横田基地/オスプレイ訓練、パラシュート降下訓練中止、横田空域返還を
要約
日本共産党の吉良よし子議員は20日の参院決算委員会で、在日米軍横田基地(東京都多摩地域)に配備されているCV22オスプレイが機関銃の銃口を下に向けて住宅地上空を飛行している写真を示し、「こういう訓練はただちにやめさせるべきだ」と主張しました。
吉良氏は、2018年6月以降、写真で確認されただけでもCV22が18回も銃口を出して飛行していたと指摘。岩屋毅防衛相はこの訓練について、「詳細は把握していない」と答弁。中村吉利地方協力局長は「米軍も詳細を確認していないと説明した」と答弁。吉良氏は詳細な訓練の実態把握をするよう強く求めました。
吉良氏は、CV22が輸送するのが米軍の特殊部隊だから、こんな訓練が行われているのではないかとただしました。
岩屋氏は「能力の高いCV22が配備されていることはわが国の安全にとって意義のあることだ」などと答えました。吉良氏は「特殊部隊の主たる任務は日本の防衛ではない」と厳しく批判。住民から「まるで自分たちが狙われているようで怖い」「万が一実弾や薬きょうが落ちたらどうするのか」などの不安の声が上がっているとして「日本国民に銃口を向け、不安を与えるような訓練は絶対にあってはならない」とただしました。さらに、吉良氏は「米軍のCV22を米国以外に配備している拠点は、横田基地以外にない」として、「CV22の配備はただちに撤回すべきだ」と主張しました。
また、米軍横田基地で事故が繰り返されているパラシュート降下訓練の中止と米軍が航空管制を行う横田空域の返還を求めました。
同基地では、訓練中にパラシュートが開かず、一部を切り離す重大事故が繰り返され、部品がみつからないなどの事態に住民から不安の声が上がっています。
吉良氏は、パラシュート事故が昨年4月に続き、1月8、9両日にも連続発生したのに、同月14日に訓練を再開した理由を追及。防衛省の中村吉利地方協力局長は「4月はメインと予備のパラシュートを同時に開いた人為的ミス、1月はパラシュートのたたみ方が適切でなかった」とし、「米軍は別の型のパラシュートを使用するので再開した」と説明。
吉良氏が「別の型」が「同様の事故を起こさない仕組みなのか」とただすと、中村氏は「詳細を把握していない」と答弁。吉良氏は「事故を起こさない保証にならない」と批判しました。
吉良氏は、1都9県にまたがる広大な横田空域の返還を要求。河野太郎外相は「わが国が一元的に管制するという観点から関係省庁と調整していく」と答弁。吉良氏は、空域の根拠となっている日米地位協定の見直しを求めました。
議事録
吉良よし子
日本共産党の吉良よし子です。
今日は、米軍横田基地における米軍の訓練について伺いたいと思います。
そもそも、ここ東京都にある米軍横田基地ですが、日本の首都の中の広大な空間を米軍が占拠しており、世界の中でも首都に他国の軍事基地があるというのはここ東京横田だけなわけで、このことだけをもっても異常だと言わざるを得ない状況だと思うわけです。その米軍横田基地にCV22オスプレイを配備する計画が昨年四月三日に発表され、昨年十月に正式配備をされました。
ということで、この訓練の中身について伺いたいと思うわけですけれども、まず、ちょっと順番を変えまして、騒音の話から聞きたいと思います。
このCV22の配備以降、確実に横田基地周辺での騒音被害というのは増えております。福生市が行っている航空機騒音調査によりますと、二〇一八年、七十デシベル以上で三秒間継続した場合を一カウントと数えた場合、熊川千五百七十一番地先、誘導灯付近での騒音の発生回数というのは一万二千三百十三回になるわけです。十五年前の二〇〇四年にはこれ九千九百二十九回であり、直近の二〇一七年度では一万二百五十回だったことを踏まえれば、一万二千三百十三回、これはCV22が飛来、配備された二〇一八年度に急増しているということになると思うんです。そして、過去十五年の中でも最悪のレベルだと思うんですけど、防衛大臣、このCV22の飛来後、明らかに騒音被害が深刻化しており、住民生活に大きな影響を与えている、このことを問題だと思いませんか。
国務大臣(防衛大臣 岩屋毅君)
防衛省は、横田飛行場周辺の十三か所に航空機騒音の自動測定装置を設置しておりまして、常時CV22を含む航空機の騒音発生回数等を把握しているところでございます。
