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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2018年・第196通常国会

改憲すり合わせの場にするな/参院憲法審

要約

今通常国会で衆参両院を通じて初となる憲法審査会が21日、参院で開かれ、各党が「憲法に対する考え方」について意見を交換しました。
 日本共産党の吉良よし子議員は、沖縄での米軍ヘリの部品落下事故で、政府などに米軍機の飛行停止を要請するために上京した緑ケ丘保育園の父母会の嘆願書の内容を紹介。米軍基地のもとで、「子どもたちの命を守って」という当然の願いも、憲法の平和的生存権も踏みにじられていると指摘しました。
 さらに、核兵器禁止条約に背を向ける安倍政権の姿勢を批判し、「変えるべきは憲法ではない。安倍政権のもとで広がっている憲法に反する現実こそ変えるべきだ」と強調しました。

しんぶん赤旗2018年02月22日付より抜粋

議事録

吉良よし子

日本共産党の吉良よし子です。
 私は、前回の憲法審査会で、平和と言うなら憲法九条を本気で守り、生かす努力こそ必要であり、その努力を放棄して、九条を踏みにじり、壊そうとしている安倍政権に平和を語る資格はないと申し上げました。
 今、安倍政権の下で、平和主義や基本的人権の尊重など、憲法の基本原則が踏みにじられている現実があります。私は、これこそが重大な問題だと思っております。
 まず、沖縄です。
 先ほど来お話がありますけれども、この間、米軍機の墜落事故、小学校や保育園に部品が落下する事故が相次いでいます。米軍ヘリの部品が落下した宜野湾市の緑ケ丘保育園の園長や父母会役員の皆さんが先日上京して、政府や各党に米軍機の飛行停止などを求めました。
 私もその直筆の嘆願書、読みましたが、どのお母さん方も、部品落下の一報を聞いて、震えて、不安で涙を流し、お迎えに行って無事な我が子の姿を見て安心してまた泣いたという。父母会の皆さんは嘆願書に書いています、けが人が出なくてよかったで済ませてはいけませんと。さらに、国に言っても子供たちの命を守ってもらえないのかという思いです。保育園上空は飛ばないでというシンプルなお願いをしているだけ。空から物が降ってくるなんて平和でない。安心な生活をさせて。嘆願書にあふれているこれらの声にどう応えていくのかが今問われています。米軍は、緑ケ丘保育園への部品落下事故から二か月たった現在もその事実を認めていません。
 ところが、日本政府は、自ら調査することもなく、その米軍の言い分をそのまま繰り返すだけです。そして今なお、保育園上空を米軍機が飛び続けているのです。なぜ、保育園上空は飛ばないで、子供たちに安全、安心な生活をさせてという当然の願いが踏みにじられているのか。
 米軍基地の下では、憲法に書かれている基本的人権や平和のうちに生きる権利、平和的生存権は保障されなくていいということなのでしょうか。憲法の上に安保条約を置き、米軍の無法を容認している政府の責任は重大です。米軍基地は無条件撤去しかありません。
 もう一つは、核兵器の問題です。
 昨年、国連では、核兵器禁止条約が採択されました。ところが、唯一の戦争被爆国である日本政府は、この条約への署名を拒否し、世界の流れに背を向けています。
 さらに、今月二日、アメリカが発表した核兵器の使用可能性の拡大を表明するNPR、核態勢の見直しの方針を安倍政権は高く評価すると歓迎し、支持を表明しています。この方針については、新たな核軍拡競争の火種となるのではなどの懸念が国際社会から出されています。また、この方針の下で、在日米軍基地を拠点とする米艦船や米軍機にも核兵器が搭載される危険性もあります。それは、憲法の下で国是とされてきた非核三原則に反する大問題です。
 今、日本政府に求められているのは、日本の被爆者を始め、核兵器のない世界を求める世界各国と市民社会の長年の願いであり、その取組が結実した歴史的な条約である核兵器禁止条約に批准し、核軍拡を進める国々に毅然とした態度を取ることです。
 一月に来日したICANのベアトリス・フィン事務局長も、日本の国会議員との討論集会の中で、核抑止は神話です、現実を見れば、北朝鮮の核開発は阻止できなかったし、核拡散につながったと指摘し、核兵器は誰の下にあっても平和と安定をつくれない、日本には核兵器禁止条約に向き合ってほしいと語っていました。
 こうした世界の願いに耳を貸さず、核兵器禁止条約に背を向け、アメリカの核軍拡方針を支持することは、唯一の戦争被爆国、憲法九条を持つ国の在り方に反する大問題です。絶対に見過ごせません。
 変えるべきは憲法ではありません。沖縄の現実、核兵器など、安倍政権の下で広がっている憲法に反する現実こそ変えるべきです。憲法の理想こそ本当に実現するための真摯な努力が今政治に求められているということを強く申し上げまして、この場での発言といたします。