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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2022年・第210臨時国会

英語テスト中止迫る 「課題全く解決せず」

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は15日の参院文教科学委員会で、東京都内の公立中3年生を対象とする英語スピーキングテストの実施(27日)まで2週間を切った現在でも試験監督が集まらないなど多くの課題があるとして、中止を強く求めました。

 同テストは、都教育委員会が教育産業大手ベネッセコーポレーションに委託して実施し、8万人が対象。ベネッセ作成の問題への英語の回答を録音し、フィリピンに送付し、同国での採点(20点満点)がそのまま都立高入試に加算されます。

 吉良氏は、ベネッセに住所や電話番号などの個人情報や顔写真を事前登録しなければ受験できず、学校で子どもたち自身に一斉登録させる事例もあるとして「保護者の確認なく同意させることはあってはならない事態だ」と批判。保護者アンケートでも約半数が「同意した自覚がない」と回答しており大問題だと強調しました。

 吉良氏が大学入学共通テストへのスピーキングテスト導入を見送った理由をただしたのに対し、文部科学省は「質の高い採点者の確保や正確な採点の担保などの実施上の課題が生じる」(大学入試のあり方に関する検討会議提言)からだと説明。吉良氏は、高校入試でも同様の課題があり、プレテストでも隣の音声が入るトラブルが発生するなど「何一つ解決していない」と指摘。「今からでも間に合う。試験の中止を」と訴えましたが、永岡桂子文科相は「都教委に責任をもって適切に対応いただく」と繰り返しました。

しんぶん赤旗2022年11月17日付より抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 前回、この委員会で、統一協会に関わって、私、地方自治体での家庭教育支援条例の制定状況について質問をいたしました。その際、文部科学省から、この条例制定自治体の数は十県七市との回答を、答弁をいただいたところです。
 その後、指摘を受けて地方自治研究機構のホームページを確認したところ、その機構の調査によると条例制定自治体の数は十県六市という数であったので、数が合わないということで、改めてその自治体名を文科省に問い合わせて、回答をいただきました。
 それがこの配付した資料の左側ですけれども、茨城、群馬、岐阜、静岡、三重、徳島、熊本、宮崎、鹿児島、岡山の十県と、埼玉県志木市、石川県加賀市、長野県千曲市、愛知県豊橋市、和歌山県和歌山市、大分県臼杵市、鹿児島県南九州市の七市が条例を制定していると。うち三重県と大分県の臼杵市は条例ではなく方針を制定していると、それを含めて十県七市という回答だったんですけれども。
 しかし、この右側にあります地方自治研究機構のリストには、文科省の回答以外に福井県でも二〇二〇年十月に条例が制定されているとあり、実際、福井県のホームページにもその条例が掲載されていたわけなんですが、なぜこの福井県、先日の答弁で抜けていたのでしょうか。御答弁ください。

文部科学省総合教育政策局長(藤江陽子君)

 先日の委員会で御答弁させていただきました家庭教育支援条例等を制定している自治体につきましては、文部科学省において令和三年二月に公表いたしました令和二年度地域における家庭教育支援の取組に関する調査結果と、及びその後の報道において把握したものを加えまして、その時点で私どもとして把握しているものについてお答えしたものでございます。
 令和二年度に実施した調査は令和二年八月一日現在というものでございまして、その時点では福井県では条例を制定しておらず、先日の委員会の時点では把握できておりませんでしたが、その後、外部からの御指摘により確認したところ、福井県について令和二年十月に家庭教育支援条例を制定していることを把握したところでございます。

吉良よし子

 要するに、公式の調査時点ではまだ条例がなくて、その後、制定されたという報道がなかったから答弁できなかったというお話だったんですけど、事前に通告もしていたわけで、もう民間の調査団体でも事実をつかんでいた事実なわけで、それをつかまないまま国会答弁されるというのは極めてずさんなことなんじゃないかと思うわけです。
 改めて確認したいんですけれども、現時点で家庭教育支援条例又は方針を制定している地方自治体の数というのは、福井県含めて十八団体と、こういうことでよろしいのか、正確に御答弁お願いします。

政府参考人(藤江陽子君)

 現状で、福井県を含めまして、家庭教育支援条例等の制定につきまして把握できているものは計十八自治体ということになります。
 なお、条例や方針の制定につきましては文部科学省がその地方自治体から御相談や御報告を受けているものではございませんので、最新の情報を持っているものではないということを付け加えさせていただきます。

