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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2023年・第211通常国会

【私立学校法改正案】自主的解決の仕組みを 私立大不祥事で主張

要約

 私立大学の不祥事案への対応を定めた改正私立学校法が4月26日の参院本会議で全会一致で可決・成立しました。

 日本共産党の吉良よし子議員は同25日の参院文教科学委員会での採決に先立つ質疑で、理事長などの専横や暴走による不祥事案の解決にむけて学校法人が自主的に解決する仕組みや不祥事に至らない仕組みをつくるべきだと主張しました。

 吉良氏は、東京女子医科大の事例も紹介し、「学校、大学の運営で教職員の意見をまるで聞かない法人運営というのはありえない」と指摘。永岡文科相は「教職員は教学面の専門性があり、幅広い関係者の声を適切に学校法人運営に反映させていくために大きな役割を担う」と答えました。

 吉良氏は、日大の不祥事が子会社を舞台に行われたとして、改正による規定新設で監事による子法人への調査が可能になると評価。一方で、一般法人を子法人とする定義では、同窓会など私学独特の組織が対象外になりかねないと指摘し、これら組織にも着目したものとするよう求めました。永岡文科相は「国会における審議を踏まえ、今後の関係者の意見も聞きながら具体的に検討する」と答えました。

しんぶん赤旗2023年5月2日付より抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 この間、私立学校、私立大学で不祥事と言われる事例が残念ながらあり、その原因が理事長の専横、暴走で、それを止められないことが問題を大きくしている例が多いわけです。大臣も衆議院の質疑の中で、私立大学の不祥事について原因は様々としつつも、理事や評議員の人事権、財産処分などの重要な権限が理事長と特定の者に過度に集中させることが可能であったり、理事長等の執行部に対する監視、監督の機能が弱かった、脆弱であったと考えられると答弁されております。
 つまり、こうした理事長などの専横や暴走を止めて不祥事に至らない仕組みをつくること、そして学校法人、学校そのものが自らの力で自浄作用を発揮して、自主的にこうした不祥事問題を解決できるようにするということがやっぱり何よりも大事だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(永岡桂子君)

 我が国の公教育を支えます私立学校というものが社会の信頼を得まして今後も持続可能な発展を遂げるために、社会の要請に応えつつ、自らが自主性を持って実効性のあるガバナンス改革を推進することというのは極めて重要でありまして、今般の改正はそれを後押しするものということでございます。
 学校法人の適切な運営のためには、人事に関します仕組みだけではなくて、不正等の予防ですとか問題が発生した際の対応の仕組みを含めまして、不祥事の防止に資する仕組みを総合的に構築することが必要であると考えております。
 具体的には、今般の法改正におきまして、理事選任機関が理事を選任すること、監事の選任をこれ評議員会の決議によって行うこと、そして評議員会によります監事に対する理事の行為の差止め請求ですとか責任追及の求めなど評議員会の権限強化、そして内部統制システムの整備の義務化、刑事罰や過料の新設など様々な仕組みを整備しているところでございます。
 今般の制度改正の効果を最大限発揮させるためにも、学校法人自らが率先してガバナンス改革を行っていただくことが重要であると考えております。制度の適切な運用が全ての学校法人でなされますように、文部科学省といたしましても、モデル寄附行為の作成等を通じまして、制度改正の趣旨等の周知徹底、しっかりと図ってまいりたいと考えております。

