吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
 私は、改憲案のすり合わせになりかねないこの憲法審査会は動かすべきではないし、ましてや、自民党改憲草案を議論のベースにするなどもってのほかであることを訴えたいと思います。
 自民党改憲草案は、立憲主義を否定し、憲法の基本原理を根底から覆すものです。とりわけ、表現の自由について、わざわざ「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。」と規定して、国民の知る権利や、言論、政治活動の自由を規制しようとしていること、また、現行憲法が人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であるとうたう基本的人権を制限しようとしていることは見過ごすわけにはいきません。
 これは、決して改憲草案の中だけの問題ではありません。既に今、政府や自民党による国民の自由を踏みにじろうとする動きがあることは重大な問題です。
 例えば、今年の初め、高市総務大臣が、政治的公平性が遵守されない番組が放送された場合、電波停止もあり得るとの答弁を繰り返し、憲法に基づき放送の自由を保障することを求めている放送法を踏みにじり、放送の自由を踏みにじる発言をしました。
 また、さきの参議院選のときには、自民党が、教員の具体的な授業内容を密告させようとする、学校教育における政治的中立性についての実態調査を行いました。
 そもそも、この調査において、政治的中立性を逸脱すると例示された、子供たちを戦場に送るなという言葉は、憲法の平和主義に照らして当たり前であり、政治的中立性からの逸脱などではあり得ません。十八歳選挙権の行使へ向けた主権者教育を行おうとしている教育現場を監視し、恩師や同僚の密告を奨励するようなやり方は、これから政治に参加しようとする子供たちをも萎縮させかねない行為であるとともに、教育の自由を踏みにじる行為です。
 国民からも、高市大臣の発言にも、自民党の調査にも、強い怒りと批判の声が上がっています。何より、政治的公平性、中立性などの言葉で安倍政権の独自の価値観を一方的に国民に押し付けようという行為は、思想、信条の自由や内心の自由を保障する日本国憲法に照らして、絶対に許すわけにはいきません。
 今必要なのは、憲法を壊したり変えたりすることではなく、現行憲法の自由と権利、平和と民主主義、全ての条項を守り生かし実現することです。だからこそ、憲法の基本原理を根底から覆す自民党改憲草案を議論のベースにするのはもってのほかであり、改憲案のすり合わせとなりかねない憲法審査会は絶対に動かすべきではないことを申し上げ、私の発言といたします。