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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2024年・第213通常国会

志賀原発廃炉求める ーー安全性・避難計画ただす

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は14日の参院資源エネルギー・持続可能社会調査会で、能登半島地震が襲った志賀原発でのずさんな対応や避難計画などへの政府の姿勢をただし、廃炉を求めました。

 吉良氏は、原子力規制委員会が、地震発生から40分足らずで、志賀原発について「異常なし」と公表したことを追及。当時は大津波警報が発令中であり、地震直後には原発施設内で複数のトラブルも確認されていたとして、異常がないとはいえない状況だったと指摘しました。

 吉良氏は、変圧器の油漏れの量が当初の発表を大きく上回った原因を質問。古金谷敏之原子力規制庁緊急事態対策監は「計器がない」ため正確に計測できなかったと答えました。

 吉良氏は「被害の全貌を把握できていないもと『異常がない』と言うのは、安全神話につながりかねない」と厳しく批判しました。

 さらに、同地震によって避難計画に実効性がないことが明確になったとして、「実効性ある避難計画の策定なしに再稼働は認めるべきではない」と主張。山中伸介原子力規制委員長は「規制委員会は、発電所外の避難計画は(審査の)対象としていない」との答弁に終始しました。

 吉良氏は志賀原発の廃炉を強く求めましたが、山中氏は「厳正に審査を進める」と述べるにとどまりました。

しんぶん赤旗2024年2月19日付けより抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 本日、私は志賀原発について伺いたいと思います。
 元日の能登半島地震では、北陸電力志賀原発でも被害、影響があったわけです。一方、一月十日の原子力規制庁の作成した説明資料によりますと、この一月一日十六時十分に震度七の地震発災した後、十六時四十九分には異常がないことを確認となっています。
 地震発生から僅か四十分足らず、この一時間もたたないうちに、なぜこの異常がないとの結論が示されたのか。原子力規制庁、お願いいたします。

原子力規制委員会原子力規制庁長官官房緊急事態対策監(古金谷敏之君)

 お答えいたします。
 委員御指摘の一月一日の地震発生を受けまして、原子力規制委員会では、発生後直ちに我々警戒本部というものを設置いたしまして、テレビ会議も接続して、原子力事業者から情報収集速やかに行いました。
 その結果、北陸電力の志賀原子力発電所につきましては、そもそも原子炉が長期間停止しているということで、原子炉の中には燃料集合体がないということに加えまして、使用済燃料プールの冷却が維持されているということ、それから、安全機能に必要な電源、これが十分確保されているということ、さらには、発電所の敷地内に設置されておりますモニタリングポスト、こちらの値にも有意な変動がないということが確認されましたので、その時点で、原子炉の止める、冷やす、閉じ込めるという機能、それから使用済燃料の冷却の状態に異常はないということを認めましたので、異常がないということを確認したということでございます。

吉良よし子

 つまり、使用済核燃料しかなかったわけですけれども、その使用済核燃料の冷却に異常がないから異常がないということをこの四十分後に発表したということですけれども、この異常がないと言われた十六時四十九分という時点というのはどういう時点かといいますと、大津波警報が発令をされている最中なわけですね。津波警報に変わったのは二十時三十分だったわけで、そもそもこの津波というのがやはり原発にとって大きなリスクなわけですよ。例えば、海水ポンプが壊れるとか、特に引き波で取水ができなくなるなどの事態になれば大変危険な状況になり得る、そういうタイミングなわけです。
 まさにこれからそういう津波が来るかもしれないと、どれだけの高さのものが来るかも分からないと、そのときに異常がないと断言できる状況だったわけですか。もう一度お願いします。

政府参考人(古金谷敏之君)

 お答えいたします。
 私ども、先ほど申し上げましたように、警戒本部というものを設置いたしまして、原子力施設の情報収集を当たっておりました。当然、大津波警報が発令されているという状況も理解しております。
 ですから、その十六時四十九分の時点におきましては大津波警報は発令中ではございましたけれども、その時点での原子力施設の状態ということで異常がないという判断をしたわけでございます。当然のことながら、もしその後地震が到来したということで被害が生じたということであれば、速やかにそういった情報を発信するという体制は維持しておりました。

