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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2018年・第196通常国会

暴走政治と対決、国民の暮らし守る/「加計」特別扱い明らか/愛媛県文書受け調査要求

要約

吉良よし子議員は22日の参院文教科学委員会で、愛媛県が21日に提出した加計学園に関する新文書には文部科学省がかかわる記述も複数あるとして徹底調査と委員会での集中審議を求めました。
 同文書には2015年4月2日の同県と柳瀬唯夫首相秘書官(当時)の面会に文科省から内閣府に出向していた角田喜彦参事官(当時)が同席していたことが記されています。林芳正文科相は、改めて聞き取りをした結果、角田氏から「当該文書を見て思い出したことはない。明確な記憶はない」との答えを得たと述べ、追加調査を拒否しました。
 吉良氏は「記憶がないから記録がないことにしてはいけない。それでは調査とは言えない」と批判。コンピューターに保存されている個人ファイルも含めて調査を求めました。
 新文書では、文科省が「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」の委員に加計学園の資料を示して「意見照会を実施している模様」とも記されています。吉良氏は「特別扱いではないか」と追及。林文科相は「率直な意見が聞けた」と意見照会した事実を認めました。
 吉良氏は「特別扱いと言わざるをえない状況だ」と批判し、新文書にある資料の提出を求めました。

しんぶん赤旗2018年05月28日付より抜粋

議事録

吉良よし子

日本共産党の吉良よし子です。
 では、私は、まず加計学園の問題について伺いたいと思います。
 先ほど来ありますとおり、昨日、参議院予算委員会に対して愛媛県から新たな文書が出されました。二〇一五年の二月二十五日に安倍首相と加計孝太郎学園理事長が面会して、その理事長から安倍首相に対して獣医学部新設についての説明したと。そして、その場で総理が、そういう新しい獣医大学の考えはいいねと言ったなどの記述もあって、まさにこの間の総理の国会での答弁が虚偽だったのではないかと。何より、獣医学部設置は、首相案件として加計ありきとして動いていたのではないかという疑惑はますます深まっている、新しい局面に入っていると思います。
 また、資料を読ませていただきますと、文科省に関わる記述も様々あり、吉田局長など新たな名前も出てきております。
 ここで、まず委員長に申し上げたいんですけれども、改めて、先ほどもありましたけれども、関係者を呼んで、この文教委員会として集中審議するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

委員長(高階恵美子君)

ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

吉良よし子

是非よろしくお願いいたします。
 そして、大臣にも申し上げたい。やはり、新たな局面なり、そうした様々な、文科省に関わってもまた様々な資料があるという示唆する記述もあるわけです。ですので、この間求めていた文書やメールに関わる再調査のみならず、昨日出てきた愛媛県文書の中に入っている、書かれている文科省に関わる事項についてのその真偽、また関連する文書の有無、徹底調査すべきと思いますが、いかがですか。

国務大臣(文部科学大臣 林芳正君)

今回、愛媛県から参議院予算委員会に提出された文書に関しまして、愛媛県提出の文書に記載のある、平成二十七年四月前後の柳瀬総理秘書官と加計学園等関係者の面会につきましては、これまで、内閣官房からの指示により、文部科学省において当時文科省から内閣官房に出向していた職員への聞き取りを行ってきたことを踏まえ、今回も補足的確認事項として追加聞き取りを行っておるところでございますので、よろしければその結果を申し上げたいと思いますが。
 まず、その結果、当該文書を見て、現時点で思い出した記憶については、今回の文書を見て思い出したことはなく、明確な記憶はないとの回答だったと聞いております。
 文科省としては、これまでも丁寧かつ詳細に確認しており、必要な範囲について確認作業を十分に行ったというふうに考えております。

