吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
本日は、過疎地における携帯電話の不感地帯解消問題について伺います。
携帯電話は今や日常生活になくてはならないものです。あれば便利から、仕事や生活にないと不便、必要不可欠という時代になっています。ところが、山間地域など条件的に不利な地域では携帯電話のつながりにくいところがいまだに残されています。
総務省では、電波の利用料を使って携帯電話等エリア整備事業を行っていますが、エリア外の人口はこの四年の間にどのように推移していますか、総務省、お願いします。
政府参考人 吉良裕臣君
お答え申し上げます。
総務省といたしましては、携帯電話等エリア整備事業としまして、携帯電話基地局と伝送路施設の整備の費用の一部を自治体だとかあるいは携帯電話事業者に補助して不感地域の解消を推進してきたところでございます。こうした取組によりまして、どの携帯電話事業者も利用できないサービスエリア外の人口は、平成二十一年度末の十二万一千人から平成二十五年十一月の時点で三万九千人と減少はしているところでございます。
吉良よし子君
努力されていてエリア外人口が減っているということは本当に重要だと思います。一方で、今残っているところはそれだけ基地局の建設に困難が伴うところだと思います。
改めて伺いますが、現在エリア外になっている集落の数は幾らか、また、その中で十人以下の集落はどれくらいの割合を占めているのか、お示しください。
政府参考人 吉良裕臣君
平成二十五年十月から平成二十六年三月にかけまして、総務省では、携帯電話の基地局整備の在り方に関する研究会というものを開催いたしまして、不感地域の人口や集落数について、各携帯電話事業者とかあるいは各地方自治体を通じまして調査を実施してきました。その調査の結果によりますと、平成二十五年十一月末の時点で、どの携帯電話にもつながらないサービスエリア外の集落は三千二百四十か所ありまして、そのうち居住人口が十人以下の集落が千九百七十三か所、六〇・九%を占めている状況でございます。
吉良よし子君
エリア外の集落のうち十人以下の集落というのが六割を占めているということですが、私は、どんなに小さな集落であっても、そこに住んでいる人たちが希望する限り、住んでいる場所によって国民の共有の資源、財産である電波が届かない、その恩恵が受けられないような格差が生じてはならないと思います。
総務省では、先ほど御紹介のあった携帯電話の基地局整備の在り方に関する研究会で検討もされているというお話ですが、この研究会に携帯電話が使えないことによるデメリットとして自治体からどのような声が寄せられているか、御紹介ください。
政府参考人 吉良裕臣君
この研究会におきまして、地方自治体からは、携帯電話を利用できないことによるデメリットといたしまして、緊急時の対応に支障が生じる可能性があることと、それから、携帯電話は生活に密着した必需品となっているため、不通話エリアとなっています条件不利地域では若者だとか勤労世代が流出する要因になっているというようなことが挙げられているところでございます。
吉良よし子君
二つ挙げていただきましたけれども、どちらも切実な声だと思います。
私も、同じ研究会に、平成二十二年度、二〇一〇年度の報告で自治体から寄せられた声というものを読みましたけれども、そこには、携帯電話が使えないと嫁が来ない、孫も帰省しないという声や、不感地域内で車が川に転落し死亡事故が発生した、第一発見者が携帯電話が使えず、数百メートル離れた民家に行き一一九番通報してようやく消防署に連絡が取れた、相当の時間が経過し、結果的に不幸な事故になったという具体的な声も上げられています。
できるだけ早期にこうした不感地帯なくすための努力が必要だと思いますが、こうした要望があってもなかなかこうした基地局整備されにくいという理由にはどのようなものが挙げられるか、総務省、お願いします。
政府参考人 吉良裕臣君
総務省では、不感地域の自治体からの要請に基づきまして、携帯電話等エリア整備事業というのを行っております。この中で、携帯電話基地局と伝送路施設の整備費用の一部を自治体と携帯電話事業者に補助しておりますけれども、携帯電話事業者は整備が完了した後の基地局と伝送路施設を運用する費用を負担することになっておりまして、携帯電話事業者は、この運用に係る支出、それから利用可能となる利用者からの収入によりまして、この収支などによって採算性を考慮して基地局を整備するかどうかということを判断しているところでございます。
不感地域の集落の居住人口は少ないことから、この採算性を確保することが難しいということで、自治体が基地局の整備を要望しても携帯事業者が対応できないという状況にあるところでございます。
吉良よし子君
採算性という話がありました。ほかにも判定員の不足という問題もあると思いますが、本日審議している電波法の改正案では、こうした判定員に関しては措置されているということで、それについては賛成なんですが、問題は、やはり先ほど御紹介のあった採算性の考え方が整備の障害になっているという点だと思います。これが放置されているなら、いつまでたっても不感地帯の解消はできないことになるのではないかと思うんです。
私は、二月、高知県の四万十町、訪問して様々な御意見を聞いてきましたが、そのうちの一つがこの携帯電話の不感地帯解消問題です。四万十町で携帯電話の使えない集落が多く残されている、十人以上の集落でおよそ二十、十人未満の集落になると五十以上も残されているというお話でした。しかし、携帯事業者にもその解消の意欲が見られないという話で、まさに先ほど指摘ありました採算性の考え方が整備の障害になっているという事例の一つです。
