吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
 今日は、消防分野での女性の活躍について取り上げたいと思います。
 大臣は所信で、地方公共団体における女性活躍の取組を支援するというふうに述べられておりますが、この消防分野におきましては、救急隊員のほか、消防隊員などの警防業務を含む交代制の勤務を行う女性消防員が全消防職員の約五割となっており、この分野での活躍促進というのは重要な課題と考えます。
 そこで、大臣に伺います。女性消防職員の活躍促進、どのように位置付けて進めていくおつもりか、総務省における具体的な取組をお答えください。
総務大臣・高市早苗君
女性消防吏員の活躍推進には力を入れて取り組んでおります。全国の消防本部に対しまして、数値目標を設定した上での女性消防吏員の計画的な増員、適材適所を原則とした職域拡大の推進、より積極的な仕事と家庭の両立支援に取り組むよう、昨年七月、通知により要請をいたしました。
 また、消防庁におきましては、この女性消防吏員の増加を図るために、これから社会人になられる女性に対しまして積極的にPRするべく、ブロック別の説明会の開催や、女性消防吏員の活躍を紹介する専用サイトの開設を行うことにしております。
 さらに、消防大学校におきまして女性消防吏員の研修機会拡大を図るとともに、消防署などにおける女性の専用施設の整備に対して特別交付税措置を行うといった形で積極的に取り組んでまいります。
吉良よし子君
 様々な取組、積極的に行うということで女性消防職員を確保していく、育成を急がれるということで、そういう意味では私も思いは一緒なわけですけれども、二〇一四年に全国消防職員協議会の女性連絡会が所属する女性会員に対して行ったアンケートがあります。その結果を見ますと、ほぼ全員が救急や消防などの業務で災害現場に出動しており、今後もそうした業務で働き続けることを望んでいると、女性消防職員の皆さんの仕事に対する意識の高さがうかがえる結果だと思うわけです。一方、体力、気力、家族の協力が続くまでだとか、定年まで出動したいけど現実的には結婚や出産までだと思っているなどの声も出されているというところは見逃せないと思うわけです。
 昨年七月に消防庁が出された消防本部における女性職員の更なる活躍に向けた検討会報告書でも、女性の活躍に係るアンケート調査を行って、その中でライフステージに応じた様々な配慮の必要性が指摘されているということは承知していますけれども、このアンケートというのは全ての女性職員のうち一割だけを抽出したという調査になっているわけです。
 私は、ライフステージに応じた様々な配慮が必要というのであれば、やはり全ての女性消防職員の声を聞いてほしいと思うわけです。さきの全国消防職員協議会のアンケートを読んでも分かるとおり、志高く働いている状況というのは同じであっても、仕事と家庭の両立をめぐる状況というのは職員一人一人全く違うわけです。そうした一人一人の思いや努力というものを丁寧に聞き取っていくことこそが今後の政策づくりなどにも参考になると考えるわけですが、大臣、全ての女性消防職員を対象としたアンケート調査、又は実態調査というのを進めていくべきかと考えますが、いかがでしょうか。
高市早苗君
今年度開催した検討会におきましては、全国の女性消防吏員のうちから約一割の方を無作為に抽出した形でアンケートをしました。初めての実施でございました。結果、アンケート対象者の八七%から回答をいただいております。この回答者の年齢や階級の構成比というものを見ましても女性消防吏員全体の構成比とほぼ同様となっておりますので、女性消防吏員の抱える課題、意見は適切に抽出できたと思っています。
 このほかに、消防本部の女性吏員からヒアリングなどを個別に実施いたしました。また、全国の女性消防吏員が自主的につくっておられる会との意見交換も行いました。
 消防庁としましては、女性消防吏員の様々な御意見を伺いながら女性活躍推進策を検討して、各消防本部などに対して取組を要請してきております。引き続き、しっかり女性消防吏員の活躍推進を進めるという観点から、また更に御意見を参考にしながら施策展開を図ってまいります。
吉良よし子君
