吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
 まず初めに、熊本地震の対策について伺います。
 今回の地震により、人吉市、宇土市、八代市、大津町、益城町の五市町で損壊などのために庁舎が使えない状況にあると報じられました。これらの市町において解体撤去や新庁舎建設に関わる支援が必要と考えられますが、総務省としてどう支援されていくのか、大臣、お答えください。
総務大臣・高市早苗君
私も、五月二日に被災市町村伺いました折に、それぞれ御要望も伺ってまいりました。
 被災した庁舎のまず原形復旧に要する経費及び仮設庁舎の設置に要する経費でございますが、これは交付税措置の高い地方債の充当が可能でございます。被災団体の御事情をよくお伺いしながら、財政運営には支障が生じないように対処をしてまいります。
吉良よし子君
 自治体の事情を伺いながらということですが、結局、地方債ということであると借金ということだと思うわけです。元利償還時に交付税措置されるということになるとは思うわけですが、その上限というのは八五・五%ということであり、それでもなお一五%近くは被災自治体の負担となってしまうということだと思うわけです。
 昨日も熊本県知事からも、震災対応には県や市町村の財政基盤では極めて脆弱だからということで、国の財政支援を求める要望も出されていると伺っております。にもかかわらず、自治体の負債を更に増やすようなことはあってはならないのではないかと思うわけです。
 その中で、やはりこうした場合の交付税措置の上限の割合を引き上げるであるとか、あるいは国からの庁舎再建のための補助といった柔軟な財政的な支援も早急に検討すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
高市早苗君
今後も庁舎の被害状況ですとか、財政需要の把握はしっかりしてまいります。そして、被災地におきます御意見、御要望を踏まえながら、総務省としても適切に対処してまいります。
吉良よし子君
適切にとおっしゃることではありますが、市庁舎が大きく損壊した宇土市などでは、庁舎の耐震化が遅れた理由についても財源不足だというふうなことが述べられているという報道もありました。やはりそうした事情を見ていけば、財政的支援というものが本当に必要だということを私思うわけでして、更なる検討というのを強く求めたいと思います。
 また、庁舎の対応だけでなく、その中身である人的支援も待ったなしであるということも言いたいと思うわけです。
 震災後、五月の頭に現地に駆け付けた弁護士の山添拓さんからお話伺ったんですけれども、山添さんが宇城市の総務課長と懇談したところ、二十四時間対応の避難所運営に三交代で当たる中、連休明けからは通常業務も始まる、そういう中で職員の皆さんの疲弊がたまっている、そういう不安が語られたという話です。罹災証明についても、五月二日の時点で既に二千五百人が書類を受け取りに来ており、これから倒壊状況の調査を行う予定ではあるけれども、それが予定どおりに進むかどうか、全国からの応援も来ているけれども、まだまだ足りないんだというお話が出されたということです。また、現地で要望を聞き取っている我が党の衆参の国会議員からは、梅雨を前に緊急の河川対策が必要であるとか、また医療や保健、介護など、長い支援も必要などの声も出されていると。
 まさに喉から手が出るほど人手が欲しい状況に現地はあるのではないかと思うわけですが、今後は就労支援ということで住民を新たに自治体職員として採用するという必要も出てくるのではないかということも考えられる。そうした中で、刻々と変化する被災地の要望、ニーズに沿った息の長い人的支援、そして人的支援のための思い切った財政支援も必要ではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
高市早苗君
私が現地に行きましたのは五月二日でございますが、それは月曜日でございました。その前の週までは防衛大臣を除く閣僚の現地入りは現地に御負担をお掛けするということで自粛するようにということでしたので、それまでは知事や市長さんと電話でお話をして御要望を伺うという状況でございました。
