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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2020年・第201通常国会

「入試差別あってはならない」文科相が明言 (動画12分35秒頃から)

要約

  日本共産党の吉良よし子議員は6日の参院予算委員会で全国の大学で相次ぐ入試差別の問題を取り上げ「公正であるべき大学入試に差別などあってはならない」と主張し、政府の認識をただしました。萩生田光一文相相は「入試差別はあってはならない」と明言し、調査を継続することを表明しました。

 吉良議員は、入試差別問題の具体例として、聖マリアンナ医科大(川崎市)の入試における差別的取り扱いを取り上げました。同大では、女子受験生の調査票(内申点)の点数を一律マイナス80点などにする差別を行っていたことが明らかになっています。吉良氏は、同大が第三者委員会報告公表後も、「意図的ではない」と言い続けていることを批判しました。

 吉良氏は、医師国家試験の合格者数の女性比率が35%以上になったことがなく、17年間横ばいであることを示し、その背景に医学部の入試差別があると指摘。「全ての医学部入試で、差別が一掃されているのか徹底的に調査すべきだ」と迫るとともに、「点数化できない部分の差別的取り扱いも含めて調査を」と求めました。萩生田氏は、「調査を継続する」と表明しました。

 また、「女性医師の割合を引き上げるべきだ」と求めた吉良氏に対し、橋本聖子男女共同参画担当相は、「第5次男女参画基本計画で、世界水準をめざし、高めていけるよう努力する」と表明しました。

しんぶん赤旗2020年3月7日号より抜粋

議事録

吉良よし子

 次に、相次ぐ入試差別問題についても伺いたいと思うわけです。
 加計学園獣医学部の推薦入試において、韓国人の面接入試の点数が全員ゼロ点とされて、全員不合格となったという報道がありました。事実であれば絶対に許せない差別なわけですけれども、文科省、これ調査する、報告求めるということでしたが、その後どういう状況になったか、大臣、お願いします。

国務大臣(萩生田光一君)

 文科省としては、岡山理科大学に対して、推薦入試の状況や報道されている事実関係等も含めて、昨日報告を求めました。
 本日、大学の責任者に来ていただき、直接所管で確認をしているところであり、徹底した事実確認を行ってまいりたいと思います。私まだちょっと役所戻っていないんで報告聞いていないんですけれども、やり取りをしたと承知をしております。

吉良よし子

 では、その報告の内容については予算委員会に提出されるということだと思いますが、改めて求めます。

委員長(金子原二郎君)

 後刻理事会で協議をさせていただきます。

吉良よし子

 何より、やはりこの大学入試、公正であるべき入試、差別なんて絶対にあってはならないと思うんです。
 大臣、やはり差別はあってはならないと思いますが、いかがでしょう。

国務大臣(萩生田光一君)

 大学の設置基準において、大学入学者選抜については、公正かつ妥当な方法により行うことが求められているところであり、具体的には、令和二年度大学入学者選抜実施要項において、合理的理由もなく、出身地域、居住地域などの属性を理由として一律の取扱いの差異を設けることは不適切であるというふうに明記をしております。あってはならないことです。

吉良よし子

 あってはならないということです。
 ただ、この入試における差別というのは、この今話題になった加計学園獣医学部のみならず、この間でいえば、医学部でも差別が様々な大学で行われているということが明らかになっております。
 今年一月、聖マリアンナ医科大の入試における差別的取扱いについて、第三者委員会の調査報告書が発表されました。なぜ第三者委員会の報告を求めたのか、そして、その結果、結論として何を指摘されたのか、文科省、御説明をお願いいたします。

政府参考人(伯井美徳君)

 聖マリアンナ医科大学の医学部医学科の入学者選抜につきましては、平成三十年十二月に文科省の緊急調査の最終まとめにおきまして、文科省としては、不適切である可能性が高い事案と指摘し、平成三十一年二月に第三者委員会を設置し、事実関係を調査するよう文書で指導したものでございます。そして、同月に第三者委員会が設置され、御指摘いただきました本年一月十七日に第三者委員会の調査報告書が公表されました。
 この報告書におきましては、性別、現浪区分という属性による一律の差別的取扱いが行われたものと認めざるを得ないと結論付けられており、これに対して、聖マリアンナ医科大学としては、意図的ではないにせよ、属性による評価の差異が生じ、一部受験者の入試結果に影響を及ぼした可能性があったとの認識に至っているものの、自ら不適切な事案であったとは明言していないと、こういう状況でございます。

