loading...

吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2024年・第213通常国会

汚染土の事業白紙に 「新宿御苑に持ち込むな」

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は10日の参院決算委員会で、東京電力福島第1原発事故による汚染土を新宿御苑(東京都新宿区、渋谷区)に持ち込む実証事業を白紙撤回するよう求めました。

 2022年12月の地元説明会で環境省は、原発事故に伴う汚染土の新宿御苑への持ち込みは「再生利用基準の策定」のためだと説明していました。

 吉良氏は、再生利用基準の策定は24年度中に行うと環境省が説明しているが、新宿御苑など福島県外での実証事業は行わないということかと質問。伊藤信太郎環境相は「理解醸成の場として活用」すると答弁しました。

 吉良氏は、基準策定のための事業の目的が理解醸成へと変わっていると指摘した上で、事業終了後、汚染土は持ち帰るとされているが、いったいいつ終わるのかと質問。前仏和秀環境再生・資源循環局長は「終了時期は未定」だとして明らかにしませんでした。

 吉良氏は、事業目的を勝手に変え、終了時期も明らかにしないまま、とにかく土だけは持ってきて半永久的に押し付けるやり方だと批判。白紙撤回し、汚染者の責任を明確にして、一から議論し直すべきだと主張しました。

しんぶん赤旗2024年4月13日付けより抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 今日は、まず初めに、東京電力福島第一原発の事故で発生した汚染土の再生利用実証事業について質問をしたいと思います。
 環境省は、東京の新宿御苑にこの汚染土を持ってくるという実証事業を進めるということで、これについて二〇二二年十二月二十一日に地元の新宿区で説明会を行いました。その際、住民からは多くの疑問、不安の声がありました。以降、この説明会というのはないままになっているわけですが、ここで大臣に伺いたいんです。
 前任の西村環境大臣は、この事業について記者会見で、実施に当たっては、地元の皆様の御理解が得られるように丁寧に説明を尽くしてまいりたい、また、地元の理解を得ずにやるということはないと述べています。
 伊藤環境大臣もこの立場に変わりないということですか。

国務大臣(環境大臣 伊藤信太郎君)

 お答え申し上げます。
 西村前大臣は、再生利用の実証事業に当たっては、住民の皆様の御理解が重要であり、丁寧に御説明を尽くすという趣旨の発言をされており、私としてもこの方針には変わりありません。

吉良よし子

 方針変わりないと。
 では、じゃ、実際にこの事業、地元の理解を得られる事業なのかというところを確認していきたいんですけれども、資料一枚目を御覧ください。
 こちらが先ほど申し上げました二〇二二年の十二月、新宿区での説明会で環境省が配った資料になるわけです、の一部です。これを見ると、この汚染土の再生利用と安全性の実証事業の進め方ということで、これはつまり、この図を見ると、その再生利用基準の策定の前にこの今回事業というものをやるんだと、その基準の策定に向けてこの安全性を確認する実証事業であると、これをこの時点で説明したということで間違いありませんか。環境省、いかがですか。

政府参考人(環境省環境再生・資源循環局長  前佛和秀君)

 お答えを申し上げます。
 今、議員の配付資料にございますとおり、その二〇二二年十二月の説明会の資料におきまして、そこの実証事業の進め方ということとして、県内外の実証事業の結果を踏まえて再生利用に係る基準を策定するとした内容をお示ししたというところでございます。
 また、今回のこの実証事業の目的として、やはり多くの方々に御覧をいただき再生利用に関する理解を深めていただくとして、理解醸成の場としても活用する旨を資料の中で御説明をさせていただいているというところでございます。

吉良よし子

 県内外での実証事業を踏まえてこの再生利用基準の策定をするということの説明をした資料だということですね。
 次の資料を見ていただきたいんです。
 これが、昨年、二〇二三年十一月二十一日に新宿区宛てに環境省が出した事務連絡に添付されたスケジュール案ということになるわけですけど、ここでいうと、その再生利用の推進というのはこの緑の部分になるわけですけれども、ここで、その実証事業と書かれているものには新宿御苑の事業は記載されていません。そもそも、この実証事業というのは、基準策定も含めて二〇二四年度末に終わる予定だということにもなっているわけです。
 ということは、つまり、この実証事業、新宿御苑での実証事業というのはもうやらないと、そういうことでよろしいですか。

国務大臣(伊藤信太郎君)