 その中で、確かに熊本市長とお話をしたときも、今も既に職員を派遣はしていただいているんだけれども、罹災証明の手続の窓口を見に行くと、もう長蛇の列なんだと。あと二百人以上、二百五十人とおっしゃいましたけれども、何とか追加的に派遣していただけないかといったお話もございました。
 人手が非常に厳しいということについてはよく承知をしています。昨日、五月九日の時点で千四百四名の職員の方が派遣されて災害対応に当たっていただいております。この職員派遣に当たりましては、熊本市につきましては指定都市市長会が支援を行い、その他の市町村については九州知事会が支援を行ってくださっています。特に、その他の市町村なんですけれども、まず個別に担当の県というのを定めて、その県の方がワンストップで派遣ニーズを把握し、また派遣職員の調整も責任を持ってやっていただいておりますので、現地のニーズに応じた派遣が可能になっております。また、自治体間の広域応援のスキームで対応できない派遣ニーズにつきましては、総務省が地方三団体、つまり全国知事会、全国市長会、全国町村会と連携しながら、全国的見地から対応を行っております。
 また、人的支援に係る派遣元の人件費も特交で支援をするという形で、今後も被災自治体の御要望をしっかりお伺いして、地方三団体、指定都市と連携して必要な応援職員の方々の確保を図ってまいります。
吉良よし子君
様々取組進められているということですが、発災から三週間、事態はまだまだ収束していないわけであります。震度七クラスの地震が夜に相次いだことも受けて夜寝る恐怖を抱えながら生活している方がいるとか、また、二度の大きな揺れでマンションが耐え切れず損壊してしまっても修繕の見通しも立たない不安を抱えていらっしゃる方がいるなど、被災者の皆さんの心労もピークを迎えているというお話も聞いているわけです。また、そういった中で、車中泊など避難の実態が全部把握できていないという事態もあるということも伺っている。そういう中で被災者を支え、また生活再建に向けて昼夜分かたず奮闘する自治体職員に対して、総務省には、あらゆる支援を検討して実施する、その先頭に立っていただきたいということを強く重ねてお願いしまして、次に移りたいと思います。
 次に伺いたいのが十八歳選挙権についてです。
 今夏の参議院選挙というのは十八歳選挙権が施行される最初の国政選挙となるわけです。若者の政治参加がどれだけ進められるかというところが注目される選挙にもなると思うわけですが、昨年、十八歳選挙権の導入となる公職選挙法の改正の議論の中で、私は、高校生の政治活動を禁止する文部科学省の通知の撤回が必要だということを指摘させていただきました。
 しかし、昨年十月、文科省が新たに出した「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」という通知とQアンドAの中身を見てみますと、授業、生徒会活動、部活動での高校生の政治活動は禁止、高校内では放課後でも休日でも政治活動は制限あるいは禁止する必要がある、高校外での政治活動も学校教育の実施に支障があると認めた場合は禁止を含めた指導をする、その判断は全て校長の権限とすると。禁止、制限だらけの中身となっていて、校外での政治活動の事前届出制もあり得るとされております。
 ですが、五月二日付けの毎日新聞で見てみますと、高校生の校外での政治活動について、愛媛の全県立高校五十九校と徳島県の県立高校の一部がこの届出制を義務付けている一方で、十五の府県と八政令市の教育委員会は事前届出は必要なしと判断しているという報道がありました。うち福岡県教委は、事前届出は集会や表現の自由に関わると判断した、政治的活動を積極的に進めるべきときにそれを阻害する可能性があると。埼玉県教委は、基本的に校外でやることは家庭と本人に任せるべきで、届出制にする必要はないとコメントしております。
 参議院選挙を控え、これから様々なテーマでデモや集会、開かれることとなるわけで、ここに高校生も参加することによって、より政治への理解が進み、また投票行動を含めた政治参加というのが促進されると私考えるわけですが、その事前届出制というものがそうしたもののかせにならないかという疑問があるわけです。
 こうした事前届出制によって高校生が政治活動に参加することに二の足を踏むことにはならないとはっきり言えるのかどうか、文科省、お答えください。
文部科学省・藤原章夫君
お答えいたします。
