不登校は学校の問題に起因 予算も教員も増やせ 参院文科委
要約
日本共産党の吉良よし子議員は13日の参院文教科学委員会で、増加する不登校について質問しました。
吉良氏は、不登校の急増が「子どもたちから文部科学省に対する警鐘、アラートではないか」と質問。阿部俊子文科相は「学校が関係する事実もある」と答えるにとどまりました。
吉良氏は、不登校の子どもからの「がっこうがきらいです」「宿題が多かったり、授業が長いのが嫌いです」との手紙や、民間の不登校の子どもと保護者への調査に寄せられた「学校は忙しくて時間が足りない」「分刻みのスケジュールでとにかく急がされる」などの声を紹介。授業や宿題を減らす、学校そのものの在り方を見直すなど学校現場での子どもたちの負担を軽減する対策はあるのかとただしました。文部科学省の望月禎初等中等教育局長は「授業時数や内容の削減そのものの削減を目指したものではない」と答弁しました。
吉良氏は、不登校が学校に起因する問題でもあるという視点に立って、文科省こそが学校に行けない子どもたちをこれ以上増やさないという立場で大本から学校を変えていくべきだと強調。学校を嫌いな場所ではなく好きな場所になれるよう、予算を増やし、教員を増やし、負担を減らしていくべきだと求めました。
議事録
吉良よし子
日本共産党の吉良よし子です。
今日は三月十三日になるわけですが、ちょうど一か月前の二月十三日に、この国会に多くの学生、現場には百名以上、オンラインも含めると二百五十名以上が参加して、この学費の値上げを反対の声を上げる院内集会を開催をいたしました。全国百二十一の大学、大学院、高専の有志の皆さんが値上げを止め、学費値下げに予算をと、要請文を各政党そして文科省にも手交をされたところです。
資料一、お配りしておりますけれども、これがその要請文となるわけですけれども、中身見ると、来年度新たに行われる学費の値上げ、それを止めるために約百四十五億、そしてさらに、全ての大学で十万円ずつ学費を値下げするために三千二百十六億円の予算を付けることなどを求めるもので、これはかなり現実的な要求だと思います。同時に、この集会の中では、やはりこの学費が高過ぎる、その値上げによってキャンパスを去るしかない友人がいるんだと涙ながらに訴える、そういう姿もあったわけです。
改めて、文科大臣、こうした学生の切実な訴え、願いに応えて、今の大学で相次いでいる学費の値上げ止めて、値下げに踏み出すその予算措置、直ちに踏み出すべきと思いますが、いかがでしょうか。
国務大臣(文部科学大臣 あべ俊子君)
委員にお答えさせていただきます。
文部科学省といたしましては、国立大学法人運営費の交付金、また私学助成など、この機関の支援と給付型奨学金等の個人支援の両方を組み合わせて予算確保に取り組むことが重要だというふうに私たち考えておりまして、令和七年度予算案におきましては、国立大学法人の運営費の交付金、また私学の大学のこの経常費の補助金の基盤的経費、多子世帯の学生等のこの授業料と入学金の無償化など、必要な予算を計上しているところでございます。
引き続き、高等教育費の負担軽減に取り組んでいくとともに、大学の実情を把握させていただきながら、各大学が安定的また継続的に人材の育成、さらには教育研究を実施するよう支援をしてまいりたいというふうに思っています。
吉良よし子
機関への支援、個人支援でも予算を確保、必要な分しているんだという御答弁でしたけれども、いや、全然必要な予算になっていないですよね。
国立大学について言えば、運営費交付金、二十年前から比べれば一千六百億円も減らされていると、私学助成はこの間一切増えていないという状況で、だから、それで教員への給料もまともに払えないような状態になっているからこそ、もうやむにやまれず値上げに踏み出すしかない大学が増えていると、そういう実態だということをしっかり認識していただきたいと思いますし、何よりも、この今百二十を超える大学の学生たちが、その値上げを止めてほしいんだと、ちゃんと無償を目指してほしいんだという声を上げていると、この声にしっかり向き合うべきだということを重ねて申し上げたいと思います。
あわせて、その個人の支援ということですけれども、ちょうど今日、先ほどの衆議院の本会議で、多子世帯に授業料減免を拡大するという修学支援法案、これが審議入りしたということを承知しているわけですが、この修学支援新制度について私もこの間様々取り上げてきて、成績要件が厳し過ぎるとか、若しくは学生には関わりのない大学の機関要件で対象外になるとか、そもそも対象となる学生が少ない、申請主義で、もう申請できない学生が取り残されているなどなど課題が余りに多いということは取り上げてきたんですけれども。
