統一協会が「家庭教育」介入 自民との癒着調査迫る
要約
日本共産党の吉良よし子議員は27日の参院文教科学委員会で、統一協会(世界平和統一家庭連合)が「家庭教育支援」政策にどれだけの影響を与えてきたのか、自民党と統一協会の癒着を徹底的に調査すべきだと迫りました。
吉良氏は、統一協会は児童虐待などの子どもをめぐる問題を「家庭の教育力の低下」と決めつけ、「親の学び」と「伝統的な子育て」を押し付けるなど、公然と家庭のあり方に介入しようとする団体だと指摘。統一協会系月刊誌『世界思想』でもたびたび特集を組み、家庭教育支援法と家庭教育支援条例の制定を強く推し進めてきたと強調しました。
吉良氏は、自民党議員が条例制定前に統一協会の教会で条例推進講座に参加していた岡山県や、条例制定を目指す「旭川家庭教育を支援する会」の会長を自民党国会議員が務め、実質的な事務局を統一協会が担っていたとされる旭川市などの具体事例を示し、「条例制定をめぐる癒着を徹底的に調査すべきだ」と迫りました。
永岡桂子文部科学相は「文科省としての調査はしない」と答弁。旭川市の問題について「こちらでは認識していない」と強弁し、吉良氏は「認識していないのであれば、徹底的に調査すべきだ」と批判しました。
さらに吉良氏は、自民党法案や政府の「家庭教育支援」政策への統一協会による影響の有無を徹底的に調査するよう要求。「統一協会のような非科学的な主張を文科行政に入り込ませるようなことはあってはならない」と主張しました。
議事録
吉良よし子
日本共産党の吉良よし子です。
本日は、統一協会の問題について伺いたいと思っております。
岸田首相、そして文科大臣も、この間、先ほど来、統一協会に対して報告徴収・質問権を行使して調査をするとおっしゃっております。ただ、この質問権というのは権限としては極めて弱いものです。その強制力というものもありませんし、たとえうそをつかれたとしても、そのことについて偽証罪に問うということすらできないという指摘がありました。
一方、解散命令請求の要件については、これも先ほど来確認あるとおり、民法の不法行為も含まれるということを岸田首相も認めているわけです。
先ほどの御答弁では、この解散命令を請求するためには公共の福祉に明らかに違反するという悪質性、継続性、組織性の客観的な事実が積み上がる必要があるということですけれども、もう既に民法上での組織的な不法行為、これ認められた判決があるわけです。そうした不法行為に関する告発というのはもう長年にわたり継続的に続いているわけですし、また、正体を隠して勧誘し、多額の献金を巻き上げるなど、この統一協会の手法の悪質性、これは予算委員会で首相も認められたことです。
もう既にこの組織性、継続性、悪質性、明らかな客観的な事実がここまで積み上がっている今、やはり権限として弱い質問権の行使でいたずらに時間を浪費するのではなくて、直ちに解散命令の請求すべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
宗教法人法に基づきまして解散命令を請求するためには、報告徴収・質問権の行使に係ります疑いがあると認めるだけでは足りずに、法令に違反をして著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたなどに該当する事由があると認められることが必要でございます。
このため、文部科学省といたしましては、宗教法人法に照らしまして解散命令の請求の適否を判断するためにも、まずは報告徴収・質問権の行使を通じまして、行為の組織性、悪質性、そして継続性等につきまして具体的な証拠や資料などを伴います客観的な事実を明らかにした上で、法律にのっとりまして必要な措置を考えていきたいと考えているところでございます。
吉良よし子
あたかも質問権行使しないと解散命令請求できないかのようにおっしゃっていますけど、そうじゃないですよね。
質問権では弱いということを申し上げているわけで、しかも、先ほどの御答弁ではもう年内に行使できるように準備みたいな話で、そんな悠長なことを言っている場合じゃないと思うんですよ。被害もこれだけ拡大していて問題が明らかになっているわけで、その統一協会というのは、もうこの間明らかになった事実を見れば、宗教団体というよりはもう反社会的なカルト集団としか言えないような実態があるわけで、もう解散命令出すのは当然だと。
毎日新聞の世論調査では、解散命令請求、求める声が八二%に上っているわけです。こうした国民の声を踏まえれば、やはり解散命令、もうすぐにでも請求すべきだと思いますが、いかがですか、大臣。もう一度。
