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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2022年・第208通常国会

日本人学校授業料無償に。義務教育、国内と同等

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は10日、参院文教科学委員会の在外教育施設の振興法の質疑で、日本人学校の教育費用の負担軽減を求めました。

 国内と同等の教育を行う日本人学校や、放課後や週末に授業を行う補習授業校など330カ所余の在外教育施設に、約3万4000人が通っています。

 吉良氏は、日本国内の義務教育課程の授業料が無償なのに、日本人学校の授業料は平均値で年額60万~70万円だとして、吉良事務所の調べでは年額187万円の学校もあり、施設整備費やバス代などをあわせると国内の10倍の費用負担になるところもあると指摘しました。国内と同等の教育水準を求める法の趣旨に言及し、「義務教育は無償と定める憲法26条の保障からも、日本人学校の授業料は無償にすべきだ」と求めました。

 末松信介文部科学相は「無償化は困難」と背を向けました。

 吉良氏は、国が派遣する教員の帯同家族の教育費や生活費が多大な負担になっていることを示し、「国の要請で派遣される教員の(子どもの)授業料は全額免除するべきだ」と求めました。末松文科相は「日本人学校の運営委員会が決めること」と答弁。吉良氏は在外教育施設の教員の実態調査を強く求めました。

 同法は全会一致で可決・成立しました。

しんぶん赤旗2022年6月17日付より抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 初めに、法案提案者に伺いたいと思います。
 本法案の基本理念には、在外教育施設における教育環境と国内の学校における教育環境が同等の水準となることとあります。この同等の水準というとき、それは学びの内容だけではなく、授業料などの教育費用の負担についても同じことなんでしょうか。つまり、在外教育施設に通う子たちが日本国内の公立学校に通う子たちと同水準の費用負担で学べる環境を目指すという趣旨でよろしいでしょうか。

衆議院議員(田野瀬太道君)

 お答え申し上げます。
 本法案第三条第二項には、在外教育施設における教育環境と学校における教育環境が同等の水準となることが確保されることを旨とすることとの基本理念を規定させていただいております。また、第三章に規定する在外教育施設の教職員の確保、在外教育施設における情報通信技術の活用の促進などの基本的施策が着実に実施されることによりまして、教育費用の負担は軽減されるものと強く期待をさせていただいておりますし、国内と海外のこのギャップ、教育の環境であったり費用の面での格差を埋めるための目的で今回の法案提出に至ったということでございます。
 御質問ありがとうございます。以上でございます。

吉良よし子

 ありがとうございます。
 つまり、国内と海外のギャップを埋めるというのがこの法案の目的でもあるという御答弁でありました。
 日本国内の義務教育課程、公立学校に通う場合は、授業料は無償となっているわけです。ただ、教材費や学用品、制服代、通学費、給食費などは各家庭が負担をしており、その費用、文科省の調査によると、小学校で年間約十万六千八百三十円、中学校では年間約十八万一千九百六円となっているわけですが、一方で、在外教育施設の授業料というのはどの程度なのかと文科省に伺いましたら、平均値で、入学金が十万円前後で、授業料は年額六十万から七十万円程度掛かると伺いました。
 さらに、資料を御覧ください。私、吉良事務所の方で調べた各地域の幾つか抽出した日本人学校の授業料ですけれども、高額なところだと授業料だけで円換算した場合に百八十七万円、これニューヨークですけれども、という学校もありました。さらに、ほとんどの学校で授業料以外に施設整備費用とかバス代など別途掛かって、それらを合計すると場合によっては二百五十万円以上の教育費用が掛かると。
 さらに、教材費なども足せば更に高額となるのは間違いないわけで、これ日本国内の費用負担の十倍にもなる額だと思うわけですが、国内で学ぶか国外で学ぶかと、学ぶ場所によってこれだけの差があっていいのかという問題があると思うんです。
 憲法二十六条では義務教育無償とされているわけですし、本法案での基本理念照らせば、やはりこの在外教育施設、特に公立学校の教師派遣している日本人学校の授業料については無償を目指して、せめて各家庭の負担が国内と同程度になるように支援強めるべきと思いますが、文科大臣、いかがでしょうか。

文部科学大臣(末松信介君)

 吉良先生にお答え申し上げます。
 資料をいただきまして、ありがとうございます。
 在外教育は、我が国の主権の及ばない外国におきまして、憲法の定める教育の機会均等及び義務教育無償の精神に沿って行われてはおります。
 他方、その在外教育施設の授業料には様々な実態がございまして、こうした中、御指摘のその授業料の無償化はかなり困難な課題ですが、課題でございますが、文部科学省におきましては、在外教育施設への教師の派遣の費用を負担するなど、その教育環境の整備支援を通して一定の負担軽減に資するものと認識をいたしております。
 文部科学省としましては、こうした環境整備を引き続き進めるとともに、在外教育の振興に向けて必要な実態把握や対応について検討を行い、法案の趣旨を踏まえ、国内と同等の教育環境の整備が図られるようにしっかり取り組んでいきたいと思います。
 余談になりますけれども、せんだってシンガポールの方でも、日本人学校の小学校、千五百名おられますけれども、特別支援の教育が施されていないことになりまして、調べましたら、中学校でも五百名のうち学級、通級もないということが分かって、出張に行かせます、文科省の職員を。実態把握をしたいと思います。
 済みません、時間がないですから。

