吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。今日は郵政労働者の問題を取り上げます。
まず、日本郵便株式会社に伺います。
現在日本郵便で働いている方は、正社員、非正規社員、それぞれどれくらいか、お答えください。
参考人 壺井俊博君
お答えいたします。
日本郵便株式会社の社員数は、平成二十五年十月一日の時点で、正社員は約二十万一千人、期間雇用社員は八時間雇用に換算いたしまして約十二万二千人でございます。
吉良よし子君
契約社員というのが、月給制と時給制あるということですが、合わせて十二万二千三百五十人ということですね。つまり、郵便会社というのは、その約半数近くを契約社員、つまり非正規によって支えられているということです。先ほどは八時間換算でとおっしゃいましたけれども、頭数では十八万人の方が非正規として働かれている、裏返して言えば、非正規労働者がいなければ郵便事業も郵便局も成り立たないとも言えます。
では、その契約社員の皆さんの待遇が今どうなっているのか。年収ベースで、正社員そして契約社員それぞれの賃金が幾らになっているか、お答えください。
参考人 壺井俊博君
お答えいたします。
平成二十四年度の正社員の平均年収は約六百五万円でございます。非正規社員の平均年収は約二百二十七万円でございます。
吉良よし子君
倍以上の差があるということですが、信じられないと思います。特に、日本郵便の場合、職責には違いがあっても実際に行っている仕事の中身はそんなに変わらないと聞いております。
ここで厚労省に伺いますが、同一の使用者に雇用される正規労働者と有期雇用労働者との間の労働条件について、労働契約法二十条は、労働条件の相違が不合理なものであってはならないと定めていますが、厚労省はこの労働契約法二十条をどのように説明されていますか。
政府参考人 大西康之君
今委員御指摘の労働契約法の二十条でございますけれども、私どもでは説明のためのパンフレットを作っておるところでございます。
その中では、一応この二十条の説明といたしまして、同一の使用者と労働契約を締結している有期労働契約者と無期労働契約者の間で、期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることを禁止するルールでありますと。このルールは、有期契約労働者については、無期契約労働者と比較して、雇い止めの不安があることによって合理的な労働条件の決定が行われにくいことや、あるいは処遇に対する不満が多く指摘されているとのことを踏まえ法律上明確化することとしたものですと、このようにパンフレットでは説明しているところでございます。
吉良よし子君
労働条件を不合理に相違させることを禁止するということですが、ここで言う労働条件とは、賃金、労働時間のほかにどういうものがありますか。厚労省、お願いします。
政府参考人 大西康之君
労働契約法二十条におきましては、一切の労働条件について適用されるという、そういうような規定でございます。これにつきまして、これ私どもでは、先ほども御紹介させていただきましたパンフレット、周知用のパンフレットにおきましては、賃金、労働時間などの狭義の労働条件のみならず、労働契約の内容となっている災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生など、労働者に対する一切の待遇も含まれるという具合に説明しておるところでございます。
吉良よし子君
労働条件の一切が不合理に相違させることを禁止するというのがこの労働契約法二十条だと思います。
改めて日本郵便に伺いますが、賃金以外の労働条件についてです。郵便局は世間と違って年賀状配達が集中する年末年始、一番の繁忙期だと思いますが、その年末年始の手当は正社員と契約社員でどうなっているのか。また、早出や深夜勤務の手当についてはどうか。この二点をお答えください。
参考人 壺井俊博君
お答えいたします。
正社員と非正規社員の労働条件につきましては、それぞれの社員の業務の内容とそれに伴う責任の程度、配置の変更の範囲、転勤の有無といった人材活用の仕組みや運用の違いを考慮して、労働組合と交渉の上それぞれの労働条件を設定いたしております。
ただいま御質問がございました年末年始の勤務手当について申し上げます。正社員につきましては、十二月二十九日から十二月三十一日までの間に出勤した場合一日四千円を支給いたしております。一月一日から一月三日の間に勤務した場合は一日五千円を支給いたしております。非正規社員につきましてはこれを支給いたしておりません。ただし、窓口業務組織に所属する月給制契約社員につきましては正社員と同じく支給をいたしておるところでございます。
続きまして、早出勤務等手当につきましての御説明をいたします。