 お答え申し上げます。
 環境省では、有識者会議での議論を踏まえ、中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用の技術開発戦略及び工程表に沿って、これまで福島県内において再生利用の実証事業等を進めてまいりました。
 再生利用に係る基準について、二〇二二年度当初の時点では福島県内外での実証事業の成果を踏まえて策定するとしておりましたが、その後の説明会での様々な御意見、これを踏まえて、県内での実証事業の成果を基に、IAEAからの助言等をいただきながら基準を策定することとしました。この点については、有識者会議にも説明し、御了解いただき、実証事業を行う予定の自治体に対しても御説明したところでございます。新宿御苑等で計画している福島県外での実証事業については、再生利用の安全性等についての多くの方に御覧をいただく理解醸成の場として活用されます。
 再生利用の実施に向けては、国民の御理解と御協力が重要と考えており、実証事業の今後の進め方については検討していきたいと考えております。

吉良よし子

 つまり、この基準の策定の前の実証事業というのは福島県内だけでやることになったんだと。ただ、でも新宿御苑の実証事業をやめるとはおっしゃらないんですね。それは国民の理解醸成のためだとおっしゃるわけなんです。
 これ、理解醸成のためだというのは、先ほど確認したとおり、二〇二二年の資料の中には書いていないんですね。全部で二十六ページある資料なんですけど、理解醸成という言葉がこの資料の、その二〇二二年の十二月時点で出てきた資料で出てきたのは、その二十七ページ中最後の二十六ページ目に初めて理解醸成という言葉が出てきて、到底この事業の目的として理解醸成があったとは言えない状況だったと思うんですけど、つまり、新宿御苑の実証事業というのは目的を変えて実施すると、そういうことですか。大臣、いかがですか。

国務大臣(伊藤信太郎君)

 よくペーパーをお読みになっての詳しい御言及でしたけれども、その目的を変えてということよりは、その目的の中にも入っているというふうに私は認識しております。

吉良よし子

 いや、目的の中に入っていると、この二〇二二年十二月に配られた資料を見れば到底思えないわけですよ。
 ここ、今回事業というのは再生利用基準の策定のための事業だというふうに書かれているわけですよね。しかし、それはやめたんだということ。つまり、基準を策定する前に実証事業をやることはできない、それは確かなんですよね。タイミングは変わっているわけですよね。

政府参考人(前佛和秀君)

 お答えをいたします。
 今現在、再生利用に係る基準につきましては、IAEAも含め検討させていただいているところでございまして、その検討状況等も踏まえ、県外での再生利用の状況、進め方については今後検討していきたいというふうに考えているところでございます。

吉良よし子

 ですから、これ基準と、最初は再生利用基準の策定と一体になった実証事業だったはずなんです。それが、地元の住民への説明もないまま、そこからいつの間にか外されると。しかし、事業そのものをやめるんじゃなくて、目的を変えてそのまま事業を進めるんだ。これは余りにも不誠実なやり方だと私は思うんですよ。こんな勝手なことが許されるのかというのは問われていると思うんです。
 ところで、先ほど、二〇二二年十二月のこの説明会、議事要旨というものもあるんですけれども、それを私拝見しますと、参加者の質問に答える形で、環境省は、この実証事業が終了した後は除去土壌を撤去し福島に持ち帰るということを答えているわけですが、この実証事業終了後に土壌を撤去して福島に持ち帰ると、これは変わらないのですか。

政府参考人(前佛和秀君)

 お答えをいたします。
 その説明会で御説明したとおり、実証事業が終了した後は除去土壌を撤去するということに、考えておりまして、それには変わりがないというふうに考えております。

吉良よし子

 事業が終了したら土は福島に持ち帰ると。
 では伺いますが、この実証事業はいつ終了するのか、一体どうなれば終了するということになるのでしょうか。

政府参考人(前佛和秀君)

 お答えをいたします。
 二〇二二年の十二月の説明会におきましては、その終了の時期についての御質問も受けておりまして、それに対して、終了時期は未定であるというふうに御説明をしておりました。ただ、やはり参加者の皆様方から、やはり終了時期を明確にすべきだという御意見もいただいていたというところでございます。
 ですので、これらを踏まえまして、もう今後その実証事業を実施するということになった場合におきましては、環境省としては、やはり終了時期というものをしっかりお示しをしなければいけないという認識を持っておりまして、今後の進め方を検討する中で考えていきたいというふうに考えております。