吉良よし子

 実態把握に努められるということでしたが、無償は難しいというお話でした。
 ただ、在外教育施設であっても教科書は無償で提供していると聞くわけです。だから、教科書無償にできて授業料無償にできないというのはやはりどうなのかなという思いもありますし、昭和五十三年二月、衆議院の予算委員会で当時の内閣法制局長官はこの憲法二十六条の適用について、なるべく在外の子弟が教育を、少なくとも義務教育を安く受けることができるように手だてを取ることが憲法二十六条の精神に沿うことという答弁もあるわけで、是非無償を目指していただきたいということは強く申し上げたいと思うんです。
 先ほど、教師派遣費用の負担を図っていくというお話もありました。
 例えば企業の場合ですと、海外赴任されている御家庭の場合、その子女の授業料などの必要経費のほとんどは企業負担で、実質無償になっていると聞くわけです。
 一方の文科省が日本人学校に派遣した教員の場合はどうかといえば、派遣教員に家族が帯同する場合の配偶者は国内の仕事を辞めて帯同するということになるわけで、派遣教員の給与のみが収入源という状態のままで、その給与で帯同した全ての子供も含めた生活費、教育費、負担しなくてはならないんです。で、その子たちが日本人学校に通う場合の授業料も負担しているというわけですけれども、これは大きな負担となると思うんです。
 文科省が派遣した教員の帯同家族、子女の場合は、教育手当は出るということは聞いているわけです。ただ、伺ったところ、これ授業料の全額補助じゃないんだと、最高でも九割にとどまっていて、しかも、授業料以外の出費、交通費や施設使用料とか教科書以外の学用品、全て負担となると。その額も決して安くないというのは先ほども確認したとおりなわけで、先ほどの教師派遣費用の負担ということでいえば、やっぱり国の都合で派遣している教員の子の授業料はせめて全額補助するとか免除するとか、そういう手だても必要かと思いますが、大臣、いかがですか。

文部大臣(末松信介君)

 御意見いただきまして、ありがとうございます。
 在外教育施設は、一般に現地の日本人会等が設置主体となって設立されておりまして、その運営は、日本人会や進出企業の代表者、また在外公館の職員、日本人学校校長、保護者の代表等から成ります学校運営委員会によって担われておりまして、授業料につきましても学校運営委員会によって定められるものでございます。私の友人も勤めたことがありまして、話聞いております。そのため、御指摘の派遣教師の子女の授業料を免除するかどうかにつきましてもこの運営委員会によって定められるものでありまして、文科省として直接お答えすることがちょっと困難ではないかと思うんです。
 文科省としましては、在外教育施設への教師派遣の費用を負担するなど、その教育環境の整備支援を通しまして、国内と同等の教育環境が整備されるように努めてまいりたいと思っております。

吉良よし子

 運営委員会によって決められているということですが、逆に、やろうと思えばできること、ところもあるということだと思いますので、是非、国の都合で派遣している教員の子の授業料ということでは免除すべきじゃないかということも国として進めていただきたいと。
 先ほどの教育手当なんかも、出されているけれども、この間、今般の二十年ぶりとも言われる異常な円安によって、日本円で計算されていた手当というのが実際に現地通貨に換算して支払われるときに実質減額になってしまうという話も聞いているわけです。また、派遣直前に住居費などの前払というのが必要で、数百万の現金を先に工面しなけりゃならないと。そのためにローンを組んで出国するという事例もあって、そのローン返済しながら向こうの生活しなきゃいけない派遣教員の方もいて、もう家族帯同だと赤字になっちゃうよなんていう話も伺ったところです。
 やる気を持って派遣教員として頑張っていらっしゃる教員の皆さんの生活をちゃんと支えるという意味でも、その手当が本当に足りているのかどうか、生活の実態、この間の円安の状況も含めて、是非ちゃんと実態を調査して、その実態に即した手当の見直しも検討すべきと思いますが、最後、大臣、いかがでしょうか。

文部科学大臣(末松信介君)

 国内に比して教育条件が必ずしも十分でない在外の教育施設の教育におきましては派遣教師は極めて大きな役割を果たしておりまして、それに対する支援は本当に重要だという認識でございます。
 このため、派遣教師に対しましてはこれまでも様々な手当を支給しておりまして、実態に合わせてその改善にも努めております。令和四年度でも、子女教育手当の支給対象年齢を四歳以上から三歳以上に引き下げたりとかの対応もしておりますが、今後とも、派遣教師が児童生徒の教育にしっかりと対応できるように、その実態も踏まえながら、先生の今のお話もございまして、必要に応じた見直しに努めていきたいと思います。

吉良よし子

 是非、この法案を機に、国内と海外の教育の格差の是正と派遣教員の待遇の是正、努めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。