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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2023年・第211通常国会

スポーツ振興に逆行  神宮外苑再開発ただす/幼稚園 配置基準改善し職員増を/私立学校 養護教諭 配置改善を

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は13日の参院文教科学委員会で、明治神宮外苑(東京都港区・新宿区)の再開発により、スポーツの聖地として地域住民に親しまれてきた場所が一変してしまうと指摘し、文部科学省は「スポーツ振興に責任を持つべきだ」とただしました。

 吉良氏は、再開発計画では神宮球場と秩父宮ラグビー場を入れ替え、6面ある軟式野球場やバッティングセンターをなくし、テニス場は有料会員向けになると述べ、「地域住民、子どもたちが身近に使ってきたスポーツ施設が削減されることは、スポーツ振興と相いれない」と批判しました。

 永岡桂子文科相は、同エリアの開発は所有者の明治神宮の管轄だとし、「文科省はコメントする立場にはない」と無責任な答弁に終始。吉良氏は、文科省が所管する独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)が保有するラグビー場の移転で、野球場が確保できなくなると指摘し、「全く無関係ではない」とただしました。

 また、地域住民が事業計画の詳しい説明を求める要請を文科相あてに出したことや、開発工事に伴う日常環境への影響を不安視する住民の声を紹介。住民の声に向き合い、「文科省やJSCが責任を持って住民に説明すべきだ」と迫りました。

 永岡文科相は、都や区、地権者らの関係者が協議することで、「文科省としては検討の状況を注視していく」と述べ、まともに答えませんでした。

しんぶん赤旗6月14日付けより抜粋

議事録

吉良よし子君 

 日本共産党の吉良よし子です。
 樹齢百年の美しいイチョウ並木やケヤキ、ヒマラヤスギなどの木々が茂る都心のオアシス、東京都新宿区と港区にまたがる神宮外苑、これが再開発の波にのみ込まれようとしています。神宮外苑は、全国各地からのお金や、木々、樹木の寄附などによって造られた文化遺産で、都民がスポーツに親しめる拠点でもあるわけですが、現在、この神宮球場と秩父宮ラグビー場を入れ替えて、百九十メートル級のビル二棟を含む四棟のビル、ホテルを建設するという大開発が進行中です。
 お配りの資料も参考に見ていただきたいと思うんですが、歴史あるイチョウ並木などの自然や景観を破壊する計画、これに反対の声が今大きく沸き上がっているところです。
 故坂本龍一さんは、亡くなる一か月前に都知事らに手紙を出して、目の前の経済的利益のために、先人が百年を掛けて守り育ててきた貴重な神宮の木々を犠牲にするべきではありません、開発によって恩恵を得るのは一握りの富裕層にしかすぎませんと、再開発の見直しを求めました。四月には坂本さんに賛同する市民六千人以上が外苑前に集まり、再開発見直しを求めるネット署名も今、十九万七千筆以上となっています。
 問題は木々の伐採だけではありません。例えば、この事業は新たなスポーツクラスターをつくる計画だと、スポーツ振興のためのものだとも説明されているわけですが、実際には、お配りした資料の地図の右上に現在ある軟式野球場など、近隣の地域住民や子供たちが自由に身近に使用してきたスポーツ施設が軒並みなくなってしまう計画になっています。この六面あった野球場というのは全て廃止、バッティングセンターもなくなって、テニス場というのは、再開発後は有料の会員向けのものしか残らないということなんです。
 大臣、こうした野球場など、地域住民、子供たちが身近に使ってきたようなスポーツ施設が削減される、これはスポーツ振興とは相入れないと思いませんか。

国務大臣(永岡桂子君)

 お答え申し上げます。
 御指摘の軟式野球場等がありますエリアにつきましては、再開発事業の対象ではなくて、当該エリアの土地やスポーツ施設を所有する明治神宮が再開発事業と同時期に整備するものと承知をしておりまして、文部科学省としてコメントする立場にはないと、そう思っております。
 また、本件の再開発事業につきましては、東京都及び新宿区、港区におきまして、地権者を始めといたします関係事業者と協議しながら適切に対応していくべきものと考えておりまして、文部科学省といたしましては、その検討の状況というものはしっかりと注視してまいりたいと思っております。

