2025年・第217回通常国会
教員の時間外勤務は労働時間 労基法での認定要求 参院文教科学委
要約
日本共産党の吉良よし子議員は22日、参院文教科学委員会で、教員給与特別措置法(給特法)改定案について質問し、労働基準法に基づき、教員の時間外勤務を労働時間と認め、正確な労働時間や休憩時間の把握・管理を行うよう求めました。
吉良氏は、文部科学省が「在校等時間」「時間外在校等時間」という概念をつくり、阿部俊子文科相が「必ずしも時間外在校等時間はゼロにならない」と答弁したことに関し「8時間労働を守らなくていいのか」と質問。阿部文科相はまともに答えませんでした。吉良氏は「命令がなければ『労働時間ではない』などと述べるからわけが分からなくなる」と批判しました。
吉良氏は、最高裁判決が「勤務時間外の教材研究等(授業準備)なども校長の包括的な職務命令があったことは明らかで、必要不可欠な職務遂行だ」と認めたことを示し、「部活動はもちろん、授業準備についても労働時間と認めるべきだ」と迫りました。阿部文科相は労働時間には当たらないとの答弁を繰り返すだけでした。
さらに、吉良氏は「休憩が取れない」との教員の声を紹介し、所定の休憩を与えられていないことは労基法違反ではないかと追及。阿部文科相も「労基法に反している」と認めました。吉良氏は、休憩時間を正確に把握し、持ち帰り残業の実態も把握する「勤務実態調査が必要だ」と強調しました。
議事録(未定稿)
※こちらの議事録は速報・未定稿版となります
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。まず、私たち日本共産党の給特法についての考え方についてですが、私たちは、この給特法三条の二項、公立学校の教員には残業代を支給しないという条文、また五条の公立学校の教員には労働基準法三十七条、残業代支給を適用除外にするという条文の廃止を求める立場であります。
この残業代制度についてはこの委員会で繰り返し質問もしてまいりましたけれども、残業に割高な賃金支給を義務付けるということで、使用者のコスト意識に訴えて長時間労働を避けるという世界共通のルールなわけです。
これを自民党政府が、一九七一年の給特法の改定でこのルールを公立教員から適用除外にすると。そのときに、日本共産党始め全ての野党が、それでは労働時間が無定量になってしまうんだと反対をしたわけです。事実、政府がこの残業代制度を教員から外した結果、教育行政はコスト意識がゼロになって、教員増やさないまま次々と仕事を学校現場に下ろして、労働時間というのはまさに無定量となったというわけで、この残業代ゼロ制度を温存するままでは駄目だと、これを、そういう今回の法案は一から出し直すべきであるということをまず初めに申し上げておきたいと思うわけです。
しかも、文科省はこの間、単純にその労働法三十七条を適用除外にしたのみならず、この間、わざわざ、在校等時間、そして時間外在校等時間という概念までつくり出してと。
今回、修正案によって附則にこれが明記されることになるわけですが、ここで大臣に確認をしていきたいと思うんですけれども、これ、在校等時間若しくは時間外在校等時間とする、そういう概念を持ってくるというのは、給特法における教員の労働法適用除外の対象をまさか更に拡大しようというものではないですよね。そうじゃなくて、基本的には、今もこれからも教員に労働基準法は適用されるということは大前提だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えいたします。
在校等時間又は時間外在校等時間として時間管理の対象にしているのは、時間外勤務命令を命じられて行うものでないとしても、こうした業務を行う時間も含めて時間を管理することが学校における働き方改革を進める上で必要不可欠であるためでございまして、御指摘のような労働基準法の適用除外を拡大するというものではありません。
また、御指摘の公立学校の教師における労働基準法の適用に関しましては、まずは、地方公務員には一部の規定を除きまして労働基準法が適用されています。その上で、公立学校の教師につきましては、給与その他の勤務条件の特例を定めた給特法の規定に基づきまして、必要な読替えが行われた上で、一部の規定を除きまして労働基準法が適用されています。
○吉良よし子君 一部を除いて労働基準法も基本的には適用されるということで、これは本当に重要なことだと思っているんです。