吉良よし子

 つまり、警戒本部設置して警戒している最中、そういう状況だったわけですね。しかし、その時点で異常がないから異常がないということだけは先に言うと、やっぱりそこに誤解が生じる余地があったんじゃないのかと。
 とりわけ、一月一日のその地震時に、既にもう、何時ですかね、六時半時点の記者会見などで、もうその時点で使用済核燃料プールのスロッシング、溢水があって、変圧器の故障、油漏れ、外部電源の一部損壊、そしてモニタリングポストも一部機能していないものがあるなどのトラブルが明らかになっていたわけですね。それが発表をされていたわけですけれども、そうしたトラブルが複数起きている一方で異常がないということが流れると。そういうのは本当に矛盾ですし、いや、トラブルこれだけあるのに異常がないというのはどういうことなんだと。やっぱり住民、国民に対しては、不信、それが広がる原因ともなりかねない発信だったのじゃないかと思うわけです。
 この変圧器の油漏れについてもちょっと伺いたいんですけれども、当初の発表では一号機で三千六百リットル、二号機で約三千五百リットル、推定、の漏れの状況だという発表だったわけです。しかし、後になって確認したところ、雨水を含めて、一号機では約四千二百リットル、二号機の場合は約二万四千六百リットルであったということが判明したわけですけど、つまり、当初発表した量を大きく上回る油が実際には漏れ出ていたということが後になって判明したと。
 なぜ当初の発表とその実態との間にここまでの差、乖離が出てしまったのか、当初正確な数値が分からなかったのはなぜですか。

政府参考人(古金谷敏之君)

 お答えいたします。
 御指摘の変圧器の油漏れにつきましては、これは二号機の主変圧器の絶縁の漏えいということでございます。これ、北陸電力、一月一日の時点で漏えいがあった場所、これは配管の接続部になりますけれども、そこよりも高い位置にありますコンサベータという筒の状態のものでございますけれど、そちらの油が漏えいしたということで推定をいたしまして、その漏えい量としましては、油換算で三千五百リットルということでございました。
 しかしながら、その後、北陸電力がまた更に調査を行いまして、油の漏えいにつきましては、その後、冷却器の配管あるいは変圧器本体ですね、そちらもその漏えい箇所よりも高い位置にあったということで、そこにある油の漏えいもあったということが判明いたしましたので、一月五日ではございますけれども、そこからの油も換算して、推定値として、油の推定値としては一万九千八百リットルということで報告をしたということでございます。

吉良よし子

 つまり、漏えいがあっただろうと思った場所が当初想定したところと違うところからも漏れていたということがあったわけですけど、私、事前のレクで確認したときには、いや、そもそもこの油を入れているものには計器を設置していないんだと。それは脆弱性につながるからだと。つまり計器設置していなかったから正確な量が分からなかった。ここは間違いないですか。イエスかノーかでお答えください。

政府参考人(古金谷敏之君)

 計器がないというところは事実かと思いますので、先ほど申し上げました一万九千八百リットルというものも、漏えいしたものを集めまして、そこから推計した値ということでございます。

吉良よし子

 つまり、計器を設置していないと。設置したら脆弱性につながるから設置できなかったんだという話だったかと思うんですけれども、つまりそういう状態なので、油漏れの量も正確に把握できなかったし発表もできなかったと。しかもそれだけじゃなく、先ほど来あるとおり、当初は火災も起きているという情報まで一旦出されたわけですね。しかし、実際に火災は起きていなかったというわけですけれども。
 つまり、この地震が起きた直後というのは、こうした被害の全貌というのが把握できていなかったというのが実態なわけですよ。変圧器の故障を始め様々なトラブルが起きていて、かつその被害の全貌が把握できてもいなかったと。その上、津波による新たな問題も出てくるかもしれない、そういう緊迫した状態なのに即座に異常がないと言うのは、やっぱり私はミスリードだと思うし、新たな安全神話そのものではないかと思うんですが、規制委員長、いかがですか。

原子力規制委員会委員長(山中伸介君)

 お答えいたします。
 原子力発電所の安全を維持する上で最も重要なのは、原子炉の止める、冷やす、閉じ込めるという機能の維持と、使用済燃料の冷却状態の確保でございます。このため、原子力規制委員会では、今回のような地震等の際には、これらの機能や状態に異常がないことが確認できた段階で、速やかにプラントの状態に異常がない旨の発信を行うこととしております。
 今回の志賀原子力発電所においては、そもそも原子炉が長期間停止しており原子炉内に燃料集合体が装荷されていなかったことに加えまして、事業者からの情報収集により、使用済燃料プールの冷却が維持できていること、安全機能の維持に必要な電源が十分確保されていること、発電所の敷地内に設置されているモニタリングポストの値に異常がないこと等が確認されたことから、その時点でプラントの状態に異常がない旨の発信を行ったものでございます。

