学校給食無償化 国の責任で
要約
日本共産党の吉良よし子議員は、3月9日参院文教科学委員会で、全国各地に広がる学校給食費の無償化について国が行うべきと求めました。
吉良氏は、しんぶん赤旗の調査で22年度内に恒久的な無償化に踏み切った自治体は全国で254自治体となり、さらに東京23区内では葛飾区はじめ多くの自治体でこの4月から無償化を始めることを紹介。文部科学省として現時点での学校給食費の無償化の実施状況の調査を求めました。永岡文部科学大臣は、無償化の目的など把握できているとして、新たな調査は不要と答弁。
吉良氏は、文部科学省が行った2017年度調査時とは導入の目的など今とは事情は大きく変わっており、改めて調査するよう求めました。
この間の物価高騰で、学校給食費を値上げするか、食材の質を落とすか、量を減らして対応するかが迫られる状況になっています。多くの自治体で地方創生臨時交付金の活用で学校給食費の値上げが抑制されています。
吉良氏は、地方創生臨時交付金がこの3月でいったん終了となることから、4月以降の対策を求めました。永岡大臣は、政府全体で取り組むと述べるにとどまりました。
吉良氏は、学校給食費の無償化に必要な財源を質問。文部科学省は機械的に算出すれば年間4600億円と答えました。
吉良氏は、岸田政権は大軍拡のために5年間で43兆円の軍事費を確保するというが、同じ額で、学校給食無償を90年近く続けられると指摘。学校給食費無償を実現するためにも、教育をさらに充実させていくためにも、大軍拡ではなく、未来の子供たちのための教育予算こそ抜本的に増やすことを求めました。
議事録
吉良よし子
日本共産党の吉良よし子です。
今、政府は、岸田総理を先頭に異次元の少子化対策などとおっしゃっていますけれども、であるならば、私はやっぱり教育予算こそ抜本的に増やすべきだと思いますし、例えば全国の自治体で今広がっている学校給食の無償化、これを国の責任で進めていくことに積極的になるべきではないかと考えているわけですが、この間、学校給食費無償化する自治体は本当に増えているわけです。この無償化が実施された自治体の保護者又は教職員などからもこの歓迎する声というのは上がっているわけですが、ここで大臣に伺いたいと思うわけです。
自治体で進められている学校給食費の無償化について、どんな成果、メリットがあると考えていらっしゃいますか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
従前から無償化を実施している自治体におきましては、それぞれの優先課題に応じまして対応していただいております。例えば、定住であるとか転入の促進や地方創生等を目的として実施されていると承知をしております。
学校給食費の無償化につきましては、学校の設置者と保護者との協力により学校給食が円滑に実施されることが期待されるとの学校給食法の立法趣旨を踏まえまして、設置者である自治体において適切に判断いただくものと考えております。
吉良よし子
おっしゃったのは定住、転入の促進、地方創生のみだったんですけど、それだけですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
これは平成二十九年に調査をしたものでございまして、そのときの反応というのがこういうものが主であったということでございます。
吉良よし子
そのときの調査、私も拝見しましたけれども、決して成果というのはそれだけではなくて、栄養バランスの良い食事の摂取や残食を減らす意識の向上とか、給食費の未納、滞納を減らす、若しくは心理的負担を解消する、そういう滞納に対する心理的負担を解消するとか、そういった成果もあるよねということは文科省の調査でも明らかになっていることだと思うわけです。いずれにしても、そうした負担軽減であるとか様々な効果があるからこそ、この学校給食の無償化というのが各自治体で進んでいるんだと思うわけです。
日本農業新聞の調査によれば、二〇二二年度に学校給食を無償化した自治体、これ、物価高騰対策など臨時的なものも含みますが、その自治体の数というのは全体の二八%、三割に上ったとありました。しんぶん赤旗の調査でも、二〇二二年度内に恒久的な無償化に踏み切った自治体というのが全国で二百五十四自治体になっております。
さらに、これに加えて、東京二十三区内だけでも、葛飾区を始め中央区、台東区、品川区、世田谷区、北区、荒川区が小中学校で、さらには、足立区では中学校で、この四月、新年度から無償化を始めるということが明らかになっているわけですが、文科省としてこの四月から始める地方自治体も含めた学校給食無償化に取り組む自治体の総数というのは把握していらっしゃるでしょうか。その数をお答えください。局長、お願いします。
