就活セクハラ7割相談せず 実態把握と対応要求
要約
日本共産党の吉良よし子議員は5日の参院文教科学委員会で、就職活動中の学生が深刻な被害を受けている「就活セクハラ」について実態把握、対応を徹底しておこなうよう萩生田光一文部科学相に強く求めました。吉良氏は「ビジネスインサイダージャパン」の調査で、回答者数723人のうち、約半数の359人が就活セクハラの被害にあったと答え、うち7割がだれにも相談していない実態を告発しました。
一方、文科省の調査では、大学の8割に相談窓口があり、周知しているとあります。吉良氏は「窓口があるなんてきいていない」という学生の声や大学に相談してもたらい回しにされた事例を紹介。大学の相談窓口の周知方法や、相談体制の詳細について「把握しているか」とただしたところ、文科省の伯井美徳高等教育局長は「把握していない」と答弁。
吉良氏は、これらの詳細な実態について調査するよう要求。萩生田文科相は「把握できていない項目があった。関係省庁と連携し、しっかり努める」と答えました。
さらに吉良氏は「法の隙間におちてしまっている学生たちを守るため、先頭に立ってがんばるべきだ」と強く訴えました。萩生田文科相は、関係担当者の集まる会議を通じて「文科省のできることをやっていきたい」と答弁しました。
議事録
吉良よし子
日本共産党の吉良よし子です。
まず、大学入学共通テストについて伺います。
とりわけ記述式問題についてなんですが、この記述式問題を共通テストに導入する目的について私が以前聞いた際、大臣は、国立大学の二次試験においては、国語の小論文、総合問題のいずれも課さない学部の募集人数が全体の六一・六%という状況なので導入する旨の答弁をされています。
しかし、この状況について、参考人からは、この文科省の示す数字というのは国語に関してのみのカウントだということを指摘された上で、単語程度のものを書く、そういう記述問題を除いて一定の長さの記述をさせる問題がどれだけの割合であるかを調べたところ、国立大八十二校の志願者のうち八五・七%に上ること、またさらに、問題全体が何問かあって、その中で何問記述式が出されているかとなると八七%になったという指摘があるわけです。
これだけ多くの受験生がもう既に二次試験等で記述式問題を課されている状況にあることからすれば、今回、大学入学共通テストでわざわざ記述式を課す、課さなければならない理由はもはやないと考えますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
国務大臣(萩生田光一君)
御指摘の調査は東北大学が行った調査と承知しておりますが、国語に限らず全ての試験科目を対象に、小論文や長文、短文のみならず、穴埋めや解答式の問題も記述式の範囲に含めたものであり、それらがどの程度の記述を要するのかは不明であるところです。他方で、文部科学省が根拠としてきたデータは、国語や小論文、総合問題のいずれも課さない学部の割合を示したものであり、御指摘の調査とは一概に比較できるものではないと考えています。
記述式問題を導入することについては、解答を選択肢の中から選ぶのではなく、文や文章を書いたり数式などを書いたりすることを通じて、思考のプロセスがより自覚的なものとなることにより、より論理的な思考力、表現力を発揮することが期待されると考えております。
吉良よし子
記述式問題、共通テストで課すことでより論理的な思考力、判断力を発揮することが期待されるとおっしゃいましたけれども、午前中の質問の中でも、また私の先日の質問の中でも申し上げたとおり、共通テストで採点のぶれをなくすために相当の制限が課された、そういう設問になっている中で、到底思考力や表現力、判断力を問えるような問題とは思えない問題になってしまっている、ならざるを得ない状況があるわけです。
で、先ほど、その調査について、この東北大学の調査というのが比較対象にならないとかおっしゃいましたけど、であるならば、やはり文科省で調査すべきじゃないですか。国語以外も、今回共通テストは数学も対象なわけですけど、国語以外も含めて二次試験等で個別の大学がどれだけ記述式を課しているのか、それが思考力、表現力、判断力を問うものになっているのかどうか、そういう調査していないわけでしょう。するべきなんじゃないですか。
文部科学省高等教育局長(伯井美徳君)
御指摘はそのとおりでございまして、我々としても必要な調査を行いながら対応したいと思いますが、この導入を決めた時点、平成二十八年度入試で、先ほど御指摘いただいたように、国語、小論文、総合問題のいずれも課さない学部の募集人員が全体の六一・六%であったということを踏まえて導入することを決定したという経緯でございます。