吉良よし子

 もちろん、規制委員長がおっしゃったとおり、こうした緊急時に即座にその時々の情報を公表するというのは重要なわけですよ。しかし、そうした公表した情報に誤りがあったり誤解を招くものがあったりしては意味がないわけです。
 そういう意味では、異常がないということを先にこう、だんと出すということではなくて、正確に、今どういう状況なのか、警戒本部はまだ設置していて警戒を続けている状況だと、そういうことも含めて正確に伝えなければならなかったのではないかと。そういう正確な情報を伝えないというのは、私は、安全神話としか言いようがない状況だと、福島の事故からの反省を全く生かしていないという状況だということを言わざるを得ないと思うわけです。
 次に、避難計画の問題についても伺いたいと思うんです。
 先ほど来もこの避難計画の問題についても指摘がるるあったわけですけれども、もしこうした地震によって本当に原子力災害が起きた場合に住民の安全を本当に守られるのか、ちゃんと避難できるのか、これは重大な問題だと思うわけです。
 これについて岸田総理は、二月七日、衆議院予算委員会で日本共産党の笠井亮衆議院議員の質問に答え、しっかりした緊急事態対応、緊急時対応がない中での原発の再稼働が実態として進むことはないと答弁をされました。
 であるならば、やはり、再稼働に当たっての審査項目に実効性ある避難計画の策定を加えていくと、実効性ある避難計画の策定がないものは再稼働は認めないと、こういうふうにするべきじゃないかと思いますが、規制委員長、いかがでしょう。

政府特別補佐人(山中伸介君)

 お答えいたします。
 我が国では、避難に関する計画については、災害対策基本法に基づき、地域ごとの実情をきめ細やく熟知する自治体が地域防災計画を定めることとされております。計画の策定過程においては、各地域の地域原子力防災協議会において、内閣府原子力防災が中心となりつつ原子力規制庁等の関係府省庁が関係自治体と一体となって地域防災計画の具体化、充実化に取り組んでいるところでございます。
 また、各自治体の地域防災計画を踏まえた原子力施設周辺地域の避難を含む緊急時対応が原子力災害対策指針等に照らし、具体的かつ合理的なものであることを含め、協議会で確認しております。さらに、原子力規制委員長も参画いたします国の原子力防災会議においてその対応を了承することとしております。
 原子力規制委員会としては、専門的、技術的な観点から、与えられた役割を引き続き果たしていきたいと考えております。

吉良よし子

 つまり、規制委員会の方は、専門的、技術的な対応だから、新規制基準に適合化するかどうかだけを見るのであって、避難計画は別だという御説明だったかと思うんですけれども、しかし、規制委員長御自身、今日もおっしゃっていましたけれども、事故の可能性をゼロと考えるのではなく、事故が起こり得るという前提で、前提とした規制基準なんだということはこの間ずっと説明されてきているわけです。
 つまり、新規制基準に適合したと規制委員会が認定したとしても、その原発で事故が起きるということはあり得るわけですよ。その万が一のときに、住民の命、安全が守れるのか、その担保があるのかどうかというのは再稼働を判断する上で本当に重大な要素となるはずであるにもかかわらず、現状は、そういう避難計画、緊急時対応ができていなくても再稼働そのものはできる、そういう立て付けになっているわけですよ。
 こういう、避難計画ができていなくても再稼働ができる仕組み、放置していては住民の命守れないんじゃないですか。規制委員長、いかがでしょう、もう一度。

政府特別補佐人(山中伸介君)

 お答えいたします。
 原子炉等規制法に基づく新規制基準では、施設の構造等に着目して、災害の防止上支障がないかどうかを確認するためのものでございます。原子力発電所内の安全確保策は確認しておりますけれども、発電所外の防災対策である避難計画は対象としておりません。
 また、避難計画等のオフサイトの緊急事態対応につきましては、災害対策基本法及び原子力災害対策特別措置法によって、国、地方自治、地方公共団体、原子力事業者等がそれぞれの責務を果たすこととされております。
 原子力規制委員会としては、引き続き、地域原子力防災協議会等の枠組みの下で、専門的、技術的な観点から与えられた役割を果たしていきたいと考えております。

吉良よし子

 つまり、原発内は確認しますけど、オフサイト、原発外は確認をする必要はないと、規制委員会としてはそういう役割ではないんだとおっしゃるわけで、これ、余りに無責任な話だと言わざるを得ないと思うわけです。
 能登半島の地震では、各地で道路が寸断されました。家屋も倒壊し、火災も発生しました。そういう中では、屋内退避も困難なところはたくさんあったわけですし、しかも、避難もできないという事態になるということが明らかになったということを見れば、やはり石川県でこの間作られてきている避難計画というのは実現困難なものじゃないかということがいよいよ明らかになったわけです。
 この石川県の避難計画含む志賀地域の緊急時対応については、今、国として了承し、実効性が担保されていたと、そういうものだったわけですか。

内閣府大臣官房審議官(森下泰君)

