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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2021年・第204通常国会

東京五輪 児童の観戦動員やめよ 命と健康守る立場で

要約

 萩生田光一文科相は8日の参院文教科学委員会で、東京五輪・パラリンピックで子どもを五輪観戦に動員する「学校連携観戦」について、日本共産党の吉良よし子議員の質問に対し、「観客を入れない大会になれば、子どもたちも行くことができないのは当然だ」と述べ、「(無観客の場合の対応も)組織委が検討する」としていた答弁を改めました。

 一方、「子どもの命と健康を守る立場なら、文科省がいま観戦はすべて中止だというべきだ」と吉良氏が迫ったのに対し、萩生田文科相は「私からやめるというのはなじまない」と背を向け、従来の姿勢のままでした。

 吉良氏は、五輪開催と学校連携観戦の中止を要求。自身のツイッターに保護者から「学校では、健康チェック、無言給食、消毒などを継続させてきた。それを水の泡にするようなことはして(ほしくない)」との声が寄せられたと紹介。その上で東京都三鷹市では、夏休みも含めて、全公立小中学校で連日、観戦計画が組まれているとして、「子どもへの感染力の強い変異株が増える中、昼をまたぐ長時間観戦もある」とただしました。萩生田文科相は、「学校設置者がやめるとすれば、キャンセルは可能だ」と答えました。

しんぶん赤旗2021年6月15日付より抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 本法案はオリンピック・パラリンピック大会が開催、開催が前提となっている法案ですが、現在、新型コロナ感染拡大が続く中、この大会開催自体できるのかということが問われているわけです。私たち日本共産党は、この大会を中止してコロナ対策に集中するべきだということを何度も申し上げているところでありますが、ここで提案者に伺いたい。
 この現状で、オリンピック・パラリンピックの開催自体できると思っているのでしょうか。

衆議院議員(馳浩君)

 それを私に聞かれると大変つらいんですが。
 基本的には、大会の主催はIOC、大会会場を提供する責任が東京都にございます。そして、大会の運営に当たりましては組織委員会が責任を持つ、また、政府はそうした状況を踏まえて支援をすると、こういうふうな立て付けになっているというふうに認識しております。
 現状は、まさしく新型コロナ感染症の状況を十分に踏まえた上での感染防止対策を取ることと、そのために、プレーブックも二月に発表して以来、累次アップデートされているというふうに認識をしております。そういう緊張感を持って、感染症対策に万全を期すとともに、プレーブックの更なるやっぱり精査、これをしていくことが組織委員会の責任であると、こういうふうに思っておりますし、私どもは大会が開催されるということを前提の上でのこのアデラールの持込みについての特例を法案として提出をしておりますので、そのことも御理解いただきたいと思います。

吉良よし子

 るる述べられたわけですけれども、やっぱり私は、今この状況では開催できる状況にはないと思うわけで、その下でこの法案というのもやはり考えられないと思うんです。
 現在、三度目の緊急事態宣言延長して、国民に多大な制限を課して人流を抑えようとしているときに、海外選手とその関係者だけでも九万三千人と、でも国内の移動だって起こるというわけで、どう考えてもこれ、開催することはおかしいと思うわけです。
 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長も、六月二日の衆議院厚労委員会で、宮本徹議員の質問に対して、この状況では普通はやらないと答弁。中止を求めるネットの署名というのは、今日確認しましたところ、四十二万筆を超えているわけです。こうした状況を踏まえれば、感染拡大を止めるために、オリンピックすぐにでも中止すべきだと思うんですが、丸川大臣、このオリンピックを中止するということについては検討課題として議論の俎上に上っているのでしょうか。

東京オリンピック・パラリンピック担当大臣(丸川珠代君)

 私どもは、まず、その大会があってもなくても新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止ということは最大のテーマであって、これは国民の皆様の御協力を得ながらしっかりやっていかなければいけないと思っております。
 その上で、今の段階では、大会の開催を可能にする感染対策とはいかなるものかということを議論し、これらを一つ一つルールとしてプレーブックに明示するという作業をやってきておりまして、六月の第三版に向けて引き続きこの作業をしております。第三版で終わらないかもしれません。まだ続けて新しい感染対策を更に積み上げていくかもしれません。その上で、六月中に観客を判断すると、こういうことでございまして、これからも国民の皆様に一つ一つ丁寧に御説明をしていくということが重要だと考えております。

