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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2024年・第213通常国会

【参考人質疑】物流の2024年問題 課題は運転者の賃上げ

要約

 参院国土交通委員会は23日、「物流の2024年問題」への対応として、荷主や物流業者への規制を盛り込んだ「流通業務総合効率化法」「貨物自動車運送事業法」両改定案について参考人質疑を行いました。

 全日本建設交運一般労働組合の足立浩・中央副執行委員長は意見陳述で、「1990年の物流2法により30年間続いてきた規制緩和路線から、規制強化へむけた一歩だ」と指摘。「荷主への規制や多重下請け構造是正の実効性の確保をいかに図るかが必要だ」と語りました。

 「24年問題の課題」は荷物が滞る問題でなく、運転者の働くルールを定めた改善基準告示や時間外労働上限規制の順守、商慣習を抜本的に改革し運賃とトラック運転者の賃金を大幅に引き上げることだと主張。▽事業者に義務付ける中長期計画作成や定期報告を圧倒的多数の中小零細業者にも課す▽多重下請け構造を改善するための実運送体制管理簿に、事業者が受け取る運賃や下請け業者が受け取る手数料も明記する―ことなどを要求しました。

 さらに、(1)産業別最低賃金の確立(2)トラック運転者の労働時間等の管理(3)営業区域制の復活―を訴えました。

 日本共産党の吉良よし子議員は、「24年問題」が「物が運べない問題」として受け取られ、トラック運転者だけに責任・任務を負わせる議論や施策になることは「許されない」と質問。足立氏は「労働時間を短くし働きがいのある産業にすること」が課題だと強調しました。

しんぶん赤旗2024年4月24日付けより抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 本日は、三人の参考人の皆様、貴重な御意見をありがとうございます。
 それでは、早速ですが、初めに足立参考人に伺いたいと思っております。
 足立参考人が冒頭おっしゃっておりましたとおり、私も本法案については、一九九〇年の物流二法施行以来の規制緩和の流れの中で荷主や物流業者に対して一定の規制強化を図ろうと、そういうものだと認識しているところです。
 一方、この四月から高速道路におけるトラックの最高速度がこれまでの八十キロから九十キロに引き上げられました。この最高速度の引上げについてまずお尋ねしたいと思うんですが、これについて、現場、トラック運転者の皆さんの実感というのはいかがでしょうか。変化があるのかなどなどを含めて教えていただければと思います。

参考人(全日本建設交運一般労働組合中央副執行委員長 足立浩君)

 まず、この四月から高速道路が今まで八十キロから九十キロに変わりました。まだ始まって二十日間ほどしかたっていませんが、現場の実感といいますか、私らも走ったりするときに感じるのは、高速道路全体のスピードが上がったなというふうに考えています。
 これは、やはり今まで八十キロという制限の中で大型トラックがいて、それを追い越す側は九十キロであったり九十五キロであれば当然すぐ抜けたというのが今までずっとやってきた感覚でした。これが九十キロになるということは、当然追い抜く側もそれ以上のスピードを出さないといけないということになってくるという点で、全体の高速道路、大型トラックが走っているところでの高速道路でのスピード感はやっぱりアップをしていますし、当然、ドライバーに対する、ドライバーの重圧感といいますか、やはり今までよりもスピードが上がることに対する恐怖含めて厳しくなっているんではないかなというふうに思っています。
 現場では、実際に、じゃもうそれを取り組まない、今までどおり八十キロで頑張ろうというところもあるように聞いていますし、その方が燃費も向上しますからいいんだというところも多くあるようで、その辺がまた、高速道路で八十キロ、それから九十キロの大型トラックが並走して走るということは危険かなというふうに考えています。

吉良よし子

 事故が減少しているとはいえゼロではない中で、こうしたドライバーに対する負荷が増えている現状がもう既に出てきているというのは深刻な事態だなと思って伺いました。ありがとうございます。
 続いて、三人の参考人の皆様全てに伺っていきたいと思うんですけれども、衆議院の参考人質疑では、首藤参考人から、トラックドライバーの賃金体系について歩合制の比率が高いということを特徴としておりまして、基本給の低さがドライバーの収入の不安定さにつながってきたと言われているとの指摘がありました。また、ドライバーの働き方についても、一回トラックに乗ったらもう五日、六日帰ってこれないという働き方こそ変えていかないといけないんじゃないかと思っていますという指摘もありました。どちらも重要な指摘だと思っています。
 本日もそのようなお話ちらちらあったと思うんですけれども、やはり私もこのドライバーの賃金を上げるといったとき、そもそもの基本給、固定給の部分の引上げというのが重要なんじゃないのかと、また、賃上げだけじゃなくて、その何日も帰ってこれないような働き方にもメスを入れていくべきじゃないかと考えるわけです。
 足立参考人から先ほど営業区域制の復活についても言及があったわけですが、それぞれの参考人の皆様、この固定給の引上げの必要性とか働き方の問題、どう改善すべきか、できるのかなどの御意見、問題意識、伺わせていただければなと思います。よろしくお願いいたします。