吉良よし子

思い出したことはないから、これ以上調査する必要はないというような御答弁だったと思うんですけれども。
 記憶がないからといって記録もないことにしてしまうなんというのは、あってはならないことだと思うんですよ。この間も、その調査というのは、職員の個人フォルダについては職員が覚えていない場合は調べていない、これでは調査とは言えないと、本当に真相究明する気があるのかと伺いたいぐらいの状況だと。ヒアリングだけじゃなくて個人フォルダも含めた徹底的な調査、必要じゃないかと。本当にこれで十分だと言えないじゃないかと。真相究明する気があるんですか、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君)

四月二十日にも公表したとおり、累次の調査において、ヒアリングの中で、個人ファイルも含めて、共有ファイル、個人ファイルも含めてそのヒアリングで確認をしたところでございます。

吉良よし子

個人ファイルも含めてと、うそを言わないでいただきたい。覚えがないという職員に対しては個人フォルダは調べていないはずです。そうですよね。

政府参考人(文部科学省高等教育局長 義本博司君)

当該職員からの聞き取りの中において、文書について見たことがあるか、それを保存したことがあるか、その場合について、あれば、個人ファイルについて同意を得て調べようということでございます。
 現に、四月二十日について発表した資料におきましては、職員の一人があったかもしれないというふうなことがありまして、それを、同意を受けた上で個人ファイルの中で見付かったということがありますので、そこは大臣が答弁申し上げましたように、共有フォルダ、個人フォルダ関係なく調査したところでございます。

吉良よし子

記憶があると答えた一名のみについてのみにしか個人フォルダは調べていない。ほかは、個人フォルダ調べていないということなんです。
 やはりこうやって記憶頼みで調査をしている限り、真相究明には近づかないんですよ。そして、大体この間、安倍政権というのは、政府関係者による覚えがない、記憶がないという説明の方が、出てきた記録よりも真実だというような対応を取っている、この点、私、重大な問題だと思うんです。
 例えば、文科省では昨年、総理の御意向や官邸の最高レベルなどと書かれた文書が共有されていたということが明らかにされたと。その下で、松野大臣は、メモが存在する以上、そういった発言があったのだろうと言っていたのが、先日この委員会でも指摘がありましたとおり、林大臣は、いや、あたかも獣医学部の設置の時期について、総理の意向があると内閣府から伝えられたと受け止められるようなメモが作成されてしまったと、文書を否定するような答弁をしているわけですが、なぜそのような答弁になったのか、お答えください。

国務大臣(林芳正君)

松野前大臣の御発言でございますが、平成二十九年六月に文科省が行った調査において、文書を作成したと考えられる職員に聞き取りを行い、総理の御意向という文言についても、ここにこう記載されている以上、こうした趣旨の発言があったのだと思うとのこと、ただし発言者の真意は分からないとのことであるとの発言が得られたことに基づき、答弁をされたものと承知をしております。
 一方で、平成二十九年六月でございますが、内閣府が行った調査では、これは、総理の御意向等の発言をした者がいないことがヒアリングの結果、確認されたと、こういう結果が出ております。
 このように、文科省と内閣府の間で打合せにおけるやり取りの受け止めに違いがある状況でございましたので、改めて両省で内容の確認を行いまして、その結果に基づいて昨年十一月に私から答弁をしたところでございます。

吉良よし子

結局やはり、記憶に基づいて発言した者はいなかったと。記録はあるのに、記憶に基づいた発言に基づいて、そういった発言はなかったことになるだろうと、それが受け止められるようなメモが作成されたのだろうと。せっかく調査で出てきた文書を否定するような答弁を大臣はなさっていると。こういう出てきた文書をなかったことにするなんて、私、許されないと思うんですよ。
 何より、幾ら大臣と、文科省と内閣府がそんな発言なかったと主張しても、総理の御意向や官邸の最高レベルと書かれた文書が文科省内で共有されていたという事実は消えないわけです。この事実こそが、加計学園の獣医学部新設が首相案件として文科省内でも扱われていたということを示すものじゃないかと。
 実際、昨日出された愛媛県の新文書の中でも、文科省が当初から加計学園の獣医学部新設について特別扱いしていたような記述があるわけです。文書十九枚目になるんですけれども、その中で、文科省から、二〇一五年の二月から三月の間に、獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議の委員に対して加計学園側が提出した資料に対する意見照会をしたと。その結果を柳瀬首相秘書官らが学園に対して提供するものだろうという見立てが記述されているわけです。
 個別事業者である加計学園の提案を文科省が仲介して有識者会議に意見照会すると、これは明らかな特別扱いだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君)