 先般の公職選挙法等の改正の趣旨は、未来の我が国を担っていく世代である若い人々の意見を政治に反映させていくことが望ましいという意図に基づくものと承知をいたしております。
 通知やQアンドAで示したとおり、放課後、休日等に学校の構外で行われる高等学校等の生徒による政治的活動等は、家庭の理解の下、当該生徒が判断し行うものでございますが、このような活動も、高等学校の教育目的の達成等の観点から必要かつ合理的な範囲内で制約を受けるものと考えております。文部科学省としては、こうした観点から届出制を取ることもあり得るものと考えておりますが、その際には、高校生が政治的活動に参加することを萎縮させることのないよう、適切な配慮が必要であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、具体的な指導の在り方につきましては、その目的に照らし、必要かつ合理的な範囲内のものとなるよう、各学校等において適切に判断されるものと考えております。
吉良よし子君
結局、お答えになっていないわけですよね。先ほど、届出制が政治活動に参加することを阻害するものになるのではないか、そうならないと言えるのかと私伺ったわけですけれども、結局それに対してのお答えはなかった。それというのは、つまり、萎縮させることにつながるのではないかということがあると思うんです。実際、お答えの中でも萎縮させることのないようとわざわざ言うということが、もうこの届出制を使うということを認めるということが萎縮させるという、現場を萎縮させるということにつながるんじゃないかと、そこは私問題だと思うわけです。
 もちろん、高校生、まだまだ成長途中にありますし、教師や保護者を含めた大人からの手助けも必要な存在ではあるわけですが、やはり日本国憲法には、高校生を含めて全ての国民に思想、信条の自由と集会、結社、表現の自由を保障しているわけなんです。そこに届出制という制限を掛けるというのは私はおかしいと思うわけです。
 ところで、私、五月四日にNHKで放映されました「十八歳からの質問状」という十八歳選挙権に関わる番組に出演して、これから選挙権を持つ十代の若者の皆さんと各政党の代表の皆さんとともにお話をさせていただいたわけです。そこで出された声というのは、そもそも政治が分からない、その声が一番多かったんです。ただ、私、この話を聞く中で重要だと思ったのは、その分からないの背景には、分からないから知りたい、知って投票に結び付けたいという声が、思いがあったと思うわけです。事実、政治教育についても、副教材も渡されて、ちょっと説明されておしまいだった、これで政治教育終わりなのかとか、学校ではたくさんの授業など勉強をやっていて、政治について考える授業をやっている時間がないんだと、そういう声も出されたわけです。
 こうした声を聞いて、私、十代、二十代の若者が自分たちの将来を含めた政治について関心持って投票に結び付けるためには、政治、社会についてもっともっと議論する場、それをつくっていくことが必要だと思ったわけです。高校生含めて世論を二分するテーマ含めて政治の場でどのような議論がされているのか知らせて、それについて様々な人と話し合う、考えられる場をつくっていく、これが私、若い有権者を迎えるために必要なことだと思うわけですが、総務大臣にはこうした十代の政治参加、積極的に進めていくために尽力していただきたいと思うのですが、その場づくりについていかがお考えでしょうか。
高市早苗君
はい。
 総務省では、昨年度、全ての高校生に副教材を配付しております。この副教材においてディベートでの政策討論などの学習内容を掲載して、実践的な取組を行っていただいていると考えています。それから、総務省や選挙管理委員会において、出前授業、これを積極的に実施する中で、ワークショップなどを開催して地域課題などをグループワークで議論するといった取組もしております。
 これからやはり国、地域の課題を自分のことと捉えて判断していく、そういう若い世代を育んでいくということは非常に重要だと思っておりますので、引き続き、場づくりについても努力を続けてまいります。
吉良よし子君
届出制などで規制するのではなくて、やはりそうした政治について考え行動することをどんどん国として奨励する、そういう立場に立っていただきたいということを申し上げて、終わります。