CV22が横田に配備された平成三十年度と平成二十九年度の騒音発生回数を比較いたしますと、測定地点によりまして回数が上下はしておりますけれども、総じて増加傾向にございます。しかし、航空機の騒音発生回数は飛行場の運用状況や天候等の影響によっても上下をいたしますので、この測定結果をもってこれが全てCV22の配備による影響だと断定することは適当ではないと考えております。
いずれにしても、周辺住民の方にとっては深刻な問題であると我々も認識しておりますので、今後とも、できる限りこの騒音の影響を軽減できるように防衛省としても努力をしてまいりたいというふうに思っております。
吉良よし子
深刻な問題であればやはり対策しなきゃいけないし、CV22配備以降に騒音が増加していることは認められたわけですよ。となれば、やはりCV22の影響によるというのはもう明らかなわけですから、これ本当に問題だということで言いたいと。
特に、その周辺に住む住民がどんな思いでいるかと。騒音によって眠れない、病気が発症するかもしれないという不安もあるわけなんです。家の上を飛ぶたびに、CVが、窓ガラスが揺れて安心して生活できない、家の中で会話ができない、電話中も飛行機が行き過ぎるのを待って会話しないと聞き取れない。これが実態なわけです。
こういう激しい騒音にさらされる下で、平和に生きる権利が侵害されたという裁判も起こされており、司法の場では、うるささ指数七十五以上の住民は受忍限度を超える騒音被害が生じているとして、賠償を認める地裁判決まで出ているわけなんです。これを本当に問題視していただきたいと強く求めたいと思うんです。
今日言いたいのは、この騒音だけの問題ではないんです。このCV22のオスプレイというのは、この間、低空飛行、騒音、無灯火、また夜間で飛んでいるときに、その無灯火で夜間飛んでいるときに突然市民に対してサーチライトで照らすなどの住民生活を脅かす余りにひどい訓練を繰り返しているわけなんですが、ここで改めて聞きたいと思います。
この横田基地及び横田基地周辺でCV22というのはどのような訓練をするというふうに説明をされているのでしょう。参考人、お答えください。
政府参考人(防衛省地方協力局長 中村吉利君)
お答え申し上げます。
CV22の横田飛行場周辺における訓練につきましては、離着陸訓練、人員降下訓練、物料投下訓練、編隊飛行訓練及び夜間飛行訓練を行うことを想定している旨、米側から説明を受けているところでございます。
その詳細について防衛省として全て把握しているわけではございませんけれども、米軍は全く自由に飛行運用を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動をするものであると承知をしているところでございます。
吉良よし子
全く自由ではないと言いますけれども、もうそういう無灯火なんかで飛ばれているわけですよ。もうこれ本当に住民にとっては恐怖なんです。離着陸訓練なんて言いますけど、それはもう低空飛行も伴うわけですし、もう夜間そうやって無灯火で飛ばれたら本当にとんでもない話なんです。
それにとどまらず、住民に不安と恐怖を与えている訓練もしている実態があるということを私、住民の皆さんから聞いているわけです。それがお配りした資料一、御覧いただきたいと思うんですけれども、このCV22が機関銃の銃口を出して下に向けて、その薬きょうの排出口も出して飛行しているという写真です。これ、資料二でもお示ししましたけれども、写真で撮って確認されただけでも、二〇一八年の六月以降、十八回にわたってこうしたような形で銃口を出した飛行をしていることが確認されています。これは、基地の真上だけではない、周辺住宅の上空でもこうした銃口を下に向けた状態で飛んでいることが分かっているわけです。
これ、先ほど御説明された五つの訓練の中に当てはまらない訓練だと思うんですけれども、防衛大臣、いかがですか。
国務大臣(岩屋毅君)
CV22のその飛行運用の詳細について把握しているわけではありませんけれども、その飛行運用に関しましては、地域住民に十分に配慮し、最大限の安全対策を取るとしておりまして、公共の安全に妥当な考慮を払って活動しているものと思っております。
