コロナ後遺症 医療につなげてーー受診できる病院のリスト化、精査を
要約
日本共産党の吉良よし子議員は20日の参院予算委員会で、新型コロナウイルスの後遺症で医療につながれない人が多数いると指摘し、実態把握と合わせ受診可能な病院を明らかにすべきだと迫りました。
吉良事務所が2月に行ったコロナ後遺症のアンケート(回答人数1172人)には、86・7%が日常生活に影響があったと回答し、休業や休学に至るなど深刻な実態が寄せられています。なかでも共通してあげられているのが「医療につながれない」との声で、受診できて治療につながったとの回答は21・7%にとどまっています。
吉良氏は「地方なので、どこにも後遺症の外来がない」「かかりつけ医に行っても鼻で笑われた」などの切実な声が多数届いていると指摘。「コロナ後遺症になったとき、どこの病院で受診できるのか、明らかにすべきではないか」とただしました。
加藤勝信厚生労働相は、都道府県に対し、後遺症の対応ができる医療機関のリスト作成を依頼していると答弁しました。
吉良氏は、すでに作られている医療機関のリストに載っている外来に行っても「後遺症は存在しない」と受診を拒否されたり、治療してもらえなかったりするとの声もあると強調。患者の求める医療や治療につながるよう、リストの中身の精査を求めました。
加藤厚労相は「ご指摘の点も含めて対応する」と答弁。吉良氏は、後遺症に苦しむ人たちが絶望しないような対応を重ねて求めました。
議事録
吉良よし子
日本共産党の吉良よし子です。
今日は初めに、コロナの後遺症について取り上げたいと思います。
コロナ自体は軽症であっても、重度の倦怠感や思考力の低下などで日常生活に影響が出てしまう後遺症、一月の決算本会議の質問の際、総理はその患者の総数把握していないと答弁をされました。その後の調査は進んだのでしょうか。大臣、いかがですか。
厚生労働大臣(加藤勝信君)
新型コロナの罹患後症状、いわゆる後遺症について、様々な症状が知られておりまして、その病態は必ずしも十分明らかになっておりません。
したがって、罹患後症状に悩む方の数についても、どのような症状を呈する方を患者として定義するのか、また、罹患後症状を呈する方の多くは経時的に、時間たって、時間を経ることによって症状が改善することが知られている中で、患者数の把握をどの時点で行うのか等の課題があり、総数そのものの把握は現時点ではなかなか難しいと考えておりますが、一方で、罹患後症状の実態を明らかにしていく必要があります。令和二年度から調査研究を実施し、そうした中で、多くの症状は経時的に頻度が低下する一方で、十二か月時点でも症状がある方が一定程度存在するという結果等も得られているところであります。
今年度も、厚生労働科学研究において、入院患者が退院した後の追跡調査により中長期的な罹患後症状の実態を把握するとともに、その関連する要因を探る調査研究を行うこと、また、八尾市や品川区などの協力により、感染したことがある方と感染したことがない方の両方を対象として、症状の有無や社会生活への影響等を把握する調査研究を実施しているところであります。
こうした調査研究により、罹患後症状に悩む方の実態の把握を進め、そうした方々がかかりつけ医等、地域や地域の医療機関において適切な医療を受けられる環境をつくっていきたいと考えています。
新型コロナの罹患後症状、いわゆる後遺症について、様々な症状が知られておりまして、その病態は必ずしも十分明らかになっておりません。
したがって、罹患後症状に悩む方の数についても、どのような症状を呈する方を患者として定義するのか、また、罹患後症状を呈する方の多くは経時的に、時間たって、時間を経ることによって症状が改善することが知られている中で、患者数の把握をどの時点で行うのか等の課題があり、総数そのものの把握は現時点ではなかなか難しいと考えておりますが、一方で、罹患後症状の実態を明らかにしていく必要があります。令和二年度から調査研究を実施し、そうした中で、多くの症状は経時的に頻度が低下する一方で、十二か月時点でも症状がある方が一定程度存在するという結果等も得られているところであります。
