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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2020年・第201通常国会

学費一律半減求める  学生支援改善を

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は21日の参院文教科学委員会で、コロナ禍の影響を全学生が受けているとして、国が学費一律半減に踏み出すことを求めました。

 国の学生向け緊急給付金の受給要件は、アルバイト収入が50%以上減少、無利子貸与奨学金を限度額まで利用していることなどが定められています。

 吉良氏は、アルバイト収入の減少が証明できない新入生や、借金を増やしたくないと貸与奨学金を控える学生が対象外になると指摘し、改善を要求。萩生田光一文科相は「大学が柔軟に対応できるよう改めて通知する」と述べました。

 吉良氏は、留学生差別となる要件もあるとして、学生がためらわず申請できるよう求めました。萩生田氏は「大学が判断をし、申請してもらえば結構」と答えました。

しんぶん赤旗2020年5月24日号より抜粋

議事録

前編よりつづく

吉良よし子

 続きまして、このコロナ禍の中でまた大きな影響を受けている学生の問題についても伺いたいと思います。
 感染拡大防止のために大学が閉鎖されていて、バイトもなくなって収入が減って困窮している学生たち、この間、各地で窮状を訴えて、学費減額、国の予算増額を求めているわけです。全国百七十を超える大学で署名活動が進められていて、一律学費半額を求めるアクションと題した署名では賛同一万八千人を超えていると。
 この間、大臣は、一次補正予算での学費減免の予算七億円では全く少ないということを申し上げましたと、次の補正で積み増ししますと御答弁されているわけですが、お聞きしたいのですが、じゃ、第二次補正では、これからこの実際の学費減免のためにどの程度の予算、どの程度の対象人数の規模を考えていらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 授業料の減免予算ですが、第一次補正予算でも計上したところですが、私としては、大学のニーズも見極めつつ、各大学が目の前の学生に対して学びの継続の観点から授業料の軽減措置にしっかりと取り組もうとしている場合、こうした大学の取組を何らかの形で支援していくことは大切だと考えております。
 二次補正予算につきましては、現在詰めをして交渉をしているところでございますが、文部科学省としては、困窮する学生に対して大学独自の授業料減免による支援など大学としても努力をしていただく中で、共に伴走しながら、引き続き対応していきたいと考えておるところでございます。

吉良よし子

 今詰めをしている最中というお話でありました。私、是非、この際抜本的に予算を拡充していただきたいと思うんです。
 資料をお配りをいたしました。報道では、この二次補正の学費減免の予算規模というのは百億円程度になるんじゃないかというものがあったわけです。これでは現行制度のちょっとした拡充にとどまるんじゃないかという懸念があるんですね。
 例えば、前回の補正七億円だと、公立、私立合わせて学費免除となる対象人数は二千三百人程度だったということです。だから、これ百億円になったとしても、これ掛け算しますと大体対象人数数万人程度、三万人とか、半額だとしても六万人程度にとどまるんじゃないかと見込まれるんですけど、国公私立、専門学校生の数、全体で約三百七十万人ぐらいになるということを考えると、対象数万人ではやはりちょっと少な過ぎるんじゃないかなと思うわけです。
 FREEの調査では、二〇・三%の学生が退学を検討していると。さらには、大学の閉鎖に伴い講義が思うように受けられない。図書館も閉まっていてレポートも書けない。もちろん、サークルなどもなくて友人もできない、新入生たちは。そういう意味では、通常の学生生活は全く送れていないという意味では、コロナの影響を全ての学生が受けているわけです。そういう意味では、やはり全ての学生にそういう補償をしていく、学生生活ができないことへの補償を国が率先してやっていくことが必要だと思うわけです。
 実際、一律学費半額を求めるアクションの皆さんも、国公私立の違い、課程や学年の違いを超えて、国籍の違いを超えて一律半減ということを求めているわけですけど、やはりコロナの影響下で全ての学生が影響を受けていると。だから、全ての学生を対象にした学費一律半額、半額が無理でも減額というところに国が大きく予算を付けていくべきときだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 コロナの影響で遠隔授業を実施する大学が増加をしたり、経済状況が悪化する学生が増えている中で、授業料などの学生納付金について減額を求める声があることは承知しています。
 授業料、施設整備、設備費等の学納金は、一般に在学期間全体を通じた教育に対するものとして各大学が設定しており、一時的に学生が通学できない期間が生じる中においても、例えば約七割の大学において遠隔授業が実施されるなど、大学においては学習機会の確保をしっかりと取り組まれている学校もあると承知をしております。
 また、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により家計に急変を生じた学生等に対しては、授業料等の納付猶予や減免を行うよう文科省から各大学に要請しており、九六%の大学でそれら納付猶予等の取組がなされております。
 これらの状況も踏まえ、文科省としては、単に授業料等を一律に減ずるのではなく、各大学において様々な手だてを通じて学習機会の確保等に取り組んでいただくことが重要と考えており、遠隔授業の質の向上を図るため、各大学の支援も行っております。
 同時に、経済的に困窮している学生に必要な支援が確実に行き渡るよう、各大学における支援制度等について学生等に適切に周知、説明いただくことを求めるとともに財政的支援を行っているところであり、引き続き各大学の学生支援の取組を促してまいりたいと考えております。