また、大学入試センターが行った調査研究によれば、同一又は同様の内容の問題について、記述とマークと異なる解答様式で解答させた場合の解答状況の違いを比較してみると、記述式の方がマーク式よりも正答率が低くなる傾向が見られるということも事実でございます。そういう意味で、我々は、記述式を課すことによって論理的な思考力、表現力等が育成する上で意義あるものというふうに考えている次第でございます。
吉良よし子
結局、導入する過程の中で、先ほどの調査しかしていないわけですよ。国語や小論文、総合問題のいずれも課さない学部の割合でもないんですよ、募集人員の割合なんですから。いずれも課さない学部の割合ですらない、募集人員の割合だけをもってして共通テストに記述式が必要だなんて、どうして言えるのか。その調査がまだないと、おっしゃるとおりだとおっしゃったのなら、今、現時点で共通テストに記述式をなぜ入れるということをここまで強固に言えるのか。私は言えないと思うんです。
この間、先月、文科省から国公立大学へ国語の記述式問題の成績を二段階選抜に使わないよう、つまり足切りに使わないよう要請することを検討しているという報道もあったわけです。その理由が、段階選抜後に問題が判明すると救済が難しいことや、自己採点と実際の成績のずれによる混乱を防ぐとか、間違った自己採点によって出願の判断を誤る事態を防ぐなどの理由があるということですけれども、ならば、もう共通テストの中で記述式を導入する意味などもはやないと、そういうことを検討している時点で、そういうことを文科省御自身が言っているに等しいわけなんです。
先ほど来あるとおり、そもそもこの共通テストでの記述式というのは不信感の塊なんですよ。公正に採点される保証がどこにもない。もうこの時点で大学入学共通テストに記述式導入するのはもう中止すると決断すべきときに来ていると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(萩生田光一君)
今般の大学入試改革は、未来を切り開くために必要な資質、能力の育成を目指す高大接続改革の一環として取り組んでいるものであり、高校教育改革や大学教育改革と一体的に進めているものです。
その中で、大学入学共通テストにおける記述式問題の導入については、解答を選択肢の中から選ぶのではなく、文や文章を書いたり数式などを書くことにより、思考のプロセスがより自覚的なものになることによって、より論理的な思考力、表現力などを発揮することにつながると考えております。そして、このことが高等学校教育に対する主体的、対話的で深い学びに向けた授業改善を促していく大きなメッセージになるとともに、大学教育の改革充実に対しても好影響を与えると期待をしております。
なお、大学入学共通テストの記述式問題導入については、採点の質や自己採点の採点結果の不一致などの課題があると認識しています。文部科学省としては、記述式問題の出題や採点方法についてどのような改善が可能であるか、様々な方策について検討しているところであり、一つ一つ課題を解消し、円滑な実施につなげていきたいと考えております。
吉良よし子
やめるとおっしゃらないわけです。
未来を切り開くためとおっしゃいましたけれども、もうその未来を切り開く主体である子供たちが、高校生が本当に不安の声を上げているわけなんです。これは、その試験を受けることになる現在の高校二年生だけではない、受験を控えている高三生も同じなんです。
なぜか、それは浪人する懸念もあるからです。浪人覚悟で上の学校を目指すか、それとも、もう試験が変わり目にあるから、あえてチャレンジせずに安全牌の学校にするか、もうそういう進路選択の岐路に今立たされているわけですよ。何よりも、自分たちの能力を正当に測ってもらえないかもしれないテストで、それで自分たちの進路が、人生が変えられてしまうかもしれない。一人一人にとっては重たい問題なんですよ。
やっぱり、もうこれだけの不信を広げている、先ほど毎日新聞の記事も紹介されましたけど、七割が、高校の七割がもう廃止求めている。やめるべきじゃないですか。もう一度、大臣、やめてください、記述式。
国務大臣(萩生田光一君)
繰り返しの答弁になりますけれども、先生がおっしゃっている問題意識は私も理解できます。高校生にとって公平性がしっかり保てない試験を入試に使うわけにはいかないと思っています。そのための今、改善の努力を続けております。
吉良よし子
