吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
 今日は、地方税改正案にある外形標準課税の拡大について伺います。
 今でも、赤字の企業でも、地方税については固定資産税、事業所税、住民税均等割等、所得にかかわらず多くの税負担があること、これは忘れてはならないと思います。
 そこで、まず大臣に伺いますが、二〇一五年度で推計すると欠損法人は地方税を約何兆円負担しているのか、お答えください。
総務大臣・高市早苗君
固定資産税や法人住民税均等割等について、所得に関係なく欠損法人であっても御負担はいただいているところなのですが、欠損法人の地方税全体の負担額については把握をいたしておりません。と申しますのは、固定資産税等については、課税時に欠損法人であるかどうか課税庁である地方公共団体において把握することについて、実益がないということから調査をしていないということが事情でございます。
吉良よし子君
調査していないということですけれども、これは、欠損法人の地方税の負担の実態というのは、もう既に二〇一四年の政府税調の中でも外形標準課税を議題にしたときにも議論があったわけです。こちらはその資料ですけれども、数字も出されているわけで、民間の委員ですらすぐに調査して出せるような数字になっているわけで、国家機密でもないわけで、調査する必要性がないとおっしゃるわけですけれども、やはりどういった影響があるのか調べる上でもしっかり調査して公表するべきではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょう。
総務省・青木信之君
お答え申し上げます。
 今委員御指摘の資料は、平成二十三年度決算をベースに経済界から出された資料だというふうに聞いておりますけれども、この資料のベースとなっている考え方は、欠損法人が約四・五兆円の規模を負担しているというふうに言っているんですけれども、それは、当時の欠損法人の割合を、これ七割程度でございますけれども、固定資産税等の税収に単純に乗じているということなんですね。
 御案内のとおり、資本金一億円を超える企業では黒字法人が多いわけです、大体七対三で黒字法人。資本金一億円以下の中小企業は、七対三で逆に欠損法人が多い。中小企業が全体の九九%ですから、当然、七割、全体の数では七割になってしまいますけれども、それが固定資産税の税収に単純に掛けて推計できるというのは、ちょっと推計としては相当に無理があるというふうに考えておりまして、このデータに基づいて議論するということにもならないのではないかなと思いますし、また、課税庁である地方公共団体がデータを取るということになりますれば、それはそれでまた一定の事務が生じます。そういうことも念頭に置いて考えなければいけない問題だろうと思っております。
吉良よし子君
 いろいろ述べられたわけですけれども、先ほどもありましたとおり、推計値でも出そうと思えば出せるわけですよね。ありましたとおり、二〇一四年四月二十四日の政府税調で提出されたこの資料によりますと、二〇一一年の欠損法人の地方税負担額というのは、推計ではありますが四・五兆円に上るという、これが直接的に確実とは言えないといっても、やっぱり規模が推計できるということなわけですよ。今回の外形標準課税の拡大というのは、こうした赤字企業や中堅・中小企業に対して更に多くの負担を与えるというものだと思うわけです。
 ここでお配りした資料を見ていただきたいわけですけれども、そもそも外形標準課税というのは、資本金、従業員数等の企業規模に着目する課税であって、企業の所得にかかわらずに負担する税という性格を持っているわけですが、この表は総務省自治税務局に要求して作成していただいたもので、これで、今回の課税ベースの拡大によって、激変緩和措置を除いた場合、課税所得別、企業規模別でその所得割、付加価値割、資本割の増減というのが一体どのようになっていくのかというイメージであります。
 総務省では、作っていただいた資料ですからこの内容を説明していただきたいんですが、特徴的なところということで、所得一億円以下の中堅企業のところ、また所得十億円超えの大企業の税負担の増減がどうなるかというところを紹介してください。
青木信之君