様々、構成比は同じだしヒアリング等も行っているというお話でしたけれども、やはり一割というのはちょっと少ないのかなと私思うわけですね。ですから、先ほどありましたとおり、是非きめ細かに声を聞いていただきたいと思いますし、実態把握に努めていただきたいと思います。
 そして、私、やはり、それと同時に、具体的に女性消防職員の仕事と家庭の両立を支援するという政策づくり、これも進めていただきたいと思うわけです。その参考となるのがイギリスの事例なんです。
 お配りした資料を御覧いただければと思うんですが、これは、イギリス、英国消防士組合が母性保護政策として妊娠、出産後の期間に生じる質問に答えるために策定し、使用者である自治体に対策を求めたものであって、全ての雇用者を尊重し、昇格の機会を与え、チーム内で能力を最大限発揮できるような積極的な労働環境をつくることを求めて発表したものです。これは単に政策を提案するだけではなくて、使用者である自治体に責任を持って家族政策担当官を置くことなども求め、それによって全てのスタッフがこの政策を認識できるようにしようということまで求めている内容になっていて、まさにライフステージに応じた配慮、男女問わずに働き続けられる消防の職場づくりにとって大いに参考になる事例ではないか、提言ではないかと思うわけです。
 この政策提言というのが出されたのは二〇〇五年の二月になるわけですが、こうした母性保護を求める様々な声を背景に、イギリスでは二〇〇六年の四月に出産休暇の保障の法律というのが改正されて、一〇〇%賃金保障の出産休暇日数というのは二十六週から三十九週にまで増やされたと、そういう経過もあるわけです。
 イギリスでは消防職員誕生したのは一九八二年なんです。対して、日本ではそれよりも十年以上も早く、一九六九年にもう女性の消防職員がやはりソフトの面から必要だということで誕生しているわけです。そういう意味では、日本においてもこの母性保護の具体的な政策を進めていくということは本当に必要じゃないかと私思うわけです。
 女性消防職員を確保し、活躍推進していこうというのであれば、こうした海外の政策提案等も参考にしながら、政府が率先して仕事と家庭の両立を望む職員に寄り添った具体的な政策つくっていくこと、必要ではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
高市早苗君
女性消防吏員の方が出産や子育てを経ても仕事を続けて活躍を続けられる、そのためには仕事と家庭の両立支援策の充実は必要でございます。
 この消防吏員の方は、一般職の地方公務員として産休、育休、また育児短時間勤務などの両立支援制度を活用していただくことができます。また、消防庁では各消防本部に対しまして、大規模災害時における子供さんの預け先を確保するなどの柔軟な対応も要請いたしております。それから、現在は先進的な取組事例について情報収集を行っている最中でございまして、今後、様々な機会を捉えて消防本部に先進事例を情報提供して、しっかりと仕事と家庭の両立環境を整えるように取り組んでまいりたいと存じます。
吉良よし子君
先進事例も集めてということもありましたが、今、産休、育休はあるよというお話もありました。ただ、この英国の政策提言、是非読んでいただきたいんですけれども、この中では、出産休暇だけじゃなくてパートナーに対する出産支援休暇、また母乳で育てる権利の行使の保護などについても言及しており、本当に興味深い内容で、参考になる中身となっていると思うわけです。
吉良よし子君
本当にそういう意味ではこうした提言を大いに参考にしていただいて、性別にかかわらず誰もが活躍できる社会づくりのための政策づくりを進めていただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。
吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
 私は、公営事業としての路線バスの運転手の問題を今日取り上げたいと思います。