正社員につきましては、始業時刻が七時以前となる勤務に四時間以上勤務した場合、また終業時刻が二十一時以降となる勤務に四時間以上勤務した場合、一回三百五十円から八百五十円を支給することといたしております。非正規社員の皆さんにつきましては、始業時刻が五時から七時となる勤務に一時間以上勤務した場合、終業時刻が二十一時から二十二時となる勤務に一時間以上勤務した場合、一回二百円から五百円を支給することといたしているものでございます。
吉良よし子君
特に年末年始の手当、正社員には年内であれば四千円、年が明ければ五千円手当があるということですが、契約社員の場合はゼロだと、ないというのが基本だというお話です。また、早出や遅出の場合、深夜勤務の場合でも、正社員は多ければ八百五十円付くけれども、一回につき、非正規であれば五百円程度と、大きな差があります。そのほかにも、病気休暇や多くの手当などで正社員と契約社員との間には歴然とした差別が見られます。
厚労省に伺います。今明らかになったような正社員と契約社員との待遇の格差は労働契約法二十条に照らして問題があるのではないでしょうか。
政府参考人 大西康之君
委員御指摘の個別の企業の内容につきましては私どもとしてはなかなかちょっと御答弁しにくいところでございますが、一般的な労働契約法第二十条のお話ということでお答え申し上げさせていただきますと、有期契約労働者の労働条件と無期契約労働者の労働条件を比較してその差が不合理であるということを禁止するというお話を先ほどさせていただいたところでございますけれども、不合理であると認められるか否かにつきましては、やはりこういった方々の労働条件の相違につきまして、私どもといたしましては、この職務の内容、例えば業務の内容とか業務に伴う責任の程度、あるいは人材活用の仕組みでございますか、こういった職務の内容や配置の変更の範囲とか、こういったその他の事情を考慮して個々の労働条件ごとに判断されるという具合に、この法律の趣旨としてそのように考えるところでございます。
吉良よし子君
個々の企業とおっしゃいましたけど、事例を示したんですから、是非そこに対してお答えいただきたいと思うんですけれども。実際、一概には言えないということですけれども、職務の内容や配置とは関係ない私は例示しているはずです。年末年始の手当、早出や深夜勤務の手当、これは職務の内容とか配置とかではなくて、そこで働く皆さんであれば同じような、年末年始出なければならないという同じ条件だと思うんです。
日本郵便に伺います。年末年始に、家族を顧みず、年賀状配達のために出勤するのは正社員も契約社員も同じです。その一方には四千円から五千円の手当、片方は手当を付けない、そういう違いを設ける合理的な根拠というのがどこにあるのでしょうか。労働契約法二十条に基づいてこうした不合理な差別はやめるべきなのではないでしょうか。
参考人 壺井俊博君
お答えいたします。
先ほど御説明申し上げましたように、正社員と非正規社員の労働条件につきましては、それぞれの社員の業務内容等の違い等を考慮して、労働組合と交渉の上決めてきておるところでございます。
ただいま御質問のございました年末年始勤務手当について申し上げれば、正社員につきましては、年末年始の期間につきまして、将来にわたって恒常的にこの間業務に従事するということを考慮してこの手当を支給することといたしているものでございます。非正規社員の方々につきましては、有期雇用でありまして、短期雇用を前提としていることからこの手当の支給対象としていないというものでございます。
吉良よし子君
将来にわたって恒常的かどうかじゃなくて、やっぱりこの年末年始を家族と一緒に過ごせるかどうかということで、それを返上して働いているというわけですから、その手当に差を付けるというのはやっぱりおかしいし、合理的ではないと思います。
このような差別はやめて均等待遇にするべきだということを申し上げて、次に、今年四月から導入された新一般職について伺います。
転居を伴う転勤はない、その代わりに役職への登用もないけれども無期雇用とするという、いわゆる限定正社員の郵政版とも言えるこの新一般職ですが、その賃金はどのようになっているか、御説明ください。
参考人 壺井俊博君
お答えいたします。
新一般職の年収につきましては、勤続年数や勤務する地域等によって異なるものでございますけれども、定年退職時の年収水準として四百五十万円から五百十万円程度となるような設計となっております。
吉良よし子君
先ほど紹介いただいた契約社員の年収は二百二十七万円でしたから、それに比べれば賃金大幅にアップするかのように見えますが、実際にはどうか。
今年四月から月給制契約社員から新一般職に登用された三十四歳の男性からお話を伺いました。新一般職になって、例えば退職金や有給などは正社員並みになったといいますが、給料が下がったというんです。月給制契約社員だったときは基本賃金が二十五万八千九百四十円。内訳は、基本月額二十二万六百円に加算額一万四千八百円と地域手当二万三千五百四十円を足したものでした。そして、会社が示している新一般職のモデル賃金によれば、三十四歳の場合二十七万二千七百二円もらえると書いてあった。これまでよりも少しは良くなるはずだったのに、新しく受け取った給料は十八万円を少し超える程度、大幅にダウンしたというんです。その内訳を見ますと、基本給は十六万九千円、残りの十万三千七百二円は住宅手当や扶養手当、通勤手当など諸手当ということになっており、この男性の場合は独身で親と同居していることなどから住宅手当などの手当がほとんど付かない。そのために、大幅に給料がダウンしてしまったというんです。これでどうして待遇改善だと言えるのでしょうか。おかしいのではないでしょうか。
