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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2021年・第204通常国会

人権侵害の「ブラック校則」 見直しを要求

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は16日の参院文教科学委員会で、下着の色、髪形や髪色まで細かく指定するような「ブラック校則」とも言われる理不尽な校則についてただしました。

 吉良氏は、党東京都議団や千葉県議団の校則調査で「黒髪ストレート」以外を排除するような校則が多数あることや、黒染め指導により不登校になった生徒の事例を紹介。瀧本寛初等中等教育局長は、「学校の決まり等が原因による不登校の児童生徒数は5572人」と示しました。

 吉良氏は、全国で校則見直しの動きがあることに触れ、理不尽な校則は見直すべきだと迫り、萩生田光一文科相は、「おかしな校則を中高生が積極的に変えていくことはいいこと」だと答弁。吉良氏はホームページ等で校則の公開が見直しに有効だと提案し、萩生田氏は「入学前に校則をチェックできるよう公開を前提にしたら、よりわかりやすくなるのではないか。大いに考えていきたい」と答えました。

 吉良氏は、頭髪や服装を選ぶ自由は、憲法で保障される基本的人権だとして、人権侵害の校則は見直すよう要求しました。萩生田氏は、「人権、人格を否定する校則は望ましくない」と答弁しました。

しんぶん赤旗2021年3月21日付より抜粋

議事録

吉良よし子 

 日本共産党の吉良よし子です。
 大臣、早速ですが、昨日の朝、日本テレビの情報番組、「スッキリ」という番組で、一部の小学校で体操服の下の肌着着用が禁止されていて、男性教師が女子児童の胸の成長をチェックしてオーケーを出せば着用が認められると、それまでは認められないという報道がされて、かなり衝撃が広がっているわけです。
 通告はしていないんですけれども、大臣、やっぱりこの肌着禁止ルール、なおかつ男性教師による体のチェック、余りにひどいと思うんですが、いかがでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 それは高校生ですか、中学生。(発言する者あり)小学校で。首をかしげる次第です。

吉良よし子 

 首をかしげるという本当にひどい事態だと思うんですけど、こうした肌着禁止のみならず、下着の色を指定してしまうとか、若しくは髪型、髪の色まで細かく指定するような人権侵害とも言える理不尽な校則、ちまたではブラック校則などとも言われている校則について今日は取り上げたいと思います。
 先月二月、大阪府立高校の黒染め強要の大阪地裁判決が出されました。ここでは、黒染めを強要した学校側の校則や指導は適法とされたと。この判決にも衝撃が広がっているわけですけど、私は、髪の色は黒だと決め付ける校則や黒染めを強要する指導というのは、やっぱりどちらも理不尽だし、人権侵害だと思うんです。
 ただ、こういう髪の色を黒と決め付けるような指導というのはかなりほかでも見られるわけで、二〇二〇年、昨年三月に我が党都議団が都立高校全百九十一校の校則について情報公開請求で調査したところ、全日制高校百七十七校中頭髪に関する規定がある学校は百五十校、八四・七%に上って、学校がふさわしくないと判断した頭髪はNGとするとか、ドライヤーによる色落ちまで禁止している学校もありました。
 さらに、髪の色の制限に関わって話題になっているのが地毛証明書です。黒髪ストレートでない生徒については、保護者のサインや押印を添えて、生まれつき癖毛とか髪の色が明るいということを証明させる、届出させるというものですけれども、これ、我が党都議団が調査したところ、全日制の都立高校の四五%、約半数で提出を求めていて、それ一つ一つ見たところ、中にはカラースケール五を超えている入学予定者は入学式までに改善をしてこいと、だから、提出とともに黒染めを強要するものもあったんです。このカラースケール、何だろうと思って調べたら、アマゾンなどでも売っていたんですけど、これなんですね。(資料提示)五というとここなんです。私の髪の毛だと大体八とか九なので、染める対象になってしまうものになるんですけれども。
 問題は、やっぱりこれらの校則や地毛証明書というのは、生徒たちの、セーラーの髪の毛が黒髪ストレートだということを前提としてしまっていることだと思うんですね。それ以外の髪であればもう普通じゃないんだと言ってしまう、やっぱりこれは、私、差別、人権侵害だと思うし、国際化、多様化の時代に、黒髪ストレート以外は排除しますというようなことはやっぱりあってはならないんじゃないかと思うんです。
 以前、私、二〇一七年に当時の林文科大臣に確認したところ、生徒指導において生まれ持った個性を尊重することは当然だという答弁がありました。これ、今も認識変わらないでしょうか、大臣。やっぱり生まれ持った個性を尊重するのは当然ということでよろしいですね。