この二月の院内集会でも様々訴えがありまして、例えば、大学一年のときから修学支援新制度で支援を受けてきたが、三年目の九月に突然対象外になりましたと通知がされたという実態が紹介されたんです。この方の場合は、お姉さんが卒業で就職して両親の扶養から外れたと、そのことが原因で御両親への課税が変わって、区分が変わってと、それにより支援が打切りとなったようなんですけれども、結局それで給付奨学金がもらえず、授業料減免がなくなって、授業料免除がなくなって支払が出ると。収入が減り、支払が増えるということになったわけですけれども。しかも、その九月に通知を受けた後、十一月までに授業料を振り込めと言われたので、塾での週三回のバイトに加えて、スーパーでも週三回働いて、もう働きづめで、そのせいで成績が下がって十単位も落としたという訴えがあったわけです。これ、御本人や両親の収入が増えたわけではないんですね。それでの打切りではないのにこんな事態になっていると。
大臣、こういう、収入状況が変化しないのに課税の状況によって支援の対象外とされるようなこの今の制度の線引き、これそのものを今すぐに見直すべきではありませんか。いかがでしょう。
国務大臣(あべ俊子君)
委員にお答えさせていただきます。
高等教育の修学支援新制度でございますが、住民税の課税額に基づいて支援額を決定することとしているところでございます。このため、生計維持者の収入が変わらないとしても、扶養する者の数が変わるなどによって住民税の課税額が変わる場合にはこの本制度の支援額も変わる場合があり得ます。
本制度におきまして、必要となる支援が確実に行われるよう、毎年この住民税の課税額を確認しているところでありまして、引き続きこの制度の適切な実施に努めてまいりたいと思います。
吉良よし子
いや、課税額に基づいて求めるものになっているからこういう不合理な実態が起きているから見直すべきじゃないですかということを申し上げているのに、そういうものでございますと言われると全く議論が前に進まないんですよね。
今、今回、衆議院で議論が始まっている法案では、対象を多子世帯に拡大するというわけですが、この多子世帯の対象、その基準もその扶養しているかどうかで線引きをすることになっているわけですよ。これによって、やっぱり扶養が外れた場合によってまた様々な線引きができてしまう、今回紹介したような事例がまた生まれかねない、突然打切りになって、それで突然支払が生じて、それによって学ぶということができなくなる、継続ができなくなるという事態が起きかねないと。支援制度が支援になっていないんだというのが学生の皆さんの訴えなわけで、こういう訴えにちゃんと耳を傾けて必要な改正を行わなきゃいけないでしょうということを強く申し上げたいと思いますし、やはりそういう線引きの支援ではなくて、全ての学生を対象にした学費の値下げこそが今必要であるということを申し上げておきたいと思います。この件については、引き続きほかの場面でも訴えたいと思います。
続いて、今日は時間がないですので、不登校の問題についても伺っていきたいと思っているわけです。
不登校については、午前中も審議があったわけですけれども、文科省の調査によると、高校生も含めれば四十一万五千二百五十二人となっている。小中学生だけで三十四万六千四百八十二人、前年度から四万七千四百三十四人増加をしていると。十一年連続の増加、過去最多となっているわけですけれども。
文科大臣、改めてこの不登校、学校に行けない、通えない子供たちが増えていることをどう御認識されているのかと。私は、これは学校そのものの在り方、文科省による教育行政そのものが子供たちから問われている、子供たちから文科省に対する警鐘が出されている、アラートじゃないかと思っているわけですけれども、文科大臣はどう御認識ですか。
国務大臣(あべ俊子君)
文部科学省が実施いたしました調査におきましては、この不登校児童生徒について把握した事実の中に、学校生活に対してやる気が出ないなどの相談もありました。この学業の不振、また、頻繁な宿題の未提出が見られた、いじめの被害の情報や相談があったなどといった特に学校が関係する事実もございまして、こうした結果からも、誰もが安心して学ぶことができる魅力ある学校づくりを進めていくことはまさに重要だというふうに考えておりまして、このため、文部科学省におきましては、COCOLOプランなどに基づきまして、学校の状況を見える化をしていきながら、学校が児童生徒にとって生活しやすい雰囲気となるよう改善する取組、また、子供たち一人一人の興味、特性に応じた柔軟な学びの実現、いじめ等の問題行動に対する毅然とした対応の徹底などを進めているところでございまして、引き続き、子供たちに寄り添いながら、誰一人取り残されない学びの保障に向けて取り組んでまいりたいというふうに思っています。
吉良よし子
この不登校、学校が関係している事実があるとの御答弁でした。これ本当に大事なことだと思っています。あわせて、学びの保障をしていくというような御答弁もありました。これももちろん大事です。