参考人 壺井俊博君
ただいま個別の事例をお示しになって御質問ございました。ちょっと私ども今手元にお答えできる資料持っておりませんので、ただ、先ほど申しましたように、年収としては、先ほどのような御説明をさせていただいた仕組みとして設計をさせていただいておるところでございます。
吉良よし子君
年収ベースでとおっしゃいますけれども、先ほど紹介した三十四歳の男性の場合は、年収ベースでこれまで三百万円を超えていました。しかし、新しい給与体系では、先ほどの基本給をベースとする限り、四・三か月分の一時金、単純に足し算しても年収でも二百八十万円、三百万円にも満たない。明らかに賃金の切下げになっているのではないでしょうか。新一般職が待遇改善とは言えない。
更に言うと、非正規の正社員化に必ずしもつながるわけではないということは、今郵政の計画している今後の労働力構成の在り方からも見えてきます。
平成二十五年四月現在、郵便事業で働く人の総数は十七万七千二百人で、うち正社員であるのが管理者、役職者、主任・一般とありますが、管理者が五千六百人、役職者が三万六千四百人、主任・一般が五万八百人となっています。そして、月給契約社員が五千人、時給制契約社員は七万六千五百人ということですが、これらのこの労働力の構成について、日本郵便では、新一般職を取り入れた後の将来あるべき姿をどのように描いているのか、お示しください。
参考人 壺井俊博君
私どもの将来の労働力構成につきましては、以下のような考え方に基づいて考えを進めておるところでございます。
まず、郵便局ごとの取扱業務量に基づきまして期間雇用社員を含む総体の労働力を算出いたします。その上で、正社員、期間雇用社員の配置領域、さらには正社員のうちの地域基幹職、それから今御指摘のございました新一般職の配置領域に応じて、それぞれの社員区分別の必要労働力を算出していくこととしているところでございます。
このような考え方に基づきまして、現在、労働組合を含めた関係機関とあるべき姿について協議をしているところでございます。
吉良よし子君
私どもの将来の労働力構成につきましては、以下のような考え方に基づいて考えを進めておるところでございます。
まず、郵便局ごとの取扱業務量に基づきまして期間雇用社員を含む総体の労働力を算出いたします。その上で、正社員、期間雇用社員の配置領域、さらには正社員のうちの地域基幹職、それから今御指摘のございました新一般職の配置領域に応じて、それぞれの社員区分別の必要労働力を算出していくこととしているところでございます。
 このような考え方に基づきまして、現在、労働組合を含めた関係機関とあるべき姿について協議をしているところでございます。
参考人 壺井俊博君
お尋ねでございますので新一般職について申し上げさせていただきますと、新一般職というものにつきましては、地元に密着をしてお客様や地域に貢献をしたい、こういうニーズ、また上位の役職者までは目指さなくてもフロントラインで業務、営業を一生懸命頑張りたいというニーズ、また家庭の事情により転居を伴う転勤は難しい、こういうような多様な働き方への社員のニーズの高まり等に対応することを目的として、この二〇一四年四月から新たに創設したものでございます。
具体的には、転居を伴う転勤及び役職への登用がなく、担当業務を正社員が従事する標準的な業務に限定した社員区分と、こういうものとして構想いたしているものでございます。
以上でございます。
吉良よし子君
ニーズに基づいてとおっしゃっていますけれども、そういうあるべき姿を労働組合へ提示している中では、新一般職を増やす代わりに正社員の方を減らしていくという計画が既に出されているということなので、やっぱりそれは改めるべきなのではないでしょうか。やはり、正社員減らしなどのそしりを受けないように、あるべき姿の数字というのも今後抜本的に見直すべきなのではないでしょうか。
参考人 壺井俊博君
先ほど御説明申し上げましたけれども、将来の労働力構成について、取扱業務量に基づく総体労働力、これを算出の上、それぞれの正社員とか期間雇用社員の配置領域、それから正社員のうちでも地域基幹職、新一般職の配置領域、それぞれの社員区分別の必要労働力を算出していくという考え方の下に、現在、労働組合を含めた関係機関と協議をさせていただいているところでございますので、この点、御理解をいただきたいと思います。
吉良よし子君
新一般職といって、あたかも非正規を正社員化するとか待遇改善のように見せかけながら正社員減らしを進めるようなことは絶対にあってはならないという点を指摘して、最後にもう一つ、自爆営業と言われる問題について取り上げます。