私どもとしては、周辺住民の皆様の生活への配慮が非常に重要でございますので、今後とも、米側に対して、安全面への最大限の配慮、そして地元の皆様に与える影響の最小化をしっかり求めてまいりたいと思います。
吉良よし子
いや、説明になっていないんですよね。詳細把握されていないわけですよね。最大限の安全の配慮と言いますけど、横田基地というのは射撃訓練場ではないはずなんですよ。その周辺はもちろんのことですよ。なのに、銃身を下に向けて訓練を行っていると。おかしいと思いませんか。
何よりも、そういう銃口が向けられている状態なわけですけれども、じゃ、そこの中で実弾は装填されているのかどうか、そのことも確認していないということなんですか。
国務大臣(岩屋毅君)
先ほど申し上げたとおり、飛行運用の詳細について承知しておりませんが、射撃訓練をやっていたわけではないと思います。
吉良よし子
いや、射撃訓練じゃないって、どうしてそれが分かるんですか。だって、この写真見れば、確実に銃口が住宅地に向けられているわけですよ。それで、実弾が入っているかどうかも確認していないのに、どうしてそうじゃないと言えるんですか。
政府参考人(中村吉利君)
お答え申し上げます。
先ほど大臣から御答弁を申し上げましたとおり、CV22の飛行運用の詳細につきまして防衛省として全て把握しているわけでございませんが、委員御指摘の事案が発生しました際に米側に確認を行いましたところ、米側からは、この写真に撮られている内容につきましては米側としても詳細について確認はできませんけれども、オスプレイの標準的な機内配備がこのようになっているというような説明を受けております。また、銃は機体に固定をされていて、銃弾は込められていないというような説明を受けているところでございます。
吉良よし子
標準的な配備と言いますけど、これ開けたり閉めたりできるわけですよね。閉めて飛ぶこともできるのに、わざわざ開けて飛んでいるというのが問題じゃないかと言っているわけなんですけれども。
こういうことを許していて、どうして最大限の安全の配慮ができるというんですか。大臣、いかがですか。
国務大臣(岩屋毅君)
最大限に住民の安全に配慮をするようにこれまでも申し入れてまいりましたが、これからもしっかり申し入れてまいります。
吉良よし子
申し出ても、米軍自体も何かよく分からないうちにこういう状態で、日本国民の上空を、普通に暮らしている国民の上空を飛んでいるというのは本当に大問題なわけなんです。
大体、何でこんな訓練が行われているのか。それは、やっぱりこのCV22というのが輸送するのは米軍の特殊部隊だからじゃないのか。この特殊部隊というのは何なのかといえば、イラク戦争などでイラクに潜入してフセイン政権の要人の身柄の拘束等の作戦を展開する、こういう特殊部隊を輸送するのがCV22なわけですよ。暗闇に紛れて敵地に深く侵入して軍事作戦を展開する、そういう特殊部隊の訓練だから、CV22はこうした銃身を住宅街に向ける訓練まで行っているというのではないですか。大臣、いかがですか。
国務大臣(岩屋毅君)
先生の説明聞いていると何かおどろおどろしい感じに聞こえるんですけれども、非常に能力の高いこのCV22が配備をされているということは、我が国の安全にとっても非常に意味のあることだと私どもは思っております。
住宅地の上を先生おっしゃるような訓練のために飛ぶということはないものと承知をしておりますが、引き続き、住民の皆さんの安全への最大限の配慮を米側に申し入れてまいりたいというふうに思っております。
吉良よし子
特殊部隊の主たる任務というのは日本の防衛ではないはずなんですよ。ないでしょう。特殊部隊の主たる任務は日本の防衛なんですか。違いますよね。
国務大臣(岩屋毅君)
我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中にありまして、高い性能を有するCV22オスプレイが我が国に配備されることは、米国のアジア太平洋地域へのコミットメント及び即応態勢整備の観点から、日米同盟の抑止力、対処力を向上させ、我が国の防衛及びアジア太平洋地域の安定にも資するものと考えております。
吉良よし子
いやいや、この間、防衛大臣が答えられているんです。特殊部隊というのは、通常の部隊でアクセス困難な地域に行って隠密裏に侵出し、戦略上、戦術上の重要な情報を収集するなどの任務を負った部隊なんだと。だから、日本の防衛が主たる目的ではないわけです。