ただ、これだけがニーズなのかということを聞きたいと思うんですね。確認をしていきたいと思うんですけれども、お配りした資料の二、見ていただきたいと思うんですけれども、NPO法人多様な学びプロジェクトによる令和五年不登校のこどもの育ちと学びを支える当事者ニーズの全国調査を見ると、子供からのニーズ第二位が、学校が変わってほしいという声でした。保護者の声を見ても、六八・九%の約七割が学校が変わってほしいという声があるわけです。つまり、やっぱり今の学校変えてほしい、これが不登校当事者の共通した声だと思っているわけです。
こうした事実を踏まえながら改めて文科省に伺っていきたいと思うんですけど、先ほど大臣も学校が関係している事実があるとはおっしゃっていたわけですけど、今不登校が増加し続けている背景、これは文科省としてどう分析されているのか、お答えください。
政府参考人(文部科学省初等中等教育局長 望月禎君)
吉良委員から不登校が増加する背景についてお尋ねでございますけれども、なかなか一概に背景申し上げることは難しいところはあるわけでございますが、一つには、児童生徒の休養の必要性を明示しました義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、いわゆる教育機会確保法と言われているもの、この趣旨の浸透等による保護者等の学校に対する意識の変化、あるいは、コロナ禍の影響もあります登校意識の低下、特別な配慮を必要とする児童生徒に対する早期からの適切な指導や必要な支援に課題があったことなどが考えられるところでございます。
吉良よし子
様々お話があったわけですけれども、この増加している背景の中で抜けているのが学校そのものの問題なんですね。保護者の意識とか児童生徒の意欲の問題というのは出てくるんですけど、学校そのもの、文科省による教育行政の在り方には何も問題もないかのような言い分というか、何も言及がないわけです。これで先ほどの学校を変えてほしいと訴えている子供たちや保護者の皆さんが納得できるのかということが問われると思うんですね。
もう一回確認をしておきたいと思います。
先ほど大臣からもありましたけど、文科省、不登校の調査されています。その中で、子供たちが学校に行けなくなる過程の中で把握した事実というものを確認しているわけですが、最新の令和五年度の調査で特に多いのは何か、御説明ください。
政府参考人(望月禎君)
吉良委員から御紹介いただきました令和五年度の調査結果によりますと、小中学校における不登校児童生徒についての学校が把握した事実につきまして、一番多かったのは、三二・二%、学校生活に対してやる気が出ない等の相談があったという事実、二番目に、二三・一%ですけれども、不安、抑うつの相談があった、三番目には、二三・〇%、生活リズムの不調に関する相談があった、そして四番目に、学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られたこと、五番目に、いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があったことが上位を占めているところでございます。
吉良よし子
つまり、一番に出てくるのが学校生活に対するやる気の問題なんですね。まさに、問われているのは、子供たちから問われているのは学校生活そのものだというのがこの調査でも明らかだと思うんです。
私、ある不登校の小学生からお手紙をもらったんです。その手紙には、明確に、「がっこうはきらいです」と書かれていたんです。中身見ると、「しゅくだいがおおかったり、じゅぎょうがながいのがきらいです」とありました。また、先ほどの不登校のこどもと保護者実態ニーズ全国調査で紹介された当事者の声の中には、学校は忙しくて時間が足りないですという十歳の小学生の声がありました。また、分刻みのスケジュールでとにかく急がされるので子供が疲弊しているという小五の保護者の声もありました。
今や、小学校一年生から午後も授業があるのが当たり前で、保護者のチェックが必要な宿題も毎日大量に出ているのが現状なわけです。教員の皆さんも、皆さん御存じのとおり、多忙極まる中、子供たちは学校で毎日せかされるようにして学校生活を送っていると、送らざるを得ないと、それが子供たちの負担になっているんじゃないのかというのがこういう声から見えてくると思うわけです。
文科大臣、先ほど文科省は不登校対策としてCOCOLOプランを示しているとおっしゃっていました。このプランにおいて、こうした学校現場での子供たちの負担を軽減する対策、例えば授業や宿題を減らすといったような学校そのものの在り方そのものを見直すという内容というのはあるのですか。
国務大臣(あべ俊子君)
