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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2020年・第201通常国会

新型コロナ 文化芸術への影響 政府の責任で対応を(動画7分42秒頃〜)

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は18日の参院文教科学委員会で、新型コロナ感染症対策での一律休校、イベント自粛に伴う文化芸術への影響について質問し、政府の責任で対応するよう求めました。

 同質問はネット上で動画の再生回数が20万回(19日午後8時現在)を超えるなど大きな反響を呼んでいます。

 吉良氏は、一律休校による学校鑑賞教室の中止について政府が把握しているのかを質問。文化庁は「都道府県教育委員会に対して調査を依頼している」と答えました。

 吉良氏は、「キャンセル料の支払い、当面の支援だけでなく恒常的な救済制度をつくってほしい」との声が上がっていることを紹介。幼稚園・保育園の休園によるものも含め政府の責任で対応するように求めました。

 萩生田光一文科相は「学校休校に伴うものは政府が責任を持って行う。直接被害が出ているものとして、政府全体でつなぎも含めて取り組む」と答えました。

 吉良氏は、ライブハウスが感染クラスターと名指しされていることについて「ライブハウスが、草の根で日本の音楽文化を支え、重要な担い手となっている。政府が追い詰めないでほしい」と求めました。萩生田氏は「施設が悪いわけではない」と答弁しました。

 また、吉良氏がイベント再開の見通しについてただしたところ、萩生田氏は「専門家会議の見解を踏まえ、文化の機会を奪われないよう支援していく」と答えました。

しんぶん赤旗2020年3月20日号より抜粋

議事録

吉良よし子

 続いて、コロナ対応で文化芸術についての影響についても改めて取り上げたいと思います。
 十日の所信質疑の中で学校休校に伴う学校鑑賞教室が中止、キャンセルとなっている事例について質問した際、現時点では、各学校が独自に実施しているもののキャンセルの実態、まだ把握できていないという答弁と同時に、これから把握していくという答弁があったわけですけれども、その後、学校鑑賞教室の中止、キャンセルどのくらいか、調査は進んでいるでしょうか。次長、お願いします。

文化庁次長 (今里讓君)

 お尋ねのございました学校等の鑑賞教室、一斉の臨時休校に伴って中止などなっている例もあるわけでございますけれども、現在、文化庁で都道府県教育委員会に対しまして、自治体又は学校が主催する児童生徒を対象とした文化芸術の鑑賞教室等の中止、延期等の状況について調査を依頼しているというところでございます。

吉良よし子

 調査を依頼しているということで、是非、引き続き徹底的に把握していただきたいわけですが、私、先日、日本児童・青少年演劇劇団協同組合、いわゆる児演協に伺ってお話を伺ってきました。その児演協の調査によりますと、加盟六十二団体のうちで、二月二十六日から三月十一日まで、公演などの中止は五百七十九件、被害額は一億四千五百四十六万一千円に上ったということです。例えば、安倍首相の休校要請が行われた二月二十六日の翌日、二十七日の朝以降にキャンセルの電話が相次いで、三月の公演五十件全てキャンセルになって五百万円の収入が減になってしまったという劇団もあったと伺っているわけです。
 引き続き、もうあらゆるつてたどって、詳しく状況を把握してほしいし、そういう意味では、単純に学校の授業、学校の行事としての休止だけではなくて、保育園や幼稚園まで含めた、そういった公演もキャンセルに、休校要請に伴ってキャンセルになってしまっているということでは対応が必要です。
 この児演協の理事は、弱い立場の劇団に一方的に損失負担させるのは不条理だと、キャンセル料の支払、真剣に考えてほしいとか、政府には当面の支援だけじゃなくて恒常的な救済制度をつくってほしい、そういう声も出されているわけです。
 改めて、文科大臣に伺います。
 首相の学校休校要請に伴う公演の中止について、政府が責任を持ってキャンセル料を払う等の対応、もう待ったなしでやっていただきたいと。学校休校だけじゃなくて、幼稚園、保育園、類似のところでも同じような状況相次いでいますから、それへの対応もしてほしいということでよろしいでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 学校休業の要請に伴う様々な事象については、政府として責任を持ってということを前提にこの休業要請をしました。
 先ほどの例えばバスのことや、あるいはもう既に手当てを始めましたけど、給食のこと等、学校の授業の中で行う鑑賞教室ですとか、こういったものはある意味二次的な直接被害が出ているものだと私も思います。
 この前、答弁では意地でも開催すると、こう申し上げて、キャンセルを前提じゃなくて、延期をしてうまく組合せができればそれが一番いいと思うんですけれど、しかし、そんなこと言っているうちに劇団が消滅してしまっては困りますので、つなぎも含めて何らかの支援ができるようなことを、これも政府全体でしっかり対応していきたいと思います。