 お答えします。
 内閣府では、原発の立地地域ごとに自治体と地域原子力防災協議会を設置しまして、自治体の避難計画を含む地域ごとの緊急時対応を原子力規制委員会の原子力災害対策指針に照らして具体的かつ合理的であることを確認し、その上で、総理を議長とした原子力防災会議で了承する仕組みを運用しております。
 志賀地域、お問合せのありました志賀地域についてでございますけれども、志賀地域の原子力防災協議会という枠組みを設けておりまして、その枠組みの下、地域の防災計画、避難計画の具体化、充実化の支援を今やっているところでございまして、緊急時対応の了承までには至っておりません。
 ですので、今回の地震の被災状況も検証しつつ、避難経路、避難手段なども検討して、自治体、地元の声をしっかりと聞き、実効性を向上させながら、志賀地域の緊急時対応を取りまとめていきたいと考えております。

吉良よし子

 つまり、了承している計画ではなかったということで、今後検討していくと、実効性向上していくんだという御答弁だったと思うんですけれども、いや、そもそも、今回の地震踏まえてこの避難計画練り直したとして、それ本当に実効性あるものになるんですか。それは、私、疑問なわけですよ。
 道路の寸断もすさまじい場所で起きているわけです。たとえどんなに線を引き直しても、じゃ、その新たに引いた線のその道路が次の地震で無事かどうかという保証はどこにもないわけです。海路にしても、今回も津波ありましたし、沿岸の隆起もあったわけで、それ使えるかどうかというのも疑問です。空路について言えば、今回明らかになったのは、支援物資を届けることでさえ困難であるという状況だったんじゃないかと。それでどうやって実効性ある避難計画が作れるのでしょうかと。
 やっぱりこういう、とりわけこの志賀原発のように、半島などの条件で使える道路なども限られているそういう場所で実効性ある避難計画作ること自体もう不可能なんじゃないのかと思うわけですけど、どうやって実効性担保するんですか。

政府参考人(森下泰君)

 先ほど申し上げました緊急時対応、これにつきましては、これまで取りまとめを行った地域の例でまず申し上げますと、既に大規模な自然災害、それから原子力災害の複合災害を想定してやっております。志賀地域につきましても、同じように複合災害を想定して今検討を行っているところでございます。
 先ほどの御疑問挙げられた点は全く重要な点と思いますけれども、具体的には、そのような対応といたしまして、避難路を複数経路設定して代替経路を設けるとか、陸路が制限される場合は道路啓開に着手しつつ海路避難や空路避難、また必要に応じて屋内退避をするということで安全を確保するとか、さらに、計画どおりいかない場合には、警察、消防、海上保安庁、自衛隊などの実動組織が住民の避難を支援を実施するというようなことを考えております。
 今回の、繰り返しになりますけれども、今回の地震を通じて得られた教訓を踏まえまして、避難経路や避難手段の検討に生かして、志賀地域の防災体制の充実強化に取り組んでまいりたいと思います。

吉良よし子

 複合災害を想定してやっているんだと、実効性向上するんだと、いろいろ御説明されましたけど、やっぱり想定外が起きるのが自然災害であるし、実効性ある避難計画を作るということ自体がもうほぼ不可能、かなり難しい困難な作業だということが今回の地震で本当に明らかになったわけで、このような状況で、もはや少なくともこの志賀原発の再稼働、私はあり得ないし止めるしかないんだと思うわけですけれども、この志賀原発、新規制基準への適合審査中だと聞いているわけですけど、規制委員長、このまま審査続けるわけですか。もうやっぱり、もう事業者に申請そのものの取下げ求めるべきときに来ていると思いますが、いかがですか。

政府特別補佐人(山中伸介君)

 お答えいたします。
 北陸電力志賀原子力発電所二号炉の審査におきましては、敷地周辺の複数の断層の評価を確認する必要があると考えております。これらの確認が必要な断層の一部は、今回の地震の震源断層に関する知見の反映について今後審査の中で確認する必要があると考えています。その際には、北陸電力が今回の震源断層に関する情報や関係機関が公表する知見等を収集し、それを反映させた審査資料を準備した上で、公開の審査会合において説明をしてもらう必要があると考えています。
 原子力規制委員会としては、令和六年能登半島地震に関する知見も追加的に考慮をして、厳正に審査を進めてまいります。

吉良よし子

 規制委員会は昨年、この敷地内に活断層はないという北陸電力の主張を妥当としてしまっているわけですね。もうそこから問われる話なわけですけど、幾ら厳正に審査するといったって、それでは動かすこと前提になってしまうわけで、それでは本当に住民の安全は守れないと言わざるを得ないと思うわけですよ。もう避難もできない、想定外の事態が起きてしまうということがいよいよこう明らかになっている中で、この志賀原発というのは廃炉にするしかないんだと、その決断こそ今必要だということを申し上げまして、私の質問を終わります。