吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
今日は、携帯電話やインターネットなどの電気通信サービスに関する勧誘トラブルについて取り上げます。
今年三月、国民生活センターが、「よく分からないまま契約していませんか? インターネット、携帯電話等の電気通信サービスに関する勧誘トラブルにご注意!」と題した注意喚起を行いました。近年、電気通信サービスに相談が増えているからだということですが、そこで消費者庁に伺います。全国の消費生活センターなどに寄せられている携帯電話サービス、モバイルデータ通信、インターネット接続回線に関する相談件数、そしてその相談のうち販売方法や契約、解約に関わるものの割合について、それぞれ過去三年間の状況、お示しください。
政府参考人 川口康裕君
お答え申し上げます。
全国の消費生活センター等に寄せられた携帯電話等の消費生活相談件数と、そのうちの販売方法又は契約、解約に関する相談件数の割合でございますが、まず、携帯電話サービスについて申し上げますと、二十三年度一万一千三十一件、うち契約等に関するものは八四・四%ということになっております。二十四年度一万二千六百五十八件、うち契約等に関するものは八五・〇%。二十五年一万二千五百三件、うち契約等に関するものは八五・五%。
次に、モバイルデータ通信についてでございますが、二十三年度三千二百四十六件、うち契約等に関するものは九三・三%。二十四年度四千七百九十四件、うち契約等に関するものは九三・八%。二十五年度四千七百四十三件、うち契約等に関するものは九四・一%。
インターネット接続回線についてでございますが、二十三年度一万四千二十二件、うち契約等に関するものは九五・二%。二十四年一万六千八百九十二件、うち契約等に関するものは九五・七%。二十五年度一万七千八百七十四件、うち契約等に関するものは九六・七%となっているところでございます。
以上でございます。
吉良よし子君
相談のほとんどが販売方法や契約、解約に関わるものだと、八割、特にインターネット接続回線に関しては九五%以上がこうした契約、解約に関わるものだと、そしてその数字が高止まりしているということですが、国民生活センターでは、こうした状況を受けて、昨年六月にネット回線勧誘トラブル一一〇番を実施しています。
そこに寄せられた事例をここで紹介しますけれども、夜の九時頃、大手電話会社の代理店から電話があり、光回線にすれば速くなる、価格も安くなる、インターネットが一か月五百円で利用できるなどと言われて申し込んだ。工事日も決めて電話が終わったのが夜の十時頃だったと。翌日、やはり必要ないと思って代理店に連絡して、それは了承されたはずなのに、その後、知らない事業者からプロバイダー契約の登録完了を知らせる書面が届いたと。一か月約千円の利用料、そして、それ以前の解約に二万円以上の解約料が発生すると書かれていた。電話ではプロバイダーの契約について一切聞いておらず、解約料なしで解約したいという相談が五十代の男性からです。
また、電話会社を名のる女性から自宅に電話があり、これからは光回線に移行する、インターネット電話の方が速い、今後は今の固定電話が使えなくなるなどと言われて申し込んでしまった。よく考えて契約する必要はないと思った、契約やめたいという七十代の女性。
また、四十代の女性は、家電量販店でパソコンを購入しようと見ていると、今、光回線を申し込めばパソコンを三万円割り引くと言われた。お得ならと思い光回線を契約することにしたが、二か月後、回線事業者から電話があり、二つのサポートサービスに契約しているとのことだったが、自分は一つしか契約したつもりはないと。店舗でもらった書類や後日送付されてきたはがきにもそのような記載はなく、納得できないと言っています。
このように、通信契約をめぐるトラブルが全国あちこちで起きていることは大変問題です。総務省では、こうしたトラブルが多いということは認識されているのでしょうか。また、総務省として、利用者保護、被害防止のための対策は何らか取られているのでしょうか。お願いします。
政府参考人 吉良裕臣君
お答え申し上げます。
総務省におきましては、電気通信事業法におきます提供条件説明義務等の消費者保護ルールがあるわけですが、これを電気通信事業者が適正に遵守するようにということで監督を行っております。さらに、ICTサービス諸問題研究会というのがあるんですが、その提言や、これを踏まえました電気通信事業者によります自主基準等の遵守徹底を求めること等によって、その利用者が安心、安全に電気通信サービスを利用できる環境を推進しているところでございます。
しかしながら、今お話のありましたように、電気通信サービスに係る苦情相談は増加して、それが高止まりしているという傾向にございます。この苦情相談の分析を行ったところ、高齢者や未成年者等が十分に理解できるような分かりやすい説明がなされていないと。そして、代理店によります、今御指摘のありました、執拗な電話勧誘や事実と異なる説明が行われていると。あるいは、契約の初期段階での解約希望の苦情相談が多いといったことが課題になっておりまして、これらの課題を踏まえまして、電気通信事業法における消費者保護ルールの見直しそれから充実につきまして、その専門的な検討を行う場としまして本年二月にICT安心・安全研究会を設置したところでございまして、この検討結果も踏まえて対応していきたいと、こういうふうに思っております。
吉良よし子君
今ようやくこの問題認識されて、それでも、ICTサービス安心・安全研究会を立ち上げて検討されているということでしたけれども、実際、先ほどお話にもありましたとおり、分かりやすい説明が求められていると。