本当に、学校に行けない子供たち、特に子供たちだけじゃなくて親御さんも大変おつらい思いをしていると思います。私、何度もそういう親御さんにお会いをして、おつらい思いもずっと聞かせていただいておりました。
文部科学省としては、この不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指しながら、令和五年三月に取りまとめましたCOCOLOプランなどを踏まえまして取組を進めているところでございまして、このうち、学校を子供たちにとって安心して学べる場所にしていくという観点から、例えば自分のクラスに入りづらい子供たち、この児童生徒が落ち着いた空間の中で自分に合ったペースで学習、生活できる環境である校内教育支援センターの設置促進、また、児童生徒がうまく表現できない小さい、小さな小さなSOS、これを早期に発見するための一人一台端末を活用した心の健康観察の導入促進、また、児童生徒の授業への満足度、学校生活の安心感を把握しながら、学校運営を改善するための学校風土の見える化などの取組を進めているところでございまして、特に、入りにくいという、学校に入りにくいという子供たちのために入口を別に造っている学校の例とか、例えば教室に入りにくいという子供たちのための場所のその設定をしている事例も幾つかの学校行かせていただいて見させていただいておりますが、文部科学省といたしましては、引き続き、子供たちに寄り添いながら、誰もが安心して学べるという魅力ある学校づくりにしっかり取り組んでいきます。
吉良よし子
大臣、安心して学べる場に学校をしていくんだと、居場所をつくるんだと。それ自体は重要だし、大事な取組だとは言いたいと思うんですけれども、私が伺ったのは、子供たちにとって今の学校は大変負担が重い場所になっているんだと、それを軽減するという対策がこれに含まれているのかということを伺ったんですけれども、残念ながらお答えの中にはそれは含まれていなかったと思うんですよ。
具体的に言えば、この授業そのものの負担を減らしていく、そういう取組が必要だと思うんですね。でも、それがない。なぜか。それは、この今の学校、特に授業の前提となっているのが学習指導要領なんですけれども、この学習指導要領は改訂するたびに内容が増え続け、授業時数は増え続けていると。それを前提にする限り負担が減らないということになるわけですね。
文科省に伺いたいと思いますけれど、COCOLOプランの中には一応授業の改善という言葉もあるわけです。じゃ、授業の改善って、それはつまり、この増え続けている学習指導要領の中身見直して、授業時数を減らし、内容を減らすと、そういう中身がこのCOCOLOプランの授業の改善に含まれていると、そういうことですか。
政府参考人(望月禎君)
お答えいたします。
今、吉良委員の方から御指摘いただきましたCOCOLOプランの中で、学校で過ごす時間の中で最も長い授業を改善することというのを取組の一つとして掲げてございますけれども、これは、一人一人の子供の状況も踏まえて、そうした学習進度や興味、関心等に応じた指導など、一方通行ではない、子供たちの特性に合った柔軟な学びを教師の裁量性がある指導の下で実現して主体的に学べるようにすることを目指したものであって、授業時数や内容の削減そのものを、削減を目指したものではないと考えてございます。
ただ、今回、新しい指導要領の検討の中においては、これまで積み上げてきたいろいろな教育課程の中で教科書も大変厚くなっている、あるいは教師用指導書も厚くなって、授業づくりの実態としてあれもこれもやはりやる必要があるという中で進めてきた実態もあることは事実でございます。
授業づくりの全体を捉えた上で、教師にとっても子供にとっても過度な負担や負担感が生じない在り方というのを検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。
吉良よし子
現在のCOCOLOプランではそういう負担を軽減するという中身になっていないということでした。それが私は問題だと思うんです。
学習指導要領についても、今、十年ごとの改訂に向けた諮問を出されたということで、それで負担の見直しということもあるといいますが、諮問、文科省が出したこの学習指導要領についての諮問を見てみると、この授業時数については、先ほど御紹介もありましたけど、現在以上に増加させないとあるのみで、減らすというふうに書いているものではないわけです。
やっぱり私はこれ、減らさなきゃいけないと思うんですよね。一方通行型でない、一人一人の子供に向き合う、そういう学びを実践するためには、やっぱり各現場に子供一人一人に向き合う時間が必要なわけで、そのためには授業時数を減らす、教員数を増やす、文科省がやるべきことがあるはずなわけです。
その上で、この資料三、御覧いただきたいと思うんです。
