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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2019年・第198通常国会

就活セクハラ深刻  法律での禁止を要求

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は16日の参院厚生労働委員会で、セクハラ被害から守るために女性活躍推進法等の改定案の対象に就活生も入れ、ハラスメント行為を法的に禁止するよう求めました。

 この間就活セクハラに関する報道が相次ぎ、就活生の半数がセクハラ被害にあったとの調査結果が明らかになっているにもかかわらず、政府は就活生を同改定案の対象としていません。根本匠厚労相は、法成立後につくる指針の中に就活生への対応を盛り込むことで、企業での就活セクハラ対策が進むと説明しています。

 吉良氏は、たとえ指針で就活生への対応を求めても、各企業が就活生への対策をとる保障はなく、対応しなくても「措置義務違反」にならないことや、就活生は行政救済の対象にもならないことを質疑で確認。指針だけでは就活セクハラの根本解決にはならないことを明らかにしました。

 吉良氏は「就活生が法の外に置かれているのは問題だ」と批判し、採用差別を禁止する男女雇用機会均等法の第5条では就活生を対象としていることをふまえ、同11条(セクハラ防止)でも、就活生を対象とすべきと迫りました。

 また、就活生が大学のキャリアセンターにセクハラ被害の相談をしたのに、たらい回しにされた事例を吉良氏が示したところ、文科省中村裕之政務官は「適切とは言い難い」と答弁。キャリアセンターで適切な対応を行うよう「指摘をふまえ、大学等に徹底する」と答えました。

しんぶん赤旗2019年5月17日号より抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子でございます。
 初めに、今日この場で質問する機会をいただきましたこと、また質問順についても配慮いただきましたこと、この場で感謝をいたします。
 それでは、この女性活躍推進法に関わって、私は就活セクハラについて伺いたいと思っております。
 OB訪問で、エントリーシートが通ったら合コン、選考に通ったら体と言われたとか、インターンシップで愛人関係にならないかと言われたなど、就活セクハラが横行している事態がこの間明らかになっております。就活のときのノートを見せるという口実で家に誘われ、大量に酒を飲まされ、意識がはっきりしない状態で体を触られ、体に点数を付けられ、人格を否定するような言葉もたくさん言われ、このセクハラが原因でまともに就活できなかった、何度も死にたいと思った、ここまで死にたいと思ったことはない、夢が一つ潰された思いですと、これは就活セクハラを取材したビジネス・インサイダー・ジャパンの記事に載せられていた被害者の声です。
 こうした就活セクハラの実態について、このビジネス・インサイダー・ジャパンの皆さんが実態調査も行っておりまして、そのアンケートに答えた就活、採用活動中の学生六百六十人のうち三百二十六人、実に約半数がこうしたセクハラの被害に遭っていると答えているわけです。そして、そうした被害に遭った学生のほとんどがその企業の選考や内定を辞退している。志望業界まで変更したり、中には就活そのものをやめてしまった人もいると。就活において行われたセクハラによってその一人の学生の未来が奪われている、深刻な事態だと思うわけです。
 厚労大臣はこの間、衆議院の議論や本会議の議論の中で、こうした就活生に対して今回の法案の対象には含まれないんだと御説明をされる一方で、企業での措置の中に就活生なども対象とするよう促すことを指針に記載する方向で議論を進める旨の答弁もされているわけですけれども、これはつまり指針に就活生について記載すると、これは間違いないということでよろしいですか、大臣、いかがでしょう。

厚生労働大臣(根本匠君)

 この法律では、職場におけるセクハラ、これは、今就活生の話もありましたが、被害者の尊厳や人格を傷つける、あってはならないものであります。これは被害者が誰であっても同様であると認識をしております。
 本法案では、セクハラを行ってはならないこと、あるいは他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきことを、国、事業主及び労働者の責務として明確化しております。就活生に対しても同様に注意を払うことは当然望まれます。また、事業主は、セクハラ防止のための措置義務として、ハラスメントがあってはならない旨の方針などの明確化と周知啓発といった予防措置を講じることとされております。その際、被害者が自社の雇用労働者以外の場合でも同様にあってはならない旨を企業が併せて示すようになれば、予防の観点からの対応は相当程度前進するものと考えています。
 このような責務規定の趣旨や措置義務の予防措置に関する企業の対応を促すための記載、これを指針に盛り込むことによって周知徹底を図っていく。その指針の中では就活生に対してもきちんとそういう同様の注意を払うように、指針もそういう趣旨を盛り込むような形で、これは当然これから審議会での議論になりますが、就活生に対するセクハラ防止の徹底を図っていきたいと思います。