吉良よし子

 文科省が今この間、学生の声を受けて様々な予算を付けるなどして努力しているということはすごく大事なことですし、一歩前進しているとは思うんです。
 ただ、やはり、このままだとどうしても支援が受けられる学生と受けられない学生というのが出てきてしまうと。やはりそういう線引きというのが問題じゃないかと。先ほど、はざまというお話ありましたけれども、そういうぎりぎりのところで頑張っている学生みんなに対象になるようにしていただきたいし、そのためにも国として一律な学費減額ということをやっていただきたい。野党も共同で法案提出しましたけれども、一兆円規模とか、そういう大きな額で予算を付けていただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 もう一点、この間、文科省がアルバイト減収した学生に向けて緊急給付金を創設されました。これも本当に大事な一歩だと思っているんです。これについて資料もお配りしましたが、これ、文科省が作成している支給対象者の要件、学生生徒向けの手引の中に載っているものですけれども、これ一覧すると、やはりかなり要件が多いようにも思うわけです。
 この中身についてもちょっと幾つか確認をしたいと思うんですが、まず、五番のアルバイト収入が五〇%以上減少というものですが、これ、新入生など、今年からバイトをしよう若しくはバイトを増やそうとしていた場合は比較が困難なわけですが、これ、新入生若しくは昨年はバイトはしていないが今年からバイトをする予定だったみたいな、そうした学生にも柔軟に対応するべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 そのとおりでありまして、本給付は、アルバイトをまだ始めていない新入生で、あらかじめこういうバイトに就く予定だったんです、時給は幾らなんです、週何回ぐらいのシフトで予定していたんですということを学校に言っていただいて、そのアルバイトが結果として一度もなかったりする学生もいらっしゃると思いますので、得られるはずであった収入が得られなかったということを客観的に確認をしていただければ、それで結構でございます。

吉良よし子

 これ大事なことなので、是非周知もしていただきたいんですけど。
 ただ、このバイトに就く予定だったまで決まっていたかどうかというのも懸念があるわけで、バイト収入で生活費を何らか足しにしようと思っていたと、そういう申告があれば全て受け入れるぐらいの柔軟な対応も是非求めたいと思うわけです。
 もう一つ気になるのが、六番の既存制度についての条件です。
 これ、よく見ると、修学支援新制度を受給している、若しくは無利子貸与奨学金を限度額まで目いっぱい借りているということが要件にされているわけですけど、これも学生の実態から見るとちょっと疑問があって、そもそも修学支援制度は対象者がすごく少ないと。貸与型奨学金というのはやはり借金になるわけで、借りたくないということでアルバイトで何とか頑張っていたという学生もあって、本当に奨学金を借りたくないから、奨学金借りるのをやめて、アルバイト増やして生活費、学費払っていたという学生の声も私自身も聞いているわけですけれども、こういう貸与奨学金、限度額目いっぱい借りていないと受給できないみたいな条件というのは厳し過ぎるんじゃないかと思うんですけど、大臣、いかがでしょう。

