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吉良よし子

参議院議員

吉良よし子 国会質問

国会質問

2020年・第201通常国会

新型コロナ休校 受け入れ環境「柔軟対応を」 萩生田文科相が答弁

要約

 政府が新型コロナウイルス対策だとする全国小中高校の一律休校に伴う「子どもの居場所確保」にあたり、感染防止策として「私語厳禁」など過度に厳格な対応をする自治体があることについて、萩生田光一文科相は6日の参院予算委員会で、「柔軟に対応してほしい。一部誤ったメッセージになっているので、大至急正しく伝えていく」と述べました。日本共産党の吉良よし子議員への答弁。

 吉良氏は、子どもの居場所として学校施設を開放する自治体で、「1メートル以上離して交互に着席する」といった国の通知を厳格に実践する事例があると指摘。「私語厳禁、体育館や校庭、図書室などの使用も禁止で、教室で黙々と自習させられている」「おしゃべりは昼休みの15分だけとする自治体もある。政府はそういう対応まで求めているのか」とただしました。

 萩生田文科相は「体育館も図書館も音楽室も使える。運動も可能だ。低学年の子どもが『一切の私語厳禁』に耐えられるわけがない。柔軟に対応してほしい」と答えました。

 吉良氏は、「健康と命を守るのは当然だが、子どもの権利を第一に対応してほしい」と重ねて求めました。

 さらに、特別支援学校で、居場所がないなど事情のある児童生徒を一切受け入れない自治体が「確認できただけで5道県ある。障害の度合い等に合わせて特段の配慮をするよう自治体に周知を」と求めました。萩生田文科相は「ご指摘の実態は把握していなかった。もしあれば、再度、柔軟な対応を求めたい」と答えました。

しんぶん赤旗2020年3月7日号より抜粋

議事録

吉良よし子

 日本共産党の吉良よし子です。
 初めに、新型コロナ対応、学校の休校問題について伺います。
 まず、特別支援学校の対応です。
 特別支援学校等に在籍する児童生徒への対応、どう行うことになっているのか、文科省、御説明ください。

政府参考人(丸山洋司君)

 お答え申し上げます。
 今回の臨時休業において、特別支援学校においても、小中高等学校と同様、この一、二週間が感染拡大を迎える極めて重要な時期であることから、臨時休業を要請することといたしました。
 特別支援学校等に在籍する障害のある幼児児童生徒は、障害の種類や程度が様々であるものの、自宅等で一人で過ごすことができない幼児児童生徒がいる場合も考えられます。このため、文部科学省としては、各教育委員会等に対し、福祉部局や福祉事業所と連携をした上で、放課後デイサービス等の地域の障害者福祉サービスも活用して、幼児児童生徒の居場所の確保に取り組むことを要請したところであり、厚生労働省からも、都道府県等の障害児支援主管部局に対し、の協力についてお願いをしたところであります。
 また、やむを得ず臨時休業措置をとれない場合は、多くの幼児児童生徒が同じ場所に長時間集まることのないよう、必要な対策を行った上で、必要最小限の人数に絞って登校させるなどの特段の配慮を行うことを要請をしているところであります。

吉良よし子

 つまり、障害の度合いによっては特段の配慮、登校も含めて配慮を行うことということですが、一部の自治体では、首相の要請後直ちに全面休校した後、児童生徒を一人も受け入れていない特別支援学校があるわけです。
 障害児というのは急な環境の変化に対応できない場合も往々にしてあるわけで、突然学校に行けなくなった子の保護者、何より本人の精神的な負担、物理的困難は計り知れないわけです。
 改めて、この障害の度合い等に合わせて特段の配慮を特別支援学校で行うように各自治体に丁寧に周知すべきと思いますが、大臣、いかがでしょう。

国務大臣(萩生田光一君)