文部科学省初等中等教育局長 (藤原章夫君)
学校給食費の無償化の実施状況につきましては、平成二十九年度にその導入の狙いや課題等の実態を把握するために調査を実施したわけでございます。
令和五年四月から学校給食費の無償化を行う自治体の数ということでございますけれども、報道等がなされていることは承知しておりますが、文部科学省としては把握はしておりません。
吉良よし子
なぜ文科省で新たに調査をしないんでしょうか。最新の状況を調査すべきではありませんか。大臣、いかがでしょう。
文部科学大臣(永岡桂子君)
学校給食費の無償化につきましては、自治体等におきましてそれぞれ優先課題があると思います。それに応じた御判断いただくということだと思っておりますので、実施状況につきましては調査をすることは考えていないというところでございます。
吉良よし子
いや、もちろん各自治体で実施、優先事項あるかと思うわけですね。ただ、現状これだけ進んでいるわけで、先ほどあった平成二十九年度、二〇一七年度の調査では、もう五年前ですけど、その時点では無償化を小中学校共に実施している自治体というのは七十六自治体、全体の四・四%にしかすぎなかったわけです。それがもう今や三割近くになっているんじゃないかという調査もある。私たち、しんぶん赤旗で数えたら二百五十四自治体と、もう大きく状況変わっているわけで、いや、これは調査すべきじゃないんですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
平成二十九年度の実施状況の調査は、無償化に至った経緯ですとか目的、無償化による成果、また無償化実施前後の課題などを把握するために実施をしたものでございます。
現時点におきましては、新たな調査を行うことは考えてはおりません。
吉良よし子
平成二十九年度の調査というのは数だけじゃなくてその目的を調査するためだったと。その中身はもう既に分かったから、これ以上の調査必要ないというのが御答弁だったとは思うんですけれども。
岸田総理は、三月一日、今年ですね、予算委員会で、その当時の調査結果用いて、自治体を見ると、小規模自治体において実施されているところが多いと、必ずしも財政力の高い自治体に限られたものじゃないと承知していますというような答弁されているわけです。
確かに、当時の調査見ると、人口少ない過疎地の市町村の取組というのが中心だったわけです。けれども、この間、進んでいる学校給食無償化というのは、そういう小規模自治体に限ったものじゃないわけです。先ほど来申し上げているとおり、東京二十三区の一部であるとか、青森市などの中核市とか、比較的人口の多い都市部の区や市でも学校給食無償化進める自治体が増えてきているわけで、やはり調査当時の状況と今とは事情が大きく異なっているわけで、その目的なども変わっている可能性もあるわけで、やはり調査すべきだと思うんですが、いかがですか、大臣。
文部科学大臣(永岡桂子君)
吉良委員おっしゃいますように、従前から無償化を実施している自治体を見ますと、定住とか転入促進等を目的として小規模な自治体において実施されているところが多かったわけですね。
必ずしも財政力の高い自治体に限られたものではないと承知しているわけでございますが、児童生徒の学校給食費につきましては、経済状況が厳しい保護者に対しましては、文部科学省の方では、これ生活保護による教育扶助、また就学援助を通じまして支援をしているところでございます。
給食の無償化につきましては、学校給食法の趣旨を踏まえまして、地域の実情に応じて学校の設置者である自治体において御判断いただくべきものと考えております。
吉良よし子
いや、ですから、実態調査をすべきじゃないですかと、それ必要じゃないですかと聞いているわけですけれども。
文部科学大臣(永岡桂子君)
現時点におきましては、調査を行うということは考えておりません。
吉良よし子
いや、大変に残念なんですね。何でそこまでかたくなに調査することすら拒まれるのかと。各自治体で変化があるわけですから、やはりそういう状況をつかむというのは文科省の私、役割だと思うんです。
学校給食費の無償化に取り組む自治体というのは本当に広がる中で、ただ、その中で格差も出てきているのは問題だと思うんですよ。例えば、隣の○○区というのはもう無償化なんだけど、うちの区はまだ実施されていないよねと。