参考人(公益社団法人全日本トラック協会副会長 馬渡雅敏君)

 この問題については、経営者としての立場からお答えをしたいと思います。
 賃金の問題ですけれども、歩合給が比較的高くて、それからそういう制度を取っている会社さんが多いというのは、今までは時間に関係なく、例えば九百六十時間じゃなくて千時間以上働いておられた、完全歩合とは言いませんけれども残業代を超すような歩合をもらわれているということが可能であったわけですけれども、これからはもう可能ではありません。九百六十時間という規制がもうきっちり入りましたから、我々も労働組合に対して、これに対して、じゃ時間当たりの賃金をこういうふうに上げていこうとか、もらえていなかった高速代をこういうふうにもらおうとか、いろんなことを話をさせていただいているところです。
 固定給を引き上げていくというのは、安定して、従業員さんたちがこの会社に勤めてもう安定していると思っていただけるのが一番ドライバーさんたちに聞くと大事なことだと思いますので、これは経営者も労働組合も同じ目線でいくべき話だと思います。
 反面、先ほど百四十四時間の問題もありましたけれども、あれを決めたときと今と何が変わったかというと、お客さんが例えば土曜日に、我々は地方から野菜を持っていって、市場は開場しています。土曜開場やめてほしいんですよ、週の途中か何かに開場してほしいんですが、土曜開場がある。でも、土曜開場があったとしても、本当は値段は、多分国会議員の先生方御存じだと思うんですけれども、九割はもう相対取引です。ですから、競りでかかっているものは一割です。
 それだったら、ゆっくり運ばさせていただいて、若しくは高速道路を使ってきちっと運んだ上で、帰り荷も確保して帰ってくると。今積載効率が悪いということで、CO2削減も含めて、我々業界も言われていますけれども、そういったことを考えるときに、土曜日に行って、次、帰り荷のお客さんのところに日曜に、日曜は休みだからと思うんですけれども、この頃ハッピーマンデーが異様に多いんですよ、月曜日休み。お客様は月曜日休み、工場も休みですというふうにおっしゃって、火曜日来てくださいとおっしゃるんですよ。そうすると、百四十四で帰ってこいと言っても、現実的にはもう帰ってこれない。
 そういう外部環境の変化もありますので、労働者の方も必ずこの百四十四を超えて行きなさいということはあり得ないことだと思いますけれども、一定の要件の下では、じゃ、こういうふうにして待遇もこうしますとか、行った先できちっとベッドに、自分の車の中じゃなくても泊まれるとか、そういうことも考えながら、実態に合わせて百四十四時間というのを考えていただくのは必要だというふうに経営者としては思っていますので、これもやはり、労働組合とか運転手たちの、ドライバーの意見も聞きながら考えていきたいなと思います。
 以上でございます。

参考人(全日本運輸産業労働組合連合会中央執行委員長 成田幸隆君)

 ありがとうございました。
 先ほど私の前段の話の中でも、やっぱり歩合給部分の多いということも話をさせていただきました。それで、今我々の組合の中でも、なかなか、現場に出ているドライバーの方たちがそこまでの賃金の仕組みを全て理解しているかというとなかなか難しいところありますので、いろんなセミナーを含めて、こういう形にした方がいいかということを積極的に今取り組んでいますので、その中でいきたいと思っています。
 確かに、賃金が上がっても、時間が減って給料が変わらないとか減ったとなると、やはり先ほどのもっと稼ぎたいというところの話につながってしまいますので、そこは、そこにしっかり改革をしていきたいというふうに思っています。
 あと、今回、労働時間を短くしていくということでありますので、先ほど百四十四時間の話もありましたが、まずはその今のルールの中でしっかりやっていくことかなと私たちは思っているところであります。また、中継輸送を含めて様々な対策もあると思いますので、その中で労働時間を短くしていくということかなというふうに思っています。
 以上です。

参考人(足立浩君)