国務大臣(萩生田光一君)

 生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動だと思います。また、生徒指導に当たっては、児童生徒の持つそれぞれの特徴や傾向をよく理解し、把握するといった深い児童生徒理解が不可欠であると考えております。
 このような人格の尊重や深い児童生徒理解の重要性に鑑みれば、一般論として、生まれ持った個性を尊重するのは当然のことであると考えております。

吉良よし子 

 当然だという御答弁でした。
 頭髪に関する校則について引き続き申し上げますが、髪の色だけじゃないんですね。髪型についても細かく決める校則も多数あるわけです。中には、髪を伸ばす場合は結びなさいと、ただし二つ結びは禁止とか、合理性のないものもかなりあるんです。
 昨年三月、ツーブロックと呼ばれる髪型を禁止する校則について都議会で我が党の池川都議がなぜ駄目なのかとただした際に、都の教育長は、ツーブロックは事件、事故に巻き込まれる可能性があるからだと答弁。いや、これも、とてもじゃないが合理的な理由だと私は思えないんですね。むしろタイなどではツーブロックというのは普通の髪型で、タイから日本に来た学生が学校で駄目だと言われて戸惑ったという話も聞いているわけです。ツーブロック、一般的な髪型だと思うんですけれども。
 やはり、この校則そのものだけじゃなくてそれに伴う指導もあって、その指導も私、問題だと思うんです。
 黒染め指導というのはその代表なんですけれども、昨年九月、我が党の千葉県議団が行った調査では、千葉県内の県立高校百三十八校のうち黒染め指導を行われたのは百五校。違反した生徒にその場で黒スプレーを髪に吹きかける指導を行った学校が二十五校、指導対象となった生徒は二百十人です。相談を寄せた当時高校一年生の女子生徒は、学校の指導に従って黒染めしていったのに、黒染めが不十分だと教師四人に囲まれてビニールをかぶせられ黒スプレーを噴霧される指導を受けて、彼女は教師に囲まれてその黒スプレーを掛けられた恐怖で学校に行かれなくなったと話しているわけです。
 ここで確認したいんですけれども、この小中高の不登校児童生徒のうち、その要因として校則や学校の決まりが含まれている児童生徒の数、合計数を教えてください。

文部科学省初等中等教育局長(瀧本寛君)

 文部科学省において行いました令和元年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますれば、小中高の不登校児童生徒のうち、不登校の主たる要因又は主たる要因以外の要因、これは二つ選べるんですけれども、主たる要因以外にある場合、これ、その両方を加えたもので、学校の決まり等をめぐる問題として挙げている児童生徒の数は合計で五千五百七十二名となっております。

吉良よし子 

 五千五百七十二人と、かなりいるわけです。ちなみに、この調査というのは子供たち本人の回答ではなく、学校側がこうだろうと思って回答したものなので、本人に聞けばまた増える可能性もあるわけですね。
 こうやって子供たちを精神的に追い詰める、不登校につながるような指導はあってはならないと思うんです。千葉だけじゃないんですね。ほかにも、不登校の生徒がせっかく登校してきて、服装違反で学校に入れてもらえなかったとか、コロナで学校に行けず、やっと入学できたのに、入学してすぐに女子生徒が男性の先生から下着の色を指摘されて、もうそれ以来学校に行くことができなくなったという事例も出されているんです。
 大臣、通知等も出されているわけですけど、こういうふうに不登校になるように追い詰める、精神的に追い詰める、自尊感情の低下を招く指導はあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 児童生徒への指導に当たり、例えば体罰や不適切な言動が許されないのは当然ですが、それらに至らなくとも、児童生徒の特性や発達の段階を十分に考慮することなく厳しい指導を行うことは、児童生徒の自尊感情の低下などを招き、児童生徒を精神的に追い詰めることにつながりかねないと考えます。
 このため、校則による指導も含め、生徒指導に当たっては、児童生徒の持つそれぞれの特徴や傾向をよく理解し、個々の児童生徒の特性や発達の段階に応じた指導を行うことが必要であると認識しております。

