新型コロナ感染拡大で生活困窮 学生バイトに支援を
要約
日本共産党の吉良よし子参院議員は18日の参院文教科学委員会で、高等教育無償化プロジェクトFREEの実態調査を取り上げ、新型コロナウイルス感染症対策で学生生活が困窮している実態を告発し、支援を求めました。
吉良氏は、学費などが払えない場合に減額や免除、納入猶予などの措置を講ずるよう主張。萩生田光一文科相は、貸与型奨学金の活用など「弾力的な対応をきめ細かく実施するよう周知する」と答えるにとどまりました。
吉良氏は、アルバイト収入が途絶えれば学業を続けられない学生も生じるとして、収入補償などの策を講ずることと、新型コロナ感染症により奨学金返還が困難になった場合、返還期限猶予を認めるよう要求。萩生田文科相は、相談・検討すると述べました。
議事録
吉良よし子
日本共産党の吉良よし子です。
まず冒頭、加計学園岡山理科大学獣医学部の推薦入試において、韓国人の面接入試の点数が全員ゼロとされて全員不合格となったという報道について、私、六日の予算委員会において質問し、大臣は徹底した事実確認を行うと答弁されて、この間、加計学園からも報告をされ、また、昨日は文科省職員が現地に立入調査もしたと聞いているわけですが、この調査の状況については予算委員会だけではなく当委員会にも報告を求めたいと思うのですが、委員長、いかがでしょう。
委員長(吉川ゆうみ君)
後刻理事会にて協議をさせていただきます。
吉良よし子
よろしくお願いいたします。
公平性、公平であるべき入試に差別などあってはならないわけですから、徹底的な事実関係の調査を求めるものです。
それでは、今日はまず、新型コロナ感染症の拡大に伴う大学生への影響について伺っていきたいと思います。
内定取消しや入社延期などの連絡を受けた学生が出ていることはこの間大きく取り上げられているわけですが、一方で、学生のアルバイトにも影響が及んでおります。学生団体である高等教育無償化プロジェクト、FREEが調べたところ、バイト先の塾が二週間休業になり学費を確保できないとか、全てのシフトが削除されてしまい、生活費だけでなく就活費も困難など、学生生活が困窮していることが明らかとなっているわけです。やはり、在学生、新入生にかかわらず、こうした新型コロナ対策に関連した理由で家計が急変している学生、少なくないと思うわけです。
そうした学生に対して、学費や入学金減額、免除、若しくは納入猶予などの措置講じる等、対応すべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(萩生田光一君)
大学生等に対しては、真に支援が必要な低所得世帯を対象とする高等教育の修学支援新制度及びより幅広い世帯を支援対象としている貸与型の奨学金の両制度により、進学、修学の後押しを行うこととしております。
両制度においても家計が急変した世帯の学生等への支援も行うこととしており、具体的には、家計急変後の所得見込みで所得判定を行い、要件を満たす世帯の学生等が支援対象となります。
四月から新制度、貸与型奨学金のいずれについても在学生を対象とした募集を行う予定ですので、積極的に御活用いただきたいと思います。
また、入学料等、初年度の納付金や授業料等の納付が困難な学生に対しては、納付時期の猶予等の弾力的な取扱いを図る等、きめ細かな配慮について各大学等に対して既に要請をしてきたところでございます。
文科省としては、こうした支援措置について、これまで全国で説明会を開催し、丁寧な周知を行ってきたところですが、引き続き、新年度を迎えるに当たり、周知を徹底してまいりたいと思います。
吉良よし子
一定、家計急変に伴う対応があるということですけれども、けど、中身は結局のところ、修学支援制度か貸与型の奨学金だということなんですね。
修学支援制度というのは、新制度は要するに対象はごく一部で、中間層は取り残されているわけです。あとは借りられる奨学金ですから、それはつまりは借金になるわけで、現在、中間層もかなり生活が厳しい中、奨学金を借りたくないんだということでアルバイトで学費を稼いでいる大学生、もうかなりいるわけです。生活費をバイトの収入で充てているという学生は六割に上るというFREEの調査もあるわけですから、やっぱりそういう意味では、奨学金だけ、修学支援制度だけではない対応も求めたいですし、やはりこの学生のアルバイトがこれだけ学生の生活を支える収入源になっていることを踏まえれば、もうここそのものへの収入補償も必要だと思うんです。
この間、政府が取りまとめた緊急対応策の第二弾、これは、学生アルバイトの多くが占める塾とか小売・サービス業などで働くアルバイトは支援策の対象外になってしまっている、これではあんまりなわけで、やっぱり学生のアルバイトについても収入補償を行うなどの支援策の拡充、厚労省に提起していくなど、文科大臣として、学生を取り残さない、生活を守るための対応、取っていただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(萩生田光一君)
新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に修学が困難となっている学生に対しては、丁寧に対応することが必要と考えております。
今先生御指摘のように、アルバイト学生の補償ですとか様々な補填というのは、現時点では確かにメニューがないんですけれども、雇用に係る支援については、文科省というよりは厚労省と連携しなきゃなりませんが、いずれにしても、これ、日本中で緊急事態だと思っています。ですから、学生アルバイトは対象外だなんということでずっといけるのかどうか、そんな状況じゃないと私も思いますので、是非様々な角度から、相談ができる体制、また、一時的に何らかの形でお金を貸してあげることができるようなこと、結果として、我々文科省としては、このことが理由で例えば学校を辞めなきゃならないと、こういう事態は絶対避けなきゃならないと思っていますので、そういう視点から、進学や修学に断念をすることのないように、丁寧な対応を政府横断的に相談をしてまいりたいと思います。
吉良よし子
借金、お金貸せるようにというお話ありましたけど、それだと本当に手が出せない学生もいるということですので、そこは是非丁寧に対応していただきたいのと、とにかく政府横断で、これで大学に通えない学生が出ないようにと大臣おっしゃったわけですから、是非それはしっかり対応していただきたいと思います。
あわせて、奨学金の返還についても伺っておきたいと思うんです。
この新型コロナに伴う経済への影響から、収入が激変して奨学金返還が困難になる社会人も出てくる可能性があると思うわけです。このような場合は返還期限の猶予の申請等を行うことになると思うわけですが、是非この期間、とりわけ三月、四月に収入が急変して返還猶予を申請してきた返還者に対しては無条件でそれを認めるなど救済対応していくべきと思いますが、大臣、いかがでしょう。
国務大臣(萩生田光一君)
御指摘のように、昨今のコロナウイルス感染症による影響により家計が急変して、社会に出て今までは毎月定期的に返していたけれども、そういう状況になくなる社会人の方がいらっしゃることも安易に想像ができます。
したがって、学生支援機構の奨学金事業においては、従来からも、病気やけが、経済の事情によって返還困難な場合が生じた場合の返還期間の猶予の制度はありますけれど、既存のメニューだけじゃなくて、これ、いつまでどういう状況が続くか分かりませんので、これも引き続き、しっかり今あるメニューを周知しながら今後の対応策についても是非検討してまいりたいと思います。
吉良よし子
是非、急いで検討していただきたいと思うわけです。
この間、首相は繰り返し、必要な対策、ちゅうちょなく講じるとおっしゃっていますし、公共料金の納入猶予の検討も進めていると聞いているわけですから、そこに奨学金返還者も含めるなど、そういう対応を是非検討いただきたいと思います。
以下、後編(文化への影響)に続く