文部科学大臣(永岡桂子君)
解散命令の請求の適否を判断するためには、まず報告徴収・質問権の行使によって具体的な証拠資料を伴います客観的な事実を明らかに必要があると考えておりますということはもう既に申し上げました。
その上で、過去の宗教法人の解散の実例を踏まえて申し上げれば、代表役人が殺人罪等で起訴をされており、検察官の捜査情報が証拠として活用されたオウム真理教の事案においては、解散命令の請求から、あっ、ごめんなさい、解散命令の請求から解散命令が最高裁で確定するまでに約七か月を要しております。また、代表役員に詐欺罪の有罪判決が下った明覚寺の事案では、請求から地裁における解散命令決定までに約二年、そこから最高裁で決定が確定するまでに更に一年を要しております。
このように、解散命令の決定に当たりましては裁判所において慎重な審理がなされることになることから、文部科学省といたしましては、まず報告徴収・質問権の行使によって具体的な証拠や資料を伴う客観的な事実を明らかにする必要があると、そう考えております。
吉良よし子
ですから、大臣おっしゃったように、解散命令請求出したとしてもすぐに解散命令が出されるわけでもないと。そういうことを踏まえれば、何か質問権とかでいたずらに時間を浪費するよりも、もうとにかく請求出して、解散命令、一刻も早く近づけるということの方が重要だと私は思うわけです。
しかも、問題は、この間、統一協会について、霊感カルト商法だけではないわけです。長年にわたる統一協会と自民党議員との癒着の中で行政がゆがめられた、政策に影響があったという疑いというのがますます強まっていると思うわけです。
午前中の議論でもありましたが、この間、統一協会の関連団体、世界平和連合との推薦確認書の存在というのが明らかになりました。朝日新聞等の報道によりますと、この選挙支援の見返りに政策への取組を求めるこの推薦確認書について全国で数十人規模の国会議員に署名を求めていて、協会が自民党議員に幅広く政策推進を働きかけていた可能性があると報じられているわけです。この推薦確認書の中身というのは、憲法改正や同性婚への慎重な扱い、日韓トンネル実現など具体的な政策が並べられているわけで、まさに事実上の政策協定としか言いようがないと思うわけです。
大臣は、この確認書については署名されてないと午前中答弁ありました。ただ、私やっぱり問題だと思うのは、この外国に本拠地のある団体とこうした事実上の政策協定交わすというのは、外国勢力による日本への内政干渉とも言える重大な問題になるんじゃないかと。これについても、大臣、午前中は一議員の公約が政策に影響しませんよという答弁されていましたけど、そうじゃなくって、実際に影響したかどうかじゃなくて、そもそもその外国に本拠のある勢力が日本の国会議員や候補者を通じて自らの政策を進めようとしているその行為自体がやっぱり重大な問題じゃないですかと。
この点、大臣の認識、私からも聞きたいのですが、いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
午前中もお話ししましたように、旧統一教会の関連団体から推薦確認書を提示されたことはなく、まあ私の場合ですが、報道があるまでその存在は知りませんでした。
本当に一般論といたしましては、政府における政策の企画立案は、国民、関係者、そして有識者、議員、そして閣僚、官僚、こうした多くの関係者の意見を積み重ねた上で進めていくものでありますので、このプロセスの中で一議員の選挙における接点が影響を及ぼすものではないと考えております。
吉良よし子
その影響を及ぼすものかどうかということも調査も必要だと思いますし、やっぱりこういうふうに外国に本拠地のある勢力が政策協定によって日本の政治に干渉しようとしたこと、そのこと自体がやはり重大な問題であると私は指摘したいと思います。
そして、本当に政策に影響ないと言えるかどうかという、これは本当に大きな焦点で、注目したいのが、この推薦確認書に書かれている二番目の項目に家庭教育支援法の制定というのがあるということなんです。憲法改正の次の項目。統一協会にとってこの家庭教育支援法の制定というのはかなり重要課題だということがこの順番からも読み取れるんじゃないかと思うわけですが、この家庭教育支援法という法律というのはまだ法案すら国会に提出されていないものだと承知をしております。ただ、文科省は既にこの家庭教育支援という名の付いた事業を進めているわけです。