そういう中で、例えばツイッターを見ていても、無償化の実施の状況を見て、自治体ガチャだなっていうつぶやきも私、見ましたし、また、関西のある地域では、早くから無償化始めた自治体への周辺市からその子育て世代がどんどん転入して、周辺市からすれば転出されてしまったって事例もあると聞いていると。
そういう中で、最近の報道によれば、無償化を始めるある区の自治体担当者は、周辺の区も給食費無償化する中で地域間格差が生じないようにと無償化決めたというような、そういう報道もあったわけです。
やはり、こういう学校給食無償化の有無、自治体によって教育格差、地域間格差が生じてしまっているというのは明らかだと思いますし、そういった格差はやはり国の責任で解消すべき、なくすべきじゃないかと思うわけですが、大臣、認識いかがですか。
政府参考人(藤原章夫君)
先ほどもお話がございましたけれども、その二十九年度に行いました実施調査、この段階では七十六自治体が小中とも無償化を実施しているという状況でございましたけれども、市で無償化を実施していたその時点の自治体の数が五つでございますけれども、これらの市の人口は三万から七万人台であったと。また、町村が七十一自治体あったわけでございますけれども、これらの町村の人口は全て三万人未満である、特に人口一万人未満の自治体が五十六自治体を占めていたと、こういった状況がその時点であったわけでございます。
そうした状況もあり、必ずしも財政力の高い自治体に限られたものではないと、こう承知しておりまして、それぞれの自治体がそれぞれの優先課題に応じて御判断をいただいているものと、このように承知をしております。
吉良よし子
いや、私が言っているのは、自治体間の格差が出てしまっていますよねと、それを解消すべきじゃないんですかと聞いているわけですが、その解消すべきとなぜ言えないのでしょうか。
総理は、予算委員会の答弁の中で、学校給食法における国としての責任、これをしっかり果たし充実させていく、こういった形で学校給食費の負担軽減に努めていきたいと考えますと答弁されていたわけですよ。国の責任で学校給食費の負担軽減に努めていきたいと総理ですら答弁しているわけです。なのに、文科省は格差解消するとも言えないと。これはおかしいと思うわけですが、国の責任とは何なのか、お答えください。
文部科学大臣(永岡桂子君)
学校給食法は、学校給食費に関して、経済状況の厳しい保護者への国による支援について規定しております。生活保護による教育扶助、また就学支援を通じました、就学援助を通じまして支援をしているところでございます。
また、公立の小中学校等におきましては、学校給食施設の整備に要する経費の一部につきましても国庫補助をするなど、国として必要な支援を行っております。
引き続きまして、学校給食法等に基づきまして、国の責任を果たし、学校給食の充実、図ってまいります。
吉良よし子
学校給食の充実に努めていくっておっしゃったんですけどね、先ほど来、生活保護とか就学援助を通じて支援をしていくとおっしゃっているんですけど、内閣府の調査では、その利用率というのは一割程度にしかすぎないんです。シングルマザーなど本来だったら対象になり得る世帯であっても利用していない事例があって、その理由は、自分がその対象になるとは思えないからと、若しくはその制度自体を知らないからと、そういう事例があると聞いているわけです。
つまり、今の現状では必要な世帯にも行き届かない状況があるわけです。そういう世帯をも全てカバーするためには、一律に無償化していけば必ずカバーできるわけですから、そういう意味でも、学校給食そのものを、全部を無償化していくというのは意味があることだと思いますし、憲法二十六条の義務教育無償の原則からも、本来であれば国が学校給食の負担軽減、無償化を進めるべきだと思うわけです。
以前、私この委員会で指摘したこともあるんですが、教科書を無償にした一九五一年当時も、当時の政府が、できれば学校給食費も無償にすることが理想だということを答弁したことがあるわけです。それからもう七十年以上たっていて、国の財政状況、当時と比べればはるかに豊かになっているのは間違いないわけで、条件は整っていると思うわけです。
そして一方、この間の物価高騰というのは本当に深刻で、各自治体にとっては、学校給食費を値上げするか、若しくは給食の食材の質を落としたり量を減らしたりして対応するか迫られるような状況になっているわけです。これについては、この間、文科省が臨時交付金の活用でと言っていてと、それこそ三月一日の予算委員会で総理も、九九%の自治体がそれによって値上げが抑制、給食費の値上げが抑制されていると答弁されているわけですが、この地方創生臨時交付金、でも、この三月で一旦終了すると聞いているわけです。