こうして残された不感地帯解消は、この採算性の問題の克服が重要だと考えます。何よりも、携帯電話というのは固定電話とは違って、そこに居住している人が利用するのはもちろんですけれども、その地域を通過する人も利用するものです。先ほどの交通事故の話もそういう事例だと思います。そういう意味では、採算性といっても固定電話とは違った評価の仕方もできるのではないかと思うのですが、このように、採算性の評価の仕方の見直しも含めて不感地帯の解消を進めることが必要なのではないでしょうか。大臣、見解をお願いします。
国務大臣 新藤義孝君
携帯電話が国民生活に必要不可欠なインフラであると、これはもう私もそう思っています。そして、この不感地域の解消も、これあともう少しなんですね。全体で三万九千人ぐらいですから、全国で。これ、何とか私もしたいなというふうに考えております。今までの、この携帯電話等エリア整備事業と今局長が言いましたけれども、これによって三千九十の地域とトンネル、ここ平成三年からですけれども、そういった整備もしてきて、あと残りがもう少しということなんです。したがって、採算性の考え方も、居住人口に加えての通過人口であるとか、もう少しエリアを広く取ってあげるとか、いろいろ工夫ができないのかなと、こういうふうにも思っておりますし、そういった検討をこの在り方研究会で今していただいているところであります。
それから、今委員が御指摘されました四万十町は、逆にケーブルテレビのネットワークを使って、有線の、光ファイバーですね、これを入れる、それを活用して携帯電話を使えるようにしようではないかと。こういう事例をもっとどんどん増やせと。それが一体技術的に可能な地区はどこなんだということをチェックして、一つ一つを潰していこうではないかと、私はそういうことを今役所に言っているわけであります。
吉良よし子君
ありがとうございます。是非、検討、工夫、進めていただきたいと思うんですけれども、その採算性の評価の仕方も含めて。
先ほど御紹介いただいた四万十町のケーブルテレビの活用の事例というのは私も話を伺ってきたところです。ケーブルテレビのラインが張り巡らされている、それを活用したいという要望を伺ってまいりました。ただ、それを実行するためには、基地局の設置箇所が増えることとか、設置される機器が重いとか、そうしたそれを支える支柱の強度の問題など、解決すべき技術的な問題もあると思います。
また、四万十町以外でも、日本全国でそうした個別の自治体の事情や工夫に配慮したきめ細かな対策というものが必要になると思いますが、その点、もう一度大臣の見解を伺います。
国務大臣 新藤義孝君
もう九九・七%までは普及しているんですから、これは是非、私とすれば、まさに日本国民全体が享受していただくようにしていきたいと、このように思いますから、いろいろ自治体の事情等もお伺いしながらこれは私たちも検討していきたいと、このように思います。
吉良よし子君
この問題は、先ほど来言っていますように、過疎地域を抱える地方にとって共通の問題であり、その解決の方法として、固定電話やIP電話に今限られているユニバーサルサービス制度を携帯電話にも広げてほしいという声が地方から多く寄せられているとも伺っております。
例えば宮城県では、今日の携帯電話の普及状況や、加入電話等の契約が減少する一方で携帯電話の契約数が増加している状況、さらには災害時等の情報伝達手段としての重要性を踏まえ、不採算地域への携帯電話基地局の整備や維持管理に係る費用へのユニバーサルサービス制度の適用の検討を国に求めています。同様の声は、新潟県でも福島県でも高知県でも、日本中で上がっております。現在の携帯電話の普及の実態からいえば当然の声だと思いますし、このユニバーサルサービス制度を取り入れることによって不感地帯の解消もより進むと思います。
これについては情報通信審議会でも検討されることと思いますけれども、総務大臣にもこの実現のために大いに力を注いでいただきたいと思います。いかがでしょうか。
国務大臣 新藤義孝君
現行のユニバーサル制度は、電電公社の頃に電話網を、固定電話ですが、電話網を過疎地まできちっと普及させようと、こういう趣旨でつくられたものであります。したがって、固定電話と公衆電話と緊急通報、これがあまねく全国に提供されることを維持するための仕組みであって、携帯電話はこの制度に入っていないわけですね。
今委員は、不感地域を解消するためにユニバーサルサービスを入れれば自動的になるんではないかと、こういう御提案をいただいていると思うんですが、このユニバーサルサービスをどのように位置付けるかということとそれから不感地域の解消をすることは、やはりそれぞれの検討が必要だと思います。今、様々な我々の総務省の中にある審議会ですとか在り方研究会、懇談会、そういったところでそういったものを議論をさせていただいておりまして、いずれにしても、それは良い方向に進んでいくように、またユニバーサルサービスはユニバーサルサービス制度としていかにあるべきかと、こういう議論をしていただきます。
不感の解消については、これまた先ほども申し上げましたけれども、いろんな工夫をしながら、自治体の声も、実情もお聞きしながら取り組んでまいりたいと、このように考えております。
吉良よし子君
ユニバーサルサービス制度で自動的に解消するとは私も思ってはおりませんけれども、そのユニバーサルサービス制度を適用することもそういう不感地帯解消の一つの役割を果たすと考えておりますので、是非とも検討を進めていただきたいと思いますし、この間、努力されてそういう不感地帯解消が着実に進められている、これはもう本当に重要なことだと思っております。
更にスピードアップして、技術的な工夫も含めて検討されることを強く求めまして、私の質問を終わらせていただきます。