吉良よし子 

 やはり、個々の児童生徒の事情に応じて、自尊感情を低下させない指導というのはもう欠かせないと思うんです。
 と同時に、やっぱり理不尽な校則そのものの見直し、必要だと思うんですね。先ほどのツーブロックの校則しかり、二つ結び駄目というのもしかり、合理的な説明ができないようなもの、そして人権侵害につながるようなものは見直さなきゃいけないと。
 これも二〇一八年に、当時林大臣に聞いたんですけれども、その際にも、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に応じて絶えず積極的に見直す必要があると、さらに、見直しの際には、児童生徒、保護者が何らかの形で参加した上で決定していくことが望ましいと、そういう答弁もいただいています。
 その後、この間、こうした理不尽な校則について、全国的に見直しの声、動き、実際に広がっているわけです。事例を紹介します。長崎県教育委員会、教師が生徒一人一人の下着の色をチェックするような人権侵害に当たる校則や指導は見直すようにと通知を出しました。また、佐賀県教育委員会は、二〇二〇年三月に県立学校に対して、校則を見直す際に児童生徒、保護者らに意見を求めるようにという旨の通知を出しています。熊本市教育委員会では、教職員、児童生徒、保護者へのアンケートを取って、社会環境や人権の観点から校則の見直しを進めるようホームページで周知を進めているわけですけど、このように生徒や保護者の声反映しながら校則の見直しをどんどん進めていくということはいいことですし、大いに全国的に進めていくべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

政府参考人(瀧本寛君)

 一般的に、校則については、各学校がそれぞれの教育目標を達成するために、学校や地域の実態に応じて必要かつ合理的な範囲で定めるものと考えております。また、校則に基づき具体的にどのような手段を用いて指導を行うかについても、各学校において必要かつ合理的な範囲で適切に判断されるものと考えております。
 他方、校則の内容については、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に応じて絶えず積極的に見直す必要があると考えております。校則の見直しは、最終的には校長の権限において適切に判断されるべき事柄ではありますが、見直しの際には、児童生徒が話し合う機会を設けたり、保護者からの意見を聴取したりするなど、児童生徒や保護者が何らかの形で参加する例もございます。この点に関して、昨今の、委員からも御紹介ありましたが、各地での校則の見直しに関する取組あるいは報道等についても承知をしているところでございます。
 こうした校則の見直しに関する考え方は生徒指導担当者向けの会議等において周知を行ってきているところでございまして、文部科学省としては、引き続き様々な機会を捉えてその周知徹底に努めてまいりたいと考えております。

吉良よし子 

 積極的に見直すべきものだということでしたけれども、是非大臣にも答弁いただきたいんです。こうして全国で見直しの動きが広がっていること、これ自体はいい流れだという御認識でしょうか。どうぞ、是非お願いします。

国務大臣(萩生田光一君)

 実は文科省の記者会見でも度々この校則のことが出るんですね。私がやっぱりこの校則はいいとか悪いとかってコメントするのはなるべく控えているんですけれど、先生がいみじくもおっしゃったように、やっぱり時代や社会の価値観の変化で、まあ率直に申し上げて、下着の色を指定してそれを確認するってちょっとあり得ないと思います。
 したがって、そういった時代の変化や価値観の変化によって見直しをそれぞれの学校が行っていくことは決して悪いことじゃないと思っています。一度決めたからといって一語一句変えないというのは、これは今の民主主義に合わないと思います。これは国際ルールも憲法も同じだと思っていまして、私、そういった意味では是非それぞれの学校の判断で行っていただければどうかなと思っています。

吉良よし子 

 見直すことは悪いことじゃないと言っていただきました。
 ちなみに、見直しが進んでいる自治体や学校もある一方で、やはりいまだに生徒会等で生徒が校則話し合おうとしたら、いや、校則の議論をしてはいけないんだとか、触れてはいけないと言われたり、校則について意見した瞬間、内申に響くぞと脅されたりするような学校もまだまだあると聞いているわけです。
 やはり、先ほど大臣おっしゃっていましたけど、校則について議論したり見直しを進めたりすることは決して悪いことじゃないと、むしろ積極的に見直す必要のあるものだと先ほど局長答弁された、このことを是非周知していただきたいと思うんですが、改めてどうでしょう。周知、公に広げてください。

