吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
必要な治療が地元で受けられる、たとえ要介護で生活が困難になっても公的な支援がある、そういう地域であってこそ現役世代も高齢者も安心して地方でも住み続けられると思います。だからこそ、国と自治体による社会保障制度とその提供は地域社会の持続と発展の基盤であり、そのための自治体の取
国務大臣 高市早苗君
私もそう考えます。
吉良よし子君
そうお考えということでした。
けれども、今政府は、医療、介護を中心に、社会保障給付について、いわゆる自然増も含め聖域なく見直し、徹底的に効率化、適正化していくという方針を打ち出しています。
医療・介護総合法では、要支援者に対する訪問・通所介護を保険給付から外して、市町村の地域支援事業、新総合事業に移すことが決められました。その新総合事業のガイドライン案では、一つ、ヘルパーやデイサービス事業所など介護のプロが行うサービスに代わってボランティアや非正規などの行う低廉な単価のサービスの利用を推進する、二、市町村のケアマネジメントによって、認定に至らない高齢者、すなわち要介護認定を受けない高齢者、これを増やしていく、そして三つ目で、要支援状態からの自立や卒業を促進するという三つのやり方で事業の効率化を図るとしています。
ここで厚労省に確認したいと思うんですけれども、山梨県の北杜市、ここは今回の法改定を先行実施する介護予防・日常生活支援総合事業の実施自治体であり、要支援者に効果的、効率的な介護予防を行っている例、モデル自治体の一つであると思いますが、それは間違いないでしょうか。イエスかノーかでお答えください。
政府参考人 苧谷秀信君
御指摘のとおりでございます。
吉良よし子君
では、その北杜市で何が起こっているか御紹介したいと思います。
ある八十代の女性は、大病を患って食事制限がある、家の中でもつかまるものがないと歩行が困難で、食事の支度、掃除、洗濯、病院への送迎は全額自腹で民間のヘルパーに依頼をしているという状況です。その依頼しているヘルパーさんから、ほかの自治体であればとっくにこういう状況なら介護サービス受けられているはずだと言われまして、市に介護保険の適用を申請したところ、市からは、地域包括支援センターの保健師との面談を勧められましたと。紹介された保健師は、御本人を見てすぐに介護保険の適用にならないと判断して、筋力トレーニングをする介護予防事業というものを勧めました。しかし、御本人は、今出かけていくだけでも大変なのに更に筋力トレーニングなんてできないとそれを断っているというお話です。
それだけではありません。北杜市では、介護サービスを受けたいとおっしゃる相談に対して、市の財政は非常に厳しい、家族がいて本人も元気なのだから今すぐ介護保険を利用しなくてもいいなど、窓口でサービス利用を断られたという事例が数多くあります。
さらに、介護サービスの事業者やケアマネジャーの方からは、他の自治体なら保険適用が認められるケースでも、北杜市ではハードルが高くて介護申請が、利用が認められない、自分が市に紹介したケースで介護申請が一回で認められた方はいないなどの声が次々と出されている状況だそうです。
ただ、北杜市というのは、現役時代に首都圏で働いていた方が、その山々の風景や温かい土地柄に引かれて老後に移住するという方も多いという地域です。そうやって移住した人たちの中からも、こんなところに来るのではなかったという声が出始めているというのです。
ここで厚労省に伺います。北杜市によるこうした要介護認定をなるだけ受けさせないようにするようなやり方、また、本人の希望する介護サービスではなく、地域の予防サービスなどに振り割るようなやり方は、まさに医療・介護総合法による介護切捨ての枠組みの先行実施と言えるのではないでしょうか。これが全国に広まれば、介護を受けられない地域、地方がどんどん拡大していくのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
政府参考人 苧谷秀信君
今お示しの個別の案件はちょっと別といたしまして、この制度のちょっと趣旨を御説明させていただきます。
この予防給付の訪問介護及び通所介護につきましては、高齢者の多様なニーズに対応するため、昨年の法改正によりまして地域の実情に応じて市町村が実施する地域支援事業へ移行すると、これはおっしゃるとおりでございます。一方で、訪問看護や福祉用具貸与などは引き続き予防給付としてサービス提供することとしておりまして、全部が事業に移るわけではございません。
それで、事業に移行する場合でありましても、引き続き地域包括支援センター等の専門職におりますケアマネジメントを通じ、要支援の方々の心身の状態に応じまして、必要な方々には訪問介護員等による専門的なサービスなど適切な支援につなげることとしております。一方、ごみ出しや電球の交換などの多様な日常生活の困り事につきましては、住民主体の支援など多様なサービスの充実を図ると。こういう形で高齢者の多様なニーズに応えていくという形にしておるところでございます。
こういう新しい事業の実施によりまして、要支援者等につきましても、積極的に参加し、活躍できるような住民主体のサービスを展開しまして、介護予防や自立支援につながる取組を強化することを通じまして、健康を維持する高齢者や生活機能が改善する高齢者が増加して、結果といたしまして認定の必要のない方が増えるということになると考えてございまして、認定を何といいますか不必要に減らすというものではございません。
なお、事業に移行した後につきましても、現行制度と同様に、高齢者の方御本人が希望すればもちろん認定を受けることができますし、事業だけではなく予防給付のサービスを受けることもできる仕組みになってございます。
以上でございます。
吉良よし子君
いろいろ御説明ありましたけれども、事実として、御本人が受けられるように必要な方にはサービスと言いますけれども、必要だと言っている方に対してサービス受けられないと言っている事実がこの北杜市であるわけなんですよ。