吉良よし子

 これ本当重大で、不適切と指摘されたのに認めないと。第三者報告を受けたら、結果、一律の差別、女子受験生の場合、調査票の点数、一律マイナス八十点していた。にもかかわらず、いまだに意図的ではない、不適切ではないと言い続けている。もう悪質としか言いようがないわけですね。
 もう、この聖マリアンナも含めてですけれども、文科大臣、医学部でこうした入試差別、一掃されたと今現状で言えるのでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 その前に、済みません、先生、先ほど岡山理科大学に対して、私、昨日と言ってしまったんですが、一昨日の間違いなので、訂正をさせてください。
 平成三十年八月から文部科学省で実施した調査において、不適切な事案又は不適切である可能性が高い事案と指摘した大学以外の大学では、適正に平成三十年度入試が行われていたことを確認しています。
 また、不適切な事案又は不適切である可能性が高い事案と指摘をした大学については、昨年五月から訪問調査を含めたフォローアップ調査を実施した上で、平成三十一年度入試の改善がなされたことを確認しています。
 また、文部科学省では、全ての学部、学科の入学者選抜における公正確保のための共通ルールを示した有識者会議の最終報告を踏まえ、昨年六月に大学入学者選抜実施要項を各国公私立大学宛てに通知しており、各大学において、これに基づき見直しが行われるよう徹底してまいりたいと思います。

吉良よし子

 聖マリアンナの事案もまだ解決していないわけです。でも、大臣は、何だか改善が進んでいるかのようにおっしゃられるわけです。本当にそうなのかという疑念が湧いてくるんです。
 ここで厚労省に伺いたいと思うんです。
 医師国家試験の合格者の中の女性比率、三五%以上になった年はあるのでしょうか。

政府参考人(吉田学君)

 お答えいたします。
 データで確認ができました平成三年から直近の平成三十一年の医師国家試験におきまして、女性の合格比率の最高値は平成二十年と平成二十九年の三四・五%となっておりますので、三五%を超えたことはございません。

吉良よし子

 資料一を御覧いただければと思うんです。
 三五%以上になったことがないだけでなく、二〇〇三年以降、ずっと同じような数値で横ばいになってしまっている。余りに不自然。意図的なものを感じざるを得ないわけです。一方で、医師国家試験の合格率は、資料にお示ししたとおり、男性、女性共に九〇%前後、ほとんど合格している。
 医師国家試験というのは、基本的には医学部に入らないと受けられない試験なわけです。ということは、問題は、国家試験ではなく、医学部に入るための入口、医学部入試ということになると思うんです。
 文科大臣、改めて、国公私立全ての医学部の入試において差別が本当になくなったのか、徹底的に調査すべきと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(萩生田光一君)

 文部科学省としましては、まずは、大学医学部の入学試験制度に関する規範を自発的に策定した全国医学部長病院長会議において、志願者数及び合格者数の男女別人数も含め、平成三十一年度入試の結果等に係る調査を実施していますので、今後も定期的に調査が実施されることを期待しています。
 同時に、文科省として、各大学に対し、男女別、年齢別の合格率等も含め入試情報の開示の要請を徹底するとともに、まあ去年、おととし、あれだけのことがあったわけですから、大変申し訳ないんですけど、今は医学部を持っている大学は緊張感を持ってやっているかもしれませんけれど、いつどうなるか分からない。疑っては失礼なんですけれど、そういう意味では、私、必要に応じて調査を継続的にやっていく、そのことを省内で確認しています。

吉良よし子

 いや、必要に応じてではなくて、やはり国公私立全ての大学の調査を継続的に続けてほしいと思うんですが、いかがですか。

国務大臣(萩生田光一君)

 先ほど御指摘のあった大学がそういう差別があるということを私がこの場で断定するわけにはいかないんですけれど、現にその合理的な説明ができていない学校が一校残っている以上、当然、調査は続けていきたいと思っています。

吉良よし子

 続けるということでした。もう全大学の調査を続けていただきたいと思うんです。
 特に聖マリアンナ大学の場合、その得点操作というのは志願書、志願票、調査書、つまり筆記試験でない部分での点数操作だったんです。入試の面接では、女子受験生だけ結婚や子育ての予定を聞かれるなど、差別的発言をされた経験があると医学生から聞いているわけで、こうした点数化できない部分での差別的扱いがないか、徹底的な調査お願いします、大臣。

国務大臣(萩生田光一君)

 医学部に限らず、こういうことがあってはいけないと思っていますので、文科省としてしっかり監視をし、また必要に応じて、必要に応じてと言うと怒られるかもしれませんけれど、しっかり見ていきたいと思います。

吉良よし子

 もう継続的に徹底的に調査をしていただきたいと思うんです。というのは、本当にこの問題、もうこの入試だけの問題にとどまらないんです。
 資料二を御覧いただきたいと思うんです。
 現在、日本の医療施設に従事する女性の医師の割合、二一%にとどまっています。OECD加盟国の中で日本は最下位です。世界の先進国では軒並み女性医師の割合は五割近く、日本、少な過ぎるんですよね。
 この際、厚労大臣に伺います。
 女性の活躍という意味でも、女性医師の割合、引き上げていくべきではありませんか。