吉良よし子

 いろいろおっしゃいましたけど、まず、この法案では就活生は措置義務の対象になっているんですか、いないんですか、局長、お願いします。

厚生労働省雇用環境・均等局長(小林洋司君)

 お答えいたします。
 男女雇用機会均等法の十一条ということになりますが、事業主に対して措置義務を義務付けているのは、その雇用する労働者に関するセクハラの防止ということでございますので、就活中の学生については、雇用関係にないということで、この措置義務の対象にはなっていないということであります。

吉良よし子

 法律の中では、法案の中では就活生は対象になっていないと。ただ、先ほどの大臣の答弁では、指針の中に就活生を含むような記述を盛り込むから、それによって予防の観点の対応が相当程度前進するものと考えていると、そういう御答弁であったと思うわけです。
 確かに、全ての企業が就活生も含めた社内方針作るようになれば、それは大事なことだと思うんですけれども、ただ、この指針に書き込むということで本当に全ての企業が就活生を対象とした社内方針を作る、そうなるということを保証されるのですか、その点お答えください。

政府参考人(小林洋司君)

 まず、この措置義務について、その雇用する労働者に限定をした書き方になっているということにつきましてでございますが、これは、事業主はその雇用する労働者に対して労働契約上安全配慮義務を負っているということを踏まえて、その雇用する労働者に関する措置として一連の対応を事業主に義務付けているという趣旨であります。
 そういうことで、雇用関係にない就活生というのは直接対象にならないものですから、指針でカバーします。その指針の実効性を上げていくというのが御指摘でございますので、それの実効性が上がるように最大限努力していくということになります。

吉良よし子

 指針の実効性を高めていくようにしていくということですけど、つまりは、この指針の内容に就活生を書き込んだからといって、即、すなわち全ての企業が必ず就活生に対するセクハラ防止する社内方針を作らなければならないということにはならない、そういうことなんですよね。
 例えば、ビジネス・インサイダー・ジャパンのアンケート調査の中では、中小企業のワンマン社長から採用するから愛人になれとか、採用をちらつかせて性的な関係を迫るとか、そうした事例というのが幾つも寄せられているわけです。こうした行為を繰り返している言わばワンマン的な社長が、法律ではなく指針に就活生に対する対応をしろと示されたからといって、即、すなわち社内方針に就活生に対するセクハラ戒めることを書き込むかというと、そうは言えないんじゃないかと思うわけです。自らやっている行為を戒める方針を指針に書かれただけで作るかといえば、そうはならないんじゃないかと思うんですね。
 もう一つ聞きたいんですけれども、じゃ、指針に就活生について書き込まれた場合、措置義務としてやらなければならないのは、本来、労働者に対してやらなければならないのは、方針を作ることだけではなくて、窓口をつくって被害者の相談を受け付けて適正に対応する、ここまでが措置義務の内容なわけですけれども、これが就活生が被害者だった場合、その被害者がその企業の相談窓口に駆け込むことができるのか、そしてそれで適切に対応してもらうことができるのか、もしそれがされなかった場合に、労働局はその企業に対して指導ができるんですか。

政府参考人(小林洋司君)

 まず、措置義務は、先ほどのように一連の対応ということでございまして、そこまでは求めておりませんので、指針で望ましい取組として書いていくということになります。
 その上で、就活生の方がどこに相談すればいいかということでございますけれども、就活生の学生の方から都道府県労働局の方に設置をされております総合労働相談コーナーに御相談いただければ、そうした方の御相談に乗りまして、事業主に対して必要な助言、指導ということを行うということもできる仕組みになっております。

吉良よし子

 労働局に相談に行けば必ずその企業に対して指導するということなのか、つまり、企業の側が、就活生がセクハラを受けたという被害相談を行っても何ら対応してくれなかったと、その企業に対して指導し、ちゃんと対応させるように是正させる、そういうことに指針に書き込んだことだけでできるんですか。

政府参考人(小林洋司君)

 先ほど申し上げましたように、措置義務自体の対象にはならないということでございますので、紛争があった場合、労働局の方に相談いただいた場合、私どもができるのは、その紛争当事者である事業主とその就活生との間で十分話合いを行ってほしいということ、そして、それをきちんと行わないと事業主としては適切でない旨、助言、指導していくという、そこまでであります。