吉良よし子

 こうした不祥事問題、自浄作用を発揮して解決できるようにというための法改正であるということだと思います。
 ここで、事例を紹介したいと思うんです。
 東京女子医科大学では、二〇二〇年六月に新型コロナ禍による大幅な減収、赤字を理由に理事会が教職員、医師、看護師に対して夏季の一時金ゼロを回答したことが明らかになって、大きな衝撃が広がりました。批判を浴びてさすがにゼロではなくなったものの、夏の一時金は前年の半分、冬は六割、定期昇給ゼロということで、その結果、医師、看護師らの大量退職が続いて病床数が大幅減となったわけですが、その背景に理事長の公私混同疑惑があると、昨年四月に疑惑の金として週刊誌報道がされています。
 この職員給与は大幅にカットした一方で、その当時、理事長始め役員の報酬は大幅にアップされたんだとか、さらには、理事長自身が会長を務める同窓会が運営する病院から職員を迎え入れて、しかも架空請求があるのではないかとか、専属の運転手として親族に多額の出金をしているのではないかなど、業務上の横領や背任の疑いなども挙げられていて、この間、OG有志による刑事告発も出され、それが受理されたというところなわけですが、この問題の背景には、やはりこの理事、監事、評議員の大半が理事長言いなりになっていて、自浄作用が全く期待できない状況なんだということが言われているわけです。
 この問題について同窓会での緊急集会が行われた際に、ある現場の医師の方が、いや、本当に働いている側の気持ちが全然理事会に伝わらないなというのがかなり思うところだと、本当に現場は混乱していますし、本当に患者さんをこの病院で守り切れるのかなと思うような場面が多々あるんだと、このままだとこの病院のシステムのせいで患者さんが死んでしまうかもしれないなと思うような場面も近年すごく増えていると。でも、そういうところを上に伝え切れないんだと。そういう訴えもあったというふうに聞いているわけです。
 でも、教育はもちろんのこと、この大学病院であれば命に関わる現場での切実な現場の声があるわけですけど、それが運営に反映されない、不祥事が改善されないというのは本当に問題だと。ちなみに、東京女子医大では昨年九月に、この件に関して、有志の教授らから理事会、監事宛てにこの件の質問も出された、質問書というのも出されたんですけれども、それに対して問題ないとする回答が出されただけで、結局その運営の改善にも問題の解決にもつながっていないと聞いているわけですが、先日の参考人質疑では、関西学院大学前学長の村田参考人が、現場の意見が全く反映されないガバナンスというのはあり得ないとおっしゃっていました。
 大臣、やはり学校、大学の運営、また、この今回の、先ほどの事例の大学の場合、病院の現場もありますが、そういう現場の意見をまるで聞かない法人運営というのはあり得ないと思いますが、いかがでしょう。

国務大臣(永岡桂子君)

 学校運営、学校法人の運営に当たりましては、特定の利害関係に偏りませんで、幅広い関係者との対話によりまして、公共性を維持して、そして社会の信頼を得ていくことが必要と考えております。
 特に、教職員は、教学面につきまして、それに本当に専門性があります。専門性を有しつつ、児童生徒や学生、また保護者を始めといたします幅広い関係者の声をこれ適切に学校法人運営に反映させていくために大きな役割を担う者であると考えております。
 教学面と経営面の協調の必要性という学校法人の持つ独自性に鑑みまして、教職員の意見を踏まえた法人運営の重要性、これはしっかりと周知をしてまいりたいと思っております。

吉良よし子

 幅広い関係者の意見も当然だし、教学の専門性を適切に反映させるためにも教学の意見というのは本当に大事だということだったと思うんですが、今回の法改正での評議員会の構成見てみると、教職員は三分の一が、三分の一が上限とされているわけです。これでは、上限のわけですから、たとえ一人であったとしても要件満たされてしまうわけですが、なぜ目安とか、必要な、三分の一を目安とするとか三分の一は必要であるとかではなくて、上限としてしまったのか。いかがですか。

文部科学省高等教育局私学部長(茂里毅君)

 お答え申し上げます。
 教学面と経営面の協調の必要性という学校法人の持つ特殊性に鑑み、教職員の意見を踏まえた学校経営ができるよう、現行制度におきましても、評議員には教職員を必ず含めなければならないとされているところでございます。このことは改正後においても変わるものではございません。
 他方、大学、学校法人のガバナンス強化の観点からは、評議員会におきまして、特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映することが極めて重要だと認識しております。これらのバランスを考慮いたしまして、評議員、教職員評議員が評議員に占める割合を三分の一以下としたところでございます。
 また、日本私立学校振興・共済事業団のアンケート、これによりますと、大学を設置する学校法人における評議員に占める教職員評議員の割合は三三・五%、また高校以下法人における評議員数に占める教職員評議員数の割合は二三・三%、これ先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
 このようなことから、教職員評議員の割合につきましては、こういった実態、さらには法全体の整合性などを加味しながら、三分の一を上限とすることは妥当だと考えたところでございます。

吉良よし子

 いや、バランス考慮しているし、まあ現状を考慮しているんだというお話だと思うんですけれども、しかし、やはり上限としてしまうと、その教職員の声、取り入れる気がないところではやはり少なくなってしまうんじゃないかという問題があると思うんです。それこそ、東京女子医大のように、余りに現場の声、教員の声が届かないと言われる事例を見ると、やはりもっと教職員の声が運営に適切に反映される仕組み、本当に必要だと思うわけです。
 参考人質疑でも、丹羽参考人が、大学あるいは学校法人の運営は教学からのボトムアップで合意を得ながら意思決定していく仕組みを持っている学校では不祥事を余り見ないとおっしゃっていたわけです。
 この評議員の選任において、やはり教職員が自ら選ぶボトムアップの仕組み、していくべきではありませんか。