一方で、今日午前中の議論の中で、時間外在校等時間に関わって、その目標を三十時間とするという話に当たって、ゼロを目指すべきじゃないかという質問に対して大臣は、その時間外在校等時間は必ずしもゼロにはならないんだと御答弁されたと。しかも、それはなぜかというと、職務命令に基づかない、つまり自主的な残業もあるからゼロにならないという御答弁されたわけです。
私、驚くべき答弁だと思うんですね。いや、労働基準法には適用されるはずなんですよね。なのに、この自主的な残業もあるから時間外在校等時間はゼロにはならない、ならなくてもいいということは、つまりそれは、時間外在校等時間がどれだけあったとしても、まあ三十時間、それ以上あったとしても教員は一日八時間労働を守られているという認識なのか、若しくは、一日八時間労働、教員は守らなくてもいいという御認識なのか、いかがですか、どちらですか。
○国務大臣(あべ俊子君) 先ほどの、必ずしもゼロ時間となるものではないということは、不断の見直しをしていくということでもございます。
○吉良よし子君 御答弁されていないですね。
時間外在校等時間ゼロにしなくてもいいということは、教員が一日八時間労働じゃなくていいということか、いや、時間外在校等時間がどれだけあったとしても一日八時間労働ですねと、教員はと言っているか、どちらかだと思うんですけど、どっちなんですか。
○国務大臣(あべ俊子君) 先ほどのお話に戻ります。例えば、公立学校の教師の所定の勤務時間は条例で七時間四十五分と定められているというふうに私は承知をしておりますが、所定の時間外、勤務時間外に勤務するよう、法令の根拠に基づいて、校長が教師に対して時間外勤務命令を行った場合には所定の勤務時間を超えて教師を勤務させることができます。
○吉良よし子君 まあ全然お答えになっていないんですけどね。
だから、問題なんです。時間外在校等時間なんという概念持ってくるから訳が分からない話になるんですよ。一日八時間労働を守るというのは労働基準法の原則なんですよ。その原則に立つならば、時間外の勤務というのはゼロにしていく、それを目指すのが原則であるはずなのに、これは時間外在校等時間で、命令がないから計らなくていい、労働時間じゃないなんということを言っているから訳の分からない答弁になっているんですね。それが問題だと言っているんです。
ここで厚労省に確認したいと思うんですけど、労働基準法の労働時間についてです。
先ほど来大臣は、超勤四項目の、以外は職務命令がないから労働時間じゃないということを言っていると思うんですけれども、この労働基準法上の労働時間というのは、明示的な指示がなくても黙示的な指示があれば労働時間に該当するということでよろしいかということ、そして、その労働基準法上の労働時間の考えというのは、基本的には公立学校の教員にも適用されるということでよろしいか、お答えください。
○政府参考人(尾田進君) お答えいたします。
労働基準法における労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであり、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは個別具体的に判断されるものでございます。
すなわち、たとえ明示的な指示がなくとも、客観的に黙示的な、客観的に見て黙示的な指示に基づき業務を行ったものと判断されれば、労働基準法における労働時間に該当するものと評価されることとなります。
このような労働基準法における労働時間につきましては、公立学校の教育職員も含めて、労働基準法が適用される労働者には基本的に同じ考えで適用されるものと考えております。
○吉良よし子君 そうなんです。つまり、明示的に職務命令がされたかどうかではなくて、客観的な状況において黙示的な指示があったと判断されれば、それは全て労働時間としてカウントされるべきなんです。
ところが、文科大臣は、先ほど来の答弁でも繰り返されているわけですけれども、衆議院の議論でも、例えば給特法の仕組みにおきましては、所定の時間外に行われる部活動の指導時間は労働基準法の労働時間とは言えないと答弁して、その理由として、いわゆる超勤四項目以外の業務を所定の勤務時間外に行った場合については時間外勤務命令に基づくものではないと整理をされると言っている。
私、これ理解ができないんですね。労働基準法上の労働時間の考え方は教職員にも適用されるんだと言いながら、その勤務時間外に行われる部活指導などの勤務の時間は労働時間にならないと。理解できないと思うんですよ。
ここで私、かつて最高裁で確定したいわゆる鳥居判例、教員の時間外勤務についての判決を紹介したいと思います。