吉良よし子

 もしそれが、その相談者が労働者であった場合はどうなるのか。労働者が被害者で、労働局に相談に行った、しかし、その企業には当該相談窓口もない、適切な対応もされていない。これは措置義務違反ということで指導の対象になるわけですよね。

政府参考人(小林洋司君)

 労働者であれば、そもそも措置義務の対象になっておりますので、そうした方が労働局に来た場合、そして企業の対応が不十分であった場合は、企業に対して行政指導を行うことになります。

吉良よし子

 つまり、労働者であれば、ちゃんと、相談に行ったときに適切な対応を受けていなかったと労働者が告発すれば、労働局がその企業に対して指導するわけですよ。指導の対象になるし、措置義務違反、法令違反になるわけです。
 しかし、その被害者が就活生だった場合は、指針に書き込まれているだけだから、相談窓口がないとか適切な対応を受けていないとか訴えても、その企業は指導の対象にならない、措置義務違反にはならないと、そういうことですね。

政府参考人(小林洋司君)

 措置義務になっておりませんので、措置義務違反にはならないということであります。

吉良よし子

 つまり、指針に就活生について書き込んでいく、その方向性を議論するようにと大臣が答弁されていることは重要ですよ。しかし、問題は、やはりこの措置義務の対象に就活生が入っていないということが、法の外に置かれているというのが本当に問題なんです。これでは根本的な解決にはならないんです。
 この間、大臣は、この法案の中で就活生を措置義務の対象としない理由について、男女雇用機会均等法は労働法制であるため、対象は労働者に限っている、だから就活生はこの法では対象にはならないんだということをおっしゃっていると思うんですが、ただ、この均等法全体を見たら本当に労働者だけの法律なのかと。
 私、そうじゃないと思うんです。均等法第五条では、採用時の差別を禁止すると、そういう条文があるわけですけれども、となると、もちろん対象には就活生も含まれるわけです。つまり、均等法の対象というのは決して労働者に限定されるものではないと思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(根本匠君)

 男女雇用機会均等法の第五条、これは、労働者の募集及び採用における性差別を禁止しております。これは、募集、採用段階の事業主の行為に関するものであるため、この労働者には、就職活動中の学生など企業に雇用される前の求職者も含まれております。これは、募集及び採用についての性別に関わりなく均等な機会を与えなければならないと、こういう考え方、規定ですから、これは、労働者は雇用されて働く者をいって、求職者も含む、こういう解釈に、こういう整理になります。
 一方で、セクハラ防止のための雇用管理上の措置義務、これは先ほども局長含めて私もその趣旨を述べたつもりでありますが、事業主がその雇用する労働者に対して安全配慮義務を負うことなども踏まえて、事業主に対し、予防、救済、再発防止のための一連の雇用管理上の措置を事業主に求めるものであるので、求職者など、事業主と雇用関係にない者についてはその対象に含まれない、これはこういう法律上の仕組みになっております。
 ただ、そうは言っても、就活生に対するセクハラはあってはならないと考えていますから、要は、指針の中で、そういう就活生に対してもあってはならないということを書き込むことによって対応させていただきたいと思っております。

吉良よし子

 答弁、本当に簡潔にお願いいたしたいと思うんですね。
 私が聞いているのは、大臣はこの間、男女雇用機会均等法は労働法制であるため、対象は労働者に限っていると言われていたわけですけれども、実際には、均等法五条を見ると分かるように、労働者以外、就活生であっても対象になるというのは条文によってあり得るということなわけです。それは間違いないですね、大臣。

国務大臣(根本匠君)

 ですから、私、今長いと言われましたけど、きちんと整理して話すためには、私は、第五条のこの規定は、労働者というのは、募集及び採用についての性別に関わり均等な機会を与えなければならないということですから、その観点で対象になると、こう申し上げました。

吉良よし子

 もう一度お願いします。この均等法というのは労働者に限定されているわけではありませんよね。就活生を対象にした条文もあるということで間違いないですね。

政府参考人(小林洋司君)

 五条は、募集、採用の規定ですから、実効性を持たせるために求職者も含めて読んでおります。

吉良よし子

 つまり、条文によっては労働者以外も対象になり得るわけですよ。だから、今回のセクハラ防止の措置義務の対象に就活生を入れる、これは別にできることじゃないですか。そう思いませんか、大臣。