愛媛県及び今治市からは、これ獣医学部の新設について、平成十九年から二十七年までの間、実に十五回にわたりまして構造改革特区の提案がございました。文科省としても、毎回の提案に対する対応方針の検討というのを行っていたわけでございます。
 そういう中で、愛媛県から獣医学部を新設した場合に取り組むべき事項について提案があったために、平成二十七年の三月に文部科学省の有識者会議である獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議の委員に対しまして、専門的知見からの意見を伺うべく連絡を取っておったところでございます。委員からは愛媛県の提案に対する率直な意見が聞けたと考えております。

吉良よし子

普通の調査だったって、意見照会だと言うけど、そこは私、腑に落ちないんですよね。ほかにそういう事業者からの意見照会ってやったんですか。

政府参考人(義本博司君)

大臣今答弁差し上げましたように、構造改革特区につきましては、十五回にわたりまして愛媛県、今治市から新設の提案があり、そのうち五回でございますけれども、事業者として加計学園が記されたという状況がございます。その中において、私どもとしては、事業者としては加計学園が推薦されたということでございます。
 また、設置の問題につきましては、加計学園も含めまして要望があればその相談を受け付けるという形になっているところでございまして、構造改革特区の中においては、加計学園からの相談を受けたところでございます。

吉良よし子

加計学園以外にあったかと聞いたんですけど、要望があればということだけであって、そのほかのことには答えておられないと。やはり私、これ特別扱いだとしか言わざるを得ない状況だと思うんです。
 いずれにせよ、真相究明が必要です。この愛媛県の新文書に書かれている、この獣医学教育改善・充実に関する調査研究協力者会議委員に対する意見照会の際に学園側が出したというアンケート、その結果についての資料、当委員会への提出求めたいと思います。またあわせて、その愛媛県文書にある十二月二十六日の学園から文科省への説明ペーパー、これも提出を求めたいと思います。
 委員長、お願いします。

委員長(高階恵美子君)

ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議いたします。

吉良よし子

いずれにしても、疑惑は深まっているわけですから、集中審議を深め徹底的な真相究明を求めた上で、時間に限りがありますが、次に学校の働き方改革についても伺いたいと思います。
 学校ブラックと言われるまで深刻化している教員の長時間労働、多忙化の問題、改善は待ったなしです。この間、政府、文科省、中間まとめを出していますが、その中で教員の負担軽減、業務改善などを打ち出しています。
 ここで確認しますけれども、この業務改善、負担軽減といった場合、まず優先して確保するべき時間というのは、授業と授業準備、生徒指導といった子供と向き合う時間、これをまずは確保するべきという考えでよろしいでしょうか。

国務大臣(林芳正君)

吉良先生おっしゃるとおり、この業務改善を始めとした学校における働き方改革については、やはり限られた時間の中で、教師一人一人の授業準備ですとか自己研さん等の時間を確保するとともに、意欲と高い専門性を持って、今まで以上に一人一人の児童生徒に丁寧に関わりながら、質の高い授業や個に応じた学習指導を実現するためのものであると、そういうふうに考えております。