政府参考人(瀧本寛君)

 お答え申し上げます。
 校則の見直しについては、これまでも通知、あるいは先ほど申し上げたように、毎年開催しております生徒指導の担当者の会議等においても繰り返し見直しについては呼びかけているところでございますし、あるいは、委員から御紹介いただいたような校則の見直しのほかにも自治体によって様々な見直しの取組が行われている事例がございますので、そうした取組についても、ある意味で横展開を図りながら、それぞれの自治体におきます見直しをする際の参考として御提供するなど、校則の見直しに向けた取組を促しているところでございます。

吉良よし子 

 自治体に周知は取り組んでいるということでしたけど、私、もっと子供たち、児童生徒自身にも校則って見直せるものなんだよということも周知していただきたいと思うんですね。この学校に入ったらこの校則に従わなきゃいけないんだ、もうこの髪の色に染めなきゃいけないんだと思い込まされるというのはやはりつらいものだと思いますし、おかしいなと思ったら意見していいし、変えられるんだということを是非学校現場の子供たちに伝えていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょう。

国務大臣(萩生田光一君)

 なかなか入学前に自分が受験をする志望校の校則まで見て判断することってないんだと思います。だから、入ってみたら理想と違う窮屈な思いがあって、これは自分が考えていた学生生活と違うということもきっとあると思うので、そういう意味では、各学校があらかじめ校則を公開しておくというのは、受験生が学校を選択する上でも悪いことじゃないんじゃないかなと思います。
 他方、私立の学校のように建学の精神があったりすると、これ、一般的な価値観じゃなくて、例えば創設者の信仰ですとかそういったものでそれぞれ学校のルールが違って、何でそんなものが校則になるんだろうなってよそから見るとすごく違和感を感じるんだけれども、その学校の中では非常に大事な価値観というのもきっとあるんだと思うので、一概に校則を文部科学省が間に入って、変えていいんですよ、どんどん変えていいんですよと言うことよりも、やっぱり自然の、それぞれの現場現場の判断で行うことが望ましいんじゃないかなと私は思います。
 決して否定はしませんけれど、何か通知を出して、積極的校則改正をするように文部科学大臣通知みたいな、そういうのはちょっとやっぱりなじまないと思いますので、まさにこれトレンドで、時代に合っていないおかしな校則は変えようよって高校生や中学生が声を上げることは私は学校の中でいいことだと思いますので、それを見守りたいなと思っています。

吉良よし子 

 次も聞きたいことも御答弁いただいたんですけれども、そうなんです、見直し進めるためには校則の公開というのがかなり効果的でして、岐阜県では、全ての県立高校の校則、学校ホームページで公開したことがきっかけとなって、在校生のみならず、受験生や保護者、また地域の人々間での議論が広がって、結果、岐阜県教育委員会が、下着の色を指定するとか私生活上の旅行等の許可制があったそうなんですけど、そうしたものを廃止する、見直すということになりました。
 やはり、この公開というのはかなり重要なことですし、大臣おっしゃったように、入学前にこの学校の校則何というのを知らないというのも問題ですので、やはり一覧にできるように各学校で公開進めるように是非大臣からも言っていただきたいし、私、加えて先ほど問いたかったのは、単純にその学校現場とかだけじゃなくて、例えば文科省のホームページそのほかの方法で、子供たちに向けて、校則というのは変えちゃいけないものじゃないんだ、見直しができるものなんだということを周知してはいかがかということなんですけれども、そこ、いかがでしょうか。

政府参考人(瀧本寛君)