そして、先ほど、米軍が詳細にこの訓練について把握していないという御答弁がありましたけど、これ本当に重大なわけですから、この実態について詳細に把握して報告するよう求めるべきと思いますが、いかがですか。
国務大臣(岩屋毅君)
米軍の運用の詳細について、一々その情報提供を求めるということはいたしませんけれども、何度も申し上げておりますように、住民の皆さんの安全面に最大限の配慮をこれからも求めてまいりたいと思います。
吉良よし子
実態把握せずにどうして住民の安全面が最大限配慮できるというのでしょうか。
住民の皆さんからは不安の声が上がっているわけです。配備時のときは輸送機だと言っていたのに、なぜこんな訓練、銃身を下に向けるような訓練するのか、約束が違うじゃないか。まるで自分たちが狙われているようで怖いんだ、我々を標的にした訓練をしているのかとしか思えず、怒りが込み上げると。万一、実弾や薬きょうが落ちてきたらどうするのかと。
こういう不安の声に応えるためにも、きちんとこの訓練の実態について米軍に詳細を聞き、把握し、報告求めるべきではないですか。それぐらいのことやってください。
国務大臣(岩屋毅君)
我が国に配備されている、いや、駐留している米軍、またその装備あるいは部隊が我が国の国民を標的にするようなことはあり得ないことでございます。
いずれにしても、安全な運用に最大限の配慮をこれからも米側にしっかり求めてまいります。
吉良よし子
あり得ないとおっしゃいましたけど、事実こうやって銃身を住宅地に向けて軍用機が飛んでいるわけですよ。これは、住民にとっては恐怖でしかないのは明らかなんです。こういう特殊部隊による危険な訓練を日本の上空で、また首都東京の上空で行っているのは、もう絶対に許し難い問題です。
もう、すぐにでもこうした訓練をやめさせる、何よりCV22オスプレイ、配備撤回すべきと思いますが、大臣、いかがですか。
国務大臣(岩屋毅君)
CV22の配備についての意義については先ほど申し上げたとおりでございます。
ただ、住民の皆さんに不安を与えることがないように、安全面で最大限の配慮を米側にしてもらうべく、これからもしっかりと申入れをしてまいります。
吉良よし子
何の配慮もしていませんよ。こうした銃身を下に向けられている、これが配慮しているということだったら、日本の住民はもうずっと米軍から危険にさらされている状態が容認されている、日本政府はそれに対して何も言わないということだということになるわけですよ。これを配慮しているとは私は絶対に言わないと。
先ほども申し上げましたとおり、特殊部隊CV22の任務というのは、アフガニスタン侵攻とかイラク戦争などで特殊作戦を担うような、そういう部隊なんです。そうした危険な任務を負っているからこそ、CV22の事故率だって高いわけです。世界を見渡してみれば、米軍のこのCV22をアメリカ以外の国に配備をしている、その拠点というのは、ここ日本の横田基地以外にはないわけです。改めて、この米軍のCV22、横田基地への配備撤回を強く求めたいと思います。
そしてもう一点、横田基地で行われた訓練、看過できない訓練がパラシュートの降下訓練なわけです。これも事故が相次いでいる訓練です。
この間、米軍からはパラシュート降下訓練をする際に関係自治体へ事前通告をしていたはずなんですが、それが今、小規模なものについては通告されていない、大規模なものにしか事前通告されていない状況だと伺っています。
事故の危険も伴うようなこうしたパラシュート訓練を行うにもかかわらず、規模が小さいからといって周辺自治体に事前通告しないなんて、とんでもないことだと思いますが、問題だと思いませんか、防衛大臣。
国務大臣(岩屋毅君)
横田飛行場においては、米軍が部隊の練度維持のために、また即応態勢を整える観点から必要なパラシュート降下訓練を実施しているものと承知をしております。基本的には事前の通報をしてもらうということになっておりますけれども、通報なく実施される場合もあるということは承知をしております。
防衛省としては、地域住民の不安を軽減する上でも事前の通報は重要と考えておりまして、米側に対し、事前の情報提供などについて求めてきているところでございます。今後とも、米側に対し、最大限の配慮を申し入れてまいりたいと思います。