この裁判というのは、当時、愛知県豊橋市の中学校教員だった鳥居建仁先生が、二〇〇二年の九月、四十二歳のときに、生徒とともにユニホックというユニバーサルホッケーの模範試合を行った後に脳出血で倒れて、精神症状、身体麻痺を発症して、入院含む治療とリハビリを余儀なくされたと。それについて公務災害と認めなかった愛知県の処分取消しを求めたという裁判で。
鳥居先生というのは、その模範試合で倒れた日は学園祭の初日で、夜警のため前夜から学校に泊まり込んでいたことに加え、日頃は、連日朝早くから放課後まで、もう土日もずっと陸上部の指導して、そのため、授業準備なども所定時間内で終わらなくて、膨大な残業を日常的にやっていたということなんです。しかし、愛知県はその働き方について、校長の職務命令は認められないと、今の文科大臣と同じようなことを言いながら、これを公務災害と認めないという処分をしたと。
しかし、最高裁で確定した判決では、そうじゃないんだと、教育職員がやむを得ずその職務を勤務時間外に遂行しなければならなかったときは、勤務時間外に勤務を命ずる旨の個別的な指揮命令がなかったとしても、包括的な職務命令に基づいた勤務時間外の職務遂行と認められると、つまり労働時間だと認める判決を下したわけです。
この判決に照らせば、大臣の先ほどの整理は間違っているんじゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(あべ俊子君) 御指摘の裁判例に関して申し上げれば、公務災害の認定に当たりまして、原告の勤務時間外の職務遂行が校務分掌等による包括的な職務命令に基づいた職務遂行と言えるかという見地から公務該当性を判断したものであるというふうに承知をしているところでございます。
公立学校におきまして、教師が時間勤務外に校務に従事している時間がすべからく労働基準法の労働時間に該当するというものではなく、給特法は、こうした点も踏まえまして、公立学校の教育職員の給与その他の勤務条件の特例を定めているものでございます。
その上で、御指摘の答弁に関しましては、公立学校の教師が、所定の時間外にいわゆる超勤四項目に該当する時間外勤務命令に基づき業務を行う時間は労働基準法の労働基準時間に該当いたしますが、時間外勤務命令によらず業務を行う時間は労働基準法上の労働時間には当たらないものと考えております。
○吉良よし子君 いや、大臣、それはあり得ない答弁だと思うんですよ。
これは公務災害認定を問う確かに裁判ではありました。けれども、大臣はそれで、公務災害認定上の裁判だったから、この裁判の範囲内での判例だと、判決だとおっしゃったと思うんですけど、つまりは公務災害、病気や事故によるけが、最悪死に至る場合でなければ、時間外の労働を労働時間と認めないと言っているに等しいじゃないですか。そんな非人道的なことが認められるのかと。
この公務災害の認定というのは、そのときの勤務が公務だったかどうか、時間外でのその行為が職務命令下にあったかどうかの事実の争いであって、それは、判決においては職務命令下にあったと判断された。それは、一般的なふだんの学校の勤務においてもあり得る状況であるわけです。部活そして授業準備で時間外勤務が発生するなんというのは、世の中の先生方ずっと体験していることですよね、それは一般的なものなんですよ。それを公務災害のときだけしか適用できないなんということはあり得ない話だと思うんです。
より具体的に判決紹介したいと思います。裁判は、勤務時間外の教材研究等についても具体的に職務命令があったかどうかということを争っていて、当時県側は、これも、勤務時間外の教材研究等、まあ授業準備ですね、について校長の職務命令は認められずと、原告の自主的な活動であると主張していたわけですが、これに対して判決は、この教材研究、勤務時間外の教材研究等について校長の包括的な指揮命令があったことは明らかと、教材研究についても、教員、教育職員が自らの職務を全うするためには必要不可欠なものだと、これらの職務を完遂することは黙示的な職務命令が及んでいるものと認められるとしているわけです。授業準備、教材研究は当然に包括的な指揮命令下にあったと、黙示的な職務命令が及んでいるというのが最高裁での結論なわけです。