お答え申し上げますが、その前に、先ほどの御質疑の点でございますけれども、赤字法人が七割として、七割固定資産税の税収に単純に掛けた推計についてですが、実際に法人の所有する資産に比例的である減価償却費で見ると欠損法人のシェアは三割以下ですので、この推計は正直申し上げて推計とまで言えないようなものなのではないかというふうに思っておりますので、その点は御理解いただければと存じます。
 その上で、今御質問いただきました点でございます、資料を提出いただいたものでございますけれども、今回の外形標準課税の拡大によります一社当たりの負担の増減について、資本金の階級別及び所得階級別の課税標準で平成二十五年度の課税実績を基に機械的に試算いたしますと、資本金一億円以下の中堅法人が約六千社、所得割で平均百万円の負担減、付加価値割で平均三百万円の負担増、資本割で平均百万円の負担増、全体で平均三百万円の負担増となっております。
 所得が十億円を超える大法人が約二千社で、所得割で平均二億四千五百万円の負担減、付加価値割で平均一億二千七百万円の負担増、資本割で平均五千百万円の負担増、全体で平均六千七百万円の負担減となっております。
 あくまでも平均の負担がどう変動するかということで試算をしたものでございますけれども、一般的には、外形標準課税の拡大により、事業規模に比べて所得が大きい場合は負担減、事業規模に比べて所得が小さい場合は負担増となるものですけれども、比較的規模の小さい法人につきましては、外形課税の拡大により負担増となる場合には軽減する措置も講じているということでございます。
吉良よし子君
資料の説明をいただいたということですけれども、先ほどの話ですけれども、推計とは言えないという数字だとおっしゃるんですけれども、であれば、やはり総務省としてちゃんとしっかりと数字出すべきじゃないかと。大臣だって、固定資産税、事業所税、住民税均等割等、法人が、欠損法人も払っているということは認められているわけですから、そこは指摘しておきまして。
 先ほどの資料に戻りますと、御説明いただきましたとおり、所得十億円以上の二千社の大企業、ここの所得割の減税という額が二億四千五百万円になるというわけです。付加価値割と資本割の増税分を差し引いても六千七百万円もの減額となるわけで、この所得十億円以上の二千社の大企業のところが一番減税額が多いと、これは事実でよろしいでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
青木信之君
数字については今申し上げたとおりでございます。
吉良よし子君
これは間違いないということでした。
 つまり、この外形標準課税のところの負担の変動だけ見ても、大企業を優遇している、これは明らかなのではないでしょうか。これに研究開発減税、法人実効税率の引下げ、こうしたものが加われば大企業優遇税制の極みとしか言いようがないと、まさに大企業の独り勝ちになってしまうのではないでしょうか。
 一方、じゃ、負担増えるのはどこかというと、赤字の企業とか若しくは黒字でも所得一億円以下とか、そういったところになるわけです。中堅企業を含めて全部の企業が付加価値割、資本割で増税となるわけで、中堅企業の付加価値割は三百万円から三千四百万円までの負担増になるという事態なわけですけれども、ここで高市大臣に伺いたいんですが、この赤字の中堅企業四千八百社、この付加価値割は二百万円増、平均三百万円負担増となるわけですけれども、どういう経営規模、従業員数とかそれから経営状況なのかという、そういうところを説明ください。
高市早苗君
資本金一億円超の外形標準課税の対象法人約二・三万社のうち、資本金十億円以下のいわゆる中堅法人は約一・七万社であり、そのうち赤字法人は三割弱の約四千八百社、これは委員が御指摘いただいたとおりです。
 赤字の中堅法人の形態ですとか経営状況はまちまちであると考えられますが、赤字ということは経営上御苦労はあるものと受け止めています。現在、赤字であったり収益の低い中堅法人も、業績が向上しましたら今回の外形標準課税の拡大によって税負担は軽減されることになります。
 今後、中堅法人も含めて多くの法人の業績が向上し、この外形標準課税による税負担の軽減効果を享受するということを期待いたしております。
吉良よし子君