政府参考人(茂里毅君)

 参考人質疑の中では、各委員からは、そのバランスが重要だという話がございました。その際には、やはりそのボトムアップ、これを全くしないというわけではなくて、トップダウン、そしてボトムアップ、それぞれが相まって、協働し合いながらいい学校経営をやっていただいていくというのが極めて理想的だと思ってございます。
 今回の法改正につきましては、そういったことも踏まえまして、バランスを重視しながら適当な措置を講じたところでございます。

吉良よし子

 それぞれが相まってと。それぞれでやっている法人があればいいんですけれども、やっているところはあるわけですけれども、やはりそれを推奨していくぐらいのことはやっぱりしていかなきゃいけないと思うんです。
 そして、やっぱりその大学任せにしておく問題というのもこの間も指摘されてきたわけですけれども、例えば、この今回の法改正で、理事、監事、評議員、理事会、理事長だけでは選任できないよう改善をされたと思いますが、しかし、その理事選任機関の構成などは寄附行為任せになっていて、先ほど来あるとおり、理事長や理事会がその役割を担うということも可能になっているというところの問題も指摘されているわけです。
 先ほどの東京女子医大の場合、寄附行為を見ると、この理事会も、そして評議員会も、その構成については、それこそ教授からも、そして同窓会からも選ぶという、そういうことにはなっているんです。しかし、よく見ると、それぞれ人数が定められていて、同窓会からの人数が最多なんです。で、教職員の人数は、同窓会からの人数を上回らない構成になってしまっているんですね。ちなみに、先ほども申しましたが、東京女子医大の場合、現在の理事長がその同窓会の会長も兼ねているわけで、つまりは、そうなると、その同窓会からの選出が多ければ、事実上この同窓会を通じた理事長の支配ということが可能になってしまうと。こういう寄附行為を認めてしまったら、やはりそういう権力の集中、権限の集中というのが防げないんじゃないのかと。
 やはり、理事選任機関の在り方だけではなくて、評議員や理事会の構成なども寄附行為に任せることでこうした権限の集中になりかねないじゃないのかと。そういう寄附行為任せにすることで生じ得る、この権力の集中を防ぐ、その防ぐということが必要なのではないでしょうか。大臣、いかがですか。

国務大臣(永岡桂子君)

 お答え申し上げます。
 今般の法改正は、我が国の公教育を支えます私立学校の教育研究の質の向上を図る観点から、建学の精神を受け継いでいる理事会が意思決定機関、評議員会が諮問機関であるという基本的な枠組みを維持しつつ、評議員会の監視、監督機能を可能な限り高めまして、特定の機関、特定の層に権限が集中することにならないようにガバナンス改革を進めるものでございます。
 御指摘の理事選任機関ですとか、また評議員会の人事の仕組みにつきまして、現行制度でも学校法人ごとに多様な方法で行われておりまして、具体的な取組は各学校法人に任せているところでございます。
 その上で、今回の法改正においても、理事、理事会が選任する評議員数に上限を設定するなど、実効性のある改革を実現するための仕組みを設けたところでございます。
 加えまして、学校法人の適切な運営のためには、人事に関する仕組みの整備だけではなくて、不正などの予防や、また問題が発生した際の対応の仕組みを整備することなど、理事の業務執行ですとか理事会及び評議員会運営の適正性を確保する仕組みを総合的に構築する必要があると考えております。
 今後、理事ですとか評議員の選任に当たりましては、今般の法改正の趣旨を踏まえた適切な運用が全ての学校法人でなされることになりますように、文部科学省といたしましても、モデル寄附行為の作成等を通じて、これしっかりと働きかけてまいります。

吉良よし子

 権限集中しないためのガバナンス改革だし、それを、趣旨を徹底するということは本当に大事だと思うんですけれども、やはり、こうした寄附行為任せによる牽制機能の形骸化を防ぐためには、やはり、この間、先ほど来もう何度も質問ありましたけど、せめてこの新設する理事選任機関について、少なくとも大臣所轄法人については理事長、理事会としない、理事長、理事会が自ら理事を選ぶようなことをしないようにさせるべきと考えますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(永岡桂子君)