改善ではどうにもならないんだということは、もうこの委員会でもたくさんの議員が指摘しているわけなんです。
もう記述式の導入はやめるしかないんだと、中止していただきたいと、このことを強く申し上げまして、今日は次に就活セクハラについても伺いたいと思います。
今年の二月に大林組で、三月に住友商事で、それぞれ、OB訪問をした女子大生に対して社員が強制わいせつ、準強制性交等の罪で逮捕されるという事件が立て続けに起こりました。このことから、就活セクハラというのが今大きな社会問題として認識されるに至っているわけです。
この就活セクハラの取材を続けているビジネス・インサイダー・ジャパンによりますと、OB訪問で、エントリーシートが通ったら合コン、選考に通ったら体と言われたなどという事例があります。男性の就活生であっても、面接のときに彼女いない歴イコール年齢であることを告白させられた、そういう人もいるわけです。OB訪問の飲食店で性器を触るように要求された、店を出た後に肩を組まれ胸を触られた、ホテルに行こうと言われて断ると激高されたなど、もう犯罪と言える事例まであり、大変深刻な事態なわけです。
ここで、文科省にまず確認をしたいと思います。こうした就活セクハラの実態、どう把握しているのか、就活セクハラに関する大学への相談というのはどのくらいだと把握されていますか。
政府参考人(伯井美徳君)
お答えいたします。
文部科学省では、就職・採用活動の状況を把握することを目的に、毎年、大学等や企業を対象に、就職・採用活動に関する調査を実施しております。二〇一九年度の調査結果では、学生からセクシャルハラスメントのような行為について相談を受けたことがあると回答した大学でございますが、これは千百六校のうち五十七校でございました。回答のあった大学のうち約五%という結果となっています。また、相談があったと回答をした大学の五十七校に対して、その件数について尋ねたところ、五件以下が最も多い状況で、全体の九六・五%となっております。
吉良よし子
大学の数でいえば全体の五・二%にとどまっているかのような調査結果なんですけれども、本当にそれが実態なのか疑問があるわけです。
ビジネス・インサイダー・ジャパンの就活セクハラ緊急アンケートによりますと、十一月二十四日時点で、七百二十三人の回答者のうち約半数の三百五十九人が就活セクハラの被害に遭っていると答えているわけです。
この間、学生有志が、この就活セクハラ、対策やってほしいという声明文も出しているんですが、その学生たちによりますと、就職の面接やOB訪問の場で彼氏いるのとか二人で飲みに行こうなどと言われるのは挨拶代わり、九割方あるんだと、どこの会社でも性的な質問を聞かれると言っていました。もう就活生へのセクハラというのは常態化し蔓延しているのではないかと。
先ほど申し上げました学生有志の緊急声明、対策を求めていて、実態調査もしてほしいということが書かれているわけですけれども、これ文科省にも先日出されたと聞いています。大臣も御存じだと思うわけですけれども、相談待ちなんかではなく、やはり正確な実態の把握、調査をする、文科省として積極的に対策進めるべきと思いますが、大臣、いかがですか。
国務大臣(萩生田光一君)
就職活動中の学生に対していわゆる就活セクハラが行われていることについて、先日、学生有志が文部科学省へ届けた声明も拝見をさせてもらいました。
セクハラ行為は被害者の尊厳や人格を傷つけるあってはならない行為でありますが、特に就職活動中という立場的に弱い学生に対するそうした行為は決して許されない行為であります。
かかる観点から、大学等のキャリアセンターにおいては、まず就職活動においてハラスメントに遭った場合には相談するように伝えているところであり、実際に相談があった場合には、学生に寄り添って丁寧に話を聞くとともに、再発防止の観点や学生の要望等も踏まえ、どうすることが適当であるのか、その都度の状況に応じて適切に判断し、対応していただく必要があると考えています。
私としては、学生が安心して就職活動を行える環境を整えることが重要と考えており、文部科学省において、引き続き関係省庁と連携し、大学の学生支援担当者や就職支援担当者が集まる会議を通じて、適切な対応をしっかりとしていただくように求めてまいりたいと思います。
吉良よし子
いろいろおっしゃっていただいたわけです。就活セクハラ、あってはならないということで、もう本当に対応を急いでいただきたいと思うんですけれども、相談が五・二%にとどまっている、実態はもっとあるだろうに、その五・二%にとどまっている背景に何があるのか。それは、就活生や学生がそういう相談を大学が受け付けているのを知らないということだと思うんです。
