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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2023年・第212臨時国会

統一協会が多摩市で土地購入 被害拡大防止と財産保全を/自民との癒着断て

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は11月30日、参院文教科学委員会で、統一協会(世界平和統一家庭連合)により広大な土地が購入された東京都多摩市で、布教、勧誘活動が進められていることに触れつつ、被害拡大の防止と財産保全の必要性を訴えました。

 吉良氏は、施設計画の「白紙撤回」を求める多摩市長や市民の声を紹介し、住民の不安が広がっていると指摘。政府に不当な勧誘活動への注意喚起を求め、「少なくとも、統一協会の解散命令請求を行った事実と事由を文化庁ホームページで情報提供すべきだ」とただすと、文化庁の合田哲雄次長は「公開を検討する」と答弁しました。

 また吉良氏は、土地が売却され資金が流出する恐れもあるとし、「被害者救済には、1000億円とも言われる潜在的被害を保障する全面的な財産保全が必要ではないか」と迫りました。盛山正仁文科相は「現行法のもと努力する」と答えるにとどまりました。

 吉良氏は、統一協会が財産保全立法をさせないよう働きかけているとの情報があると指摘し、疑惑が報道された文科政務三役と統一協会との関係性を追及。青山周平文科副大臣は「統一協会から、事務所にファクスでの要請が送られてきた」ことを認めました。

 吉良氏は、自民党と統一協会の癒着を解明し、関係を完全に断つことが被害者救済、財産保全につながると主張しました。

しんぶん赤旗12月2日付けより抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 今日は、統一協会について伺いたいと思います。
 十月十三日に、統一協会に対する解散命令請求が文科省から出されたわけですけれども、つまり、この統一協会というのは、多数の人に対して財産的損害を与えた、看過できない重大な悪影響、甚大な被害を及ぼす社会問題を起こした、到底宗教法人とは認められない、直ちに解散が命じられるべき団体だというのが文科省としての結論だということだと思うわけです。
 しかし、その統一協会、いまだにその活動を続けているわけですね。地元東京の多摩市なんですけれども、私の地元の東京多摩市なんですけれども、統一協会がこの多摩市内におよそ六千三百平方メートルの土地を購入していたということが今年の三月に発覚をいたしました。日本国内で統一協会が持っている土地の中で最大の広さになる土地なんです。
 私も現地視察しましたが、この土地の向かい側に都立永山高校、隣に国士舘大学多摩キャンパスが位置すると。いや、学生たちがターゲットになるのではないかと、多摩の住民が被害に遭ったらどうするんだと不安が広がる中、多摩市長、多摩市議会が先頭に立ち、また、東京都や国士舘大学も含めて、施設計画を進めないように白紙撤回を求めるような意見書などを出しているわけです。住民有志、統一教会はNO!多摩市民連絡会の皆さんの集めた署名は五万五千筆を超えています。
 今回、解散命令請求受けて、協会側はこの施設建設、一旦、一旦見合わせると言いました。けれども、一旦見合わせただけで、白紙撤回されたわけではないんです。しかも、この計画と並行して、多摩市内で統一協会と思われる人々による勧誘活動が行われたというのが報道があります。
 これが、お配りした資料の毎日新聞の記事、前半のところなんですけれども、今年七月、八月頃に統一協会の人間と思われる人物が八十代を超える高齢の独り暮らしの住民などと接触して、その協会の名前入りのパンフレットを配付するなど、戸別訪問、複数回行われたと。
 これだけ統一協会の活動が問題視される中、いまだにこうした布教、勧誘活動が進められているということで、住民の皆さんの不安は計り知れないと思うわけですが、ここで法務省に伺います。霊感商法等対応ダイヤルにおけるこの一年の統一協会に係る相談件数、その中で金銭トラブルに係る件数、お答えください。

法務省大臣官房司法法制部長(坂本三郎君)

 お答えいたします。
 この一年のということでございましたけれども、霊感商法対応ダイヤルを設けました令和四年十一月十四日から令和五年十月三十一日までの間の件数でお答えさせていただきます。
 この間のいわゆる統一教会を相手方とする相談が千二百二十八件寄せられておりまして、そのうち金銭的トラブルに関する相談の内容を含むものは七百二十件であると承知しております。

吉良よし子

 この約一年間の間でこの相談件数千二百二十八件と、この霊感商法等の対応ダイヤルにおける相談全体の一九%に上るということなんですけれども、統一協会の問題、社会問題となって一年以上たつ今もこういう相談が絶えないんだと。正体を隠して、不安をあおって、恐怖を植え付け、精神的に追い込んだ上で経済的に搾取し、人生を破壊するような勧誘活動も続いている可能性もあるわけです。
 これ、放置して更に被害を拡大することは絶対に許してはならないと思うわけですが、文科大臣、政府としてもこうした勧誘活動に注意するよう、注意喚起するべきではありませんか。

国務大臣(盛山正仁君)