国務大臣(根本匠君)

 ですから、法律の規定というのは、どういう目的で規定するか、どういう目的で規定できるか、私はその観点が大事だと思って申し上げました。
 第五条というのは、募集及び採用について、性別に関わりない均等な機会を与えなければならないということですから、この五条の規定では、労働者というのは雇用されて働く者をいいますが、これは求職者を含むと、こういう規定になっているということであります。

吉良よし子

 違うんですね。私言っているのは、今言っているのは、だから、五条でも就活生が対象になり得るんだから、措置義務の対象にも、すぐにでも法律の中に就活生、対象だと書き込むべきじゃないかと申し上げているわけです。いかがですか。

政府参考人(小林洋司君)

 先ほどの募集、採用のところは求職者を含めて解釈しています。そして、措置義務のところは、先ほども大臣から御答弁申し上げましたが、労働契約における安全配慮義務から派生した考え方として設けているということで、雇用関係に入った労働者に関する措置ということで規定をさせていただいております。これを超えた規定を行うということになれば、またこの雇用管理措置とは別なアプローチが必要になってくるのではないかというふうに考えております。

吉良よし子

 そういう問題じゃないですよ。法律の立て付けの問題だけではなくて、現に今就活生がハラスメント被害に遭っていて、そして志望を変えざるを得ない、就活を諦めざるを得ない、そういう状況が起きているわけであって、なのに、いや、労働安全衛生の配慮義務の観点から作られた条文だから就活生は入れられないんだなんて、そういう木で鼻をくくったような答弁は本当に許されないと思うんです。もうこれだと本当に就活生は救われませんよ。
 問題は措置義務だけじゃないわけです。この対象に就活生が入らないということになると、つまり救済もされない可能性もあるわけです。労働者であれば、セクハラ被害に遭った場合、行政救済というのが受けられるわけですが、就活生はどうなのか。指針について、就活生について書き込めば就活生も行政救済の対象になると、そういうことでいいんですか。

政府参考人(小林洋司君)

 五条の話と十一条の話は分けて考える必要があると思いますが、五条違反ということになれば行政指導、行政救済の対象になってくる。十一条の話でございますと、先ほどのように助言、指導にとどまるということでございます。

吉良よし子

 差別禁止規定の下では救済措置になるけれども、セクハラ防止の措置義務とかセクハラ防止の対象にはやっぱりならないと。セクハラ被害を受けたと、それだけをもって行政救済してくださいと就活生は言えないってことですね。いかがですか、局長。

政府参考人(小林洋司君)

 今の法制からはそういうことになります。
 ただ、先ほど申し上げましたように、労働相談コーナーにおける紛争解決援助ということで必要な助言、指導はさせていただくということであります。

吉良よし子

 そもそも、この行政救済制度だってほとんど機能していないわけです。そういう中で、問題も多く含まれているし、十分な救済になっていないということは、この間、議論はされているわけなんですけど。
 けれど、就活生に限って言えば、その救済制度だって利用できない、最初から外されてしまっているというのが本当に問題なわけです。そうなると、就活生が被害を受けた場合、訴え出る場はどこになるか。司法解決しかないわけです。いや、お金もない、立場も弱い学生が簡単に司法に訴えることができるのか。できないじゃないですか。そうじゃなくても、被害に遭った就活生のほとんどは泣き寝入りをしているわけです。
 冒頭紹介したビジネス・インサイダー・ジャパンのアンケートによれば、セクハラに遭ったと答えた就活生の七割以上が誰にも、大学や企業にはもちろんのこと、親や友人にも相談できていない、相談していないと。その理由は、社会的な立場が圧倒的に低い自分にとって相談することで何が起きるか想像できず、報復も怖かったって、そういう声があるわけです。そしてもう一つ、最大の問題は、どこに相談したらいいか分からなかった、そういう声なんです。
 これ、就活生だけじゃなくて、あらゆるハラスメント被害者がそうだと思うんですけれども、安心して相談できる、そういう明確な機関、政府や企業から独立した救済機関、どうしたって必要だと思いますが、大臣、こうした独立した救済機関、すぐにでもつくるべきじゃないですか、いかがでしょう。

国務大臣(根本匠君)

