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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2023年・第212臨時国会

文科相「宇宙の軍事利用」認める JAXA法改定案に反対【質疑】【討論】 

要約

 宇宙科学技術の研究・開発を行う民間企業や大学に資金を交付する「宇宙戦略基金」を創設する改定宇宙航空研究開発機構(JAXA)法が29日、参院本会議で、自民、公明、維新、国民などの賛成多数で可決、成立しました。

 日本共産党、立憲民主党などは反対しました。共産党の吉良よし子議員は同日の参院文教科学委員会で、昨年末の「国家安全保障戦略」に基づき策定し、同改定法の基礎となった6月の「宇宙基本計画」に「民間の宇宙技術の防衛への活用」「官民による協力強化」を明記するなど「宇宙技術の軍事利用を推進することが、『宇宙戦略基金』の重要な目的のひとつではないか」とただしました。盛山正仁文科相は、「安保にも貢献することはありうる」と認めました。

 吉良氏は、「宇宙基本計画」に防衛力の抜本的強化のためと位置付ける「情報収集衛星」について質問。安田浩己内閣衛星情報センター次長は、「1998年の導入からこれまで累計1兆7000億円の予算が使われている」と答弁しました。吉良氏は、「今年度は補正予算の追加で900億円超えの予算を計上し、今後衛星機数も増やす計画だ」と指摘。「宇宙安全保障にかかわる予算は今後も増え続ける」と強調しました。

 吉良氏は、防衛力の強化、軍事のためであれば多額の予算を投入する政府の姿勢を批判。軍事ではなく、文化や教育予算の拡充などくらしの予算の拡充をせまりました。

しんぶん赤旗11月30日付けより抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 本法案は、JAXAの業務として、宇宙空間を利用した事業を行おうとする民間事業者、共同研究開発を行う大学に助成金を交付する業務を追加して基金を設けるというものです。
 この宇宙開発なんですが、そもそも、一九六九年五月九日の衆議院本会議では、わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議というのが上げられ、その中で平和の目的に限ることとされていました。ところが、二〇〇八年に宇宙基本法で、宇宙開発は我が国の安全保障に資するように行わなければならないとされ、二〇一二年にはJAXA法が改悪され、機構の目的から、平和の目的に限りという文言が削除をされました。では、今、どんな方針の下に宇宙開発しているのか。
 今年六月に閣議決定された宇宙基本計画、その冒頭には、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しているとして、安保三文書、国家安全保障戦略などに基づいて防衛力を抜本的に強化するためと記されているわけです。
 ここで、大臣、伺いますが、今回の基金による宇宙分野の民間事業者、大学などへの支援というのは、この政府の防衛力強化の一環であり、民間の宇宙技術を軍事利用するために行う支援や基金ということですか。
です。
 本法案は、JAXAの業務として、宇宙空間を利用した事業を行おうとする民間事業者、共同研究開発を行う大学に助成金を交付する業務を追加して基金を設けるというものです。
 この宇宙開発なんですが、そもそも、一九六九年五月九日の衆議院本会議では、わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議というのが上げられ、その中で平和の目的に限ることとされていました。ところが、二〇〇八年に宇宙基本法で、宇宙開発は我が国の安全保障に資するように行わなければならないとされ、二〇一二年にはJAXA法が改悪され、機構の目的から、平和の目的に限りという文言が削除をされました。では、今、どんな方針の下に宇宙開発しているのか。
 今年六月に閣議決定された宇宙基本計画、その冒頭には、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しているとして、安保三文書、国家安全保障戦略などに基づいて防衛力を抜本的に強化するためと記されているわけです。
 ここで、大臣、伺いますが、今回の基金による宇宙分野の民間事業者、大学などへの支援というのは、この政府の防衛力強化の一環であり、民間の宇宙技術を軍事利用するために行う支援や基金ということですか。

国務大臣(盛山正仁君)

 今回の基金事業は、将来の成長分野として期待される宇宙分野の活動について、国家プロジェクトを中心とした従来の対応に加えて、新たに民間企業や大学等の主体的な研究開発を強力に推進することで、宇宙空間の利用を通じた我が国における経済社会の変革を加速することを目的としております。
 具体的には、宇宙における関連市場の拡大、地球規模、社会課題解決への貢献、知の探求活動の深化、基盤技術力の強化を目標に、大学や民間企業等が複数年度にわたって大胆な研究開発に取り組めるよう、産学官の結節点となるJAXAに基金を造成した上で、戦略的かつ弾力的な資金供給を行うものです。
 したがって、今回の基金事業の目的が民間の宇宙技術の軍事利用のために行うものであるとの御指摘については当てはまらないものと考えております。

