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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2020年・第201通常国会

コロナ禍中高生の妊娠相談増 弱みつく性的搾取許すな 支援・教育充実求める

要約

 日本共産党の吉良よし子議員は21日の参院文教科学委員会で、新型コロナウイルス感染拡大で学校の休校が長引くなか中高生の妊娠相談が急増しているとして、相談支援体制の強化や性教育の充実を求めました。

 吉良氏は「報道によれば、NPO法人ピルコンには、月平均50件だった10代からの妊娠相談が3、4月には約200件あった。一般社団法人Colabo(コラボ)には、居場所のない少女から“泊めてあげる代わりにと性行為を強要された”などの相談が連日寄せられている」と指摘。「行くあてのない子どもの弱みに付け込んだおとなの性的搾取は断じて許してはならない」と述べ、政府の姿勢をただしました。

 萩生田光一文部科学相は「児童生徒の弱みに付け込む性的搾取はあってはならない。情報があふれるなか、性教育のあり方というか、時代に合った対応をしないと子どもを守れない」と答弁しました。

 吉良氏は、この問題の相談支援体制の充実を要請。萩生田氏は「児童生徒の性的被害防止、相談対応体制の充実に努める」と答えました。

 吉良氏は「中高生が自分の身を守りたくても守れない、方法を知らない状況を変える必要がある。緊急避妊ピルのオンライン処方が解禁されたことを含め、政府が積極的に情報発信するべきだ」と強調。「同時に、事前に被害を防ぐため、日頃から性別問わず正しい避妊法を知らせ、相手の身体を大事にすること、嫌なことは嫌と言える対等な人間関係を結ぶ大切さなどを学べる性教育を進めるべきだ」と主張しました。

しんぶん赤旗2020年5月22日号より抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 先ほどに続き、私も、この間、このコロナ禍において中高生の妊娠相談が増加しているという報道についても伺いたいと思っております。
 先ほどは熊本市の事例等が紹介されたわけですけど、東京を中心に若年層の性教育などの啓発活動に取り組んでいるNPO法人ピルコンでは、十代からの妊娠不安の相談、ふだんは月平均五十件程度だったところが、この三、四月には約二百件と急増していると。また、LINE相談では七千件を超える相談が寄せられたと。同様の状況というのは先ほどの熊本市若しくは神戸市の助産院などでも報告されており、まさに全国的な、そして今緊急的な課題だと感じております。
 この相談増加の背景には個別様々な事情はあるとは思うんですけど、私、注目しておきたいのが、例えば、神戸市の助産院に対する相談の中身を見たら、SNSなどのつながりで売春被害などの性犯罪に巻き込まれている例が目立つという件なんです。虐待などで家に居場所がない少女の支援に当たっている一般社団法人Colaboにも、連日、この間、家にいられないとSNSでつぶやくと、泊めてあげる代わりにということで性行為を要求されたなどの相談が相次いでいるという話も寄せられていると。このコロナ禍で行き場もお金もなくなって困り果てている子供たちの弱みに性的搾取を目的とした大人が付け込んでいる。これ、本当に深刻な事態だと思うわけです。
 大臣、やはり、こういう非常時に行く当てのない子供たちの弱みに付け込んだ大人たちによる性的な搾取、断じて許してはならないと、子供たち守らなければならないと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 新型コロナウイルスの対策として学校の休業が長期化する中、中高生からの妊娠相談等が増加しているとの報道については承知しております。
 学校の休業がなされることにより、行く当てのない児童生徒の弱みに付け込んだ性的搾取は誠に遺憾であり、あってはならないことであると考えております。また、今ちょうど続けてお二人の先生方がこのテーマを取り上げて、文部科学省としては、性教育をかぎ括弧性教育で学習指導要領の項目に立てているわけではないんですけれども、子供たちの発達段階に応じての様々なアプローチはいろんな教科で入っているんですけど、今先生たちのお話聞いていて、やっぱり確かに情報はどんどんあふれているわけですから、間違った情報から誘導されてこういう被害に遭う子供たちがあってはならないと思いますので、いわゆる性教育の在り方といいますか、もう時代に合った対応というのをしていかないと子供たち守れないということを改めて感じたところでございます。