 御指摘のような政府や企業から独立した救済機関を設けること、これについては、裁判においても事実認定などの難しさが指摘されている中で、司法以外の機関において正確かつ迅速な事実認定が可能であるか、あるいは裁判制度等との関係性をどのように整理するか、あるいはどのような組織体制を確保する必要があるか等々、様々な論点、課題がありますので、この独立した救済機関という件については、必要性も含めて慎重な検討が必要であると考えております。

吉良よし子

 慎重な検討が必要と言って、結局、すぐにでもつくるとは答えられないと、それ本当に、これでは被害者は救われないわけです。
 学生にとってそうした独立した救済機関というのは、もう絶対に必要なものなんです。ただ、それがすぐにつくられない場合に、身近な相談機関としてはキャリアセンターなどの大学の相談窓口も考えられるわけなんですが、ただ、それが本当にその学生の救済になっているのか、適切に対応できているのかというところも問題があるわけです。
 私、資料をお配りしましたけれども、その後半の方にこうした事例があるわけです。企業で面接官をしている人事担当者から模擬面接するからとホテルに誘われた、てっきりラウンジでやるものだと思ったら連れていかれたのはホテルの部屋の中だったと。そういう経過の中で、いや、就活の相談だったのにホテルに連れていく、このことはおかしいんだと糾弾したいと思って、当時通っていた大学のキャリアセンターに相談したそうです。けれども、キャリアセンターの担当者は、これはうちの管轄ではないと、メンタルヘルスの別の学内の相談窓口を案内されてしまったと。それだけで、そのメンタルヘルスの担当者もまともに相談に対応をせず、結局、大学側からは、その相談を受けた後、何の連絡もなかった、相談したのにたらい回しにされただけだったと。
 被害に遭った方はPTSDとなって、もうほとんどまともに働けない状態になっていて、何よりも、勇気を出して相談したにもかかわらず、大学に大したことじゃないように扱われたのが大変ショックだったと語っているわけなんですけれども、今日は文科政務官にも来ていただいておりますが、この大学のこの対応、適切な対応だと思われますか。

文部科学大臣政務官(中村裕之君)

 セクハラ行為につきましては、被害者の尊厳や人格を傷つける、あってはならない行為でありますけれども、特に就職活動中という立場が弱い学生に対するそうした行為は決して許されるものではないわけであります。そうしたことから、大学等のキャリアセンターにおいては、まず、就職活動においてハラスメントがあった場合、学内相談部署を周知し、相談するように学生に伝えているところでありまして、実際に相談があった場合には、学生に寄り添って丁寧に話を聞くとともに、再発防止の観点や学生の要望を踏まえ、どうすることが適当であるか、その都度の状況に応じて適切に判断し、対応していただく必要があると考えているところであります。

吉良よし子

 いや、今の対応全般を聞いているのじゃない。私がお話ししました事例について、この事例について大学が適切に対応した事例だと政務官は思われるかどうか、この点を伺っているわけです。

大臣政務官(中村裕之君)

 私ども文部科学省が大学に求めているこうした対応からすると、先生が取り上げた事例というのは、適切とは言い難いところがあると思います。

吉良よし子

 ということであれば、やはりこうしたキャリアセンターに対してもちゃんと適切に対応するように、この機を踏まえてちゃんと周知徹底すべきと思いますが、いかがですか。

大臣政務官(中村裕之君)

 文部科学省としては、こうした就活生へのセクハラが起こった場合に適切に対応するように指導しているところですけれども、更に、先生の御指摘も踏まえて、こうした不幸な事案があるということを念頭に入れた上で大学等に徹底をしてまいりたいと思います。

吉良よし子

 是非、徹底していただきたいと思うんです。本当に被害に遭った就活生の皆さんは、自分が被害に遭ったことを、ショックを引きずっているだけじゃなくって、自分はもうこうなった以上我慢するけれども、後輩たちが二度とこんな目に遭わないようにしてほしいと切に訴えているわけです。そして、キャリアセンターにも私、問合せもしました、幾つかの大学に。その担当者からも、やはりこうしたことをやめさせるためにも社会的なルールがどうしても必要だと思うと、そういう声もいただいているわけです。
 だからこそ、就活生を法の谷間に放置するんじゃなくて、きちんと法律の中で措置の対象としていく、そのことは待ったなしですし、そうした就活生も含めたセクハラ被害を絶対なくすためにはもう明確に禁止するその規定こそが必要なんだと、このことを申し上げて、今日は時間がありませんから申し上げるにとどめますが、申し上げて、今日の質問を終わります。