吉良よし子君 

 とても人ごとの答弁なわけなんですけれども、文科省が、じゃない、再開発、明治神宮のものなんだとおっしゃいますけれども、そもそも、この計画進める事業者には、文科省が所管する独立行政法人スポーツ振興センター、JSCが入っているわけです。そして、そのJSCが保有するラグビー場の移転が再開発の重要な事業で、その移転に伴って野球練習場がもう置けなくなってしまうんだと、そういう押し出されてなくなってしまうという計画になってしまっているわけですね、テニス場などを移動しなきゃいけなくなったということで。だから、文科省も全く無関係というわけではないし、そういう人ごとで答弁されては困るんだと、スポーツ振興の問題ですから。
 軟式野球場というのは現在も予約でいっぱいなんです。地元の少年野球団なども使っているもう人気の練習場であって、港区内の小学校のグラウンドというのはもう全て人工芝になっているので、もしこの外苑の野球場がなくなってしまったら、子供たちは江東区まで行かなければ野球ができないという状況になっていると。また、バッティングセンターもなくなるわけですが、一番近いバッティングセンターというのが新宿の歌舞伎町になってしまうと。
 大臣、再開発でこれらの施設がなくなって、近隣の子供たちは一体どこで野球などの練習をすればいいのでしょうか。江東区まで行けというのか、代替案があるのか、ちゃんと確認をされていますか。

国務大臣(永岡桂子君)

 明治神宮におきましては、現在、軟式野球場等がありますエリアに広場やテニス場を、また、三井不動産におきましては再開発事業エリアにおいて室内球技場等を整備するなど、東京都が策定いたしました神宮外苑地区のまちづくり指針に基づきまして、多目的に利用可能な誰もがスポーツに親しめる環境、広場空間の整備等を行う予定であると承知をしております。
 いずれにいたしましても、本件の再開発事業につきましては、東京都及び新宿区、港区において、地権者を始めとする関係事業者と協議しながら適切に対応していくべきものと考えております。文部科学省といたしましては、その検討の状況を注視してまいりたいと思っております。

吉良よし子君 

 六面あった野球場がなくなるということなんです。先ほど大臣は、多目的広場などが整備されるから問題ないでしょうというような御答弁だったんですけど、多目的広場と野球場は全く違うわけですよね。野球場、多目的広場で野球をしていたら、むしろ怒られて追い出されるような事態だって起きかねないわけで、代替できるようなものではないと思うわけです。
 この件に関しては、子育て世帯含む近隣住民の皆さん、明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会から、この事業計画の詳しい説明、こうした子供たちがスポーツに親しむ、そういう場や機会がどうなるのかという、その点についてちゃんと説明をさせてほしいという、してほしいという要請を文科大臣宛てに出されたとも聞いているわけです。子供たちが従来どおり自由にスポーツを楽しむことができる場所や機会を守られるようにというこの有志の会、住民の皆さんの声に、大臣、真剣に向き合うべきではないでしょうか。
 スポーツ施設の代替案、ちゃんと野球ができる場所、どこにどう確保するのか。六面あった分を一つにするとか、そんなんじゃ駄目だと思うんですけれども、どうするのかなど、文科省やJSCがちゃんと責任を持ってこういう近隣住民に説明すべきかと思いますが、いかがですか。

国務大臣(永岡桂子君)

 やはり、神宮外苑地区のスポーツ環境につきましては、東京都が策定をした神宮外苑地区のまちづくり指針に基づきまして、関係事業者において、多目的に利用可能な誰もがスポーツを楽しめる環境、広場空間の整備等を行うものと承知をしております。
 いずれにいたしましても、本件再開発事業につきましては、東京都及び新宿区、港区におきまして、地権者を始めといたします関係事業者と協議をしながら適切に対応していくべきものと考えておりまして、文部科学省といたしましては、その検討の状況を注視してまいります。