吉良よし子
求めていても、ちゃんと通告がされなければ意味がないわけですよ。
実際、もう通報なく実施されている訓練があると今お答えになったわけですけれども、横田基地周辺市町基地対策連絡会は、こうした無通告のパラシュート降下訓練について事前の情報提供を再三要請している。これは防衛大臣も御存じのはずです。一歩間違えれば人命に関わる重大な事故につながりかねない危険な訓練だからこそ、事前通告を求めているわけです。
もう絶対に、規模の大小にかかわらず、必ず事前通告させるよう徹底するべきじゃないですか。大臣、いかがでしょう。
国務大臣(岩屋毅君)
時に一名とか二名ということで降下訓練がされております。運用上の理由があるんだと思いますけれども、いずれにしても事前に通報をいただくように、これからもしっかり申し入れてまいります。
吉良よし子
一、二名だから問題ない、事故が起きないという確証はないはずです。どんな規模の訓練であっても事故の危険は伴うわけですから、事前通告をしないなんということは許されません。
実際に、この間、横田基地の中で米軍パラシュート降下訓練に伴う事故というのは繰り返されているわけです。昨年の四月十日には、米軍のパラシュートの一部が羽村第三中学校に落下するという事故が起きております。さらに、その事故の後、今年一月八日、九日、二日連続で同じようにパラシュート降下中の事故が起きていると。
一月九日の事故では、メーンパラシュートについては基地の中に落下しましたけれども、そのときに同時に切り離された予備パラシュートを収納しているディプロイメントバッグという袋、これが風に流されてしまって、いまだにそれが回収できていない、どこに飛んでいったか分からない状態だと聞いております。
こういう事故が繰り返されているにもかかわらず、その一月の事故、九日の事故から一週間もたたない一月十四日に米軍はこのパラシュート降下訓練を横田基地で再開をしております。とんでもない話だと思うんですけど、なぜ再開したのか。一月の事故の原因分析、そして再発防止対策、できていたと言えるのですか。お答えください。
政府参考人(中村吉利君)
お答え申し上げます。
昨年四月に発生しました事案は、訓練中に降下隊員が誤ってメーンと予備の両方のパラシュートを展開をしたために、この隊員は定められた手順に従ってメーンパラシュートを切離しをして、予備パラシュートにより施設内に降下をしたものでございます。
また、今年一月に発生をしました事案は、整備士がパラシュートの畳み方を誤ったことによって訓練中にメーンパラシュートが展開せずに、予備パラシュートにより施設内に降下したものであるということでございます。この予備パラシュートを展開、開いた場合にはその一部が分離するように設計をされておりまして、その分離した部分が風に流されて施設・区域外などに落下をしたものであるというように承知をしております。
こうした事案の発生を受けまして、米側からは、それぞれ関係する隊員の教育を徹底をするということとともに、二つの事案で使用されたパラシュートについては安全性が確認されるまで使用しないといったような安全対策を講じた上で訓練を再開したと、こういった説明を受けているところでございます。
いずれにいたしましても、米軍の運用に当たっては安全の確保が大前提であり、こういった事案はあってはならないものと考えております。引き続き、米側に対しては安全確保に万全を期すよう求めてまいりたいと考えております。
吉良よし子
事故を起こしたパラシュートを安全が確認されるまで使わないとおっしゃいましたけれども、じゃ、何で一月十四日にパラシュート降下訓練が再開できているんですか。もう一度お答えください。
政府参考人(中村吉利君)
お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、事案を起こしましたパラシュートについては、整備士がパラシュートの畳み方を誤ったということでございます。現在使用しているパラシュートについては、この事案を起こしたパラシュートとは別のもので実施をしているというように承知をしております。
吉良よし子
別のものというのは、物が違うんですか、それとも型が違うんですか。そこをはっきりとお答えください。
政府参考人(中村吉利君)
お答え申し上げます。
