修学支援法改定案 反対討論 参文教委
議事録
吉良よし子
私は、日本共産党を代表して、大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
本法案は、現行の低所得世帯の学生を対象にした授業料減免及び給付型奨学金に加え、多子世帯の学生への授業料減免を行おうとするものです。
しかし、現在、高い学費に苦しんでいるのは多子世帯だけではありません。少子化対策と言いながら、三人産まないと支援しない、とにかく産めと押し付ける姿勢は余りにも傲慢です。
しかも、拡大対象である多子世帯とは、扶養する子供が三人以上であることが条件です。上の子が就職するなどし、扶養する子供が二人以下になれば、たとえ在学中であっても支援が打ち切られてしまいます。対象拡大したなどと誇るべきではありません。
現行制度の下でも、家計の収入が増えていないにもかかわらず、扶養状況の変化や課税額の変化によって在学中でも支援が打ち切られる事例が生じています。線引きばかりで支援の対象を限りなく狭く絞る制度では、支援が必要な学生に行き渡りません。
その上、本法案で支援対象を拡大することを理由に、文科省は成績要件の厳格化を行うとしています。現行制度の下でも、成績要件があることで難しい授業を取ろうとしないなど、学修意欲がそがれています。相対評価が基準になっているため、学生の中に分断も持ち込まれています。学生の学修意欲をそぎ、分断を招く成績要件は、厳格化ではなく撤廃すべきです。
また、収容定員割れしているなど、経営に問題があるとされる大学等も支援対象から排除する機関要件も問題です。
二〇二四年度から機関要件も厳格化されていますが、修学支援を使って大学を差別、選別、排除し、何の責任もない学生に負担を強いる機関要件は余りに不当です。大学の再編、淘汰が加速しかねない機関要件も撤廃すべきです。
あわせて、修学支援法に消費税増税分を財源と明記していることも問題です。支援対象拡大を阻害しかねない上、更なる増税又は減税しない理由となり得る附則四条は削除すべきです。
何よりも今学生たちが求めているのは、高過ぎる学費そのものに焦点を当てることです。国立でも私立でも相次いでいる学費の値上げを止めること、全ての学生を対象に学費の値下げ、無償化を目指すべきです。そのために、大学の基盤的経費を抜本的に増額すべきと申し上げ、討論を終わります。