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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2024年・第213通常国会

【参考人質疑】再エネ 地域共生大切

要約

 参院資源エネルギー・持続可能社会調査会は17日、「資源エネルギー分野のイノベーション」をテーマに参考人質疑を行い、日本共産党からは吉良よし子議員が質問しました。

 吉良氏は、脱炭素の実現には地域共生での再生可能エネルギーの普及が大切だと強調しつつ、2月21日の同調査会参考人質疑で、平田仁子Climate Integrate代表理事から、地域共生の再エネ普及では地域の納得を得るプロセスや地域主体とすることや、担い手育成、雇用創出などの産業振興の視点が重要だとの指摘があったとして、その可能性や課題について質問しました。

 水から「グリーン水素」をつくるシステムを運営する山梨県公営企業管理者の村松稔氏は、県内の森林で太陽光発電を推進する際、「地域環境を壊さない努力が大切だとの議論があった。地域の理解を得ながら進めることは絶対条件だ」と答弁。菅野了次東京工業大学全固体電池研究センター長は、地場産業や地域教育との連携の重要性を強調しました。

 石村和彦国立研究開発法人産業技術総合研究所理事長は「分散型での再エネ普及は、地域の発展に寄与し、地域産業を支える中小企業の活性化につながる可能性がある」と答えました。

 吉良氏は、脱炭素や技術開発への国の支援を求めていきたいと述べました。

しんぶん赤旗2024年4月22日付けより抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 三人の参考人の皆様、本日は貴重な御意見をありがとうございます。脱炭素に向けて新技術の開発、そして活用、普及に向けて様々取組をされているという御報告、興味深く伺ったところです。
 では、初めに三人の参考人の皆様全てにまず伺っていきたいと思うんですが、皆様のお話では、やはりこうした技術開発などを進める上で産業との連携の必要性というのはるるお話があったかと思うんです。一方で、私、脱炭素、そして再生可能エネルギーの普及、開発といったときに、地域、地方との連携も欠かせないと思うんですね。地域と住民の力に依拠した地域共生での再エネの普及というのは必要じゃないかと思っているわけです。
 二月二十一日の本調査会での参考人質疑の際には、平田仁子参考人から、この地域共生の再生可能エネルギーの普及においては、一つ、協議、情報公開など地域の納得を得るプロセス、二つ、利益還元が伴う地域主体の取組にすること、三つ、担い手育成、雇用創出など地域の産業振興につながることが、この三つが大切な視点だとの指摘があり、大変重要な御指摘だなと私伺った次第なんですけれども、三人の皆様はそうした点についてどうお考えになるかということを伺いたいんですね。
 水素とか蓄電池とかペロブスカイト太陽光などなど、新技術、エネルギーがあるわけですけど、そうしたものを地域と連携して、地域共生で普及、開発していくことの必要性についてどう考えるか、そして、それを進める上で地域を主体として進めること、地域の雇用や担い手、産業の振興につなげるという観点での課題、可能性について、それぞれのお立場からのお考えを聞かせていただければと思います。お願いいたします。

会長(宮沢洋一君)

 なかなかお答えしにくい質問だと思いますので、まず、村松参考人からまずお話しいただいて、菅野参考人、石村参考人にお答えいただきます。

山梨県公営企業管理者 村松稔君

 会長さんおっしゃったとおり大変難しい御質問でございまして、ちょっと今私が携わっている仕事とは異なりますけれども、私はこの前、山梨県庁の中の環境・エネルギー部というところにおりました。当時、太陽光発電が日本各地で大変、当時、山間地への設置ということで大変問題になっておりまして、当時知事から命を受けまして、山梨県内で特に森林への太陽光発電の設置を適正化するような、そういう条例を作れということで対応してきた経緯がございます。
 やはり、特にその再生可能エネルギー、太陽光発電に関して、まあほかのものもそうだと思いますけれども、やはりその当時から私どもの知事が言っていたのが、地球環境のためにいいと言いながら地域の環境を壊すというのは、それはあり得ないでしょうということであります。ですので、その太陽光発電なり風力発電なり、それ自体は決して悪いものではないと思いますけれども、それをいい形で導入する、そういうその努力というか、ということをしないでおくと、やはりそれ自体が悪者のようなものになってしまうということであります。
 ですので、今先生おっしゃったような点は、これはこれから、今私が携わっている水素事業もそうですけれども、やはりその地域の皆様にどういうことをするのだということをしっかり説明をして、理解を得ながら進めていくということは、これは絶対条件であると思います。
 ですので、現在、山梨県内でも、米倉山に次ぐ拠点といたしましてサントリーさんの白州工場へ大規模なP2Gシステムの導入を進めておりますけれども、設置計画の当初から地域の皆様方にはしっかりと説明をして、御理解をいただきながら進めてきているという状況でございます。
 以上でございます。