吉良よし子

 前回、大臣はこの各自治体での家庭教育支援条例制定過程における統一協会による影響の調査というのを拒否されたわけなんですけれども、そもそもこの条例制定している自治体の数すら正確に把握されていなかったということに私は愕然とするわけです。前回から申し上げているとおり、この条例制定の過程における統一協会の影響というのは様々報告があり、また、それは本当に私、複雑で深刻だと思うんです。
 例えば、この家庭教育支援という名前の条例でなかったとしても、鳥取県の場合は子育て王国、子育て王国とっとり条例というものの中に、保護者は自らが子育てについての第一義的責任を有することを自覚してなどと、保護者に対してあるべき姿や責任を押し付ける統一協会の推進する家庭教育支援の内容と同等の文言が盛り込まれているわけで、しかも、この鳥取県が登録している子育て応援団体の中に真の家庭運動推進鳥取協議会という統一協会系の団体が登録されていて、今年八月になって我が党の県議がこのことを指摘したら、いや、この団体は消滅したんだと、登録抹消を今年になってされたということなんですが、じゃ、この団体がこの子育て王国とっとり条例制定に関与したのかどうか、確認も必要なんじゃないかと私は思うわけで、もう改めて、大臣、全ての自治体での家庭教育支援条例や方針などの制定状況、そして、その過程での統一協会の影響や自民党議員との関係などについて徹底的に調査すべきと思いますが、いかがでしょうか。

文部科学大臣(永岡桂子君)

 条例の制定につきましては、法令等に定めるものがあるものではなくて、各地方自治の会議におきまして必要な審査を経まして、その判断と責任において成立に至るものと承知をしております。
 そしてまた、教育基本法におけます家庭教育関係の規定、第十条になりますけれども、父母その他の保護者は子の教育について第一義的責任を有するものであるというふうに書かれております。そのため、御指摘の条例の制定の状況や過程などにつきまして文部科学省として調査を行うことは考えているところではございません。

吉良よし子

 何度聞いても調査されないと言うんですけれども、先日お話しした岡山とか旭川では明らかにその制定過程において統一協会と自民党議員との癒着があったこと明らかですので、もう事実が示されておりますので、やはり徹底的に調査すべきなんですよ。
 共同通信社の世論調査では、統一協会の接点や影響について地方議員も調査すべきとの回答、七四・八%に上るんです。この声に応えるなら、とりわけこうした政策への影響はあったという、そういう事実の事例もある家庭教育支援条例と統一協会との関係というのは徹底的に調査するべきだし、こういう調査をしないまま統一協会との関係を絶つなんていうのは不可能だし、政策への影響ないなどと言うべきではありません。
 いずれにしても、こんな状況で家庭教育支援法案の提出などあり得ないということを私は申し上げて、今日は、次に、東京都の英語スピーキングテスト、ESAT―Jについて伺いたいと思います。
 東京都では都内の公立中学校に在籍する中学三年生を対象にして、英語の話す力を評価するためとして、約八万人の生徒たちを対象に今月二十七日にスピーキングテスト、ESAT―Jを実施するとしています。これは、民間業者であるベネッセが問題を作成して、タブレットから流れる問題を聞いて、その答えをタブレットに録音して解答すると、それを業者がフィリピンで採点をして、一月中旬に返却されるということになっているんですが、その返却されたテストの結果がそのまま都立高校の入試に二十点満点の配点で加算されるという仕組みになっているわけです。
 つまり、高校入試にその結果が活用される、中学生の人生を左右するテストになるわけですが、果たしてこれ、公平かつ公正に正当な入試の評価として活用できるテストなのか。当事者である中学生を始め、保護者、教職員、研究者など、幅広い都民から様々な構造的な問題点が指摘され、中止、見直しを求める声が日を増すごとに高まっているところなんです。
 ここで、まず文科省に確認したいんですけれども、このテストというのは、都の、東京都の教育委員会が区市町村立の中学校の生徒に対してテストを行うということをしているわけですね。その一律のテスト、受験求めると。だから、都教委は区市町村教委の協力でこのテストを実施すると言っているんですが、これは法的にはどんな根拠、権限で行うことになるんでしょうか。

文部科学省初等中等教育局長(藤原章夫君)

 高等学校の入学者選抜における実施方法等につきましては、実施者である各都道府県教育委員会等が適切に判断し、決定するものでございます。
 東京都教育委員会が実施する英語スピーキングテストの結果を都立高校の入学者選抜において活用することについて様々な課題が指摘されているということは承知をしておりますが、そうした指摘を踏まえた検討や保護者等への説明も含めて、選抜の実施者である東京都教育委員会において適切に対応していただくべきものと認識をしております。
 また、今、法的な根拠というお話がございましたけれども、一般論といたしまして、広域自治体としての都道府県の教育委員会が域内の市町村の教育の在り方に関して大きな方向性や方針を示す中で、域内の市町村教育委員会と連携、協力しながら教育水準の向上を図っていくということは、これは考えられることだと思っております。
 その上で申し上げれば、今回、英語スピーキングテストの実施について、東京都教育委員会によりますと、グローバル人材の育成のための施策を都全体として様々展開する一環として、教育基本法第十六条第三項の「地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。」との規定も踏まえつつ、市区町村教育委員会に協力を求めながら実施をすると、こういったものであるというふうに承知をしております。