吉良よし子

 つなぎ含めて政府で支援と、是非やっていただきたいと思うわけです。とにかく、この休校にしろ、イベント自粛にしろ、政府の要請に伴って大きな影響が出ているのは間違いないわけです。
 なので、政府がもうこれに基づく損失絶対に出さない対応をしていただきたいんですが、気になるのが、この間、十四日の総理記者会見の中で、首相が、感染リスクが高くなる三つの条件を説明するに当たって、スポーツジムやライブハウスなどと特定の施設を名指しで挙げたということなんです。
 確かに、スポーツジムやライブハウスで感染が確認された事実がある、それは間違いないと思うんです。ただ、もうここまで来たら、いや、ジムやライブハウスだけが感染経路ではないはずなんですね。そういう意味では、施設の名指しをするんじゃなくて、要件を並べるだけでもよかったと思うんです。
 特にライブハウス、もう危機的な状況になっているんです。日本の音楽文化を草の根で支えている、そういう重要な担い手であるライブハウスなわけですけれども、文化を所管する大臣に確認したいと思うわけです。
 ライブハウス、全てクラスターじゃないと思うんです。そうじゃなくて、ライブハウスであれどこであれ、重要なのは感染リスクが高まるような条件そろわないように気を付けること、これだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

政府参考人(今里讓君)

 先日、厚生労働省が発表した新型コロナウイルス感染症の全国クラスターマップによれば、クラスター感染が発生した場所の中にライブハウスも含まれているということは承知しているわけでございます。一方で、新型コロナウイルスの影響によりまして、人々が音楽を聴いたり、演奏をしたりする貴重な機会が失われている、このことは非常に残念でございます。
 文部科学省といたしましては、感染拡大を防止するための政府全体の方針を踏まえて、多数の方が集まるような全国的な文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案して、中止、延期又は規模縮小等の対応について要請を行っているところでございまして、今後につきましては、明日をめどに示されるとされております専門家会議の見解なども踏まえ、政府全体の方針の下で取り組んでまいりたい、このように考えてございます。

吉良よし子

 いや、ライブハウスの関係者の皆さんそろって、名指しだけはやめてほしいと言っているんです。
 実際に、既にもう体温測定など様々な対応を取って感染症対策取りながらやっているところもあるわけで、しかも、ライブハウスといっても多種多様で音楽形態も様々なんですよ。みんながぎゅうぎゅうになって汗かいて音楽聞いているわけじゃなくて、一定間隔空けて、椅子などもあって余裕を持って音楽楽しめるジャズライブハウスなどもあるわけですから、そういう意味では追い詰めないでいただきたいと思うんですが、文科大臣、いかがでしょう。

国務大臣(萩生田光一君)

 国民の皆さんに多分クラスター化の例示をするのに、たまたま実例があるものを名指しをしたんだと思います。
 御指摘のように、ライブハウスといってもいろんな形態がありますから、昨日も超党派のエンターテインメントを支援する議連の皆さんが声明出していただきましたけれども、我々としては、必要な感染防止には御努力いただきますけれども、その施設名が悪いとか施設そのものが悪いということじゃございませんので、中には換気のいいライブハウスもきっとあると思いますので、しっかり支援をしてまいりたいと思います。