吉良よし子君 

 東京都が多目的な広場を活用するんだとおっしゃっているんだと言いますけど、やっぱり多目的だというのと、野球の練習できる場所というのは全く違うわけです、先ほど来申し上げているとおり。たとえ、スポーツといっても、体伸び伸び動かせればいいって話だけではないはずです。そういう野球とかテニスとか、目的に応じてルールに合わせてどう動くのか、そういうルールに合わせて技術を磨いていくことにこそ楽しみがあったり意義があったりするわけで、そういう子供たちが自由にスポーツそのものを専門的に楽しめる場が奪われようとしている問題なんだということなんです。
 野球場やテニス場だけではありません。外苑では、この間、ボランティアで行われていた自転車教室もなくなりました。また、小さい子たちの遊び場であった、にこにこパーク、これも閉鎖されて個人が使えなくなってしまいました。小さい、市民の憩いの場として、若しくはスポーツの聖地として、子供の楽園として、地域住民に親しまれてきた外苑が、この再開発で一変してしまおうとしているわけです。住民の皆さんは、計画内容にかかわらず、工事が始まればこの一帯はフェンスで囲われ、子供たちは十三年間にわたり緑の環境と自然に囲まれた生活を失うことに違いはありませんとも訴えているわけです。
 多数の木々の伐採、市民の使えるスポーツ施設がなくなってしまう、子供たちの日常、環境が壊されてしまうような再開発、このまま、まともな説明もなく認めるわけにはいきません。JSC保有の土地の権利変換などの問題も山積しているわけです。
 文科省は、やはり東京都や事業者任せにせずに、子供たちのスポーツ振興にちゃんと責任を持っていただきたいということを、この場で強く申し上げたいと思います。
 次に、請願に関わって、幼稚園の職員配置、学級編制基準について伺いたいと思います。
 本委員会に付託されている、私立幼稚園・認定こども園を始めとした幼児教育の充実と発展に関する請願では、幼稚園の教職員の大幅増員、設置基準のクラス定員の改正が求められています。もう、教職員の皆さん、多忙化改善のためにも、これ待ったなしだと思うんですけれども、現在、岸田政権が検討している異次元の少子化対策の具体化であるこども未来戦略方針案の二番、(2)、幼児教育・保育の質の向上では、保育士等の職員配置基準について、一歳児は六対一だったところを五対一へ、四、五歳児は三十対一から二十五対一へと改善するとあります。
 この配置基準の改善の対象というのは、保育所、保育士だけなのでしょうか。幼稚園についてはどうなのか、適用されるのか、こども家庭庁、お答えください。

こども家庭庁長官官房審議官(黒瀬敏文君)

 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、今般のこども未来戦略方針案におきましては、幼児教育、保育の質の向上について、四、五歳児の職員配置基準を三十対一から二十五対一へ改善することとされておりますが、これは、施設型給付費の対象となる幼稚園も適用になるものと考えております。

吉良よし子君 

 ちょっと分かりにくかったと思うんですけど、新制度に加わる幼稚園は対象と、そういうことでよろしいですか。

政府参考人(黒瀬敏文君)

 御指摘のとおりでございます。

吉良よし子君 

 つまり、新制度に加わる幼稚園は対象ですけど、それに加わらない幼稚園というのは残ってしまうというわけです。
 じゃ、この新制度に加わる幼稚園というのは全体何割になるのか、初中局長、お願いします。

文部科学省初等中等教育局長(藤原章夫君)

 私立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行状況等調査によれば、令和四年度までに約五八・二%の私立幼稚園が新制度の幼稚園や認定こども園に移行しているという状況でございます。