吉良よし子

授業準備と子供と向き合う時間だということであったと思います。
 ただ、中間取りまとめ、緊急対策などでは、教員の多忙化を解消するとして、学校、教師が担う業務の明確化、適正化を掲げ、業務総量を削減するためにということで十四項目を掲げていらっしゃいますが、私、この十四項目に載っていないけれども、教員の学校の現場の負担軽減をするために政府が真っ先にやるべきものがあると思うんです。それが全国学テをなくすことだと私思うんですね。これ、全国学テってどれだけ現場の負担になっているか、今日資料を作ってまいりました。
 当日も様々な事務負担、自校採点を始めとしたの、あるんですけれども、このお配りしたまず一つ目の資料なんですけれども、これ、都内の現職、小学校の一週間の時間割を図示したものですけれども、これ見ますと、朝、週三回、特別活動で学テの過去問をやらせている、週四回、昼休みの十五分使ってパワータイムと称した過去問をやらせている、さらに放課後も、放課後補充授業として過去問を中心としたテスト対策やらせていると。
 本来、授業準備に充てるべき休み時間とか朝や放課後、こうした学テ対策でほぼ埋まっているような現状、これもう学校への負担になっていると思えませんか。大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君)

これ、どこの学校で御調査されたのかというのが詳細に把握をできておりませんが、全国学力・学習状況調査、これは全国的に児童生徒の学力、学習状況を把握して分析を行いまして、教育施策及び教育指導の成果と課題の検証、その改善に役立てることを目的として実施をしておるところでございます。各学校においては、児童生徒一人一人への教育指導や学習状況の改善等に役立てることを目的として通常の授業時数の中で実施するものであって、学校にとって過度な負担になっているとは認識をしておらないところでございます。
 他方、やはり各学校の負担を更にできる限り軽減する観点からは、学校がウエブを活用して回答できる仕組みを導入するなどの調査実施方法の見直しも行っておるところであり、今後も調査実施方法の不断の見直しに努めてまいりたいと思っております。

吉良よし子

過度の負担になっていないという御認識を示されたわけですけど、もう示したとおり負担になっているわけですよ。
 これ、毎日のスケジュールだけではないんですね。資料二枚目も御覧いただきたいと思うんですけど、これ実際に都内の教員から伺った中身です。ある自治体の中での行われている実際の問題です。
 これ、全国学テは小六一回のみですけれども、やはりここで順位を上げるためということで都独自でのテストも五年生に行われていますし、この自治体では二年生以上は全て区独自のテストもあると。こういう中で、見ていただいたら分かるとおり、もうずっと年間通じて、過去問対策というのが四月や八月、九月、そして十二月、二月、三月とどんどん行われているというのが実態です。
 そして、四月、新学期始まってからは全国学テが終わるまで、また区独自のテストが終わるまで教科書を開けないという実態になっていて、最終的には、本来文科省が学習指導要領で一年間でやるべきとしている授業を実質は四月の末から二月中ぐらいで終わらせなければならないと。
 まさに学テによって現場の授業時間が圧縮され、過度な負担が強化されてしまっている、増えてしまっている状態になっていると。これでも学テが負担になっていないと言えるのか。大臣、いかがですか。学テ、なくすべきではありませんか。

政府参考人(文部科学省初等中等教育局長 高橋道和君)

全国学力・学習状況調査が、通常の授業時数の中で実施するもので、学校にとって過度な負担になっていないということは先ほど大臣が答弁申し上げたとおりでございますが、若干補足いたしますと、例えば、調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ、本来実施すべき学習が十分に実施できないなどといった声が一部から寄せられているといった状況が生じていたことから、平成二十八年四月二十八日には、全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について通知を発出し、調査の趣旨、目的に沿った実施が行われるよう各教育委員会及び所管の学校に対して依頼をした、こういった取組も文科省として併せて実施しているところでございます。

吉良よし子

時間来ておりますけれども、過度な競争を生じないように……

委員長(高階恵美子君)

質問をおまとめください。

吉良よし子

通知も出したということですけれども、実際はこういう過度な負担が起きている、それは全然是正されていないという状態なんだ、これでは負担軽減にはならないと。全国学テの中止を改めて求め、改めてこの問題を取り上げるということも申し上げ、質問を終わります。