 文部科学省は、今年十月十三日に旧統一教会について解散命令請求を行い、その判断に至った経緯や理由を報道関係者に発表するとともに、一般の方に対しても公表しているところです。
 また、不当寄附勧誘防止法の施行に伴い、消費者庁から同法の趣旨を広く周知するとともに、文化庁としても、宗教法人に対して、法人等が寄附の勧誘を行うに当たり配慮すべき内容や禁止される行為、配慮義務違反や禁止行為に該当する場合に行政上の措置や取消しの対象となることなどを周知したところです。
 引き続き、消費者庁を含め関係省庁と連携し、寄附の不当な勧誘の防止その他に取り組んでまいります。

吉良よし子

 解散命令請求について報道等で公表しているとおっしゃるんですけれども、文化庁のホームページを私見たんですけれども、そこには、統一協会に対して解散命令請求を行ったこととか、その事由について記載がどこにもないんですね。探した結果出てきたのは、法務省の方のホームページにその資料が載っているという状態で、これでは注意喚起にはならないですし、少なくともそういう事実は文化庁のホームページに記載するなど、情報提供をもっと積極的に行うべきと思いますが、大臣、いかがですか。

文化庁次長(合田哲雄君) 

 先ほどの御指摘の資料でございますが、解散命令請求のポイントを整理をした概要でございますけれども、御指摘のとおり、「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議の第四回の資料三として公表しているところでございますが、今後、文化庁のホームページにおいて公表する方向で検討しているところでございます、調整しているところでございます。

吉良よし子

 月曜日にレクした際にはまだ載っていなかったんですけど、これから検討されると、検討しているというところで、是非積極的に情報提供していただきたいと思うんです。
 そして、あわせて、これから被害を拡散しないことと同時に、これまで被害を受けた皆さんの救済を確実に進める必要があると思うんです。例えば多摩市についても、市長や住民の皆さん、単に建設計画の白紙撤回を求めているだけじゃなくて、被害者の利益救済を一番に考えた対応をしてほしいと言っているわけです。これ当然だと思うわけですね。
 ここで文科省、文化庁に確認をしたいんですけれども、その先ほどの解散命令請求についての資料の中では、文化庁として確認したこの統一協会の被害確定額については約二百四億円だと発表をしているわけですが、果たしてそれで終わりなのかと。いまだ確定していないものも含めて、全ての被害総額というのは二百四億円を超える額になると想定されるのではありませんか。

政府参考人(合田哲雄君)

 今般の旧統一教会に対する解散命令請求を行うに当たり、旧統一教会に対する民事判決の認容金額等、訴訟上の和解や訴訟外の示談における解決金等の総額は、先ほど御指摘があったように約二百四億円と把握してございます。
 解散命令請求事件に係る手続は、非訟事件手続法に基づき非公開で行うこととされており、今申し上げた事案以外の被害の状況等については、同法の趣旨に照らしてお答えを差し控えたいと存じます。
 なお、全国統一教会被害対策弁護団が行っている第一次から第五次までの集団交渉等においては、対象者が求めている被害、損害賠償請求額は約五十九億円であると、失礼いたしました、三十九億円であると承知してございます。

吉良よし子

 はっきり言えないんだということなんですけれども、おっしゃったように、今公表されている文化庁の二百四億円というのは、解決金や訴えを起こしている方の確定額にすぎないわけですね。これっていうのは、本当に総額とは言えないわけですよ。協会から脱会したとしても、精神的な傷や恐怖があって損害賠償請求に至れない、そういう方がいらっしゃいますし、まだ今なお協会に取り込まれたままの被害者もいることを考えると、到底二百四億円で終わるとか、今訴訟がされている三十九億円にとどまるとか、そういう話ではないと思うんです。
 全国霊感商法対策弁護士連絡会の方にもお話伺ったんですけれども、そうしたまだ訴えることのできていない潜在的な被害、これも含めれば、抑制的に見ても被害総額は一千億円を下らないと見るのが妥当だというお話でした。実際、一九八七年から二〇二二年に相談のあった数値の集計分でも一千三百億円に迫ると。この被害をどう補償していくのか、これが私、今問われていると思うわけです。
 先ほどの多摩市の土地の問題でも、たとえ施設の建設が白紙撤回されたんだとしても、その土地が売却され、その資金が海外に流出してしまうなんてことがあれば被害救済につながらないわけですよ。やっぱり、大臣、こうした潜在的な被害含めてしっかり補償できるように、現預金はもちろんのこと、こうした土地などの不動産も含めて流出させない、全面的に保全をする、そうした対応が必要だと思いませんか。

国務大臣(盛山正仁君)