吉良よし子

 断じて許されないということと時代に合った性教育の必要性、大臣からも御答弁あった、これ本当に重要なことだと思っております。もう是非進めていただきたいと思いますし、やはり今回のこの中高生の妊娠相談増加の背景には、こうした長引く休校、自粛などの中で、家庭の中で弱い立場に立たされているのが子供たちであり、そこに被害が集中してしまっている、そういうものが見えてくる話でもあると思うんです。
 学校が開いていれば、そうした例えば家庭の中で虐待に遭ったり若しくは性暴力被害に遭った場合であったとしても、学校の担任とか養護教諭とかスクールカウンセラーとか、そうした公的なところにつながって相談もできる可能性があるわけですけれども、今、一部再開はあるけれども、ほとんど休校している状態の中で、相談する相手もいないというところがやはり深刻な今事態が引き起こされているんだと思うんです。
 やはり、そういう意味でも、これから再開する学校も含めて、こうした子供たち、休校中の子供たちの状況把握、より丁寧に行っていただきたいし、何らかのトラブルに巻き込まれた場合の相談支援体制充実させていただきたいと。とりわけ、性暴力被害があった場合というのは性暴力ワンストップ支援センターとか民間NGOなどとの連携も必要ですし、そうした体制整備を進めながら、虐待若しくは性的トラブルから子供たちを守り抜くと、あなたたちの体と安全はちゃんと守り抜くよということを文科省として示していただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょう。

国務大臣(萩生田光一君)

 自宅で過ごす時間が長くなる中、児童生徒の心身の健康状態の把握や児童虐待の未然防止のため、教育委員会や学校等においても必要な対策を講じていくことは極めて重要だと考えております。
 都道府県教育委員会等に対して、学校の休業中において、児童生徒の心身の健康状態について、おおむね二週間に一回程度、電話等を通じ定期的に把握するよう依頼し、臨時休業中においても児童生徒の相談の機会の確保に努めております。また、要保護児童対策地域協議会に登録されている支援対象の幼児児童生徒に関しては、児童虐待のリスクも踏まえ、おおむね一週間に一回以上、電話等で定期的に幼児児童生徒の状況を把握するよう通知をしたところです。
 その上で、性的虐待を含め性被害を把握した場合は、児童相談所や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター等の関係機関と緊密に連携し、必要な支援を行うことについて周知徹底を図ってきたところです。
 引き続き、厚労省を始め関係府省庁とも緊密な連携を図りながら、児童生徒の性的被害の防止及び相談対応体制の充実に努めてまいりたいと思います。

吉良よし子

 是非丁寧に対応していただきたいと思うわけです。
 この中高生に対する性暴力若しくは望まない妊娠防ぐためには、先ほど来議論ありますとおり、中高生自身に自分を守りなさいと言うだけではなくて、自分を守りたくても守れない、守り方を知らないというこの状況を変える必要があるわけです。
 緊急時には、現状だと性行為から七十二時間以内の服用で八割の避妊効果のある緊急避妊ピルもあるわけで、この間、日本でもオンライン処方の解禁もあるわけです。緊急の場合には、こうした情報、特に妊娠不安におびえる中高生にも届けられるようにしていただきたいですし、そうしたことも含めて、できる限り事前にこうした問題を防ぐためにも、日頃から正しい避妊法などの情報を男女共に正確に知らせる、そして、それだけじゃなくて、やはり相手の体を大切にする、若しくは嫌なことは嫌だと言える対等な人間関係を結ぶためのコミュニケーションの大切さなど、全般的に学ぶような性教育を、先ほど大臣からも答弁ありましたけれども、是非この機に進めていただきたいということ、強く私からも申し上げたいと思います。

以下、後編(学生支援の改善)へつづく