もちろん、予防だって重要であることは確かなんです。本人の状態が改善して、要介護認定で、若しくは自立と判定されて、本人も納得してサービスをやめること、これだって否定はしないわけです。しかし、今現実で起こっているのは、そうじゃなくて、まだ本人が納得していないのに切り捨てられていく、受けたいのに受けられない、そういう状況なんです。
実際、厚労省は、現行の保険給付のままなら毎年五、六%の割合で増えていく要支援者の給付費、これを地域支援事業へと置き換えることで後期高齢者の人口の伸び率と同じ毎年三、四%の増加率に抑えていく、そういう計画を立てているのではありませんか。これでは自治体がサービス縮小に走らざるを得なくなる、これは明らかなのではないでしょうか。今こうしたやり方に対して多くの地方議会から批判と反対の声が上がっており、こうした法律というのはやはり撤回するしかないと私は考えております。
また、それだけではなく、この間、老人福祉法に基づき自治体の仕事とされてきた分野、例えば高齢者福祉を担ってきた福祉専門職の削減、保健所の統廃合、養護老人ホーム運営費の一般財源化など、介護保険導入によってどれも介護保険任せにされ、縮小されてきたという経過があります。その結果、独居老人だとか漂流老人だとか言われるような事態に高齢者の方々が追い込まれてしまっていると。そういう、今こそ高齢者福祉や保健、公衆衛生など自治体が従来行っていた仕事を地域全体で再び行えるようにすることが今急がれているのではないかと思うのですが、高市大臣、いかがでしょうか。
国務大臣 高市早苗君
いろいろなお話をされましたけれども、社会保障サービス、子育ても医療も、介護、こういった多くのことが地方自治体を通じて国民に提供されておりますから、地方自治体の役割というのは極めて大きいと考えます。
それで、やはり地方自治体がその地域の実情をしっかりと踏まえながら対応してくださることが重要でございます。ただ、その地方自治体がやろうとする施策の実施に必要な財源につきましては、例えば養護老人ホーム等保護費負担金の一般財源化に伴う地方交付税の算定、これに当たりましては、各市町村の実際の被措置者数を反映させるなど、地方自治体の財政需要に的確に対応したものとしております。
総務省としては、地方自治体が地域の高齢者のニーズにお応えしていただけるように、引き続き適切に地方財政措置を講じてまいります。
吉良よし子君
自治体の役割は大事というお話でした。事実を踏まえて対応しているというお話でしたけれども、例えば、先ほどの養護老人ホームについて言えば、措置控えが財源の一般化によって行われているというお話はこの委員会でも私、お話ししたことがあると思うんですけれども、そうやって実態と合っていない事実が今あるわけですから、やはりそれに対応していただきたいと思うわけです。
例えば、今出されている補正予算案の中には、地域住民生活等緊急支援のための交付金、これが含まれております。うち二千五百億円は地域消費喚起そして生活支援型とされていますが、例えばこれを各自治体の高齢者福祉制度の拡充に充てていくことなどにも活用できるのではないかと考えるんです。
具体的には、介護用品の購入であるとか介護保険のメニューに入らなかったサービス、例えば入浴を一回分増やす、ホームヘルプの時間を延長する、病院や施設の付添い又は送迎などのサービスを購入するための商品券などに使えるようにするなど活用すれば、介護サービスの拡充となるだけではなく、高齢者の御本人の皆さん、また介護している御家族の皆さんの消費喚起、そして生活支援になると考えますが、この点はいかがでしょうか。
政府参考人 末宗徹郎君
お答えいたします。
御指摘の交付金でございますけれども、これは地方公共団体が実施します地域における消費喚起策、あるいはこれに直接つながる生活支援策を対象としているものでございますので、介護の拡充そのものを直接の目的とするものではございませんけれども、消費喚起の視点から、例えば介護用品など介護関連製品をプレミアム付き商品券の対象にするということは差し支えないと考えております。
また、御指摘ございました入浴の補助などサービス面につきましては、今回の交付金については消費喚起効果の高いプレミアム商品券等を推奨しているところではございますけれども、一方で、低所得者向けの商品、サービスの購入券の発行も対象としてございます。このような場合には、低所得者に対して介護関連製品、サービスの購入支援に活用することも可能であると考えております。
吉良よし子君
是非柔軟に活用していただけるようにしていただきたいと思います。
また、自治体は、地域を支えてきた高齢者に対する医療、介護のサービス、着実に提供するために今努力も続けているところだと思うわけです。
改めて大臣に伺いたいと思いますが、本改正案では、本年度中に増えた地方交付税のうち九千二百二十四億円を来年度に繰り越すとしておりますけれども、やはりこれ、来年度に繰り越すのではなく、本来の地方交付税の法律どおり、自治体が安定的、継続的にサービスを提供できるよう今すぐ速やかに交付してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
委員長 谷合正明君
高市大臣、お答えは簡潔に願います。
国務大臣 高市早苗君
はい。
地方団体の福祉施策の実施に必要な財源については、これはもう地方交付税において地方公共団体の財政需要を的確に算定して財源保障をしております。今、六団体からも、二十七年度の一般財源総額、地方交付税の総額確保の強い御要望をいただいて、そのために繰越しをするものでございます。しっかり各地方で福祉が充実されることを期待いたしております。
吉良よし子君
来年度とおっしゃいますけれども、今必要な分は必要なように交付するべきだと考えますし、一回限りの交付金だとか補正予算として措置するのではなく、やはり地域住民サービスに関わることというのは、安定的、恒常的な財政措置として行われるよう自治体財政を保障していくべきであるということを強く述べさせていただきまして、質問を終わります。