 労働時間というか、基本給の低さの問題ですが、私たちが通常トラックの運転手と話すると、少ないところでも、少ないところであれば九万円、六万円、基本給がというところで、あと歩合給だとか職務給だとかいろんな手当が付いて、所定内と言われる、ちゃんとした、一定きちんとされている企業であれば大体十七万から十八万、これが所定内という感じになります。これ割ると大体千円ぐらいに、一時間当たり千円ぐらいになるというのが今の実態で、運転手からするとほとんど最賃、最低賃金に近いような数字で今なっているので、建交労としてはまずは六割以上を目指したいというふうに思っていますし、できれば七割、八割というやっぱり基本給、所定内を、しっかり固定給をつくりたいというふうに考えています。
 それと、やっぱり働き方の問題ですが、今ありましたように、百四十四時間といいますか、百四十四時間というのはあくまで拘束される時間、ドライバーが行って帰って、その間に休息も含めて、馬渡さんが言われたように途中も泊まって、その全てを車両内で拘束されてしまうドライバーがいて、その間は休息期間であれば賃金が払われないということになります。実際に走っている部分についてはもらえますが、拘束されている、トラックの中で寝ている分、寝ているじゃないかいと言われたらそうなんですが、結局家にも帰れずにやっぱりなっている労働者がいるということについては、賃金は一切支払われずということになります。
 そういったことも含めて、そういうことがやはりいろんな疾患の問題に出てくるのではないかなというふうに考えていますので、こういったものについての考え方をもう少しこれから強化しながら整理していきたいというふうに考えています。

吉良よし子

 やっぱり固定給が低いままでいいのかというところでいうと、やっぱり引上げも必要だし、百四十四時間以内でどこでもかしこでもとか、その休息も含めてというところでいくと、働き方、もっともっとこの環境に合わせて、今の現代の環境に合わせて改善していく余地があるんだよなというお話があったかと思います。大事だと承りました。
 最後になるのかなと思うんですけれども、成田参考人、それから足立参考人に伺いたいと思っているんですけれども、二〇二四年問題についてですね、これ荷物が滞る問題というような捉え方もされていると思うんですが、足立参考人から、そういう問題ではなくて、やっぱり労働者の待遇改善の問題だという問題提起もあったかと思うわけです。
 トラックドライバーの中には、この二〇二四年問題と言われると、労働時間短縮で物が運べないことが問題だというふうに言われて、まるで自分たちが責められているような気もするなどという声が上がっているということも伺うわけですけれども、やっぱりこの問題考えるときには、ドライバーに責任や犠牲を負わせるような議論や施策というのは許されないと思いますけれども、その点について、現場の実感や声、思いも含めて、お二人からお聞かせいただければと思います。

参考人(成田幸隆君)

 ありがとうございました。
 おっしゃるとおりで、二〇二四年問題という、この問題というのがすごく我々も違和感がありまして、問題ではなくて、それは私たちの働く環境に問題があったと思っていますので、そういう意味では問題ではなくて、まず解決するためにどうかというふうに思っています。それで、なかなか、現場で問題問題と言われるとこちら側の問題になってしまうんですけれども、そうではなくて、働き方改革含めて、我々も努力しますけれども、いろんな方々に協力いただくということなので、そこは一般の消費者も含めて、問題という言葉を変えて、私たちはしっかり荷物を運びたいので、運びますからしっかり協力してくださいというふうに今すり替えていろいろ話をさせていただいているところです。
 以上です。

参考人(足立浩君)

 二〇二四年問題、当初言っていたとおり、やっぱり労働時間をどう短くして働きがいのあるトラック産業をつくるのかという問題だというふうに思っています。
 特に最近よく言われる置き配だとか軽貨物の労働者なんかは、その関係でいうと再配達とか言われます。僕らは、僕らが当初やっている頃は、当然労働時間としてカウントされますし、残業時間も付きます、再配達になればね。しかし、軽貨物の労働者は一個何ぼでやっているので、結局その部分がちゃんと自分の収入にカウントされない。ここが僕は大きな問題だというふうに思っています。
 再配達する、させるお客さんは悪いだけではなくて、やはりそこにしっかりと運賃、賃金がカウントされないということが一番問題だというふうに思っていますし、その中で、やっぱり長時間労働をなくしていくということの一環として、そういういろんな課題があるんではないかなというふうに考えています。
 以上です。

吉良よし子

 ありがとうございます。
 いずれにしても、ドライバーのみに責任や犠牲を負わせるような、そういう議論や施策ではない議論を進めていかなきゃいけないなという思いを強くしました。
 どうもありがとうございます。