 先ほど申し上げましたが、我々政府としては、旧統一教会に対する解散命令請求、十月の十三日に行ったものでございますが、十分な実態把握と具体的な証拠に基づき請求したものと考えており、この審理の間も被害者救済が図られることが重要と認識してはおります。
 しかしながら、我々は今、司法の手にこの判断を委ねているという状態でございます。そういう中で私たち政府ができることということになるわけでございますけれども、被害者の救済については、我々文部科学省だけではなく関係省庁と連携をしながら、必要な情報把握に努めるなど、速やかな救済が図られるよう、現行法の下、最大限民事上の手続その他についての努力、こういったお手伝いの努力をしているところであります。
 そして、先週の金曜日、二十四日ですかね、から国会において真に実効的な被害者救済となる方策について御議論がなされております。そういう点では、国会の場でなされております政党間の議論につきまして、政府の立場でコメントすることはちょっと差し控えなければならないと考えておりますが、政府としては、その結果をしっかり踏まえ、被害者の適切な救済が図られるよう、法令に基づき最大限努力していきたいと考えております。

吉良よし子

 法案の議論を注視とおっしゃいますけど、この被害を救済するためには、この統一協会の財産保全、全面的に保全することが必要だと、そういう認識はないのですか。

国務大臣(盛山正仁君)

 政府としてどこまでできるかということではないかと思います。
 まずは、一義的には、やっぱり当事者、民事上の手続を取っていただく。そして、それに対して我々政府がどこまでどうお手伝いできるかということではないかと思います。
 そして、さらに、先生の問題意識を踏まえてというんでしょうか、同じような問題意識で今各党において先週から御議論がなされているところでございますので、それを我々としては見守って、そして、その結果どういうふうにしていくのか、対応を図っていきたいと考えているところです。

吉良よし子

 個別で民事に訴えてというのがどれだけ精神的負荷が掛かるものかということなんですよ。そういう意味では財産保全は欠かせないと思うんです。
 そして、今、法案の行方、議論を注視すると、こういうことをおっしゃっているわけですけれども、とりわけ与党の案に関しては、正面から財産の保全を図り得るものではないとか、将来現れる被害者が一切救われないことにもなりかねないと、昨日、宗教二世のネット、それから被害対策弁護団が記者会見で指摘をしたばかりなわけです。そういう意味では、実効性ある、実効的な財産保全できないんじゃないかという不安があるわけですね。実際、統一協会が与党議員に財産保全の立法をさせないように要請しているという話もあるわけです。
 ちなみに、現内閣、大臣でいえば七人、副大臣、政務官のうちの二十六人が今統一協会と関係、接点がある、あったとこの間報じられているわけですけど、文科省でも盛山大臣、青山副大臣、本田政務官の名前が挙がっているわけです。今日、三人の方来ていただいていますけれども、統一協会と何らかの関係、接点があったというのは事実か、そしてその関係は今も続いているのか、また財産保全に関して統一協会から何らかの要請を受けていないかどうか、それぞれ端的にお答えください。

国務大臣(盛山正仁君)

 委員のお尋ねにつきましては、既に自民党による調査で御報告申し上げているとおりでございます。
 現在、当該団体との関係は全くありません。絶っております。報告した会合については、旧統一教会の関連団体によるものだとは認識せずに参加しておりましたが、後日、関連団体のイベントであることが判明し、そのことは党の調査にも回答しているところであります。
 また、旧統一教会から財産保全立法に関する要請を受けたことはないと認識しております。
 今後も当該団体との関係を持たないことを引き続き徹底してまいります。

文部科学副大臣(青山周平君)

 お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては、私も自民党の調査に報告したとおりであります。現在は当該団体との関係は完全に絶っております。
 具体的には、旧統一教会関連団体の会合に出席し挨拶をしたこと、また、関連団体の会合に会費を支出したこと、関連団体からパーティー券の購入があったことについて自民党の調査にお答えをいたしております。
 また、御指摘の旧統一教会からの要請については、通告をいただいてから秘書に確認をしましたところ、私の事務所に一方的にファクスが送られていたということで、それを聞いて確認をしたところであります。
 そのような状況ですので、私自身、不当な影響を受けることは一切なく、今後とも当該団体及び関係団体との関係を持たないということを徹底してまいりたいと思っております。

文部科学大臣政務官(本田顕子君)

 端的に申し上げます。
 関係団体との関係を持ったことはございませんし、財産保全立法に関する要請を受けたことはないと認識しております。

吉良よし子

 本田政務官は関係ないとおっしゃいましたけど、日韓トンネル構想、統一協会と深い関わりのある日韓トンネル構想の推進団体の議長が地元後援会の筆頭最高顧問を務めたことがあるということでいえば、接点はあったのではないかという疑いがあるわけですね。
 また、青山副大臣のところにはその財産保全立法をするなというファクスが届いていたということで、こうした統一協会の問題を所管する文科省の閣僚のうち三人が協会と関係、接点があり、そしてそうしたファクスも届いていたと。これで本当に被害救済につながるのか、財産保全できるのかというところでは疑念が残るわけです。
 自民党とこの統一協会との癒着、もう徹底解明して、関係を完全に絶つ、これをやってこそ被害救済につながるし財産保全にもつながるんだと、このことを強く申し上げまして、質問を終わります。