2022年度決算などについて討論
要約
6月10日の決算委員会で2022年度決算などについて討論を行いました。
(12日には本会議での討論も行っています。下記URLよりご参照ください。動画あり)
議事録
吉良よし子
日本共産党の吉良よし子です。
私は、会派を代表して、二〇二二年度決算、国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、国有財産無償貸付状況総計算書の是認、内閣に対する警告決議案及び措置要求決議案に賛成の討論を行います。
二〇二二年度決算に反対する第一の理由は、ロシアのウクライナ侵略等の影響により物価高騰が襲い、国民の生活が困難を増す中、岸田政権は国民の家計を直接温める措置をことごとく拒否しているからです。
政府は、多くの国民が切実に求める消費税の減税、インボイス中止などには背を向けて、最低賃金全国一律千五百円への引上げもせず、そのための中小零細事業者の社会保険料減免も拒否しています。物価に応じた年金の引上げや、ケア労働者が生活できるだけの大幅賃上げ、待遇改善なども行わず、高過ぎる国民健康保険料の負担軽減も、高過ぎる学費の値下げや学校給食費無償化、子供医療費無償化などの子育て支援も全て拒否し続けています。
その一方、岸田政権肝煎りのDX、デジタルトランスフォーメーションや特定の半導体大企業に対する支援、東京外環道などの高速道路建設事業や整備新幹線、原発再稼働等には巨額資金を投入して推進するなど、露骨な大企業優遇を認めることはできません。これはまさに、国民の声よりも金の力、財界の声を優先する裏金政治そのものです。
また、安倍政権から始まった補正予算における巨額の予備費計上と執行は、今や国会での議論を回避する手段となっており、これは財政民主主義の原則の否定にほかなりません。二二年度に編成した補正予算は、基金創設、重要土地等調査法関係、マイナンバーカードの健康保険証との一体化など、およそ緊要性はない事業ばかりを計上しており、認めることはできません。
二〇二二年度決算に反対する第二の理由は、巨額な軍事費です。
防衛省所管一般会計は五兆五千六百二十六億円に上り、その中にはFMS調達執行額三千七百九十二億円、辺野古基地建設八百十五億円も含まれます。さらに、補正後、後年度負担は五兆八千六百四十二億円に上ります。
当初予算だけでなく、補正予算での軍事費計上により巨額の軍事費を賄うことが常態化していることも問題です。ペトリオットの維持、〇三式中距離地対空誘導弾、馬毛島と辺野古の基地建設へ歳出化経費計上等は、緊要性は全くなく、まして物価高騰対策でもない不要な事業であり、断じて容認できません。アジアに軍事的緊張をもたらす巨額な軍事費支出と公債残高一千二十七兆円は、将来、国民生活の根底を支える社会保障等の歳出が困難になる可能性を増大させるものです。
以上のことから、二〇二二年度決算書四件と国有財産増減及び現在額総計算書に反対します。
なお、国有財産無償貸付は、公共の福祉に寄与するため、賛成することを申し上げ、討論とします。