 この間、軽井沢や関越道でのバス事故が起きております。このような事故、再び起きることはあってはなりません。それは地域住民の足である公営事業者が担う路線バスでも同じだと思うわけです。ここ、総理に伺う予定だったんですが、まあ認識は同じだということで、話を先に進めたいのですが、この路線バス事業においても安全性の確保は最優先課題だということを前提にした上で、ところがその安全を守るべき公営路線バスの運転手の労働環境が今どうなっているかというところなんです。ここでもバスの運転手の非正規化というものがどんどん進んでおります。
 私、現場の運転手の皆さんのお話を聞いたんですけれども、例えば八戸市では、臨時職員も含めれば、バス運転手の八五%が、また北九州市では八三・九%が一年の更新を繰り返す嘱託職員、特別職非常勤公務員として雇用されています。そして、その嘱託職員の待遇がどうかといいますと、例えば八戸市の場合、正規職の平均の月収額というのは三十五万五千二百円に対し、嘱託の場合は長く勤務していたとしても月給は二十万四千円止まりとなってしまうと。北九州市や長崎県に至っては月給ではなく時給制で管理されていて、まるでアルバイトのような扱いになっているというのですね。
 問題は賃金だけではありませんで、例えば退職手当や扶養手当などはこうした嘱託職員には支給されておりません。また、路線バスというのは年末年始、祝日も関係なく運行しなければならないはずで、それは正規、非正規問わず運転に当たるはずなんですけれども、八戸市でも北九州市でも、正職員ならそうした年末年始、祝日の手当若しくは代休というのが保障されるにもかかわらず、嘱託職にはどちらも手当てされないというような格差があるわけです。
 余りにも大きいものであると思うわけですが、そもそも嘱託の運転手の皆さんであれ、正職員として働いている皆さんと同様の業務をしているわけです、労働時間も同様です。そうした事実は八戸市なども認めているわけですから、やはり地域住民にとって欠かせない足である公営バス事業の安全を守る運転手の雇用形態が違うというだけでその待遇格差が生じてしまってはならないと思うわけですが、総理は同一労働同一賃金の対策を盛り込むと言っておられますが、こうした格差の解消は急務だと思うわけです。
 均等待遇に向けて手だてを講ずるべきと思いますが、いかがでしょうか。
内閣総理大臣・安倍晋三君
公営バス事業は、地域住民の生活の足として重要な役割を果たしている一方で、厳しい経営環境に置かれており、組織の効率化や職員給与費の適正化等を通じて経営健全化に取り組んでいるところであります。
 御指摘の臨時・非常勤職員などの非正規職員の任用、勤務条件等については、それぞれの地方自治体で適切に対応いただくべきものでありますが、政府としては、非正規職員を配置することとしている制度の趣旨や職務の内容に応じた処遇の確保を図っていただくことが重要と考えています。
 いずれにせよ、企業職員の給与については、同一又は類似団体の職員や民間従業者との均衡あるいは当該公営企業の経営状況等を踏まえ、適切に定められる必要があるものと考えています。
 政府としては、今後とも引き続き必要な助言、働きかけを行ってまいりたいと考えています。
吉良よし子君
総理も、内容に応じた対応が必要だというお話があったと思うんです。やはり、そういうことを見れば、その公営バス運転手の労働実態というのは正職であれ嘱託であれ同じような労働実態なわけですから、そういう、同じであれば必要な手当てを自治体が行えるように政府としても財政措置が必要なのではないかと私思うわけです。
 そもそも、その運転手の皆さんは口々に、低賃金であるがゆえに通年募集しているのに人が集まらないだとか、そうした人手不足が一向に解消されないということもおっしゃっているわけですから、政府の責任で格差解消に向けた施策を講ずるように重ねて申し上げます。
 ところで、お配りした配付資料を御覧いただきたいと思うわけです。これは横浜市交通局のバス運転手の給与の比較表なんです。お示ししているとおり、横浜市の正職員のバス運転手の給与なんですけれども、これは第三表と第二表という二つの体系に分かれていて、二〇一二年以降に採用された正職員は全て第二表の適用となっているとのことなんです。その各給与体系における該当者が最も多い等級の下限額を比較するために抽出したわけなんですけれども、そうすると、第三表は二十万三千三百円であったのが、第二表になると十四万三千百円と大幅に下がっている事態なわけです。