 先ほど政府参考人より説明をさせていただきましたが、障害のある児童生徒等について、学校の臨時休業期間に自宅等で一人で過ごすことができない場合に、必要な対策を行った上で登校させるなど、居場所の確保について適切に対応するよう既にお願いをしているところです。
 これを受け、各自治体においては、例えば福祉事業所における受入れ準備が整うまでの間、一時的に学校施設で受け入れるなど、学校や子供の実情を踏まえた柔軟な対応が行われていると承知しています。
 感染の拡大防止のため自宅で過ごすことを基本としていますが、それができない場合には、各自治体において放課後等デイサービスを活用したり学校で受け入れるなど、児童生徒等の居場所の確保に向け適切に対応されていると考えています。
 文科省としては、今後とも、状況の適切な把握に努めるとともに、厚労省と連携して障害のある子供の居場所の確保に取り組んでまいります。

吉良よし子

 柔軟に対応されている自治体もあるのは知っていますが、一方で、確認しているだけでも五つの県で全く開かれていない、全く受け入れられていないという自治体もあるということですので、是非丁寧にそういうところに対応を求めたいと思うのですが、大臣、お願いします。

国務大臣(萩生田光一君)

 実は、全国一斉休業をするときに最も心配をし た一つがこの特別支援学校の件なんです。それで、逆に自治体の判断で最初から休業にしないという判断をした自治体もあります。そのことも尊重しています。
 今先生の御指摘の実態については、申し訳ないんですが、私、ちょっと把握をしていなかったものですから、もしそういうことがあるとすれば柔軟な対応を求めて再度いきたいと思いますし、さっき答弁しなかったんですけど、例えばこの関係で寄宿舎が今閉鎖されています。逆に言えば、寄宿舎空いていますし職員もいますので、こういうところも活用してくれということもお願いしているところです。

吉良よし子

 是非柔軟な対応をということを周知していただきたいと思うわけです。
 次に、休校中の子供の居場所全体について聞きたいと思うわけです。
 現在、休校に伴って、子供たちの居場所というのは原則自宅でか若しくは学童と。一部学校施設の開放をしている自治体もあると聞いているわけですが、確認をします。
 この学童や学校での感染予防策と衛生管理、どうなっているのでしょう、文科省、お願いします。

政府参考人(丸山洋司君)

 お答えを申し上げます。
 今回の臨時休業に当たっては、まずは子供たちが自宅で学習できるような環境整備が重要であり、保護者の皆さんにも、できる限り休暇を取得いただくなど、御協力が必要になると考えております。その上で、保護者が休めない場合など必要な場合には子供の居場所が確保できるように、三月二日に厚生労働省と協力して各自治体に通知を発出をいたしたところであります。
 具体的には、感染の予防に留意をした上で、自習活動の実施や放課後等子供教室の活用など、子供たちの居場所を確保することなどについて各自治体にお伝えしたところであり、その際、先ほど委員の方から御指摘がありました、教室、体育館、図書館等ですね、そういった場所についても、また校庭や体育館などでの体育活動等も可能であるということを示したところでございます。

吉良よし子

 いや、確認したいのは、ここでの衛生管理についてどういう対応をされているのかということです。御紹介ください。

政府参考人(丸山洋司君)

 衛生管理につきましては、三月二日付けの通知の中で添付をしております子供の居場所の確保に係る衛生管理について、学校施設等において学校が児童生徒を預かるなどの措置を講ずる際の基本的な感染症対策や環境衛生管理について留意事項を示しております。
 この留意事項においては、手洗いやせきエチケットなどを徹底していただくようお願いするとともに、児童生徒の飛沫感染を防ぐ観点から、せきエチケットをした上で、一メートル以上離して交互に着席するなど、できる限り児童生徒同士の距離を離すよう配慮するとともに、不要な接触を避けるよう指導することをお示しをいたしております。
 これはあくまでも衛生管理の際の参考としていただきたいという趣旨で示したものでありまして、具体的な運用につきましては、それぞれの施設の状況や子供の実態に応じて柔軟に対応いただきたいと考えております。
 なお、一メートル以上離して交互に着席をするという、した科学的根拠という点につきましては、厚生労働省のホームページにおいて、せきエチケットを行っていない場合には、会話やくしゃみやせきの飛沫が約一メートルから二メートルまでの距離に届くということ、また、東北医科薬科大学病院の感染症制御部・仙台東部地区感染対策チームの見解として、コロナウイルス感染症としての対策として、せきやくしゃみをするときは、ハンカチやティッシュ等で口と鼻を覆い、他人から顔を背け、一メートル以上離れることといった見解が示されていることなどを参考として示したところであります。
 さらに、学童保育等につきましても、学校や施設の状況等が異なるため、これは適用されるものではありませんが、本通知を可能な範囲で参考にして衛生管理に留意をしていただければというふうに考えております。

