吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
 今日は、三月二十二日の当委員会で質問しました公共図書館の指定管理に関わって伺いたいと思います。
 総務省は、昨年八月に「地方行政サービス改革の推進に関する留意事項について」と題する大臣名の文書を発出し、地方自治体に、歳出改革の一環として指定管理者制度などの導入等についてより一層の取組が必要と、指定管理者が参入しやすくなる環境整備などを行うように求めています。
 一方、総務省は、二〇一〇年に「指定管理者制度の運用について」と題する文書においては、住民の福祉の増進する目的をもってその利用に供する施設である公の施設について、民間事業者等が有するノウハウを活用することにより、住民サービスの質の向上を図っていくことで、施設の設置の目的を効果的に達成するために設けられた制度であるとされ、指定管理者制度を導入するかどうか、どの施設に導入するかは地方自治体の自主性に委ねられるとしていますが、確認をしたいのですが、この二〇一〇年の「指定管理者制度の運用について」における考え方というのは今も変わっていないということでよろしいでしょうか。
渕上俊則君
お答えいたします。
 御指摘の平成二十二年の十二月に発出いたしました通知におきまして、基本的な考え方として、まず第一に、公の施設の設置の目的を……(発言する者あり)はい。効果的に達成するためということと、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を議会の議決を経て指定するという考え方でございまして、この基本的な考え方につきましては、昨年八月に発出した通知におきましても、その内容を十分に踏まえて対応するということで踏襲しております。
吉良よし子君
今も変わっていないということでしたね。
 もう一点、公の施設を指定管理者に管理させるということに関わって伺いますけれども、指定管理者と協定を結ぶ際には、委託する事業と自主事業について明確な区分が定められるよう留意することとされています。この自主事業と委託する事業との違いについてどう考えられているのか、お答えください。
渕上俊則君
お答えいたします。
 委託事業と自主事業の関係でございますけれども、指定管理者による管理は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するために必要があると認める場合にはその業務の自主事業も認めることになっておりますが、あくまでも公の施設において自主事業がその施設の設置目的を効果的に達成するかどうかといった観点を踏まえまして、各地域の実情に応じて議会の議決においてその業務の範囲が定まるということでございます。
吉良よし子君
自主事業も認めるけれども、委託する事業も自主事業も合わせて一体として、先ほどありました公の施設の目的を効果的に達成することが前提となっているというお話だったと思うわけです。だから、公共図書館であるならば、図書館のサービスがきちんと果たされている、それが前提だということなわけですよね。
 だから、これらから、自治体が指定管理を行う場合、あくまでも、経費節減というだけではなくて、行政サービスの向上や施設の設置の目的が達成されるということが前提、同時に、先ほども住民の理解ということもありましたけれども、住民の理解の合意の下、進められなければならないということは言うまでもないと思うわけです。
 ところが、じゃ、実際に指定管理者制度で運営されている佐賀県武雄市図書館の事例を見ると、本当にそうした原則が貫かれているのかというところに対して疑問があるわけです。
 二〇一三年の四月、ツタヤを全国展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブに管理委託することになった図書館、いわゆるツタヤ図書館の問題です。館内は図書館だけではなくてコーヒー店や書店、レンタルソフト店が展開されているわけですけれども、それが前面に出てきてしまっていると。さらに、そのリニューアルオープン時の蔵書の入替えの際には、CCCが当時出資していた企業から中古の実用書を蔵書として購入する一方で、廃棄、除籍された書物の中には貴重な歴史、郷土資料が含まれていたことなどが市民の強い怒りを買っているわけです。そうした結果、リニューアル後、市外や県外からはコーヒー店や書店を目当ての利用者が訪れている一方で、市内の図書館利用者は減っているということも伺っているわけです。
 公共図書館というのは、教育、学術、文化という市民にとって欠くことのできない教育機関なわけです。また、図書館法においては、資料等の収集や整理、保存なども図書館の仕事だとして明記されております。武雄の場合は、そうした図書館が果たさなければならない役割というもの、図書館という施設の目的が完全に後に回されてしまっている、自主事業の方がこの中で中心になってしまっているのではないかと思われるわけですけれども、大臣、このようなやり方で公の施設の設置目的というのを効果的に達成できていると考えるのでしょうか。とりわけ地元の市民の利用が減っているという点から、CCCのようなやり方は住民の理解を得られていない、図書館というのは指定管理にはなじまないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
総務大臣・高市早苗君
具体的な裁判中の事例についてのコメントは差し控えさせていただきます。
 指定管理者制度でございますが、これは公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を議会の議決を経て指定するものでございます。先ほど吉良委員がおっしゃいました平成二十二年十二月の通知においても、「個々の施設に対し、指定管理者制度を導入するかしないかを含め、幅広く地方公共団体の自主性に委ねる制度となっていること。」と記載をしております。
