに逆行してしまうのじゃないのかと、裾野を広げるどころか、文化への敷居、ハードルを上げてしまうことになるのではありませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 今回、入場料の引上げや二重価格の導入を中期目標に盛り込みました。これは、近年の物価高騰によりまして、展示費用が増加するなどの影響があること、また、鑑賞された方に十分に堪能いただける魅力的な展示や、海外から日本に訪れる方への多言語対応など、より良い鑑賞環境を提供する上で必要な対応を行うためということであります。
 このような対応と引き続き多くの方に来館していただくことが両立できるように、適切な金額設定につきましては、国立博物館、美術館と一緒になって検討をしていきたい、そのように考えております。
 他方で、子供の無料入館など、社会的、教育的に求められる措置につきましては、これまでと変わらず実施していく予定といたしております。より一層多くの方に文化財や美術作品に触れていただけるように取り組んでまいります。
○吉良よし子君 子供の入館料は無料だというお話ありましたけど、それを連れていく親の側の入館料が上がってしまえば、親が連れていくということもためらうという事態が起きかねない事態だと思うわけで、イギリスの国立美術館や博物館の常設展示については入館料が無料で、それが多くの外国人観光客にとって、イギリスを、英国を訪れる重要な動機付けになっているという研究もあるわけで、逆だと思うんですね。海外の人にも来てもらおうと、そして広く文化に触れてもらおうというのであれば、入館料は値上げじゃなくてやっぱり値下げ、無料化を目指すということがあるべき姿だと思うわけですよ。
 おととい三月三十一日に、これだけではなくて、文科省は、博物館運営の基準を改正して、博物館資料の管理について廃棄も含めて検討するということも書きました。これに対しても、歴史的なものを大事にしない国はいずれ滅びる、博物館は資料の収蔵が命、それを廃棄するとは存在意義が問われるし、歴史軽視も甚だしい、一度捨てた歴史は二度と戻らないなどの投稿が相次いだと。今回の再編ありきの目標もそうなんですけど、まるで稼げない文化には価値なしと言わんばかりのその政策についてはもう本当に怒りの声が上がっているわけで、やっぱりそういう声に耳を傾けて、文化芸術予算をちゃんと抜本的に拡充していく、これは国の責任だと思いますが、大臣、最後、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 国立美術館、博物館に対する令和八年度予算、先ほども御説明をしたとおり、これまでよりも充実した措置を盛り込ませていただいております。
 今後とも、国立美術館、博物館が我が国の文化芸術の顔として、これまで以上にナショナルセンターとしての存在感を国内外に示すことができるように引き続きしっかりと必要な予算の確保に努めるとともに、機能強化や整備に積極的に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 ある国立美術館の職員の方は、美術館、博物館は必ずしもお金にならない文化財の保存や修繕も必要で、利益優先のアミューズメントパークじゃないと、もしこの方針が続いた場合、今後日本の文化意識は著しく下がることは間違いないと懸念を語っておられるわけで、やっぱりこの文化予算をちゃんと確保して、国立を冠する美術館や博物館はちゃんと国費を投入して、展示の部分も含めてしっかり守っていく、次世代に継承していく、それこそが必要だということを申し上げて、質問を終わります。