型の違うものを使用しているというように承知をしております。
吉良よし子
そうですよね。事前のレクではそのように聞いていました。
ただ、先ほど、事故が起きた原因についてお話をされました。昨年四月の分は、訓練中に米兵御自身がメーンと予備と両方一緒に開こうとしたために、うまく開かなくて事故が起きましたと。今年一月については、畳み方が不適切だったからうまく開かなかったんですと。別の型のパラシュートを一月十四日以降は使っているから再開を認めたということなんですけど、これはパラシュートの型の問題なのかということなんです。違うんじゃないですか。
じゃ、その違う型のパラシュートは両方一緒に開いてしまうような誤作動を起こさないようなパラシュートになっているのか、若しくは畳み方を間違えたとしてもちゃんと開くパラシュートになっているのか、その点は御確認されたんですか。
政府参考人(中村吉利君)
お答え申し上げます。
米軍の装備について細部まで承知をしているわけではございませんが、この事案の発生を受けまして、先ほども申し上げましたとおり、別の型のものを使用して安全の確保を図るということとともに、隊員の教育を徹底をしているというように承知をしているところでございます。
吉良よし子
つまり、別の型のパラシュートだからといって、事故を起こさない確実な保証はどこにもないということですよね。
実際、周辺の自治体からも、この別の型のパラシュート使用で訓練を再開することについて極めて遺憾だと要請が出ているわけです。実際に文書を読みますと、昨年四月以降、同様のパラシュート落下事故が相次いで発生しているにもかかわらず、異なる型のパラシュートを使用するとはいえ、事故の原因究明が十分になされないまま事故発生後数日で訓練を再開することは、周辺住民の不安をより増大させるものであり、極めて遺憾である。
大臣、やはりこうした危険なパラシュート訓練はやめさせるべきではありませんか。いかがですか。
国務大臣(岩屋毅君)
このパラシュート降下訓練については、先ほどもお答えしましたが、やはり米軍の部隊の練度維持向上を図る、そして即応態勢を整えるという観点から必要な訓練の一環として実施をされていると承知をしております。
しかし、その運用、訓練は安全に行われることが大前提でございますので、先ほども、事故を起こした型のパラシュートは使わないということで今運用されていると承知をしておりますけれども、今後ともこの訓練の実施に際しては、安全確保はもとより、周辺住民の皆様への生活への最大限の配慮を米側にしっかり求めてまいります。
吉良よし子
しっかり求めても、事故を防ぐことは訓練をやめる以外にはできないんじゃないですか。練度維持だとか言いますけれども、このパラシュート降下訓練、本当に危険な訓練なわけですよ。
これ、実際に中学校にも部品が落下した事故が起きたと言いましたけれども、これ、パラシュートを切り離したら、本当にどこに飛んでいくか責任は持てないわけでしょう、米軍だって。それがもし落ちた場所が道路だったら、鉄道だったら、走っている車の上だったら、重大事故になるじゃないですか。人命だって危険にさらされかねないわけですよ。
こうした危険な訓練は、どんなに配慮したって防げるものじゃないわけですから、訓練そのものをやめさせる、これしかないんじゃないですか。大臣、もう一度いかがですか。
国務大臣(岩屋毅君)
この種の訓練は、米軍が行おうとも自衛隊が行おうとも、やはり安全に行われなければいけないというふうに考えております。
しかし、練度の向上、即応態勢の維持というのは極めて重要なことでございますから、これからも、自衛隊についてはもとよりでございますけれども、米軍のこのパラシュート降下訓練についても最大限安全面への配慮、地域住民への配慮をしっかり米側に求めてまいります。
吉良よし子
自衛隊であれ米軍であれ安全に配慮とおっしゃいましたけど、自衛隊の場合は、こんな横田基地のような、周辺に住宅地が密集しているような場所でこうしたパラシュート降下訓練はやっていないと聞いております。海の上だとかそうしたところでやっていると。
だけれども、米軍だけなぜこうした住宅密集地、首都東京の上空でこうしたパラシュート降下訓練をやっているのか。これは認めるべきではないんじゃないですか。大臣、もう一度いかがですか。
国務大臣(岩屋毅君)