吉良よし子

 当てはまらないはずがないわけなんです。
 今回の基金というのは、そもそもこの宇宙基本計画などに基づいてつくられて、その宇宙基本計画で定められた宇宙技術戦略などに合わせて支援をしていくということなんですが、その根本にあるのがこの宇宙基本計画なんですね。その中に、宇宙システムのデュアルユース性を踏まえて、これらの取組を全省庁的に推進するとともに、民間部門におけるイノベーションを迅速に活用するため、官民による協力を強化する必要があると言っているわけで、宇宙システムのデュアルユース、つまり宇宙技術の軍事利用を推進するんだと、それを官民で連携強化しながら活用していくんだと、それが根本にあるはずなわけですよ。
 つまり、基金の重要な目的の一つにこうした民間の宇宙技術の軍事利用も入っていると、含まれるということなんじゃないんですか。

国務大臣(盛山正仁君)

 その宇宙技術にデュアル性があるということはそうかもしれませんが、具体的な支援テーマについては、内閣府の下で策定する宇宙技術戦略を踏まえ検討していくこととなり、宇宙技術戦略の策定に向けては、世界の技術開発トレンド等を踏まえ、安全保障、民生分野、横断的に我が国が開発を進めるべき技術を見極めることとされています。
 したがって、本基金において安全保障にも貢献し得るテーマはあり得ますが、安全保障それ自体を目的とする制度ではございません。

吉良よし子

 デュアル性があると、安全保障にも貢献するものだということをお認めになりました。
 この宇宙基本計画には、国家防衛戦略においても、防衛力抜本的に強化するため、衛星コンステレーション等による情報収集能力の整備などを強化することも求められているというような記述もあるわけです。
 この衛星による情報収集ということでは、一九九八年から導入された情報収集衛星というのがあるわけです。この情報収集衛星の目的、何のために導入されているのか、あわせて、この九八年の導入以降どれくらいの予算が累計で使われてきたのか、内閣、お答えください。

内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター次長(安田浩己君)

 お答えいたします。
 情報収集衛星は、外交、防衛等の安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な情報を収集することを主な目的としております。
 また、情報収集衛星の導入が閣議決定されました平成十年度から令和五年度補正予算までに予算措置されました情報収集衛星関係経費の総額でございますが、一兆七千七百六十一億円でございます。

吉良よし子

 この情報収集衛星、先ほど、目的というのは外交、防衛、そして大規模災害等への対応等というお話でした。つまり、ここにも外交、防衛と、軍事の目的というのが出てくるわけです。
 ちなみに、これ、事前のレクでいただいた資料見ると、特定地点を一日一回以上撮像するんだと。毎日のように撮像しているわけですね。大規模災害というのは、そうはいっても毎日起きるわけではないわけですから、つまり、その大半は外交防衛政策、軍事に利用されているということだと思うわけですが、その衛星に累計で一兆七千億円以上も使われたんだと。
 お配りした資料、これ毎年の予算の推移なんですけれども、十年前ぐらいまでは大体六百億円程度だったのが、十年、この間は毎年補正予算で積み上げられて、八百億円ぐらい使われているようになっていると。今回、今年、この補正予算で更に二百七十五億円が計上されるので、今年度に見てみれば年間九百億円もの予算が計上されると。大きく増えるわけなんですね。
 これ現在、この情報収集衛星というのは四機体制で飛んでいるということなんですが、今度の宇宙基本計画に基づいて今後十機に、倍以上に増やしていくんだと。つまり、今後、今年は、今年度は九百億円で済んでいますけど、今後は年間一千億を超える予算も掛かってくるということが想定されるわけですね。だから、今回の基金をつくるまでもなく、この宇宙安全保障、防衛力強化に係る事業の予算というのはもうどんどん増え続けているということなんです。で、その上で今回の基金なわけです。
 本法案で創設される基金、補正予算では三千億円計上されています。今後、先ほど来議論あるとおり、十年間で一兆円と言われているわけですけれども、しかし、法案を見ますと、そこには一兆円という金額も、また十年という年限も書かれてはおりません。
 大臣、この基金の事業というのは、十年で確実に終わるんでしょうか。基金への国費投入、一兆円超えることないのでしょうか。十年後以降も基金が継続され、国費投入もどんどん続いていくということ、可能になるのではないですか。

国務大臣(盛山正仁君)

 宇宙戦略基金につきましては、今般の総合経済対策において、民間企業や大学等による複数年度にわたる宇宙分野の先端技術開発や技術実証、商業化を支援するため、JAXAに十年間の宇宙戦略基金を設置し、本基金について、まずは当面の事業開始に必要な経費を措置しつつ、速やかに総額一兆円規模の支援を行うことを目指す旨が記載されております。
 これを踏まえ、今般の宇宙戦略基金事業に関して、令和五年度補正予算案においては、早急に着手すべきテーマについて当面の事業開始に必要な経費を計上しており、当該経費による研究開発支援は令和十五年度をもって終了する予定としているところです。

吉良よし子

 令和十五年で終了する予定と御答弁はされるわけですが、法案には書かれていないんですよね。つまり、理論上は、十年後も基金継続、一兆円超える更なる国費の投入も可能なんじゃないですか。違うんですか。