そこで、確認をしたいと思うんですが、文部科学白書の最新版には、「家庭教育は、保護者が第一義的責任を有するものであり、子供の基本的な生活習慣や豊かな情操、自立心の育成、心身の調和のとれた発達を図る上で重要です。」と。「一方、共働き家庭やひとり親家庭の増加、地域のつながりの希薄化など、家庭を取り巻く環境が変化するとともに、児童虐待や不登校など子供の育ちをめぐる課題も懸念されています。」とあるわけです。
この二文目なんですけれども、共働き家庭や一人親家庭の増加が児童虐待や不登校などの課題につながっているかのように、こう一文でつながっていますから、にも読めるわけですけれども、文科省はこの児童虐待や不登校の原因が共働き家庭や一人親家庭にある、児童虐待、不登校が全て共働き家庭や一人親家庭で起きている問題だと考えていらっしゃるのでしょうか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
御指摘の白書では、家庭教育の重要性を述べた上で、共働き家庭の増加など家庭を取り巻く環境の変化と、児童虐待などの子供の育ちについて懸念される状況について列挙して述べたものであり、児童虐待や不登校が全て共働き家庭、一人親家庭で起きるものという認識を述べたものではございません。
児童虐待や不登校の要因は様々なものがあります。本当に、文部科学省といたしましては、関係省庁とも連携をいたしまして、その対応にしっかりと取り組んでまいります。
吉良よし子
当然だと思うんですね。不登校について言えば、家庭の問題というよりも学校における様々な問題が要因であるということが明らかだと思いますし、虐待が起こる要因についても、家庭の形に問題があるとは決して言えないわけです。
厚労省の子どもの虐待対応の手引きでも、子供の虐待は、身体的、精神的、社会的、経済的等の要因が複雑に絡み合って起こると考えられている、特別な家族の問題という認識で取り組むのではなく、どの家庭にも起こり得るものとして捉えることが重要だと、こういう指摘もあるわけで、やはりその家庭の形ということと直に結び付けるようなことあってはならないと思うわけですけれども、そうした児童虐待などの子供をめぐる課題について、それらの原因をそうした家庭の在り方、家庭の教育力の低下など親の責任に収れんさせて、伝統的な子育てが良い家庭をつくる、親の学び、親になるための学びを押し付ける、公然と家族の在り方に介入しようとしているのが統一協会の主張なわけです。
統一協会の関連団体である勝共連合が発行する雑誌「世界思想」では、度々この家庭教育支援の特集が組まれています。虐待が起こるのは夫婦や三世代が一体となって子供を愛情で包み込む家庭や共同体が壊れているからとして、虐待問題の最終的な解決も、結局は夫婦関係、親子関係など良好な家庭環境を築くことにある、鍵となるのは結婚、家庭の強化であるなどと主張して、家庭教育支援法の整備が最優先すべき喫緊の課題だと、こう主張されているわけです。しかも、その先行事例として、各地方自治体で家庭教育支援条例というのが制定されていることを紹介していると。
統一協会は、こうして家庭教育支援法とともに、各自治体での家庭教育支援条例制定、強く推し進めているということがこうしたものからうかがえるわけですけれども、ここで文科省に確認いたします。現時点で、この家庭教育支援条例、制定している自治体というのは何団体ありますか。
政府参考人(藤江陽子君)
家庭教育支援条例等を制定している自治体につきましては、文部科学省において令和三年二月に公表いたしました令和二年度地域における家庭教育支援の取組に関する調査結果においては、九県七市であり、その後、報道にて一県、家庭教育支援条例を制定されたことを把握しており、私どもで把握している条例等を制定している自治体につきましては十県七市となっております。
吉良よし子
合わせて十七の自治体でこの条例が制定されているということですけれども、現在、こうした自治体の条例制定過程に統一協会が深く関わっていたことが地元の共産党議員の調査やしんぶん赤旗のスクープで明らかになってきています。
例えば、先ほど、最近、最後の一県というのが岡山県なんですけど、一番最近この家庭教育応援条例が制定されたこの岡山県の場合、しんぶん赤旗日曜版の報道、また我が党の須増伸子岡山県議によりますと、条例制定前の二〇一八年、複数の自民党の岡山県議が統一協会関連のイベントや会合に出席していたという事実があり、二〇一九年には、統一協会岡山家庭教会で条例推進の講座、これに自民党の県議が参加し、さらに、この家庭教育支援条例の推進の学習会を複数自治体で開催してきた静岡の統一協会員でもある自民党の静岡県議との条例推進の会合を経て、その年の秋、岡山県の自民党議員の有志が条例制定の勉強会というのを設定、設置して、その中で素案を作成して、二一年四月に議会提案した。