かつて、二〇〇三年です、不登校問題に関する調査研究協力者会議が取りまとめた今後の不登校の在り方についてという報告なんですけれども、この中に、不登校は学校に起因するものも多くあることを危機感を持って認識し、その解消に向けて取り組むことが必要とあったわけです。不登校については学校そのものの在り方が問われているという認識、これが二十年も前から指摘されていたと、これを解消するように求められていたと。
文科省に確認しますけど、この二〇〇三年の協力者会議報告のこの学校に起因するものが多くあるというこの内容、そしてこれに基づく通知というのは今も堅持されているわけですか。いかがでしょう。
政府参考人(望月禎君)
平成十五年三月の協力者会議の報告を御紹介いただきました。
令和五年十一月に文部科学省から発出しました通知におきましても、不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方としまして、学校教育の役割は極めて大きく、学校教育の一層の充実を図るための取組が重要であることとともに、既存の学校教育になじめない児童生徒については、学校としてどのように受け入れていくかを検討し、なじめない要因の解消に努める必要があること等を示しているところでございまして、御指摘の平成十五年三月の報告の該当部分の考え方は現在も引き継いでいるというところでございます。
吉良よし子
いえ、事前に聞いたことと違いますけど。この会議の報告、そして通知は生きているんですか、廃止したんですか。もう一度お答えください。
政府参考人(望月禎君)
今も御答弁させていただきましたが、御指摘の平成十五年三月の報告の該当部分の考え方は現在も引き継いでいるところでございます。
吉良よし子
これ調べたんですけれども、教育機会確保法、これ制定したときに、この二〇〇三年の協力者会議報告、この学校に起因するものが多くあるというものなどに関わる通知というのは一旦廃止されたと、そういうふうに文科省からも説明受けているんですけど、違いますか。
政府参考人(望月禎君)
説明が私ども不足していて失礼いたしました。
平成十五年三月の報告の該当部分の考え方は現在も引き継いでおりまして、通知は、これまでの不登校問題に関する協力者会議あるいは昨今の状況、あるいは教育機会確保法等を踏まえた形で、新しく通知を出しているものについては総合して現在の考え方を示しているものでございます。
吉良よし子
要するに、統合していって元の通知はなくなっているということなんですけれども、しかも、考え方は引き継いでいるとおっしゃいましたけど、この学校に起因する問題であるというような書きぶりというのはその後の報告書や通知の中では書かれていないんですね。ちゃんと二十年前の指摘に沿って、これが学校に起因する問題でもあるという危機意識持って取組を進めていたら、ここまで不登校、学校に行けない子供たち増えなかったんじゃないのかということを私は指摘したいと思うんですよ。
もし、そのときにちゃんと学校の問題だということで文科省が向き合って、学習指導要領の内容とか、授業時数をどんどんどんどん増やすんじゃなくて減らしていくとか、学校現場の教員を増やすとか、そのために教育予算を抜本的に増やすとか、そういうことをやっていれば、ここまで不登校増えることはなかったんじゃないのかと思うんです。
改めて、大臣、この不登校というのが学校に起因する問題でもあるんだというこの視点にちゃんと立って、文科省こそが学校に行けない子供たちをこれ以上増やさないという立場で大本から学校を変えていくと。学校を嫌いな場所じゃなくて好きな場所になれるように、予算増やして、教員増やして、負担を減らしていく、その立場に立つべきではありませんか。大臣、いかがですか、最後。
国務大臣(あべ俊子君)
委員御指摘の点についてはしっかりと受け止めさせていただきながら、本当に、御指摘のように、平成十五年の報告から授業時間数の削減の必要性を導き出すことは本当に困難でございますが、COCOLOプランに基づきまして、改めて、この多様な学びの場の整備、また学校を誰もが安心して学べる場所にするために全力で取り組んでまいります。
吉良よし子
是非、学校の負担、子供たちに対する負担も軽減していただきたいと。
新日本婦人の会が集めて届けてくれた不登校の子がいる親の声では、居場所つくってほしいし、そういう負担も軽減してほしいんだけれども、費用負担などの軽減もしてほしいんだけれども、不登校児の親として、地域の学校で育ってほしいというのが一番の本音だと。地域の学校で育ってほしいというのが一番の本音だと。自分の子供が毎日学校を楽しみに行ける、そういう場所に学校がなったらどんなにいいだろうと思いますという声があったわけです。
やはり、不登校の問題を解決していく、子供たちが楽しく学校に行けるようにするためには学校そのものの在り方を見直すべきであると、そのために文科省がちゃんと旗を振るべきであるということを申し上げて、質問を終わります。