吉良よし子

 御説明いただきましたけど、この一メートル離して着席というのがかなり独り歩きしている中で、学童、百人以上受け入れている学童もいるわけです。そこでは不可能じゃないか、非現実的だという声が出ているわけです。
 改めて、大臣、確認しますけど、これ必須じゃないということでよろしいですね。

国務大臣(萩生田光一君)

 この度の通知において示した衛生管理の具体的な目安は、あくまでも衛生管理の際の参考としていただきたいとの趣旨であり、具体的な運用についてはそれぞれの施設の状況や子供の実態に応じて柔軟に対応していただきたいと思っております。
 あの一メートル離している図がちょっと独り歩きしちゃってというのは先生の御指摘のとおりで、私も一部間違ったメッセージになっていると思いますので、今大至急正しく伝えているところなんですけど、あれは学校じゃなくて、民間の、民間といいますか、校外で行っている学童保育などに急に子供を預けたいという方が増えて飽和状態になった場合は、それは良くないので、学校開いていますから使ってくださいと。その場合には、一クラスに四十人また戻ったらこれも意味がないんで、一定の間隔、学校の教室、空いている分、どうぞ使ってくださいという意味で分かりやすく出したつもりだったんですが、それがちょっと分かりづらくて、かえって間違ったメッセージになっている一面ありますので、しっかり対応していきたいと思います。

吉良よし子

 柔軟に対応できるということでした。是非周知していただきたいと思います。
 とはいえ、接触避けることは重要なわけですし、マンモス学童に行かせたくないという親御さんもいるわけで、そういう意味では、学童だけで対応させるのでなく、先ほど大臣も言われたように、学校の教室などの開放ということは本当に大事だと思うわけです。
 ただ、一方で、この学校を開放している自治体の一部の中では、もう教室しか使えない、その中で黙々と自習だけをさせるなどという対応もあると聞いているわけです。
 改めてもう一度確認をしたいと思うんです、大臣。施設開放した場合に使えるのは、教室だけじゃなく校庭や体育館等も使えるということでよろしいのかと。そして、活動内容、自習以外もやっていいですよね。

国務大臣(萩生田光一君)

 せっかく子供たちのいない学校を、ある意味では低学年の人たちに開放するとすれば、体育館も使えますし、天気が良ければ、密集度を避けて校庭も、運動することも少しはいいと思います。それから、図書館や音楽室なども使えますので、ここはもう本当に柔軟に対応していただきたいと思っているところでございます。
 あと何でしたっけ。いいですか。

吉良よし子

 本当に大事なところなんですね。本当に極度に、過度に、厳格に対応している自治体があるわけです。
 もう一点事例があるんです。教室で自習させた上、ある自治体では、一日中私語厳禁、しゃべっていいのは昼休みの十五分だけ、対応している自治体もあると聞きます。こういう対応まで求めているわけじゃないですよね。大臣、お願いします。

国務大臣(萩生田光一君)

 他の場所でそのお話聞いてちょっと私もびっくりしたんですけれど、低学年のお子さんが、学童代わりに開放している学校で、一メートルずつ机を離して、横を向いちゃいけない、前を向いて一切私語厳禁ということが耐えられるわけございません。
 ですから、マスクなどをして適正な感染防御措置をした上で、そこはもう柔軟にしっかりやっていただきたいと思っていますので。

吉良よし子

 これも柔軟にということでした。
 新型コロナ、もうこれ以上の感染拡大させない、子供たち守るというのは何よりも重要なわけですが、一方、この突然の休校要請で現場には混乱と怒りも広がっています。その上、子供たちは結局、今、学校から締め出されて、居場所は自宅か学童か、学校が開放されたとしても教室に押し込められる。余りに息苦しい対応の中でもうストレスがたまっているわけです。健康と安全を守るのは当然ですが、やはり子供たちが日々健やかに過ごせる権利、子供の権利を何よりも第一に置いて対応していただくよう、強く求めたいと思います。

後編(入試差別問題)につづく