吉良よし子

 もうあくまで進めること前提で御答弁されているわけですけど。
 先ほど来確認しているとおり、今回のこの事業は、二〇二二年当時は再生利用基準の策定のための事業だ、そういうふうに説明をされていたわけです。ですから、住民の皆さんにお話を聞くと、あの説明会のときの話を聞いていても、この基準の策定が終わったら実証事業は終わり、そして土も持って帰るというものだと理解をしていたわけですね。しかし、実際には基準が策定された後に実証事業が行われ、しかもその終了時期というのは未定、どうなれば終了するのかというのも御答弁がないという状況で、つまり、汚染土、半永久的に新宿御苑に置き続けることになるのではないですか。大臣、そんなのでいいんですか。

政府参考人(前佛和秀君)

 お答えをいたします。
 仮に実証事業を実施すると今後なったことの場合についてのことになりますが、先ほども回答させていただきましたとおり、地元の方々からはやっぱり終了時期を明確化してほしいという意見をいただいていたところでございますので、その実証事業を実施するということになった場合には、やはり地元の皆様方にしっかり説明会等の場で終了時期をお示ししなければいけないというふうに認識をしているところでございます。

吉良よし子

 終了時期も示さないまま、実証事業だと言いながら、とにかく何が何でも、当初は再生利用基準の策定のためだと言っていた事業を、基準ができた後に理解醸成のためだと言って目的を変えて持ってくる。もうとにかく何が何でもこの新宿御苑に土を持ってくるんだと。これで地元の皆さん理解できるわけがないんですよ、大幅にこの二〇二二年時点から説明が変わっているわけですから。
 そう言うのであれば、きっぱり一旦白紙撤回するべきではありませんか。大臣、いかがですか

国務大臣(伊藤信太郎君)

 お答え申し上げます。
 福島県内で生じた除去土壌の三十年以内の県外最終処分の方針は国としての約束であり、法律にも規定された国の責務でございます。県外最終処分の実現に向けては、除去土壌の再生利用等により最終処分量を低減することが非常に重要でございます。
 先ほど申し上げたと思いますけれども、再生利用を進めるためには理解醸成が重要であり、福島県外の実証事業については、これまで福島県内での実証事業の成果を踏まえ、再生利用の安全性等について多くの方に御覧いただくことで更なる理解醸成を図ること等を目的としたものでございます。
 IAEAの専門家会合において、福島県外での実証事業について、非常に重要であり、国民の理解を醸成する可能性を有していることや、省令等を策定した後、福島県外を含むモデル事業が効果的に実施されることで除去土壌の再生利用に対する国民の認知と社会的受容性が向上する可能性があるという見解も示されてございます。
 こうした御指摘も踏まえ、実証事業の今後の進め方については検討してまいりたいと、そのように考えております。

吉良よし子

 撤回されるとは言わないわけです。しかし、こうした目的を勝手に変えてまで事業を推し進めるということでは、地元住民の理解は到底得られないと思うんですよね。
 そもそも、汚染土の処理については、やっぱりまずは原則汚染者である東電が責任持つべきですし、もちろん国も責任を持つべきです。そして、やはり当然、福島にばかり負担を押し付けていいのかどうか、そういうことも含めて全国民的な議論も必要な課題であるわけですよ。
 ちなみにですけれども、昨年四月に脱原発を決めたドイツでは使用済核燃料の最終処分場の選定に当たっていて、その際に、その候補地の住民と国の役人の皆さんがもう何度も何度もその安全性についての議論を重ねていると。そういう中で信頼関係を築いているという話を私、昨年、国会の重要事項調査の視察でドイツの皆さんから伺いました。しかも、ドイツの場合は、もしその場所が、安全性が担保できないんだと、それが判明した場合はすぐさまそれを引き揚げるんだと、もう諦めるんだということも聞いたわけです。
 翻って日本の環境省どうかといえば、そうした国民的な議論、検証重ねるどころか、説明会も一回こっきりですからね。今回の事業の目的についてまともな説明もなくて、勝手に目的変えて、終了時期も明らかにしないまま、もうとにかく土だけは持ってこさせていただきますと、半永久的に押し付けるような形を進めようとしているわけです。
 こんな一方的な姿勢では地元の理解得られるわけがありませんし、信頼関係も築けませんし、やはり一旦白紙撤回して、汚染者の責任明確にして、一から議論をし直すべきです。このことを強く申し上げます。

(続いて、東京都のスクールカウンセラー雇い止め問題について総務大臣に質問)