とすれば、先ほどの大臣の、上記四項目以外のものは労働時間と認められない、そう整理できないという答弁は間違いだし、撤回するべきではありませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(あべ俊子君) 公立学校におきまして、教師が時間勤務、勤務時間外に公務に従事している時間がすべからく労働基準法の労働時間に該当するというものではなく、給特法におきましては、こうした点も含めて公立学校の教育職員の勤務条件の特例を認めているところでございまして、繰り返しになりますが、公立学校の教師が、所定の勤務時間外にいわゆる超勤四項目に該当する時間外勤務命令に基づき業務を行う時間は労働基準法の労働時間に該当いたしますが、時間外勤務命令によらず業務を行う時間は労働基準法上の労働時間には当たらないものと考えているところでございます。
○吉良よし子君 いやあ、大臣、本当、それじゃ最高裁の判例を無視していると言われても仕方がない答弁繰り返しているわけですよ。
事実、具体的な、明示的な職務命令がなくても、こなさなければならない業務というのは学校現場に大量にあるわけですよ。部活動の指導はもちろん、授業準備はもちろん、それをやらないで職務を遂行するということはあり得ない話であって、だからこそ、黙示的な、包括的な職務命令があったものだと最高裁も認めざるを得なかった、認めたということなわけで、それを命令がないから労働時間じゃないよねと整理するなんというのは、文科省、文科大臣、これはね、絶対に許されないことですよ。改めて撤回するべきですよ。もう一度、いかがですか。
○国務大臣(あべ俊子君) 撤回することは考えておりません。
○吉良よし子君 この包括的な職務命令があるということを認めないというのは、行政としてあり得ない異常事態です。一方で、教員を労働基準法に適用されると言いながらこういう扱いをしているというのは、労働基準法の適用除外をどんどん広げていると言われても仕方がない行為をしているわけじゃないですか。こんなことは絶対に許されないんだということを厳しく追及させていただきます。
あわせて、休憩時間の問題についても、午前中ありましたので聞かせていただきたいと思います。
昼休みも放課後も忙しく、休憩する暇がない、毎日トイレに行く時間も取りづらい。文科省は休憩二十分取れているなどと言っていましたが、自由に過ごせる時間なんてありませんと、日本共産党に寄せられた教員の働き方アンケートには、休憩がないという声、多数寄せられているわけです。
これも午前中議論があったので一回確認をしておきたいと思いますけれども、こういう休憩時間が実態として取れていない、取れない、取らせられないということは、労働基準法違反だということで、大臣、よろしいですね。午前中答弁ありましたね。
○国務大臣(あべ俊子君) 地方公務員である公立学校の教師につきましても労働基準法は適用されていることから、仮にこの公立学校の校長が所定の休憩時間を当該学校の教員に与えていないと認められる場合におきましては労働基準法に反することとなるものと考えられるものでもあり、学校長において実態に応じて正確に休息時間を把握すべきであるというふうに考えております。
○吉良よし子君 労働法違反だということでした。
先に実態把握ということをおっしゃいましたけど、そうなんです、この休憩時間が取れていないという状態というのは労基法違反なんですよね。じゃ、実際にその実態を把握できているのかという問題があるんです。
私が聞いたのは、学校現場では出勤時と退勤時にはタイムカードを押すわけですね。しかし、休憩時間については、実際に何分取れたかにかかわらず一律で四十五分引かれて、それが教育委員会に報告されて、教育委員会の取組状況調査の報告として数字として上げられていると。
これ、勝手に一律休憩時間四十五分差し引いているというのは実態把握とは程遠いと思うんですけれども、正確な教員の労働実態を把握する、労基法違反を防ぐためには、休憩時間を一律に四十五分差し引くという対応なんかではなくて、実態に応じて正確に休憩時間把握すべきと思いますが、もう一度、大臣、いかがですか。
○国務大臣(あべ俊子君) やはりその学校長におきましては、実態に応じて正確に休息時間を把握すべきものだと私ども考えておりまして、この点に関しましても今後指導等をしっかり徹底してまいりたいというふうに考えております。
その上で申し上げれば、教師の皆さんが確実に休息時間を取れるためにも、学校における働き方改革の更なる推進と、そして、教職員定数の改善など、学校の指導、運営体制の更なる充実が欠かせないと考えておりまして、総合的な取組を進めてまいります。
○吉良よし子君 休息を取ることが必要だという大臣の御答弁もありましたし、正確に把握をしていきたいということだと思うんですけれども、ここで厚労省にもう一点確認をしたいと思います。