会長(宮沢洋一君)

 次に、菅野参考人。

東京工業大学科学技術創成研究院特命教授・全固体電池研究センター長 菅野了次君

 確かに大変お答えしにくい御質問ですが、私の経験から、地域というのは大変重要で、私も東京に移る前は地域にいたんですけれども、そこでやはり地場の産業、それから教育ですね、その地域に根差した教育に関与するというところが多分ポイントかと思います。
 先ほども少し御紹介ありましたけれども、蓄電池の分野では大阪の、関西の地区で次世代の人材を育てるというプロジェクトが走っています。その地域地域で蓄電池に関与する産業がメインになっているところがあります。そのメーカー、企業がサポートする形で地域の高専、特に高専ですね、をサポートしているというような例があり、そこに私自身出向いて講義をするというような機会もあります。
 蓄電池というのは非常に裾野の広い産業です。電池、製品となって車に積まれる、それだけじゃなくて、材料から機械から、製造機械から、非常に幅広い、裾野の広い産業です。地方にその強みを生かした産業というのがあります。その地域での教育というのが私個人にとっては大変重要かなというふうに思っています。

会長(宮沢洋一君)

 それでは、最後に石村参考人。

国立研究開発法人産業技術総合研究所理事長兼最高執行責任者 石村和彦君

 ありがとうございます。
 最初、えらい難しい質問やなと思ったんですけれども、よく考えてみると、今日話した再生可能エネルギー自身が非常に分散型の電源でありまして、過去の集中的な発電とは違った分散型の発電であるということと、これ風力にしても太陽光にしても、まあ地熱にしてもそうだと思うんですけれども、要するに分散型だということは日本の中にいろんな場所でできるということで、そういうことでは、その地域、各地方の、地域の発展に寄与できる可能性がある電源だということは言えるというふうに思います。
 それと同時に、やっぱり電源、再生可能エネルギー発電するだけじゃなくて、それをまたグリッドに乗せて送電していったんでは効率が悪いんであれば、やっぱり地産地消という、エネルギーの地産地消という面では、もちろんその地域にそういう直接電気を使う産業が生まれればそれでもいいんですけれども、それでも時間変動、変動部分がある分を水素のようなもので貯蔵しながら変動を抑制していくということができれば、地域産業に貢献できる可能性十分あるというふうに思って、再生可能エネルギー自身がその地域地域の発展に寄与できる十分可能性があるものだというふうに思います。
 と同時に、そういうことを狙った上で、産総研、先ほど紹介したFREAという福島再生可能エネルギー研究所は、再生可能エネルギーの研究しているだけじゃなくて、あの当時、福島の復興ということで中小企業支援をやっていまして、そこで再生可能エネルギー関係のいろんな材料の開発とかシステムの開発を中小企業さんに支援してやっている。そういうものが、再生可能エネルギーをやること自身が、再生可能エネルギーを作ることも地域の発展に寄与できる可能性があるんですけど、それらの基盤産業を支える部材の産業としても、いろんな地域に分散しているそういう中小企業を活性化できる可能性があるというふうに考えています。
 以上です。

吉良よし子

 難しい質問にそれぞれの御立場でお答えいただき、感謝申し上げます。
 ただ、本当にその説明、理解が大事だとか、地方、地域での教育が大事だとか、再エネ自体が分散型でその地域貢献につながると、それぞれ示唆に富んだお話だったかと思っております。是非、新しい技術、脱炭素につながるように、皆様の取組進められるように国としても応援できればなと思いました。
 終わります。