国民生活センターでは、その相談を受けている相談員らにアンケートを行ったところ、やはり契約内容の説明不足、不意打ち性の高い販売、勧誘時の虚偽説明、強引な勧誘、契約内容を示した書面の交付がないなど、契約前の勧誘行為に問題があると指摘がなされております。相談者自身がいつ誰と幾らのどのような契約をしたのかを自覚していないことが特徴であり、契約時にもらった様々な書類を全部持参して消費生活センターに来所してもらい、相談員と相談者でもう一度書類を見直して、その中で相談者自身が交わされた契約内容を知らされるというお話でした。これは一部の事業者、代理店だけの話ではなく、全国でそうした自分がどういう契約したのか分からないままになっている消費者がいるということが問題だと思います。
今、電気通信事業法二十六条では書面での説明義務というものが課されていますけれども、実際には電気通信事業法施行規則の中では、消費者の了解さえ得られれば、その説明のための書面等を電話での説明やチラシなどに代えることもできるとされています。この施行規則の方が現場で優先されてしまっていることにより、こうしたトラブルが減らないのではないでしょうか。
国民生活センターの注意喚起では、総務省への要望として、「電気通信事業法第二十六条の規定に違反した電気通信事業者および代理店等に対する行政処分・指導等を要望する。」と記されています。すぐにでもこうした要望に応えて対策講じるべきではないでしょうか。大臣、いかがでしょう。
国務大臣 新藤義孝君
この電気通信事業法では、サービスの一般的な提供条件については原則書面による説明が義務付けられているわけですね。しかし、個々の利用者の契約内容については書面が交付されないこともあると。そして、これについて書面交付を義務付ける必要があるんではないかと、こういう要望が寄せられているわけであります。
本年の二月にICTのサービス安心・安全研究会を設置いたしました。そして、今のような問題、例えば高齢者や未成年者等が十分理解できる分かりやすい説明がなっているかと。これ、説明義務の在り方ですね。それから、代理店による執拗な電話勧誘や事実と異なる説明があるんではないかと。これは販売勧誘活動の在り方、またクーリングオフの在り方、こういったものを含めてこの電気通信事業法における消費者保護ルールの見直し、充実、これを専門的な検討を行っております。今年、もうすぐ、六月から七月頃に中間取りまとめを予定しておりまして、これらの結果も踏まえて適切に対応していきたいと。そして、その結果を情報通信審議会の二〇二〇―ICT基盤政策特別部会、こういった議論にも反映してしっかりとした環境整備を整えていきたいと、このように考えております。
吉良よし子君
ルールの見直しも含めて検討されているというお話でしたけれども、まずは現状の二十六条の遵守という点でもしっかり対策を講じてほしいと思いますし、また、おっしゃるとおり、現行法だけでは対応できない問題があるということも事実であります。
昨年九月、東京都消費者被害救済委員会は、訪問販売によるモバイルデータ通信契約解除に係る紛争についてのあっせん解決に関する報告を出しました。そこに紹介されている紛争の中身ですが、光回線を契約していた申立人は、突然訪問してきた若い男性からの勧誘用のチラシ一枚を示され、LTE通信について、モバイルWiFiルーターで持ち運べ、速度も速く、エリアも広範囲にカバーし、今より便利に、通信料金も安くなる等の説明を受け、玄関先で契約をしたと。しかし、契約後冷静になってみて、やはり必要ないと思い解約通知を出したが、相手側から通信料と解約料などで合計四万五千円もの請求があったと。申立人は、モバイルWiFiルーターもサービスもまだ受けていないのでクーリングオフしたいと主張したけれども、相手方はクーリングオフの適用のない通信契約ということで拒否したというものです。
実際、現在の電気通信事業法ではクーリングオフなどを定めた特定商取引に関する法律の適用除外になっていると。それは二十六条などによって利用者の保護が図られているからと言われていますが、実際には守り切れていないのが現状なのではないでしょうか。
ICTサービス安心・安全研究会ではクーリングオフの仕組みを始めとした具体的な制度の見直し、検討をされると先ほどもありましたけれども、こうしたクーリングオフの仕組みを使えるようにすること、さらに契約書面を交付する、迷惑な勧誘はしないなど、消費者保護の観点に立った措置を直ちに講じていくべきではないでしょうか。大臣、お願いします。
国務大臣 新藤義孝君
これは特商法と言いますけれども、特定商取引法ですね、これ特商法と呼んでいるんですが、これによってクーリングオフが適用除外とされている。それは、例えば金融取引ですとか通信・放送、運輸、そういった分野で他の法律の規定によって消費者保護がルール化されていると、こういったものはこの特商法のクーリングオフの適用除外になっているわけですね。電気通信サービスも、これは電気通信事業法の消費者保護ルールによって適用されると、こういうことになっているわけなんであります。
しかし、先ほども申しましたが、いろんな事例がございます。そういったものも含めて、この安心・安全研究会でクーリングオフの導入も含めて電気通信事業法における消費者保護ルールの見直し、充実、こういったものをいろいろと御検討いただいております。六月から七月に中間取りまとめが出てまいりますし、それらを受けて我々も適切な対応をしていきたいと、このように考えているわけであります。
吉良よし子君
検討を待たず、是非とも適切な対応を直ちにやっていただきたいですし、この問題に関しては、先ほど御紹介しました国民生活センター、東京都消費者被害救済委員会のみならず、日本弁護士連合会でも電気通信事業における利用者保護の適正化を求める意見書などが取りまとめられておりますし、さらに、昨年七月の消費者委員会においては、河上委員長もこの問題に関わって、総務省に特定商取引法と同レベルの消費者保護規定導入の検討に早急に着手することを求めるとともに、制度的な対応が実現されるまでの間の消費者保護対策についても取り組んでいただきたいと発言されています。
法改正の検討も含め、一刻も早い消費者、利用者保護対策にしっかりと力を入れていただくよう重ねて申し上げまして、私の質問を終わります。