だから、四月以降、新年度以降の対応が見えていないのが問題なわけですけれども、この臨時交付金が一旦終わった後の四月以降、国の交付金がなければ学校給食費値上げせざるを得ないという自治体、あるのかどうか、文科省、把握されていますか。
政府参考人(藤原章夫君)
今般の学校給食における食材費高騰に対しましては、地方創生臨時交付金を活用した保護者負担軽減に向けた取組を促し、今御指摘もありましたようにほとんどの自治体において取組が進んでいると、こういう状況であると認識をしております。
現時点において、四月以降の各自治体における学校給食費の状況につきましては、文科省としては調査を行っておらず、承知はしておりません。
吉良よし子
把握されていないということなんですけれども、私が把握した範囲でも、もう四月から値上げすると表明している自治体が少なくとも三つは確認できています。また、大阪府下の自治体などでは臨時交付金も活用して無償化実施している自治体も多数ある現状ですが、全て三月末までの時限的措置となっているところがほとんどで、四月以降については未定だという話だと聞いています。
一方、今続いている物価高というのは決して四月になったら終わりということではないわけで、やはりこの四月以降も各自治体が学校給食費値上げしなくても済むようにしなくてはならないと思うんですが、大臣、いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
物価高騰に対しましては、大変多くの自治体が地方創生臨時交付金を活用していただきまして、保護者の負担軽減に取組をしていただいたところでございます。
これから先の物価高騰につきます取組につきましては、今後の政府全体の取組の中で、関係省庁と連携を図りつつ、適切に対応してまいる所存でございます。
吉良よし子
よく分からないんですけれども、今後、四月以降、どうされるおつもりですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
今後の政府全体の取組の中で、関係省庁と連携を図りつつ、適切に対応してまいります。
吉良よし子
いや、つまり文科省は承知しないということですか。臨時交付金はもう今後は一切出ませんよと、各自治体で何とかしてくださいねと、そういうことですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
今後の政府全体の取組の中で、関係省庁と連携を図りつつ、適切に対応してまいります。
吉良よし子
いや、少なくとも臨時交付金を引き続き出してもらうように交渉しますとか、そのくらいのことは言えないんですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
これからしっかりと議論をしながら、適切に対応させていただきたいと考えております。
吉良よし子
いや、ちょっと余りにも無責任だと思うんですよね。この学校給食費、せっかく無償になっていたのに、若しくは物価高騰の分だけでも負担軽減されていたのに、それが値上がりになるかもしれない、どうかという、この三月、瀬戸際なわけですよ。そのときに、この先の見通しが全く示さない文科省、ちょっとこれは余りにも無責任だと言わざるを得ないと思うわけです。
先ほど、学校給食充実してまいりますと大臣おっしゃったわけですけれども、国からの支援がなければ新学期から値上げせざるを得ないような自治体もあるというのは確かなわけですよ。さもなくば食材の質を落として対応する、それは給食の質が低下することですから、全くこの学校給食の充実の真逆を行く話になってしまうわけで、やはり学校給食の充実と大臣おっしゃるのであれば、それには国、文科省がちゃんと責任を持つべきじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
学校給食費の無償化につきましては、学校の設置者と保護者との協力によりまして学校給食が円滑に実施されることが期待されるとの学校給食法の立法趣旨を踏まえまして、設置者である自治体において適切に御判断いただくものと考えております。
従前から無償化を実施している自治体におきましては、それぞれしっかりとやっていただいておりますが、そこのところは、これからのことは各関係府省と連携しながら、一緒になりまして政府全体として取り組んでまいります。
吉良よし子