吉良よし子

 つまり、教育基本法十六条三項に基づいて、域内の自治体に協力を、連携をして行うテストだという話なんですけど、本来、いわゆる学力テストのような学習到達度を図るようなアチーブメントテストだと東京都は言っているんですけど、そういうテストを教育基本法のみを根拠に各自治体にやってくださいねと推し進める、押し付ける、協力を依頼するという解釈に私は到底納得できるものではないんですけれども、取りあえず仮にそうだとして、仮に教育基本法に基づいてそういうことができるんだとしても、じゃ、各自治体が本当にこれに必ずしも協力しなければならないのか。都教委が各自治体に対してこのテストをやるように強制する権限はあるのですか。

政府参考人(藤原章夫君)

 市区町村立の各学校の教育課程の編成や学習指導につきましては、各市区町村教育委員会の下で、各学校において校長の責任で行われるということでございます。
 この度の東京都の英語スピーキングテストの実施については、そうした各市区町村教育委員会等の権限を前提とした上で、東京都教育委員会と市区町村教育委員会が協議を重ねて実施を決めたものというふうに承知をしております。

吉良よし子

 つまり、各市町村の権限、判断において本来やるべきであり、そのやるかどうかの判断というのは各区市町村に任せられているというのがあるべき姿なんですね。もちろん、だから強制は本来であればできないという立て付けのはずなんですが、実は、なのに今回のテストというのは、先ほど来あるとおり高校入試に活用するという立て付けになっていますから、つまりはやらないという選択肢はゼロなんですよ。事実上の強制になっているということが私は問題だと思うんです。
 その強制するということは単純にテストを受ける行為そのものだけじゃなくて、例えば、既に都内の公立中学校ではもう三年生が受験のための事前登録というのをやっているんですけど、その事前登録には、例えば住所や電話番号などの個人情報のみならず顔写真などの登録なども求められているんですね。これ、提供する相手というのはその委託を受けているベネッセで、ベネッセというのは情報流出の事件もあったわけで、そういうシステムに登録するのがたとえ嫌だと思っても、登録しなければゼロ点になる、高校受験できなくなるよなどと言われて、受験生たちみんな登録せざるを得ない状況に追い詰められているわけです。無理やり個人情報を吸い上げられた気分だと、保護者の声を聞いているわけです。
 さらには、学校で、子供たちだけです、この事前登録一斉にやるということも行われていて、それぞれの子供たちの保護者の同意が確認できていない事例もあると聞いているんです。中学三年生、十五歳、成人年齢に達していない子供たちに、場合によっては保護者の確認もなく、個人情報の扱いを含む同意を入試だからで強要すると。これ、あってはならない事態ではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

文部科学大臣(永岡桂子君)

 今、東京都の教育委員会におきましては、スピーキングテストの申込みにおけます個人情報の取扱いに関して保護者に対して周知を行うとともに、当該個人情報は、教育委員会と事業者が締結するこれ協定に基づきまして、スピーキングテストの実施に必要な目的のみに使用をし、テスト終了後は法令等に従いまして削除をすることとしているものと承知をしております。
 引き続きまして、東京都教育委員会におきまして保護者や生徒等への丁寧な説明に努めていただきたいと考えているところでございます。

吉良よし子

 いや、個人情報をテスト後に削除と言いますけれども、じゃ、テスト後って一体いつなのか、何年後なのかという説明すら保護者の方聞いていないと私は伺っております。
 保護者の方々が実施したアンケート調査では、約半数の保護者の方が保護者同意をした自覚がない、事前登録についての、ということを回答されていて、これ本当に大問題だと思うんです。これだけでも大問題なんです。
 そして、やっぱりテスト自体にも問題があるわけです。もうそもそも、英語に限らず、話すこと、スピーキングをテストで正確に評価するということは本当に難しい課題だと思うんですね。
 ここで確認しますけど、大学入試共通テストにスピーキングテスト、大学の方ですね、共通テストにスピーキングテストを導入しようとした際にも様々な課題が指摘されて、結局導入見送ったという経過があったと思うんですけど、このときの提言、令和三年七月八日に出された大学入試のあり方に関する検討会議の提言でこのスピーキングテストについて何と言っているか、二十六ページの該当箇所、読んでください。

文部科学省高等教育局長(池田貴城君)