もうこの流れを見ても、統一協会と自民党議員との深い関わりの中でこの条例制定というのが進められてきた、これ、明らかだと思うんですけれども、大臣、この岡山のように各自治体のこの家庭教育支援条例の制定の過程の中で統一協会が深く関わってきたのではないかと。文科省としてこの点、調査すべきではありませんか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
家庭教育支援条例の制定につきましては、法令等に定めがあるものではなくて、各地方議会による必要な審議を経て、その判断と責任において成立に至ったものと承知をしております。そのため、文部科学省といたしましては調査を行うことは考えておりません。
吉良よし子
岸田首相は統一協会との関係を絶つとこの間ずっとおっしゃっているわけですね。であるならば、やはり地方議会を含めて統一協会とその自民党議員との癒着、そして政策への影響があったのかなかったのか、やっぱり調査をするべきだと思うわけです。
何しろ、同様の実態というのはほかにもありまして、我が党の能登谷繁旭川市議によると、この条例制定の動きが強まっている北海道の旭川市では、二〇二〇年八月にこの家庭教育支援条例の制定を目指して結成された旭川家庭教育を支援する会というのが、自民党の東国幹衆議院議員を会長に、また今津寛介市長が顧問になり、さらに自民党道議などが事務局長、副会長などになってつくられているわけです。
ただ、その設立準備会というのがありまして、その準備会の事務局には統一協会の旭川家庭教会総務部長である人物が就任していたわけです。しかも、旭川市の市民活動情報サイトを見ると、今年八月九日までこの支援する会の代表と事務局の両方の名前がこの旭川家庭教会総務部長の方の名前になっていたと。これ、単なる表記ミスとかではなくて、実際の会場使用の申請など、この人物などが行っていたと考えられるわけで、つまりは、この会の実質的な事務局、推進母体が統一協会だったということではないかと思われるわけです。
現在、この支援する会というのは、その統一協会と市長や自民党議員らとの関わりが明らかになる中で、市民の強い批判を浴びて今年九月に解散したということですけれども、こうした支援する会を通じて統一協会と自民党議員らが一体に条例を作ろうと動いていたという事実があるわけで、やっぱり、条例が既に制定された自治体だけではなく、制定の動きがある自治体も含めて、この家庭教育支援条例制定をめぐる自民党議員と統一協会との癒着、徹底的にやっぱり調査すべきと思いますが、大臣、いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
ただいまお話の出ておりました旭川の支援をする会と自民党の議員との関係ということでございますが、これは仮定の話でございますので、ここでお答え……(発言する者あり)いや、そういう話があったということはこちらでも認識をしておりませんので、本当に判断が付きかねるというところでございます。
吉良よし子
だから、認識してないのであれば、やはり徹底的に調査すべきじゃないですかということを申し上げているわけですよ。関係絶つというならば、やっぱり、全国での条例制定めぐるそこの統一協会による政策的な影響あったのかなかったのか、やっぱり徹底的に調査すべきじゃないですか。いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
文部科学省といたしましては調査を行うことは考えてはおりません。
吉良よし子
これね、単なる地方自治体や地方議会の話では終わらないわけですよ。
この旭川の支援する会の会長として表向き名前出されていた東国幹衆議院議員というのは、今年一月のその会の会合の中で、児童虐待が話題になる状況の中で家庭教育の重要性が叫ばれるが、家庭教育を実施する家庭が教育に資する家庭になっていないと条例制定の必要性を訴えたって、統一協会のメディア「世界日報」が報じているわけですが、まさに統一協会と同様の主張そのものだと思うわけですね。
つまり、地方議員のみならず国会議員も統一協会とのこの癒着の中でこの条例制定の動き強めていた事実があるわけですし、条例だけじゃなくて、この法案、制定求める意見書というのも各自治体から多数上がっていて、これも統一協会と自民党議員の癒着の中で進められた疑いもあるわけです。つまりは、国政への影響も否定できないんじゃないかと。