実際、何校かの大学の学生に直接聞きましたけれども、自分の通う大学でそうした就活セクハラの相談を受け付けてくれているなんというのは聞いたこともない、周知も受けていないと、そういう声なんですね。一方で、文科省のこの調査、お配りした資料一ですけれども、によると、大学、多くは窓口を設けていて周知もしているんだというふうに言っているわけですけれども、これ、やっぱり実感との乖離が余りに甚だしいと言わざるを得ないと思うんです。
確認したいんですけれども、周知していると、七割方が周知していると言っているんですが、じゃ、各大学は具体的にどのような方法で学生に周知しているのか把握しているのでしょうか、局長。
政府参考人(伯井美徳君)
先ほど説明いたしました就職・採用活動に関する調査におきまして、大学へ相談するよう周知しているかについては調査しているんですけれども、各大学で、今御指摘いただいたような、どのように就職相談窓口を周知しているかについては把握していないところでございます。
吉良よし子
分からないんですよね。個別のメールでちゃんと伝えているのか、ポスターちょっと一枚貼っているだけなのか、ガイダンスなんかで丁寧に説明しているのか、そういうことも一切分からない。本当に届いているかどうか分からないというのは、やっぱり実態把握とは私言えないと思うわけです。
もう一つ確認したいんです。じゃ、相談した窓口の体制なんです。聞いたのは、私が、実際に勇気を出して大学に相談したと。ところが、うちの窓口では相談受け付けられないから別のところに行ってとたらい回しにされて、何度も何度も被害話したけれども、結果何ら対応してもらえず、解決もせず終わっちゃったと。逆に大学のその相談者に大したことじゃないように扱われて、もうショックだったという事例もあるわけなんです。
確認したいんですけれども、じゃ、いろいろ相談窓口あると言いますが、その窓口にハラスメントに対しての相談の対応ができる専門の相談員が常時配備されているのか、その相談体制の実態というのは把握されているのでしょうか。
政府参考人(伯井美徳君)
大学の相談窓口にハラスメントの専門家が配置されているかどうかについては詳細は把握していないわけでございますが、各大学等におけるカウンセラーの配置状況は八割を超えているということでございます。
吉良よし子
把握していないと。カウンセラーは、それは各大学にいるでしょうよ。けれども、その人が必ずその就活セクハラの相談のときに対応してくれるとは限らないということなんですよね。だから、実際どうなっているか分からない。
もう本当これじゃ問題なんです。というのは、この就活セクハラ、被害者の多くが泣き寝入りしているというのはもう明らかなんです。ビジネス・インサイダー・ジャパンのアンケートでも、先ほど二人に一人ほどが被害に遭ったと答えてはいるんですけど、その被害に遭ったうちのもう七割が誰にも、親にも友人にも誰にも相談していないというんです。泣き寝入りしているんです。その多くが、どこに相談していいか分からないから、大学に相談しても対応してくれるかも分からないし、ましてや企業になんかとてもじゃないけど言えない。
そうやって泣き寝入りしてしまっている当事者に、ちゃんと相談受け付けるよと、ちゃんと対応するよと、寄り添うよということをやっぱり周知する、大学が対応取るということは最低限やらなきゃいけないことだと思うんです。という意味では、今の実態把握では、それが足りているかどうかもすら分からないという意味では不十分としか言いようがない。
是非、次の調査では、大臣、こうした窓口の相談体制の実態、そして周知状況の具体的な詳細な中身について、より詳細に調査していただけませんか。お願いします。
国務大臣(萩生田光一君)
学生さんが志を持って是非働きたい会社を訪問したときに、こういう目に遭うなんてことはあってはならないと思います。
例えばOB訪問ということであれば、同じ同窓の学校の先輩にも当たるわけですから、これは学校でも問題を共有してもらいたいと思いますし、あるいは企業側の人事担当者ということであれば、これは厚労省ともしっかり連携を取りながら、いわゆる就活セクハラへの今後の対応は、現状において把握できていない項目が御指摘のようにございました。関係省庁と連携して、より実態が把握できるようにしっかり努めてまいりたいと思います。