吉良よし子

 要するに、あってもなくても感染防止だと言いながら、今の段階では大会開催を可能にすると、中止の検討はしていないということだったんですね。けど、先ほど大臣は、もう三波で終わらないかもしれないということをおっしゃっているわけで、大会がきっかけで第四波などが起きた場合にはどうするのかという、そういう責任も問われる問題だと思いますし、やはりそういうふうな人流を生み出すようなオリンピック開催に盲目的に突き進むということは私は許されないと。
 尾身会長は、五輪は普通のイベントとは規模が違うんだと、当然人の流れが生まれる、スタジアムの中だけを考えてもしっかりとした感染対策ができないと、中だけでも無理だと、人流を考えればもっと大変だということを言われているわけですからね。それを踏まえたら中止しかないと私は思うんです。
 この人流というところに子供たちも巻き込まれているわけです。今日、この委員会でも何度も話題になった子供のオリパラ観戦の計画、学校連携観戦について私も聞きたいと思うのですが、全国で最大百二十八万人、東京都内だけでも私立校を含めれば九十万人という計画で、これ明らかになった中で、もう様々な怒りの声が上がっているわけです。私のツイッターには、保護者の方から、これまで学校では健康チェック、無言給食、消毒など、できることを継続させてきました、それを水の泡にするようなことはしてほしくない、こういう声が寄せられているわけですね。本当にそのとおりだと思うんです。
 実際、各地の計画の詳細もいよいよ明らかになっておりまして、資料をお配りしました。御覧ください。
 これ、三鷹市の教育委員会の資料を基に我が党議員団、市議団が作成したものですけれども、このオリパラ、開催される期間、もう連日、色が付いているところは夏休みなんですけれども、夏休みの期間も含めて、また土曜日も含めて、全ての公立小中学校での学校連携観戦の計画が組まれていると。例えば八月二十九日というのを見てみると、有明の体操競技場のボッチャ観戦に朝の九時半から午後二時二十分まで、三鷹市内の二つの小学校の小学校三年生から六年生までの計四百八十四人を有明の会場に集中させるという計画になっているわけですね。
 子供への感染力の強い変異株も増える中で、こうした移動、そしてお昼をまたぐ長時間と、他地域の学校の生徒ももちろん来るわけですし、じゃ、昼食も取るわけです。もう移動する際、そして会場の中で、そして昼食を取る際と、もう一つ一つの場面での感染対策、徹底するだけでも相当の負担になるのは間違いないわけで、本当、このことをもっても中止すべきものだと思うわけですけれども、先ほど、午前中、大臣は、無観客開催となったなら、例えば、この学校連携観戦はもう中止だという答弁ありました。これは間違いないのかということを文科大臣に確認したいのと。
 それから、オリパラ組織委員会が学校連携観戦のチケットの学校からのキャンセルを受け付けているとの報道もありました。とすると、学校連携観戦、じゃない、無観客開催でないとしても、とにかく現場の学校や自治体がやらないという判断すれば、この子供の観戦は中止できるということでよろしいでしょうか。大臣、いかがですか。

文部科学大臣(萩生田光一君)

 先ほどもお答えしましたけれども、仮に観客を入れないという大会になれば、残念ですけど、子供たちも行くことはできないというのは当然のことだと思います。
 それから、これは、先生の政党の新聞には動員と書いてあったんですけど、動員じゃなくて、これは都議会の皆さんが相談をして、都知事等々とも相談し、組織委員会とも提案をして、この機会に希望する子供たちには見せてあげられないかということで始まった事業だと承知しています。
 したがって、強制して全ての学校を動員するわけでも何でもありません。希望された自治体、希望された学校が手を挙げて選ばれて、で、競技は選べないんですよね、東京都の方で全て割り振りをするということで、できるだけ分散したり、あるいは低学年の子たちは後半に位置付けたりしているというのはまさにこの表のとおりでございまして、仮にですよ、学校設置者の方で、うちの学校はやめておこうということであれば、そのキャンセルすることは可能です。

吉良よし子

 キャンセルすること可能だという御答弁でしたけど、希望を募っていると言いますけど、事実上は強制ですからね。もう都教委からもやるということが言われているわけなんです。
 実際、三鷹市の教育長は我が党の前田まい市議の質問に対し、断念するのは直前でもできるが、やるとなれば相当準備しなければ実現できないと答弁して、もうとにかく行くという方針だけ堅持と。しかも、相当な準備といっても、実際は事前の実地調査すらできていなくて、子供の安全を守るための現地や移動時にどんな課題があるのかの分析、とてもできていない学校が多数と。ほかの市区も同様で、府中市でも急な体調不良が出た場合の対応について検討中という状況だと聞いていますし、また、都教委自身も、救護所をどこに設置するかすら決まっていない状況だと。
 もうこうやって全ての責任を、安全対策どう行うのかは現場任せ、最終的に行くかどうかも学校任せというふうに、全ての責任を現場や学校や現場の先生たちに押し付けているのが現状で、これはやっぱり余りにも無責任で、子供たちの命と健康を守ると、もうその立場に立つならば、やっぱり文科省が今このときに、もうとにかく全て子供の学校連携観戦は中止だと今言うべきじゃないですか。いかがですか、大臣。

文部科学大臣(萩生田光一君)

 それぞれやっぱり事業の責任とか権限がございます。私は、この事業は、先ほどから申し上げているように、それぞれの自治体、設置者、そして東京都なり関係する都道府県の皆さんが考えて、参加しようと決めたところが今残っていらっしゃる学校だというふうに承知していますので、私の方でやめるとかやめろとか言うのはなじまないと思います。

吉良よし子

 子供の命を危険にさらす学校連携観戦はもうやっぱり中止ですし、オリンピックも中止するしかないですし、こうしたオリンピック開催を前提とした法案には賛成できないということを申し上げて、質問を終わります。