自爆営業、年賀はがきの販売などで過大なノルマを押し付けられて、結局は労働者が身銭を切って買わざるを得ないという事例なくなりません。この問題は国会でも度々取り上げられてきた問題であり、郵便事業に関わるコンプライアンス・ハンドブックにも不適正営業の禁止うたわれており、実需に基づかない自社の商品の買取りをしてはなりませんと書かれておりました。
こうしていても一向にこの自爆営業を根絶できないのはどこに問題があると考えているでしょうか。日本郵便、お願いします。
参考人 壺井俊博君
お答えいたします。
御指摘の実需のない買取りのような行為につきましては、事業本来の実力を過大評価することにつながり、経営判断を誤らすものでございますし、社員のモチベーションの低下にもつながります。したがいまして、従来から決してこれを行わないように指導してまいったところでございます。
昨年度の年賀販売に当たりましては、改めてこういう不適正な営業を根絶するために、一つは、個人目標を設定する場合には、各社員の経験年数、それから前年実績、営業スキルなどを考慮して、さらに班等の関係のチーム、社員のチームでの協議を経て決定するような指導を行っております。さらに、営業機会が乏しい内務社員につきましては過度な目標とならないように特に配慮を指導した上で、本社において目標設定状況のモニタリングも実施してまいったところでございます。また、行き過ぎた営業指導等の事例があれば社員から直接申告するよう全社員に周知も行ったところでございます。
当社といたしましては、このような取組を徹底することによりまして、不適正営業の根絶に向けて引き続き指導を徹底してまいる所存でございます。
吉良よし子君
取組を続けられるということは是非やってほしいですけど、その問題の根本に何があるかと、考えているかということを聞いたんですけれども、私自身は、やはりこの自爆営業の根本には、先ほどの正社員と非正規の不合理な待遇格差を土台に身の丈を超えた過大な営業目標を押し付けて、それを評価軸としているという構造的な問題があるのではないかと思っています。
実際に自爆営業をやった方の話も聞きましたが、昨年末の年賀状のノルマは一人七千枚、暑中見舞い用のかもめーる七百枚、カタログ販売のゆうパックが年間十数個から二十個あると。とりわけゆうパックは人気が悪く、全く売れないのでほとんど自分で買っていると。とりわけ一生懸命やるのが正社員になりたい月給制の人と上に行きたい正社員の人だと言っている。実際に、仕事のことで何かがあると、おまえ、正社員になりたいんだろうと言われて何も言えなくなるという話もありました。
上に上がりたければ営業成績を上げよと。非正規から正社員を目指す人、若しくは正社員でも上の役職を目指す人、さらには郵便局の局長など管理職の場合でも、そのチーム全体の成績が自らの評価に結び付いてしまうという構造自体が自爆営業を助長しているのではないかと。これを正さない限りなくならないのではないかと思います。
 日本郵政グループというのは、従業員四十万人を超える日本最大の会社です。今、若者を食い潰してもうけを上げるブラック企業、重大な社会問題になっていますが、私は、その株式を日本政府が有しているような日本最大の会社である日本郵政グループが間違ってもそのようなそしりを受けるようなことがあってはならないと思います。
先ほどの自爆営業だとか、若しくは非正規と正規に不合理な格差があるとか、又は、新一般職といいながらも正社員減らしにつなげるような動きがあるとか、そういう実態を見れば、このような状況で労働者が生き生きと働ける職場環境と言えるかどうかというのに大変疑問が湧いてくるところなんです。
総務大臣、政府がその株式を保有する日本最大の企業がブラック化するようなことは絶対にあってはならないと思いますが、その点、いかがでしょうか。
委員長 山本香苗君
簡潔にお願いいたします。
国務大臣 新藤義孝君
職員が張りを持って、またモチベーションを高めて仕事に邁進するためには、人事制度というのは非常に重要だと思います。
私は度々郵政に訪れておりますが、むしろ最近皆さんが生き生きとして非常に誇りを持って仕事をしているなということを感じます。それは地方の小さな郵便局に行ってもそうですし、それからKITTEなど、ああいったところに行ってもそうです。やはり民間となって、新しい仕事をどんどんとやって自分たちの会社を伸ばしていくんだと、こういう思いの気持ちが私は顔に表れているということで、それをいつも言うと皆さんもとても喜んでおられます。
もちろん全てが、いろんな課題があることはこれは現実の問題ですから、そういったものについては日本郵政が、まずは自分たちがしっかりと取り組んでいただくと、我々はそれを願っているわけでございます。
委員長 山本香苗君
吉良よし子さん、時間が過ぎております。
吉良よし子君
是非ブラック化など断じて許さないように政府がイニシアチブを取っていただくように重ねて申し上げて、質問を終わります。