 まず、公開の点についてお答えを申し上げますが、御指摘のとおり、各学校におきます校則の公開も、校則の見直しに当たって児童生徒や保護者からの意見の聴取等を行うなど、児童生徒や保護者が何らかの形でそのプロセスに参加する一つの手段と考えられます。
 校則の見直しは、最終的には校長の権限において適切に判断されるべき事柄ではありますが、見直しの際には、児童生徒が話し合う機会を設けたり、あるいは保護者から意見を聴取したりするなど、何らかの形で参加する例もございます。このことについては、先ほど申し上げたとおり、生徒指導担当者向けの会議等において周知も行っているところでございますが、引き続き様々な機会を捉えて周知徹底に努めてまいりたいと思います。
 また、校則の内容、あるいはその必要性等について、児童生徒本人であったりその保護者との間に共通理解を持つようにすることが重要でございますので、入学時までなどにあらかじめ児童生徒、保護者に校則を周知しておく必要があろうかと思っております。
 また、先ほど委員から岐阜県のお取組御紹介ございましたが、校則の見直しに関して、校則を各県立高等学校のホームページへ掲載することなどを周知をし、それに基づいて見直しの早急な取組が進んでいる、ないしは再点検を行うというようなことを私どもも把握をしているところでございまして、こうした取組事例ですね、まさにこうした岐阜県の取組事例も含めまして、全国のその生徒指導の担当者の会議等でもこういった事例があるということについては御紹介を申し上げていきたいと思います。

吉良よし子 

 是非積極的に周知していただきたいと思うんです。
 このコロナ禍、毎日洗濯ができない、洗えない制服の衛生面を気にする生徒への配慮から、制服、私服の選択制が取り入れられた学校というのも増えてきています。その下で、いや、学校緩くていいじゃんという声などがネット上で広がっていて、制服と私服の選択制に賛成しますという署名が取り組まれたら、二万件近く署名が集まっているようです。
 それから、佐賀県弁護士会、福岡弁護士会なども独自に校則を調査して提言出すなど、本当に全国で校則、学校の在り方の見直し、議論が、社会的な議論どんどん進んでいるわけで、是非、それを止めない、むしろ進めていただきたいということを重ねて申し上げたいと思うわけです。
 そして、やはり私、この校則問題で確認したいのは、先ほど来、大臣そして文科省は、この校則の見直しについて社会環境の変化等に合わせて見直すようにということを繰り返しおっしゃっているんですけれども、私、それだけじゃなくて、やっぱり何よりもまず校則によって人権侵害をしてはならない、人権侵害の校則は見直しの対象だと言うべきじゃないかと思うんです。
 それこそもう下着の色もそうですし、頭髪、服装の自由を制限するということも基本的人権の制限につながるものであるわけです。学校長の権限で校則決められると言いますけれども、憲法で保障されるべき基本的人権を校則で侵害していいというようなことには絶対ならないと思うので、是非大臣、改めて、人権侵害の校則はあってはならないとはっきりおっしゃっていただけないでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 児童生徒への指導に当たり、先ほども申し上げた体罰等は当然許されないわけですけれども、児童生徒の特性や発達の段階を十分に考慮することなく、厳しい指導、児童生徒の自尊感情の低下などを招き、児童生徒を精神的に追い詰めることにつながりかねない指導はあってはならないと思います。
 すなわち、まさに人権、人格を否定するような校則というのは望ましいものじゃないと思いますので、他方、それを文科大臣が、繰り返しになりますけれども、文科大臣が変えろというのはなかなか立て付けとして難しいところもありますので、そこは是非各学校で考えていただきたいなと思っているところでございます。
 入学前に、受験前に、実は昨年の十二月に大学が対面授業を何%やっているかというのを公表しまして、随分私立大学の関係者には怒られたんですけど、高校三年生からは、自分が受験しようと思っている学校がこういうときにどういう対応するのかがよく分かったというお返事を随分いただきまして、公表して良かったなと私個人では思っているんです。
 すなわち、校則も学校の個性の一つだと思いますから、私、入学前にチェックできるような仕組み、例えば制服が気に入ってその学校に行くという子もいるわけですよね。だから、そういうのと同じように学校の個性であると思いますので、そういう意味では、公開を前提にしたら、より学校が皆さんから分かりやすく入ってもらえるし、入った後にこんなはずじゃなかったなんてことで諦める子が減ることにもつながると思うので、そこは大いに考えていきたいと思います。

吉良よし子

 人権、人格を否定するような校則望ましくないという答弁ありました。これ、本当に大事な答弁だと思っております。また、校則の公開についても前向きな御答弁もいただいたわけですから、是非この機に、多様性、人権尊重する学校現場にしていくように心から強くお願い申し上げまして、質問を終わります。