吉良よし子

 是非そういうふうに応援していただきたいと思うんです。何しろもうライブハウス、経営の危機にさいなまれています。実際、私、幾つかのライブハウスに伺って直接お話聞きました。
 あるロック系のライブハウス、三月以降、客数が三割から四割減っている、出演者の辞退もあって、集客を見込めるはずの大きなライブも中止になった、まあ一か月間ならまだ何とか、でも、これが三か月、四か月続くともう危機だという話もありました。
 また、別のジャズライブのライブハウスのオーナーに聞くと、もう元々借金背負いつつ、何とか急場しのぎながら継続していた、なので、この間、来客が八割減ってしまってもう風雲急を告げている、もう閉めるしかないかもしれないけれども、閉めるにしても、借金返済など必要経費もまた全くなく、もうにっちもさっちも成り立たないという話だったわけですね。
 また、別のライブハウスのオーナーからは、せめて本年度納める消費税、本年度に限り免除するなどをしてほしいという声も上がっている。
 私たち共産党も、緊急に消費税を五%に減額することなど支援を政府に求めているところですが、是非文科大臣からも、とりわけこの文化、ライブ、エンタメ業界、イベント自粛でかなりの影響を受けているわけですから、それに対して損失補填、税の減免含めた必要な経済対策、もう全て打っていただけるようお願いしたいのですが、いかがでしょう。

政府参考人(今里讓君)

 ライブハウスを始めとした文化イベントを行う場におきましては、公演の延期ですとか中止などの大変厳しい御判断をしていただくなど、感染拡大を防止するための関係の皆様の御尽力には心から感謝を申し上げます。同時に、公演を実施することによって得られる収入が途絶えるという大変厳しい状況であるということについても報じられているところでございます。
 議員御指摘の税金に関しましては、今般のコロナウイルスに係る政府の対策といたしまして、申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告納付期限が延長されるなどの措置が講じられているとは承知しております。
 文部科学省といたしましても、文化芸術に関わる皆様の声に耳を傾け、今後も事態の状況変化を見極めつつ、政府全体で適切に対応してまいりたいと考えます。

吉良よし子

 是非早急に対策していただきたいと思うんです。
 先ほど大臣がおっしゃられたライブ、エンタメ業界の皆さんの窮状を国会で聞くということで、昨日、私も参加して直接お話を伺いました。若い役者やスタッフの皆さん、もう舞台を目の前にして一切演じられなくなる、無観客で一回公演やったけれども、それでも拍手もない中でカーテンコールって、もう涙が止まらなかったというお話もありました。
 さらには、ライブが、公演がなくなれば、もうそれだけが仕事なので、仕事がない間はアルバイトでつなぐしかない、でも、アルバイトすらできないような状況でと。もう本当にこのままだとこの芸術、文化芸術活動を続けていけないという、そういう声が切々と語られたわけです。
 だから、もう是非とも政府が一丸となって対策取っていただきたいと思いますし、やはりこれだけ中長期化する中で一番気になるのが、じゃ、本当にいつまで自粛をしなければいけないのかということだと思うわけです。学校については四月にはというお話、大臣から先ほどありましたけれども、やはりこのイベント、公演、ライブについても、どういう条件の下でどういう対策を取れば開催もすることができるのか、今後の見通し示していく必要が出てきていると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 現在行われている文化・スポーツイベントの中止、延期又は規模縮小等の対応の要請は、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において、一定程度持ちこたえているが、依然として警戒を緩めることはできない、三月十九日頃を目途にこれまでの対策の効果について判断し、公表する予定であるなどの見解が示されたことを受けて、三月十日に、政府全体の方針として、今後十日間程度これまでの取組を継続いただくようお願いをすることをお示ししたものです。
 今後については、明日を目途に示されるとされる専門家会議の見解なども踏まえ、政府全体の方針の下で取り組んでまいりたいと思いますし、今先生から様々な御例示がありました。我々文部科学省は文化、スポーツを応援する立場なので、その皆さん方がその機会を失うことのないように、よく状況を見極めて、政府全体で支援をしていきたいと思っています。

吉良よし子

 機会を失うことのないようにということですが、本当にもう機会が失われている状態が目の前にあるわけです。
 ドイツ政府は、文化大臣の声明で、文化というのはいいときだけに許されるぜいたくなものではない、私たちにとって大切なものである、だから、小さい企画であったり、フリーランスの芸術家たちを強く支援していかなきゃいけないし、カルチャー、クリエーション、メディアにおける状況を私たちは見捨てたりしない、そういう声明を出したと聞いているわけです。
 これだけ文化が危機に瀕している今、やはり日本でも、もう是非、ライブ、エンタメ業界、文化芸術見捨てないということを公言し、補償を含めた対応、継続できる対応、進めていただきたいということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。