 繰り返しになりますけれども、今般の法改正は、我が国の公教育を支える私立学校の教育研究の質の向上を図る観点から、建学の精神を受け継いでおります理事会が意思決定機関、評議会がこれ諮問機関であるという基本的な枠組みを維持しながら、評議員会の監視、監督機能を可能な限り高めようという、そういうガバナンス改革を進めるものでございます。
 現行法でも、理事の選任、解任は学校法人ごとに多様な方法で行われておりまして、理事会が関係者から信任を得て、建学の精神に基づいて肯定的に学校運営を行う基盤ともなっていることなども踏まえて、具体的な理事選任機関の取扱いにつきましては各学校法人の判断に委ねております。
 このような基本的な考え方につきましては、大学の、大臣の、ごめんなさい、大臣所轄法人とそれ以外の法人との間で異なる環境にあるものではなく、同一の取扱いをする必要があると考えております。
 その上で、今般の法改正の趣旨を踏まえた適切な運用が全ての学校法人でなされますように、文部科学省といたしましても、モデル寄附行為の作成等を通じまして働きかけてまいります。

吉良よし子

 建学の精神を尊重するということは本当当然なんですけれども、しかし、この寄附行為次第で牽制機能が形骸化することのないように、これは本当にしっかり運用していただきたいと思います。
 今回の改正で、監事が子会社を調査することができるという規定が新設されたことも大事なポイントだと思うんですけれども、この法案の対象とする子法人の範囲、定義はどうされるのですか。

政府参考人(茂里毅君)

 お答え申し上げます。
 子法人の具体的内容につきましては、一般社団法人、一般財団法人、こういった制度を参考に、文部科学省令で定めることといたしているところでございます。
 具体的には、子法人の意思決定に関し相当程度の関与があると認められる場合、例えばでございますけれども、学校法人が議決権の過半数を有するような場合であったり、学校法人の役員等がその子法人の意思決定機関の構成員の過半数を占めるような場合、こういったことを想定しながら規定することを検討しているところでございます。

吉良よし子

 まあ議決権とか出資の状況とかそうしたものがキーワードになってくる、そういう定義になってくるのだろうと思うんですけれども、また先ほどの東京女子医大の例を挙げますけれども、この場合、同窓会が運営する病院との間で不透明な金の流れというのがあったと、それが問題になっているわけですけれども、この場合、この同窓会の会長というのが大学の理事長その人なわけですけれども、それは出資関係とかその役員の構成とかでは測れない、しかし相当の権力関係というのは影響があるということは示唆されるわけですけれども、そうすると、今のお話でいくと、この同窓会運営の病院というのは子法人の定義から外れかねないと思うわけですけれども、やはりそういった子法人の定義については、一般的な子法人の定義にとどまらない、こういう同窓会とか大学にまつわる様々な組織があるわけですから、そうした私学の独特な組織の在り方に着目したものにすべきと思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(永岡桂子君)

 子法人の具体的な内容につきましては、文部科学省令で定めることとしております。
 検討に当たりましては、既に同様の仕組みが存在をしております一般社団法人、また財団法人制度等を参考とすることを考えておりますけれども、国会における審議を踏まえまして、今後の関係者の意見も伺いながら具体的に検討してまいりたいと、そう考えております。

吉良よし子

 定義を狭くすることによって、せっかく権限ある、調査の権限が及ばないなんてことにならないように是非していただきたいと思います。
 ちなみに、日大の背任事件の舞台となったのも日大の子会社、日本大学事業部であったわけですが、本改正では情報公開、現状よりも更に進めているわけですが、この子法人については学校法人自らが情報公開すべきではないかと思いますが、これもいかがでしょうか。

政府参考人(茂里毅君)

 お答えいたします。
 現在でも、学校法人の出資割合が二分の一以上の会社がある場合、当該学校法人の計算書類に注記として当該会社の名称や事業内容などの情報を記載することとなってございます。また、今回の改正によりまして、監事や会計監査人に対して子法人の調査権限を付与することといたしているところでございます。
 子法人はあくまでも学校法人とは別の法人であるため、子法人の詳細な情報の公開につきましては、当該子法人が属する法人、法人法、法制ですね、におけるそのルールに従って行われるべきものと考えておりますが、今回の改正の趣旨を踏まえ、学校法人に対し、その有する子法人における情報公開などのガバナンスの徹底を求めるようなその工夫、これについて検討してまいりたいと思います。