国務大臣(加藤勝信君)

 医学部入試の話等については、今、文科大臣からありました。そして、実際、国家試験を受けて医師になられた後も、二〇一〇年からたしか一六年ぐらいのデータを見ていると、M字カーブが、ちょうど十二年目、したがって三十六、七ぐらいでしょうか、に明らかにまだ現存しているということがありますので。
 したがって、女性の医師、もちろん男性医師も含めて、働きやすい環境をつくっていかなきゃいけないということで、これまでも働き方改革、医師の働き方改革にも取組をさせていただいているところでありますし、加えて、医療機関の勤務環境改善、組織マネジメントの改革をするための予算をし、また、特に女性の働きやすさをつくっていくという関係から、女性医師バンク事業を実施していく、あるいは女性医師の復職に関する相談窓口の設置、復職研修等に対する財政支援、さらには、院内保育の整備や、復職支援から継続した勤務までパッケージとしての女性医師支援を行うためのモデル事業など、様々な事業をさせていただいているところでありますので、引き続き、医師として資格を取られた方が、まあ御本人の意向が変わればそれは別でありましょうけれども、医師としてやっていきたいという思いが引き続き維持できる、実現できる、そういう環境をしっかりつくっていきたいと思います。

吉良よし子

 いろいろ取組をおっしゃったんですけれども、私が申し上げているのは、この女性医師の比率、引き上げていかなきゃいけないんじゃないかということです。厚労大臣、お願いします。

国務大臣(加藤勝信君)

 したがって、医師、引き上げるという御趣旨の 中で、我々は国家試験でどうのこうのというわけにはいきません。(発言する者あり)いや、ですから、国家試験でというわけにもいきませんし、国家試験のを今見させていただくと、数%常に女性の方が合格率高いという状況でありますから。
 したがって、学部の入試の話を除けば、やはりそういう医師を目指そうとする思いを持つ人たちをまず増やしていくということが一つ、そして、それが実現できる環境をつくり、そして実際に医師になっても働き続けられる環境をつくっていくと、そういう総合的な対応をしていくことが大事だろうというふうに思います。

吉良よし子

 総合的な対応と言いますけれども、そもそも、医師の皆さん、働き方改革ともおっしゃいましたけど、もう長時間労働が蔓延しているんですよ。そういう中で女性も男性も働きづらい環境になっている。
 その上、厚労省は、今度働き方改革と言いますけれども、実際には、医師の皆さん、最大で千九百、月、千九百時間もの長時間残業を認めるような中身であって、この長時間労働を是正する中身には決してなっていないし、そもそも医師の数、総数も増やす方向が出されていないんです。
 この間、厚労省は、医師の需給調査で、女性医師の労働時間は男性医師の〇・八だという数字を示しています。この数字が今独り歩きをしていて、女子医学生は、教授から女性は外科に向かないなどと言われている実態もあるわけです。そういう下で、外科や内科の女性医師比率が低くなってしまっている実態もあるわけです。もう改めて、医師も増やして長時間労働を是正して、職場での差別対応を一掃するということが求められていると思うんです。
 改めて、男女共同参画担当大臣にも来ていただきました。こうした職場での差別なくすべきですし、特に女性医師の比率、今度の第五次男女参画基本計画で引き上げていくべきときに来ていると思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(橋本聖子君)

 職場において、また医師の場合も含めまして、性別を理由とする差別的取扱いはあってはならないというふうに強く思っております。
 政府としては、性別を理由とする差別的取扱いやセクシュアルハラスメントやマタニティーハラスメント等が行われない職場の、職場づくりを推進するとともに、女性活躍の推進法に基づいても、女性の積極的な登用そして採用の取組を推進するなど、様々な分野における女性の活躍に向けた取組を進めてまいります。
 また、お話しいただいた第四次の男女共同参画基本計画ですけれども、これにつきましても、今、第五次計画を取りまとめ中でありますけれども、しっかりと推進に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。

吉良よし子

 差別はあってはならないと。で、推進に向けてということですけど、もう一度、この第五次男女共同参画基本計画、この女性医師の比率をやはり世界水準目指して引き上げていく、その方向だということを是非大臣、おっしゃっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

国務大臣(橋本聖子君)

 女性医師に関しては、妊娠、出産時におけるキャリアを諦めることなく働き続け、能力を発揮しやすい環境の整備が重要だと考えております。
 今後、第五次基本計画におきましても、しっかりと世界水準に向けて、関係省庁と連携をして、高めていけるように努力をしていきます。

吉良よし子

 よろしくお願いします。
 終わります。