 この図書館を含めて、地方公共団体の公の施設を最も効果的に、また効率的に管理できる方法が何であるかということはそれぞれの地方公共団体の実情に応じて異なると考えています。直営、民間委託、指定管理者制度などといった事業の実施方法、それから指定管理を採用する場合の業務の範囲につきましても、地域の実情に応じて適切に選択をしていただきたいと思っております。
吉良よし子君
地方自治体が自主的に、それぞれが判断するんだということで、どういうやり方か、それぞれがお決めになることだというお話なんですけれども、問題は、こうしたツタヤ図書館というところが、いわゆるですけれども、ツタヤ図書館が武雄だけじゃなくてもう全国展開されようとしているわけですよ。海老名や多賀城、周南など、そうして広がっているというところがやはり私、問題だと思うわけです。
 もちろん自主事業という意味で、先ほどコーヒー店などの例を挙げましたけれども、もちろん市民の憩いのための軽食スペース、これがある図書館というのはそうじゃなくても全国にあるわけで、それを私、否定しているわけじゃないんです。でも、それらはあくまでも、知の拠点として、教育機関としての役割を図書館が果たしているという前提に立った上でのことなわけですよ。商業施設の中に図書館という名の貸本スペースが設けられているという形では、公の施設の目的、先ほど水準確保ということをおっしゃられていましたけれども、それを達しているとは言えないと思うわけです。
 例えば、武雄と同じくCCCに委託された多賀城の図書館のコンセプトを見てみると、食事もお酒も楽しめるスペースづくりがうたわれているわけです。いつから教育機関であるはずの図書館が食事もお酒も楽しめるような商業スペースとなってしまったのでしょうか。
 私、この間、長年図書館で働いていた方からお話を伺ったんです。そもそも図書館とはどうあるべきかと。そもそもは持ち寄り文庫などが発祥の図書館であり、だから、図書館の財産である蔵書というのは市民の共有の財産なんだ、それを市民の税金で維持管理して、そして誰もがその知識を享受できるように図書館とは無料サービスを基本としているわけですと。こういう成り立ちから見れば図書館というのはそもそも利潤追求とは相入れないんだという話なんです。
 そして、働いている皆さんが強調されていたのが、図書館で大事なのは、その地域で二十年後にも読まれる蔵書をつくることなんだというお話なんです。とっくに廃刊になってしまったような古い本、これを孫に読ませたいと言って来る利用者さんがいるとか、郷土史の資料を探しに来る利用者さんがいるとか、そうした利用者のために普通の本屋には売っていない資料も蔵書として保管することで、二十年、三十年、地域に根付いた知の拠点としての図書館の役割が果たせるということを言っておられた。そうした蔵書づくり、知の拠点としての役割がいわゆるツタヤ図書館では後回しにされてしまっているのではないでしょうか。それは、武雄において市民の利用が減っている、その事実を見ても明らかなのではないかと思うわけです。
 こうした経過の中で、先日は小牧市で住民投票が行われて、CCCに図書館の管理を委託しようという計画に市民が住民投票でノーの審判突き付けたわけです。
 市民だけじゃないわけです。三月二十二日にこの問題で伺ったときに、総務省からは、図書館を含みます社会教育施設につきまして、地方公共団体からは、教育機関、調査研究機関としての重要性に鑑み、様々な意見がありまして、結果として、実態としては、現在のところ、指定管理者制度の導入が余り進んでいない状況でございますとの答弁があったわけです。
 各自治体において図書館の指定管理制度の導入が今余り進んでいないという状況、これこそが、私、図書館は指定管理になじまないという自治体からの結論だと思うわけですが、その点いかがでしょうか、大臣。
高市早苗君
三月二十二日のこの委員会でも答弁をさせていただきました。地方団体の御意見も含めた課題を踏まえながら、今後、地方団体や関係省の御意見も伺いながら、二十九年度以降のトップランナー方式の導入について適切な検討をしてまいりたいということを私は申し上げさせていただきました。
 そしてまた、住民の皆様を代表される議会の議決によって、これも先ほどお話をしましたが、その議会の議決を経て指定管理者制度というのは公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を指定するというものでございます。多くの住民の皆様の御意見が議会の議決という手続をもっても反映されるものであると思っております。
 また、個別の業務の性質や団体の規模、置かれている状況というのは様々ですから、総務省として、一律に民間委託してくださいとか指定管理者制度の活用をしてくださいということを地方公共団体に対して強制する考えはございません。
吉良よし子君
検討されるというわけですけれども、私、多くの自治体で図書館が指定管理を導入していない、ここで結論は出ていると思うわけです。議会の議決が住民の声だと言いますけれども、先ほどもあったとおり、住民投票でその計画が覆されている小牧の事例もあるわけですし、実際に導入されている武雄では市民の利用が減っている、そうした点でもう結論は出ていると思うわけです。そういう中でトップランナー方式の導入などを検討していくという在り方は私違うと思うわけです。そうじゃなくて、もうきっぱりそれは図書館を外していくということがあり得べきだと思うわけです。
 もう時間がなくなりましたので伺いませんけれども、今日資料をお示ししております。総務省は、こうした図書館も含めて民間委託や指定管理者制度の推進や活用がどれだけ進んでいるのか、見える化施策を実施するとしている中で、その公表について統一した様式を今示しているわけです。それがお配りした資料なわけですけれども、その中にはもう図書館というものが例にされているわけですね。そして全国平均と比較されて、日本地図での一覧化も例示されていると。もうこうやって例示されてしまえば各自治体はやらなければならないのではないかと思うと思うわけです。
 一律に強制するわけではないというわけであるのなら、こうした見える化のようなやり方で自治体に圧力掛けるようなやり方はやめるべきでありますし、図書館というのは指定管理にはなじまない、このことを強く申し上げまして、質問を終わります。