国務大臣(盛山正仁君)

 先ほど申しましたそのデフレ完全脱却のための総合経済対策、これは本年の十一月二日に閣議決定したものでございますが、ここには、宇宙についてはということで、ちょっと中略いたしますけれども、JAXAに十年間の宇宙戦略基金を設置し、そのために必要な関連法案を早期に国会に提出する。本基金については、まず当面の事業開始に必要な経費を措置しつつ、速やかに総額一兆円規模の支援を行うことを目指すというふうに、以下ありますけれども、書いてございまして、閣議決定を行った上で今進めているということでございます。

吉良よし子

 しかし、担保があるのは閣議決定だけなんですね。法案には何も書いていないということは変わらないわけです。
 政府は、安保三文書に基づいて軍事費四十三兆円確保するということになっているわけですが、今回の基金一兆円というのはこの四十三兆円とは別枠なわけですね。つまり、既に四十三兆円超えて、軍事のため、防衛力強化のためにどんどんお金を掛けてもいいよという動きが進んでいるということになるんじゃないのかと。もう防衛力の強化、軍事のため、安全保障のためといえば簡単に補正で三千億円ぽんと、十年で一兆円予算が投入できるのかと、上限すら示さないのかと。
 一方、同じような基金と名が付いていても、新型コロナウイルス感染症の影響によって困難に直面している文化芸術団体等の活動継続を支援するために設けられた文化芸術復興創造基金、これは国費は一円も入っておりません。民間の寄附だけで、現在ようやく七千四百十八万四百九十一円、一億円にも届かない状況なんですよ。今回のJAXAの基金とは余りにも規模も国の姿勢も違うんじゃないでしょうか。
 軍事のためにならどんどん際限もなく予算を投入できる、そういう余裕があるんだったら、むしろ文化を支援するとか、学校給食や高等教育無償化目指すとか、そういう予算こそ緊急に国民の暮らしを支えるために増やすべきなのではないですか。大臣、最後、いかがでしょう。

国務大臣(盛山正仁君)

 繰り返しになりますけど、防衛のためにだけしているものではない、防衛にも資するものではあるかもしれませんけれども、我々としては、そういうものを目標としているものではないということを是非御理解賜りたいと思います。
 それから、先ほど閣議決定に根拠がありますということは申し上げた上で、これまでにも、本委員会だけではなく、国会の答弁の中で十年間ということは明言しているところでもございます。そして、そのほかのものとの分野で、何をどれだけ配分をするのか、どのように緊急性、緊要性があるのか、重要性があるのか、こういうことでございまして、宇宙の分野への投資を早急に拡大し我が国の技術力の革新と底上げをしなければ、将来にわたり宇宙インフラを海外に依存することとなり、我が国の宇宙活動の自立性が危ぶまれるおそれがあるということを我々懸念しているからこそこのような補正予算案に計上したということを御理解賜りたいと思います。

吉良よし子

 いろいろおっしゃいましたけど、結局、教育予算、文化予算、増やすとおっしゃらないわけですよね。
 やっぱり私は、軍事、防衛最優先の政府の姿勢、改めるべきだということを申し上げまして、質問を終わります。

<反対討論>

吉良よし子

 私は、日本共産党を代表し、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法一部改正案への反対の討論を行います。
 本法案は、JAXAの業務として、宇宙科学技術に関する先端的な研究開発の成果を活用し宇宙空間を利用した事業を行おうとする民間事業者、当該民間事業者と共同研究開発を行う大学や研究機関が実施する先端的な研究開発に対して必要な資金を充てるための助成金の交付に関する業務を追加するとともに、十年後に一兆円規模となる基金を設けようとするものです。
 そもそも、宇宙開発について、一九六九年五月九日の衆議院本会議で、わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議が上げられ、この中で、平和の目的に限ることとされていました。ところが、二〇〇八年に制定した宇宙基本法で、我が国の安全保障に資するよう行わなければならないとされ、二〇一二年にはJAXA法が改悪され、機構の目的から、平和の目的に限りという文言が削除されました。
 こうした下で、国家安全保障戦略及びそれに基づく宇宙基本計画の中で、民間の宇宙技術を軍事のために活用し、宇宙産業を発展、促進することが目指されるとともに、宇宙安全保障構想では、政府が安全保障上重要な技術開発を行う企業を支援する協力形態を拡大し、民間イノベーションも含めた民間主導の開発を促していくと述べています。
 つまり、本法案による基金による民間支援は、民間の宇宙技術の防衛への活用という政府の宇宙安全政策、安全保障政策と軌を一にするものであり、その支援をJAXAに担わせようとするもので、到底賛成できません。
 政府、防衛省がニーズを示し、デュアルユースの名で軍事研究をさせるやり方は、憲法の平和主義とは相入れない上に、学問の、学問研究の発展を阻害するものです。非軍事の下で研究者が自由に研究できる環境の整備、支援こそが重要であることを指摘し、討論を終わります。