やはり米軍の練度の維持向上、即応態勢の維持というのは我が国の安全保障の観点からも重要でございまして、必要な訓練であるというふうに思います。
しかしながら、安全でなければならないということはもう言うまでもないことでございますので、こういった訓練が安全に実施されるように、防衛省としても全力を尽くしてまいりたいと思います。
吉良よし子
安全保障、即応態勢の維持などとおっしゃいますけれども、この間、アメリカの民間機関、ナショナル・セキュリティー・アーカイブが入手し公開した米国防衛省の一九六八年付けの極秘文書の中では、日本と沖縄の基地というのは朝鮮半島有事や南西アジア防衛のためだと述べて、日本防衛のための基地は一つもない、そう書いているわけです。
つまり、横田基地での米軍の訓練というのは、日本の防衛のためのものではないんですよ。むしろ日本国民に重大な危険を与えているだけであり、直ちに訓練をやめさせるべきだということを強く申し上げたいと思います。
その上でもう一つ、この横田基地周辺の地域含めて、日本の首都である東京の上空等でこうした米軍機が傍若無人に我が物顔で飛んでこうした安全を脅かす訓練ができている背景には、横田空域の問題もあるわけです。
資料三を見ていただきたいと思うんですけど、このいわゆる横田空域、東京、埼玉、神奈川のほか、新潟、静岡、福島の一部など、一都九県に及ぶエリアのことで、ここの航空管制業務、つまり飛行機が安全かつ円滑に運航できるよう地上からの指示や情報を航空機に与える業務というのは、全て米軍が担っているわけです。この空域では常に米軍の軍用機が優先されて、民間機は米軍の許可なしに空域内を通過することができない、もうこれ本当異常な事態だと思うんですけど、国交省に聞きたいと思います。
航空管制の在り方ということでいえば、航空管制というのはやはり日本が一元的に、日本の航空管制は日本が一元的に管理すべき、これは大前提ですよね。いかがでしょう。
政府参考人(国土交通省航空局長 蝦名邦晴君)
お答え申し上げます。
委員の御指摘のございましたいわゆる横田空域におきましては、これまで過去八回にわたりまして横田空域の削減を実施をし、直近では羽田空港の再拡張事業に合わせて大幅な削減をしていただいたところでございます。
国土交通省といたしましては、我が国の空域を一元的に管制する観点から、今後とも、関係省庁と協力しながら、米軍と調整してまいりたいと考えております。
吉良よし子
もう一度聞きます。
やっていることとか今後やることは今聞いていないんですね。航空管制の在り方としては、基本的には一元管理、日本が一元的に管理すると、これが基本ですよね。これ、イエスかノーかでお答えください。
政府参考人(蝦名邦晴君)
国土交通省といたしましては、我が国の空域を一元的に管制することが望ましいというふうに考えております。
吉良よし子
ということは、やはりこのいわゆる横田空域というのは、これは日本の主権の及ばない空域であり、これは本当に異常な事態だと言わざるを得ないわけです。だから、これをちゃんと返還を求めるべきと思いますが、外務大臣、いかがですか。
国務大臣(外務大臣 河野太郎君)
我が国の空域を一元的に管制する観点から、関係省庁と協力しながら米軍と調整をしてまいりたいと思います。
吉良よし子
調整と言いましたが、これは返還させるということですか。完全に横田空域返還させる、その動きを進めていくと、これでよろしいんですか。
国務大臣(河野太郎君)
我が国の空域を一元的に管制するという観点から、関係省庁と協力し、米軍と調整してまいりたいと思います。(発言する者あり)
吉良よし子
方向性ということを言いましたけど、この間様々返還などが進んでいる等々言われていますけど、いや、もうこういう日本の空の主権侵害というのは絶対に許されないものなんです。
こういう横田空域があるからこそ、横田空域という民間機が簡単に入れない巨大な壁で囲んだエリアがあって、それがあるからこそ、米軍機はこの首都上空も含めて縦横無尽に住民の安全を脅かす訓練ができているんだと。この返還は待ったなしです。
その上で、その根拠となっている日米地位協定のことも、日米地位協定そのものも見直すべきであると、このことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。