実際、二〇一七年には、自民党により、の議員立法で家庭教育支援法案を国会に提出しようという動きもあったわけです。
この当時の法案の内容と各自治体で作られた条例の内容、比べて見るとほぼ同様の文言で、やはりこうした自民党法案作成にも統一協会の影響があったのではないか。ここも調査すべきではないですか。大臣、いかがでしょう。
文部科学大臣(永岡桂子君)
御指摘の家庭教育支援法案、これは議員立法でございまして、議論、議員立法として議論をされているものでございまして、行政府である文部科学省は調査を行う立場にはないと考えております。
吉良よし子
これ、昨年九月、迫る総選挙の自民党公約策定しているタイミングに、勝共連合の幹部の方が当時政調会長だった下村博文氏のところを訪れて、この家庭教育支援法制定というのをマニフェストに載せるように要請して、実際その後、自民党の政策公約、政策集にもそれが盛り込まれた事実があるって報道もあるわけで、少なくともこの家庭教育支援法制定、自民党の公約に盛り込む過程で統一協会の働きかけ、動きがあったのは明らかなわけです。
もし、たとえその法案そのものに、制定過程そのものに統一協会の影響があったかどうか、なかったんだとして、本当に自民党の政策だったとしても、この法案成立のためにここまで全国各地で統一協会が働きかけを行っている、しかも自民党と一緒に精力的に動いている、そういう事実を見れば、私は、むしろ自民党は自分たちの政策を進めるためにこの統一協会を利用してきたという疑念も出てくるんじゃないかと。つまり、自分たちの政策を進めるために、カルト被害がどれだけ拡大しても目をつぶって、そして、解散命令も出さずに、名称変更まで認めて正体隠しに加担してきたと、そういうことも言えるのじゃないかと。もしそうだとしたらそれこそ本当に問題だと思いますし、いずれにせよ、こうした事実関係、徹底的な調査が必要だと私は言いたいと思うんです。
問題は自民党の法案だけではありませんよ。やっぱり冒頭確認した文科白書のように、やっぱり政府の家庭教育支援についての文言の中でも、この一人親家庭や共働き家庭、それと虐待とを無理やり結び付けるようにも読めなくもないような文言、表現というものも実際にはあるわけです。
だから、統一協会による政策、統一協会による働きかけが政策には影響がないと、無関係だと、関係を断ち切るんだとおっしゃるのであれば、こうした国や自治体での家庭教育支援政策について統一協会による政策的影響があったのかなかったのか、これ徹底的に調査するべきではありませんか。大臣、いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
一般論として申し上げて、政府における政策の企画立案は、国民、有識者、議員、そしてその他の幅広い関係者の意見を積み重ねた上で進めていくものでございます。
家庭教育支援につきましては、教育基本法の第十条第二項に基づきまして、文部科学省においては、有識者や家庭教育支援に取り組む自治体関係者などの意見も踏まえて施策を推進してきており、御指摘のような政治的影響があったものとは考えておりません。
また、自治体においては、それぞれの責任と判断の下で、教育基本法の理念に基づき、家庭教育に係る施策を推進しているものと考えておりまして、旧統一教会による政策的影響の有無の調査については考えてはおりません。
吉良よし子
影響はないと強弁されるわけですけれども、事実として、外形的な事実として、統一協会がもう積極的に精力的に自民党議員の皆さんと一緒になってこの家庭教育支援を推進してきたと、そういう事実があるわけですから、やっぱり調査は必要だと思うわけです。
文科省は、この間ずっと、家庭教育支援が必要なのは家庭の教育力が低下しているからと、こうおっしゃっているわけです。でも、そもそもこの家庭の教育力って何なのかって、定義すら定かじゃないんですよ。しかも、この家庭教育力の低下って最初に言い出してからもう既に四十年以上たっているわけで、じゃ、いつの時点の何と比べて低下したとおっしゃっているのか、その根拠も比較の時点も不明なわけです。
定義や根拠もないまま、子供の様々な課題を解決するために、例えば伝統的な家族観を各家庭に押し付けるというような統一協会に代表される非科学的な主張を文科行政に入り込ませるようなこと、私はあってはならないと思うわけで、徹底的な調査をすることを強く求めまして、質問を終わります。