吉良よし子

 情報公開の工夫進めるということで、是非、子法人も含めて、情報公開していくように進めていただきたいと思います。
 もう一つ事例を御紹介します。盲目のピアニスト、辻井伸行氏を輩出したことで知られる上野学園大学です。
 二〇二〇年七月に突然募集停止を発表しました。これは、少子化で応募者が減って、人件費が経営を圧迫しているなどということで説明をされたわけですが、その実態、その背景にあるのは、理事長一族による学園の私物化だと言われているんです。理事長自らが社長を兼務し、一族で役員を占める管理会社に相場よりも高額な業務委託費を学園から支出して、学園とその会社の双方から一族がダブルインカムを続けていたと。その間、学園の赤字が続いていて、一族は総額十億円超えの損失を学校法人に与えたとされているわけです。この当時の理事長というのは退任したんですが、その理事長の配偶者が新しい理事長になって、その新しい理事会では旧経営陣の責任は問わないという結論を出したと。
 まさに現行の私学法の課題があらわになった事例の一つだと思うんですけれども、この上野学園では、その損失穴埋めということで、例えばバッハの楽譜をオークションで売却したとか大学の音楽ホールを売却すると、もう音大としておよそ信じられないことをしているわけですが、この重要な財産の処分というのは、現状でも評議員会の意見を聴くようにはなっているわけですが、じゃ、この重要な財産とは何を指しているのか、音大のこの音楽ホールなども含まれるのでしょうか。いかがですか。

政府参考人(茂里毅君)

 お答えいたします。
 御指摘のとおり、現行の私学法におきましても、重要な資産の処分に関する事項は評議員会の意見聴取事項とされているところでございます。この重要な資産の処分につきましては、文科省において作成いたしております寄附行為作成例において、基本財産の処分並びに運用財産中の不動産及び積立金の処分、こういったこととしてございます。
 個別具体的なケースにつきましては、あくまでもケース・バイ・ケースだと考えておりますが、例えば例を申し上げますと、学校法人の総資産に占める割合が大きい校舎や校地の売却、あるいは極めて高額な設備の売却、当該学校法人が通常行う取引でない不動産の処分などが該当する場合もあると考えられます。
 御指摘のありました件につきましては、例えば、極めて高額な設備の売却などと照らして検討する必要があるかと思います。

吉良よし子

 まあ音大で音楽ホールといえばもう重要な財産に当たると私は思うわけですけれども、けれども、この上野学園の場合は、このホール売却、もう理事会だけで決められてしまっているわけです。ホール売却にとどまらず、募集停止というのも、教授会などでも議論されず、理事会が一方的に発表したと。やっぱりこれで一番影響されるのは学生なわけです。この募集停止の決定された後、学生には他大学への転学というのが勧められて、もう不安と戸惑いが一気に広がっているという状況なわけです。
 大臣、こうした、今回では重要な寄附行為の変更というのは評議員会の決議も要するみたいなことにはなったわけですけれども、やはりこういった募集停止、数年後に学部廃止を伴うような募集停止もやはり理事会だけで決められないようにする、評議員会での議決事項、審議事項を更に拡大していくべきと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(永岡桂子君)

 学校法人のガバナンス改革につきましては、もう執行と監督、あっ、監視、監督の役割の明確化、分離を基本的な考え方としながら、理事、理事会、監事及び評議員、評議員会の各権限を明確に整理をいたしまして、そして建設的な協働と相互牽制を確立することで実効性のあるガバナンス構造を構築することが求められております。
 このような観点から、今回、大学、大臣、ごめんなさい、大臣所轄の学校法人等におきまして、学校法人の基礎的な変更に関わります任意解散、合併、軽微な変更を除く寄附行為の変更につきまして評議員会の議決事項としております。
 このとき、学校法人の基礎的変更を広く捉えた場合には、時代の変化が激しい中で、学校法人自体の機動的な意思決定に支障を来す場合もあると認識をしているところでございます。そのため、任意解散、合併、軽微な変更を除く寄附行為の変更以外の事項に関する具体的取扱いにつきまして、一律ではなくて個々の法人の判断に委ねるものとしたものでございます。
 このような考え方に基づきまして、御指摘の、数年後に学部、学科の廃止を伴うような募集停止につきましては、従来どおりに評議員会の議決を求めてはいないところではございますが、各学校法人の判断におきまして寄附行為に定めることで、評議員会の議決を要するとすること、これは可能でございます。

吉良よし子

 是非、運営側の勝手な決定で学生の学びや人生左右させるようなことにならないように、是非そうしたガバナンス強化、求めておきたいと思います。
 以上で質問を終わります。