 お答えいたします。
 昨年七月の大学入試のあり方に関する検討会議の提言におきましては、大学入試センターが英語四技能試験を開発すべきとの意見に対し、大学入学共通テストでのスピーキングテスト、ライティングテストの導入については、質の高い採点者の確保や正確な採点の担保等、記述式問題の採点と同様の問題や面接官、試験室の確保等の実施上の課題が生じるため、その実現は、技術の飛躍的進展や社会の理解がない限り困難であると言わざるを得ないとの考え方が示されております。

吉良よし子

 つまり、正確な採点、公正な採点、質の高い採点やるためには実施上の困難があると、だから実施できないんだというのがこの大学の入試の共通テストでの結論なんですね。
 じゃ、今回のESAT―Jではこれらの課題というのは解消されているのかと。既に実施されているプレテストでは、機械に音声を入力する際に隣の人の声が入ってしまったと、自分は何も話せなかったのに点数が入っていて、多分隣の人の声が入っちゃったんだと思うみたいなトラブルが発生して、このトラブル解消されたかどうか、まだ分かっていないんです。
 さらに、当日の会場で試験監督をする人も、学生や主婦のアルバイトをかき集めている状況で、今朝の時点でも、私、ウェブ探しましたけれども、試験監督、まだ募集しています。二十七日の試験なのにまだ募集している。事前に研修も行うはずなのに、まだ人が集まっていない状況です。
 大臣、この状態で、先ほどの提言にあったような実施課題というの解消されて、もうすぐにでも実施できる状況だと思いますか。

文部科学大臣(永岡桂子君)

 御指摘のありました実施上の課題につきましては、大学入学の共通テストにおきまして約五十万人以上の受験者の解答の採点を短期間に行うことを前提としたものでありまして、この内容が東京都の教育委員会が実施するスピーキングテストに必ずしも当てはまるものではないというふうには考えております。
 検討会議の提案におきまして、提言におきまして、実施上の課題といたしまして指摘された質の高い採点者の確保や正確な採点の担保等につきましては、実施者であります東京都の教育委員会において責任を持って適切に対応いただくべきものと認識をしております。

吉良よし子

 東京都において責任持って適切に対応できていないんじゃないですかということを私は申し上げているんですよ。だって隣の人の声が入ってしまうんですよ。試験監督すらまだ集まっていないんですよ。いや、五十万人じゃなく、ないって言いますけど、八万人の対象者がいるわけですからね。しかも、会場というのは近隣とかじゃなくって、区をまたいで、市をまたいで移動しなきゃいけない。十五歳の中学生たちが、しかも保護者同伴は駄目だって言われている、一人で初めて電車に乗って遠い会場に行かなきゃいけない可能性もある。こういう様々な問題はらんでいるんです。
 問題はまだまだあって、実施できない、困難なだけじゃなくって、大学入試の提言では、共通テストの民間活用についても利益相反が生じるのではないかという懸念があるって指摘もあって、これも駄目だった、中止になったわけですけど、都のこのESAT―Jも、先ほどから言っているとおり、都教委がベネッセコーポレーションに委託する形で実施していると。問題の監修は都教委ですが、実際のもう中身というのは全部ベネッセがやっていて、実際の問題構成、出題形式、出題数、回答時間まで、ベネッセが行っているGTECという英語四技能テストと全くそっくりだと、GTECと同じだったって生徒からの声も届いていると。もう利益相反、明らかなんじゃないかと。
 実際にベネッセは各市町村にGTECの売り込み、テスト対策ですよってやっているという話もあって、もうこういうのは私、見過ごせないわけです。もう大学入試の共通テストですら、こうした利益相反だとか実施困難の課題だとか指摘されて中止になったという経緯踏まえれば、東京都のやることだから文科省は知りませんじゃなくって、こういう公平公正な入試をやるためには、これは中止するべきだと、見直しするべきだと文科省から言うべきではありませんか。大臣、いかがですか。

文部科学大臣(永岡桂子君)

 東京都の教育委員会におきましては、利益相反を防止するため、事業者と締結する協定等に基づいて適切な措置で、措置を講じているものと聞いております。
 こうした点につきましても、スピーキングテストの実施者である都、都の、都教委、都教育委員会におきまして、責任を持って適切に対応いただくべきものと考えております。

吉良よし子

 ですから、適切に対応できていない状況が、もう試験前二週間を切っているこの時点でもう全く何一つ解決してないし、問題が起きているということを指摘しているんです。
 当事者である中学生、僕たちのこれからの人生を決める大切な試験に公平かどうかも分からないものを導入してはいけないと思いますと訴えています。もうこの声を聞くならば、やっぱりこういうESAT―Jの試験そのものは中止すべきだし、高校入試への活用やめるべき、今からでも間に合うので、これを強く求めて、私の質問を終わります。