あわせて、本件において、大学における適切な対応が不可欠であるので、大学の学生支援担当者や就職支援担当者が集まる会議を通じて、文部科学省もできることはまずやっていきたいというふうに思っております。
吉良よし子
調査していただけるということだったので、是非お願いしたいと思いますし、また、調査待ちでなく、今できることやっていただくという御答弁もありました。
そこで、資料二を見ていただきたいんですけど、これ、文科省に言ったところ出された資料なんですね。就活セクハラについての事例一覧があって、大学における取組事例、好事例が掲載されていると。また、厚労省、労働局では総合労働相談コーナーで学生が相談することも可能であるということがこの夏に明らかになったわけですけれども、こことの連携についてもできるよというそういう一枚の説明のペーパーで、これ本当に大事な情報でして、とりわけ、先ほど言ったようなキャリアセンターの方などに話を伺いますと、いや、相談に乗りたいという気持ちはあるんだと、けれども、いざ相談されたときにどう対応していいか分からないと、そういう方もいらっしゃると伺っているわけです。
だから、こういうふうなものをキャリアセンターにお届けいただけると総合労働相談コーナーなどと連携して対応可能なんだと、こういうふうに対応していけばいいんだということが分かるわけで、是非これ各大学に届けて活用していただきたいと思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(萩生田光一君)
活用させてもらいます。
吉良よし子
是非お願いしたいわけです。
この間、関係省庁と経済業界団体、また大学が就職ルールを話し合う就職問題懇談会というのが毎年十二月とか一月とかに行われているわけです。
ただ、ここの会議では、主には就職の時期をどうするかということがメーンの議論のテーマになっていると聞いているんですが、ここで是非この就活セクハラも議題にしていただきたいし、そうした場も活用しながら、大臣、是非とも、文科省として、政府として、先ほどおっしゃったような、就活セクハラはあってはならないんだと、もう企業も大学も、学生を守るためにやるべき対応全て取るべきだと、そういう断固とした対応を、意思を表明していただきたいと思うんですが、大臣、もう一度お願いします。
国務大臣(萩生田光一君)
先ほども申し上げたように、社会に出る夢を抱いてその会社を選んだ人が、たまたま窓口のそういう言うならば方たちと会ったことによって自分の進路が変わったり、あるいは夢を諦めるようなことがあってはならないと思います。
先ほども申し上げたように、文科省としてできることはすぐやりますけれど、関係省庁とも連携しながらやらなきゃならないことがありますので、今この国会の中でこういうことが問題になっているわけですから、そのことは重く受け止めて、あらゆる機会を通じて、セクハラがないようなそういった就職活動にしていきたいと思います。努力をします。
吉良よし子
もう本当に是非お願いしたいんです。
私、この問題ずっと取り上げているわけですけれども、問題は、やはり就活生というのが本当にノンルール状態に置かれているということなんです。
厚労省でセクハラ指針というかハラスメント対応しようということは出されたんですけれども、厚労省の均等法上は労働者しか対象じゃないと言われているわけです。だから、就活中の学生は対象外だよと言われているわけです。じゃ、一方、文科省はどうかといえば、就活は各々学生が勝手にやることだから、まあ御自由にやってくださいねという状態で、もう守られる法律、ルールが基本的に今一切ない状態なんですね。
この間、ようやくその均等法の議論の中で就活生への対応も必要だということで、附帯決議の中にも就活セクハラが盛り込まれ、また、今度作られる指針の中にも一定書き込まれたと。ただ、これも対応は望ましいということにとどまっていて、企業が対応しなければならないなんという拘束力があるような状態では決してないわけです。これではやっぱり不十分なわけですから、是非その法の隙間に落ちてしまっている学生たちをしっかり守るように、大臣、先頭に立って頑張っていただきたいと。
この間、ILO条約でもハラスメント対策しようと、保護の対象に求職者も入れてくれと、そういうことも盛り込まれております。
最後に、先ほどの学生有志の声明文の中に書かれております。就活セクハラで未来を奪われる学生がこれ以上出ないように、関係諸機関が真摯に対応することを求めます、これが学生の皆さんの思いなわけです。これをしっかり受け止めていただいて対応していただくよう強く求めまして、質問を終わります。