やはりはっきりおっしゃられないと。私は、やっぱりちゃんと国が責任持って、少なくとも物価高騰に対する対策分は責任持つと、安心してくださいと言わなきゃいけない局面だと思いますが、大臣、いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
大変同じ答弁で申し訳なく思っておりますが、物価高騰に対する取組につきましては、今後、政府全体の取組の中で、関係省庁と連携を図りつつ、適切に対応してまいります。
吉良よし子
では、確認をしたいと思います。
この全国の学校給食無償化、例えばやるとした場合に掛かる費用というのはどの程度なのか、最新の試算、文科省、お答えください。
政府参考人(藤原章夫君)
令和三年度学校給食実施状況等調査の結果を基に、完全給食が実施されている公立小中学校の児童生徒数に年間の平均学校給食費を掛けて機械的に算出した場合、その経費は年間約四千六百億円となります。
吉良よし子
四千六百億円、決して安くはないとは思いますが、でも本当に出せない額なのかと。
岸田政権はこの間、大軍拡のために五年間で四十三兆円、軍事費を確保するとおっしゃっているわけです。この四十三兆円あれば、学校給食無償化、九十年ぐらいは続けられるという計算になるわけですよ。百年近くですよ。
そうじゃなくても、そもそも教育、文教の予算は足りないし少ないわけです。抜本的に増やすべきだということはこの委員会でも長年議論がされてきたところなわけですが、やはり、学校給食無償化を本当に実現するためにも、教育を更に充実させていくためにも、私は、大軍拡なんかではなく、未来の子供たちのための教育予算こそ抜本的に増やすべきだと、総理や財務省に文科大臣がちゃんと言っていくべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
本当に繰り返しになって申し訳ございませんが、学校給食費の無償化につきましては、学校の設置者と保護者との協力によりまして学校給食が円滑に実施されることが期待されるとの学校給食法の立法趣旨を踏まえまして、設置者であります自治体において適切に御判断いただくものと考えております。
教育費につきましては、これまで幼児教育、保育の無償化、高等学校等就学支援金によります授業料支援、高等教育の修学支援新制度など、学校段階全体を通じた教育の無償化、負担軽減に取り組んできたところでございます。
また、給付型奨学金と、これ授業料の減免につきましては、令和六年度から負担軽減の必要性の高い多子世帯や理工農系の学生等の中間層へ対象を拡大することとしているわけでございます。この具体的な制度設計、これしっかり進めてまいりたいと思っております。
今後とも、教育に係ります経済的な負担軽減の取組を通じまして教育の機会均等に努めてまいりたいと、そう思っている次第でございます。
吉良よし子
いや、そうではなくて、学校給食無償化ももっと進めるべきだと思いますし、そのためにも教育予算そのもの増やすべきじゃないですかという質問なんですが、大臣、所見いかがですか。
文部科学大臣(永岡桂子君)
子ども・子育て政策につきましては、こども政策担当大臣の下に設置されました、これ関係省庁会議において議論を行いまして、三月末を目途に具体的なたたき台を取りまとめると承知をしております。文部科学省といたしましては、内閣官房を始めとする関係省庁としっかり連携、協力をしてまいります。
いずれにいたしましても、今後とも、必要な教育予算確保、教育に係る経済的な負担軽減、これも図ってまいります。
吉良よし子
いや、文教予算を抜本的に増やすために頑張りますとも言えないというのは、大臣、ちょっと情けないと私思うんです。
学校給食無償化に公金を回すということは、決して教育だけの話じゃないし、負担軽減にもとどまらないと私思うんですよ。例えば、学校給食っていうのは、地産地消の給食だって進められているわけなんです。そういう地産地消の給食というののためにお金を回すということは地域経済の活性化の資源にもなり得るわけですし、例えばこの間でいうと、脱脂粉乳、これ給食のパンに使われているということなんですけれども、これ国産化してほしいって酪農家の皆さんがおっしゃっているのを聞きましたけども、今大変な畜産、酪農を救うことにもつながり得る、そういうお金になっていくわけです、学校給食の予算というのは。
そういう質の高い給食を無償で全国の子供たちに食べさせていく、そして地域活性化も求めていく、こういうことこそがやっぱり国の責任なんじゃないのかと、文科省の責任なんじゃないのかと。やはり、教育予算しっかり確保して、学校給食の充実目指すべきだということを心から申し上げまして、質問を終わります。