 これは正職員の間だけの問題ではなくて、問題は、この第二表のこの給与体系というのは、非正規である嘱託職員の給与よりも低いという実態があるというわけなんです。我が党の宇佐美さやか横浜市会議員が入手した就業要綱によりますと、嘱託職員の採用時の月額報酬額というのは十八万六千九百円、第二表の十四万三千百円の方が低い、嘱託職員より低いという実態になってしまっている。
 これを見て、本当におかしな事態が起きていると思うわけですが、総理の言う同一労働同一賃金というのは、まさかこのような正規職員の賃金体系を非正規の水準に合わせて下げていくというようなことではないですよねと。横浜のような事例というのはもう是正されてしかるべきと思うのですが、いかがでしょうか。
安倍晋三君
企業職員の給与については、同一又は類似の職種に従事する民間従業者の給与との均衡や当該地方公営企業の経営状況等を考慮するとともに、地域住民の理解と納得を得られるものであることが必要であると考えています。
 御指摘の正規職員の給与水準については、このような点を踏まえながら、地域の実情を踏まえ定めることが重要であると考えています。
 政府としては、今後とも、給与の適正化や給与制度の総合的見直しを着実に進める中で、必要な助言等を行ってまいりたいと思います。
吉良よし子君
理解と納得などとおっしゃっていますけど、やっぱり、バスの運転手というのは住民の命を預かる、そういう大事な職なわけです。そういうところで低賃金化なんということが進んでいけば、それはやはり安全を脅かす問題だと私思うわけです。
 お伺いしているのはそれだけじゃなくて、やはり同一労働同一賃金というのであれば、下げる方に合わせるんじゃなくてやっぱり上げる方に合わせるべきだと思うんですが、その点いかがでしょうか。総理、いかがでしょうか。
総務委員会委員長・山本博司君
安倍内閣総理大臣。
総務省・安田充君
ちょっとよろしいですか。済みません。
山本博司君
安田自治財政局長。
吉良よし子君
総理、総理にお願いしているんですけれども。
安田充君
事実関係の説明をさせていただきたいと思います。
 横浜市における具体的な事案につきましては詳細承知しておりませんけれども、厳しい経営環境の中で経営改革を図るために横浜市の判断において見直しがされたものでございまして、新しい給与表は、新規採用職員について適用するということにされているというふうに承知しております。
 また、御指摘のございました給料表の(三)の第三表と、第二表のこの額でございますが、それぞれ、三表の方は三級の最初の一号の格付、それから第二表の方は一級の一号の格付ということでございまして、これを単純に比較することは必ずしもできないのではないかと考えているところでございます。
吉良よし子君
単純に比較することはできないとおっしゃっていますが、資料にも書いておりますとおり、三表において三級というのが一番該当者が最も多い場所なんですね、適用されている人が多いところの下限額なんです。第二表の一級というのも一番該当者が多い。そこのところの下限額を比べているわけですから、それは比較の対象になると私は思いますし、何遍も申し上げますけれども、この事例が示すように、同一労働同一賃金といって下がる方にやっぱりなってはならないということを再度申し上げておきたいと思いますし、また、こうした低賃金化、非正規化の背景に何があるかと言えば、やはり二〇〇〇年以降、政府主導でバス事業において規制緩和進められたことがあると思うわけです。そういう中で、バス労働者の低賃金化、非正規労働者で経験不足だとかがあって今回の事故などにもつながっているなどという指摘もあるわけです。
 軽井沢のバス事故や関越道でのバス事故の教訓というのは、人の命を預かり運ぶバス運転手という安全を最優先すべき仕事を規制緩和して事業者任せの市場競争原理に委ねれば命を奪う最悪の結果を招きかねないということなわけであって、安全に関しては安かろう悪かろうでは駄目だし、だから、給料も低い方に合わせていくというのでは駄目だということを私申し上げたいですし、だからこそ、これまで政権が行ってきた規制緩和路線、これを抜本的に改めることこそが事故の再発防止、信頼回復にもつながる道であるということを強く申し上げまして、今回の質問を終わらせていただきます。