経営が向上すれば影響なくなるだろうというお話だったんですけれども、私、伺っているのは、その赤字の中堅企業四千八百社というのが一体どういう企業なのか、どれだけの地域雇用を抱えているのかとか、そういった地域経済への影響というところをお聞きしたわけです。というのは、やはりそれが地域経済に与える影響を勘案しないままで増税ありきということで進めていくと、どれだけのダメージが与えられるのか分からないからですね。
 衆議院の総務委員会でも、我が党の梅村さえこ議員の質問に対して、この外形標準課税の拡大が地方経済に与える実態調査していないという答弁もあったわけですけれども、こうした調査もせずに課税ベース拡大というのはやはりおかしいのではないか、取ることしか考えていないというのはいかがかと思うわけです。
 先ほど来ありますけれども、今回の課税ベース拡大により負担が増えるのは、どうにか黒字で、黒字だったり赤字だったり繰り返している企業もあると思われるわけです。一方、比較的多くの正規雇用従業員も抱えるだろう中堅企業の負担が増えるということなわけですよ。
 総務省の説明などでは、所得割を縮減して、資本割、付加価値割を拡大して見かけ上の実効税率を下げる、だから税制中立だという論法ですけれども、割別の実質負担が大きく変わるというのが真相ですし、今回、激変緩和措置導入するとおっしゃいますけど、そういうことを導入しなければならないということから見てもやはり明らかなんじゃないかと思うわけです。
 そこで、改めて伺いますけれども、地方税法の改正案の附則第五条第二項から第十一項で三年分の激変緩和措置を規定されているわけですが、その改正案には、いわゆる激変緩和措置、今後どうするかなどの検討条項はありませんが、つまり、このままいけばこの本則に従って増税となるということでよろしいでしょうか、大臣。
青木信之君
今般の法人税改革は、企業が収益力を高めて、積極的に設備投資あるいは賃上げ等を促す観点から行うものでございますけれども、そうした改革を各企業に進めていただくためには一定の期間も必要だろうということから、事業規模が一定以下の法人について、外形課税の拡大により負担増になる場合には時限的に負担増の一定割合を軽減する措置を講じたところでございます。
 こうした措置は、こうした軽減、経過措置でございますけれども、この措置の終了時にその後の措置を検討するという規定は設けないのが普通でありますし、今回の地方税法の改正法案においてもそうした措置は設けておりません、それを検討するという規定は設けておりません。
吉良よし子君
検討するという措置設けていない、つまり三年後にはこのお配りした資料のとおりの増税となるということだと思われるわけですね。
 ところで、与党大綱によると、資本金一億円以下の中小企業に対する課税ベースの拡大についても引き続き慎重に検討していくとあるわけです。
 ここで大臣に伺いますけれども、この検討するという点は、具体的に、どういう論点について、どういう方向性を持って検討していくおつもりなのでしょうか
高市早苗君
外形標準課税の適用対象法人に関しましては、与党税制改正大綱において、法人税も含め、中小法人課税について、実態を丁寧に検証しつつ、資本金一億円以下の法人に対して一律に同一の制度を適用していることの妥当性について検討を行うとされています。その上で、先ほど委員がおっしゃったとおり、適用対象法人の在り方についても、地域経済、企業経営への影響も踏まえながら引き続き慎重に検討を行うということになっておりますので、政府税調や与党税調などで様々な議論が行われてきた中で、経済界からは慎重な御意見もあると承知しております。様々な御意見を十分に踏まえて検討していかれるものと思います。
吉良よし子君
検討されていくということで、具体的に、じゃ、どういう方向性で何をというところはおっしゃられなかったわけですけれども、この税制改正大綱に検討するとわざわざ書き込んだところに私はやっぱり重大な意図を感じるわけですよ。結局、課税ベースの拡大、増税の方向だとするならば、その適用する資本金規模を下げるとか、三つの各割の率を税収が増大するようにいじるとか……
吉良よし子君
そうした検討を含むのじゃないかということが考えられるというわけなんです。
 これを指摘して、大企業減税の財源づくりのための外形標準課税ベースの拡大というのは、中小企業に負担を求め大企業を更に優遇する、そういったものであって、まともな政治の道ではないということを指摘して、質問を終わります。