今年度も、厚生労働科学研究において、入院患者が退院した後の追跡調査により中長期的な罹患後症状の実態を把握するとともに、その関連する要因を探る調査研究を行うこと、また、八尾市や品川区などの協力により、感染したことがある方と感染したことがない方の両方を対象として、症状の有無や社会生活への影響等を把握する調査研究を実施しているところであります。
こうした調査研究により、罹患後症状に悩む方の実態の把握を進め、そうした方々がかかりつけ医等、地域や地域の医療機関において適切な医療を受けられる環境をつくっていきたいと考えています。
吉良よし子
総数把握はされていないけれども実態調査は進めているということで、一刻も早くこの実態調査して把握して対策を進めるべきだということを申し上げたいんです。
というのも、私、この二月、吉良事務所としてウェブで後遺症のアンケートを行いました。千百七十二人の後遺症の患者又はその御家族の皆さんが回答を寄せてくださいましたんですが、寄せてくださったんですが、お配りした資料を御覧ください。うち八六・七%、九割近くが休業や休学など日常生活に影響があったと回答している深刻な実態があるわけです。
さらに、多くの皆さんから共通して挙げられているのが、医療につながれないという声です。この資料の下にもありますけれども、つながった、医療につながって治療にもつながったというのが二一・七%にとどまっていて、地方なのでどこにも後遺症の外来がないとか、かかりつけ医に行っても鼻で笑われたとか、総合病院でも気のせいだと言われたとか、受診拒否、たらい回しで医療や治療につながらないという声が本当に多数届いているわけです。
厚労大臣、このコロナ後遺症になったとき受診できる病院がどこか、明らかにしていくべきではありませんか。
厚生労働大臣(加藤勝信君)
新型コロナの罹患後症状、いわゆる後遺症について、一般医療の中で対応できることも少なくないということから、まずはかかりつけ医などや地域の医療機関につなぐことが重要と考えております。罹患後症状に悩む方がかかりつけ医等や地域の医療機関において適切な医療を受けられるような環境、今御指摘のように整備をしていく必要があります。
先月、都道府県に対し、新型コロナの罹患後症状に悩む方の診療をしている医療機関の選定、公表を依頼をいたしました。この結果については、四月末頃に取りまとめ、厚生労働省のホームページに掲載を予定しておりますが、既に二月時点でも一部の都道府県ではそうしたことを実施していただいていると考えておりますので、是非、こうしたことをできるだけ早期に対応することで、後遺症に悩む皆さん方がまずは医療機関に診ていただける、こういう環境をつくっていきたいと考えています。
吉良よし子
厚労省を先頭にこの医療機関のリスト化の作業を進めているということで、これ本当に重要で急いでいただきたいんですが、しかし一方で、既に、先ほど話あったように、作られている府県などで出されているこの医療機関のリストに載っている外来に行ったのに、後遺症は存在しないと言われてしまったとか、治療してくれなかったなどの声も多数届いているわけで、患者の求める医療や治療にちゃんとつながるような、リストの中身、ちゃんと精査していく必要もあると思いますが、大臣、いかがですか。
厚生労働大臣(加藤勝信君)
今の段階では各都道府県が自主的に対応していただいております。厚労省としては、先ほど申し上げた四月末頃に取りまとめることとしておりますので、取りまとめに当たっては今御指摘の点も含めて対応させていただきたいと思います。
吉良よし子
是非対応していただきたいと思うんです。有効な治療ないと言われたことの絶望とか、医療に見捨てられた思いだという声が届いているわけです。是非、リストがあっても使えないリストでは意味ありませんから、使えるリストにしていただきたいということ、重ねて申し上げたいと思います。
このコロナ後遺症についてはまだまだ届けたい声がたくさんあるわけですが、また総理の認識も聞きたいこともあるわけで、改めて時間を取って今後もしっかり取り上げたいと思っております。
以下、後編(子どもの医療費)へつづく