国務大臣(萩生田光一君)

 既存の制度との連携を要件としているのは、給付金の支給という緊急的な支援にとどまらず、その後の継続的な支援につなげていくことが重要と考えているためでございます。
 最終的には、当該要件を踏まえた上で、大学等において学生等の実情に沿って総合的に判断を行うこととしており、アルバイト収入の激変等により特に支援が必要な困窮学生を大学等の判断で柔軟に支援の対象とすることができる仕組みとなっておりますので、確かに、これちゃんと読むとそう読めちゃいますから、QアンドAなどで大学に柔軟な対応ができるように改めてちゃんと通知をしていきたいと思います。
 それで、先生よく借金背負わせるのかと言うんですけど、私からすれば、学生に働かせるのかと言う方も中にはいらっしゃいまして、あくまで大きな借金を借りてくれということを言っているんじゃなくて、ワンショットではなかなか生計の計画が立たないと思うので、無利子の奨学金なんかがあることをこの機会に紹介をきちんとしていこうという、そういうマインドであります。

吉良よし子

 借金かアルバイトかでじゃないと大学に通えないというのがそもそも問題だということだと思うんですよね、高い学費だということがね。
 ただ、今、緊急事態ですので、特に困窮していて退学まで考えるような人たちに本当に手が届くようにするには、やはりこういう厳しい条件を余りに課していくというのは、本当に申請するのもためらうような事態が起きかねないと思うんです。
 先ほど来、柔軟な対応ということを大臣はおっしゃっているんですけど、確認しますけど、この条件全て満たさないと対象にならないということではないということですよね。一言でお願いします。

国務大臣(萩生田光一君)

 もう本当に、学校に窓口になっていただいて、  その学校の担当者の方が、こういう状況で、この子は今手を差し伸べてあげないと修学が続かないという、こういう判断をしていただいて申請してもらえば結構でございますので、大学と責任を共有しながら、学生を、声を聞いてあげていただきたいと思います。

吉良よし子

 これ本当に大事なことなんで、学校、大学でということですけど、本当に柔軟に対応していただきたいんです。ただ、このままだと大学によって対応に差が出る懸念もありますし、そうはいっても、そもそも、これ予算規模は五百億円で四十三万人という、その数の上限もあるわけで、本当に必要な人に行き届くのかという不安もどうしても出てくるわけです。先ほどは、外国人留学生、成績上位三割みたいな差別的な条件まであるわけですけれども、やはり、そういう留学生も、もちろん日本学生も含めて、学生にはためらわず申請してくださいということを是非言っていただきたいし、もし申請数が四十三万人超えた場合には追加で予算を拡充するなど、必要な学生に支援が行き渡るまで是非進めていただきたい、これ最後お聞きしますが、いかがでしょうか、大臣。

国務大臣(萩生田光一君)

 このコロナの機会に学びを諦めるようなことがないようなしっかりとした支援をしていきたいと思います。したがって、学生のことが一番よく分かっている学校の方に窓口をやっていただいて、予算ですから、あらかじめオーバーしたらその後追加しますよということを今この場で軽々にはお約束できませんけれど、しかし、学びを、学ぶ意欲があって修学困難な学生がいれば、そこはしっかり手を差し伸べていく、引き続き差し伸べていくことを改めてお約束したいと思います。

吉良よし子

 あらかじめ増やすとは言えないということでしたけど、やはり、手が届かない学生がいて、その子が大学諦めてしまってからでは遅いわけですから、もう是非、支援の手、せっかくこういう制度をつくったわけですから、支援の手が行き届くように目配りしていただきたいということを強く申し上げまして、質問を終わります。