吉良よし子君 

 五八・二%、約六割にとどまっているわけですね。つまり、四割はこの新しい配置基準の改善の対象にならないままということです。
 じゃ、その幼稚園はどうなってしまうのか。幼稚園、その職員配置の基準となり得るのが、私は幼稚園の設置基準のクラス定員だと思うわけです。
 この幼稚園の設置基準では、学級編制基準、つまりクラスサイズが設定されていて、三歳から五歳まで一律三十五人とされているわけです。幼稚園の場合、大体一クラスに一人職員、教員が配置というところがほとんどなので、つまりは職員の配置ということで考えれば、これはつまり三十五対一の配置になるよねと、そういうクラスサイズ感だと思うわけですけど、保育士の配置基準というのは改善、現行でも、三歳児であれば二十対一、四、五歳児であれば三十対一というので比べても、一クラスで三十五人というのはやはり多いと。しかも、これは、平成七年、一九九五年からもう三十年近く変わらないまま来ていると。
 もう、保育士の配置基準も改善されようという今、この幼稚園の設置基準、クラス定員、やっぱり改善するべきではないかと。請願では、三歳児に合わせて二十人クラスにしてほしいという声があるわけですが、せめて四、五歳児、これから改善される二十五対一に合わせて一クラス二十五人、そういうふうに改善していくべきではありませんか。大臣、いかがですか。

国務大臣(永岡桂子君)

 お答え申し上げます。
 幼稚園におきましては、幼稚園設置基準によりまして、一学級の幼児数は三十五人以下を原則といたしまして、各学級に少なくとも専任の教諭等を一人置くこととされております。
 幼稚園の学級編制基準の改正につきましては、幼稚園教諭の人材確保の観点なども踏まえながら、慎重に検討していくことが必要であると考えております。
 なお、子ども・子育て支援新制度に移行している幼稚園につきましては、三歳児は十五人に一人、四、五歳児は三十人に一人の教員の人件費を助成をしておりまして、各園におきまして、副担任の配置や少人数学級の編制等に活用しているものと承知をしているわけでございます。
 文部科学省といたしましては、引き続きまして、こども家庭庁と連携をいたしまして、幼稚園等におけます体制の充実に努めてまいりたいと考えております。

吉良よし子君 

 定数とかクラスサイズを改善するとはおっしゃらないわけですね。副担任など配置している園もあるからいいんだと、そういうお答えだったと思うんですけど。
 確かに、実情に応じてそうして副担任など置けている園はあるでしょう。そういうところはいいんですよ。しかし、それができない園が取り残されている。そういう園で働いている先生方が本当に大変な思いして子供たちを見ている状況があるわけで、やっぱり全ての幼稚園の教員の負担を軽減するためには、やっぱり基準を見直して、職員数を抜本的に増やすことが必要だということを重ねて強く申し上げたいと思います。
 そしてもう一点、請願に関わって、養護教諭の配置についても今日伺いたいと思うんです。
 この委員会には、全ての私立学校に正規の養護教諭を配置し、子供の命と健康が守られる教育条件を求めることに関する請願も出されているわけです。この請願を出した養護教諭の皆さんのお話を私、聞きましたけれども、私立学校での養護教諭の配置というのは、体制は公立学校に比べて大きく立ち遅れているとの指摘があるわけです。
 学校基本調査を見れば、私立高校は千三百二十校あるわけですが、それに対して養護教諭は千三百九十六人配置されていると。数だけ見ると、各校に一人ずつは配置されているのかなと見えるわけですが、しかし、学校の中には、生徒数、千人超えの学校もたくさんあると。そういう千人超えの学校に一人しか養護教諭がいないというところもあると。もう、そうなると本当に、保健室の対応から健康診断から、全部一人でその千人分の、千人超える生徒の対応をしなきゃいけない、日々倒れそうになりながら業務に当たっているという話も聞いているわけですが、大臣、こういう生徒数が一千人を超えるような学校で養護教諭がたった一人、対応に追われるような状況というのは直ちに改善すべきではないかと思いますが、いかがですか。

国務大臣(永岡桂子君)

 児童生徒の心身の健康課題に対しましては、校長等の管理職の下、やはり養護教諭を中心として、教職員が連携し、組織的に対応することが重要だと思っております。
 私立の高等学校に関しましては、学校数と同程度の養護教諭が配置されているところでございます。私立学校につきましては、その特性に鑑みまして自主性が尊重されるべきものでございまして、教職員の配置につきましても、各学校の状況に応じてその設置者が判断をし、適切に対応されるものと考えております。
 養護教諭を含みます教職員の人件費等につきましては、所轄の都道府県により私立学校の経常的経費助成が行われておりまして、文部科学省においてその助成額の一部を都道府県へ支援をしているところでございます。
 そのような取組を通じまして、引き続きまして、私立学校の教育環境の充実に向け、必要な支援に取り組んでまいります。