この休憩時間についての定義なんですね。これは厚労省において労働法上どのように定義されているのか、御紹介ください。
○政府参考人(尾田進君) お答えいたします。
労働基準法第三十四条では、使用者は、労働時間が六時間を超える場合は四十五分以上、八時間を超える場合は一時間以上の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないとしており、休憩時間は原則として一斉に付与し、自由に利用させなければならないとしております。
また、この休憩時間の意義につきましては、単に作業に従事しない手待ち時間を含まず、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間をいうものと解釈しております。
○吉良よし子君 これ大事なんですね。単に作業に従事しない時間ではなくて、労働者が権利として労働から離れることができる時間なんです、離れることができる。
だから、一般的には昼休みなどに職場を離れてランチをするとかそういうところが休憩時間に当たるんですけど、そういう時間が果たして学校で取れているんですかというところでいえば、取れていないというのが多くの教員の皆さんの声だと思うんです。
これ実態把握が必要だということ先ほど来言っているんですけど、国の行った二〇二二年、令和四年の勤務実態調査では、一分単位の休憩時間というのを調査をされていると。これ、この調査する際の休憩時間、どのように定義をして調査されたんですか、初中局長。
○政府参考人(望月禎君) 御指摘の令和四年の勤務実態調査における一分単位で把握した出勤時刻から退勤時刻等に取得した休憩時間につきましては、その定義は休憩、休息、校務と関係のない雑談などとしてございます。
○吉良よし子君 休憩、休息、校務と関係ない雑談。雑談が休憩時間なんですか、完全に仕事から離れる時間なんですかというのは疑問が残るんですね。
そんな雑談した時間を一分単位で計らせるというから、勤務実態調査だって負担が多いという話になるわけで、やっぱりこれも、勤務実態調査でもやはり正確に休憩時間把握できていないと思うんですよ。それでも二十三分ですよ。四十五分取れていないという話ですから、やっぱりこれじゃ話にならないんだと。
問題は休憩時間だけじゃないですよ。持ち帰り残業も深刻です。
文科省は、衆議院でこの持ち帰り時間の把握というのは各教育委員会やっていないんだと答弁しているわけですけど、国の勤務実態調査で見れば、令和四年、二〇二二年の調査で、小学校で平日で三十七分、その前の二〇一六年の調査時より増えているわけです。
実は私、お話聞いたのは、現場の教員の皆さんの話聞くと、今クラウド化によってロケーションフリーの持ち帰りがもう可能になって、もうどんどん増えているんだという話も聞いていて、やっぱりこういう労働時間の実態、ちゃんと正確に、休憩は取れているのか、持ち帰り残業はどれだけあるのか、これを把握しなきゃいけないと思うんです。そういう意味では、今よりもより精度を上げた勤務実態調査、この継続がどうしても必要だと思いますが、最後、大臣いかがですか。
○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えします。
その前に、私、先ほど休息と申し上げたのは休憩の間違いでございました。失礼いたしました。
委員にお答えいたします。
教員の勤務実態調査につきましては、過去に実施した教員勤務実態調査が学校の現場にとって大変大きな負担であったことでございまして、近年、各教育委員会におきましては、客観的な方法で在校等時間の把握が徹底されてきたことを踏まえまして、今後は毎年度、教育委員会に対して実施する調査を通じまして、全国の教師の時間外在校等時間の状況を把握してまいりたいというふうに考えております。
具体的な調査内容につきましては、従前の調査にも留意をしていきながら、教師一人当たりの時間外在校等時間を把握をしながら、その縮減に関わる目標の達成状況を確認することができるよう、適切な調査方法をしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
○吉良よし子君 教育委員会の調査でという話だと思うんですけど、教育委員会の調査では休憩時間も持ち帰り残業も把握できていないのが実態で、それでは不十分であるわけで、だからこそ勤務実態調査の継続が必要ですし、確実に休憩時間を取っていく、そして持ち帰り残業をなくしていく、そのためには人員を抜本的に増やすしかないんだということ申し上げまして、質問を終わります。