吉良よし子君 

 聞いてないことにも御答弁いただいたんですけれども、私が聞いているのは、千人以上いる、生徒がいる学校に一人しか養護教諭がいないような状態で適切と思うのかと、それは大変なんじゃないんですかということでしたけど、それに対してはまともな御回答がありませんでした。
 全国私立学校教職員組合連合の養護教職員連絡会によりますと、千人超えどころじゃないんです。生徒数が二千人近いような学校でも、一年の期限付の非正規の、非正規の養護教諭が一人だけというところもあると。一人しかいないから、年休も取れないとか、毎日残業で昼食もまともに取れないとか、もう健康診断のときの負担は本当に大き過ぎるんだと、保健室での対応も全くできないんだと、そういう声が上がっているわけです。こういう実態を大臣には認識していただきたい。
 ここで確認しますが、公立高校では養護教諭の配置、複数配置の基準はどうなっていますか。複数配置の基準、お答えください。

政府参考人(藤原章夫君)

 公立高等学校に配置すべき教職員数につきましては、高校標準法に基づき、各都道府県等の学校設置者ごとの総数を標準として定めており、養護教諭についても、学校規模に応じて基礎定数を算定した上で、都道府県等が学校等の実情に応じて配置を行うこととなっております。
 現行の規定では、養護教諭の定数については、生徒の収容定員が八十一人から八百人までの全日制課程又は生徒の収容定員が百二十一人から八百人までの定時制課程の高等学校に一人、また、複数配置の基準といたしまして、生徒の収容定員が八百一人以上の全日制又は定時制課程の高等学校に更に一人が基礎定数として算定されることとなってございます。

吉良よし子君 

 つまり、八百一人以上の学校は、公立だったら二人以上養護教諭を置けるということになっているわけですけれども、配置しているわけですけれども、現在、私立学校については、先ほどあったとおり、千三百二十校にほとんど一人ずつしかいない状況であると。
 ちなみに、八百一人以上の私立学校というのは五百四十校あるわけで、それを計算すれば千八百人近い人数を本来だったら、公立並みにすれば配置できるはずで、それから比べると四百人足りない現状があって、それだけ現場が疲弊しているということです。もう、公立同様の配置、やっぱり私立でも行うべきではありませんか。大臣、いかがでしょう。

国務大臣(永岡桂子君)

 お答え申し上げます。
 学校教育法におきましては、高等学校には養護教諭を置くことができると規定をしておりまして、高校設置基準では、養護教育等、置くよう努めなければならないとされているところでございます。
 その上で、御指摘のとおり、公立学校におきましては、高校標準法に基づきまして、収容定員が八百一人以上の場合には複数配置がされることとなっております。一方、私立学校におきましては、先ほどお答えしたとおり、その特性に鑑みまして自主性が尊重されるべきものであることから、養護教員の、教諭の配置人数に関する標準的な基準は特段設けておりませんが、各学校の状況に応じてその設置者が判断し、適切に対応されるものと考えております。
 養護教諭を含みます教職員の人件費等につきましては、所轄の都道府県より私立学校の経常費、経費助成が行われておりまして、文部科学省におきましてその助成額の一部を都道府県へ支援をしております。
 このような取組を通じまして、引き続きまして、私立学校の教育環境の充実に向け、必要な支援に取り組んでまいります。

吉良よし子君 

 この養護教諭の配置というのは、子供の命と安全に関わる、教育内容ではない、教育条件への課題ですから、私立学校だからといって置き去りにしていい問題ではありません。
 この間、今日見てきた幼稚園の教員にしても、養護教諭の配置にしても、本当に現場では足りていないという声が多く上がっているわけで、待ったなしの課題であります。この両請願、是非とも文教科学委員会で採択して、国の責任として配置を、政府に取組を進めていくよう求めていこうということを呼びかけまして、私の質問を終わります。