吉良よし子君
日本共産党、吉良よし子です。
現在、高齢化が進むに従って支援を必要とする高齢者は確実に増えています。施設が足りないために、デイサービスの事業所に泊まり込むお泊まりデイや、無料低額宿泊所などの劣悪な施設に入所したり、施設を転々と移動せざるを得なくなっている方も急増しており、漂流老人などの報道もなされています。
そこで、今改めて注目が集まっているのが、老人福祉法に基づく措置制度を持つ養護老人ホームです。その新たな役割についての研究事業が始まっていると思いますが、その目的を、厚労省、述べてください。
政府参考人 有岡宏君
お答えいたします。
現在、平成二十五年度の老人保健健康増進等事業におきまして、先生おっしゃるように、養護老人ホーム・軽費老人ホームの今後のあり方も含めた社会福祉法人の新たな役割に関する調査研究事業を行っているところでございます。
この研究に当たりましての基本的認識を申し上げますと、生活困窮者が増加していること、あるいは社会的に孤立する高齢者など、介護ニーズ以外の面で生活困難を抱える高齢者が増加していることがまず挙げられます。また、これらの高齢者の中には、従来の枠組みでは十分な対応が難しく、制度のはざまに陥っている方もおられ、適切な支援を行うことが求められていることが挙げられます。さらに、地域包括ケアシステムの中で養護老人ホームがその機能を生かし、一定の役割を果たす存在として位置付けられることが必要であるというふうに考えております。
こうした基本的認識の下で、養護老人ホーム、軽費老人ホームに求められております役割や位置付けを整理し、その新たな役割、機能を提言することを調査研究の目的としているところでございます。
吉良よし子君
調査研究の目的というところを是非御紹介していただきたかったんですけれども、その目的の中には、先ほど、中身は御紹介いただいたとおりなんですけれども、養護老人ホームや軽費老人ホームが位置付けられていますが、その困難な高齢者の受入先として。しかし、これらの施設は施設数も増えておらず、地域に増大する生活困窮や処遇困難を抱えている高齢者のニーズに十分応え切れていないという問題意識も持たれているという指摘があったと思います。
実際には、じゃこの養護老人ホーム、どの程度利用されているのか。厚労省、平成十六年と直近の平成二十三年の定員、在所者数、入居率の変化を述べてください。お願いします。
政府参考人 有岡宏君
養護老人ホームの定員数等についてお答えをいたします。
平成十六年十月一日現在で、定員数が六万七千百八十一人、在所者数が六万三千九百十三人、入所率で九五・一%でございます。また、平成二十三年の調査でございますが、これにつきましては、残念ながら調査票の回収率が低下しているということがございますし、東日本大震災の影響を受けまして、一部の地域で調査が行われていないということがございますので、一概に単純な比較はできないとは思いますが、平成二十三年十月一日時点で、定員数で六万七百五十二人、在所者数で五万六千三百八十一人、入所率で九二・八%となっております。
吉良よし子君
支援を必要とする高齢者は増えているはずであるにもかかわらず、資料にもお配りしておりますけれども、十六年と比べてもどんどん、二十三年にかかわらず二十二年の段階でも定員割れが進んでいると。この要因の一つには、自治体の措置控えというものの問題が指摘されていると思います。
二月二十五日に開かれた厚労省の全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議では、この定員割れに触れて、養護老人ホーム、軽費老人ホームは整備費、運営費が一般財源化されていることを指摘しながら自治体の努力を促していますけれども、整備費、運営費が一般財源化されると、困窮に陥っている高齢者を養護老人ホームへ措置する自治体の財源負担が大きくなります。そのために、自治体がその措置をためらう措置控えが広がると、これが定員割れにつながっているのではないでしょうか。
さらに、この措置控えをした上で、高齢者を国費補助のある生活保護の方にシフトすると。その結果、初めに御紹介したような劣悪な施設で暮らさざるを得ない高齢者が増えるような事態に陥っているのです。
総務大臣、養護老人ホームに係る施設費、運営費が平成十七年に一般財源化された、このことがこうした自治体の措置控えの要因の一つとなっているということを大臣は御存じでしょうか。
国務大臣 新藤義孝君
今委員がお話がありましたように、実際に必要とする人にその制度が行き渡らなければならないと、これは私もそのように思っています。その上で、しかし、この地方交付税の算定というのは、まさに実際の被措置者数を反映させて市町村の財政需要に対応をしているわけでありまして、これは制度としてはそのようなきちんと必要な人に渡るようになっているわけであります。
それからもう一つは、私も気になりまして少し調べさせたんですけれども、老人福祉法に基づいて、要件に該当する高齢者、市町村が適切に措置を行うということであります。これは当然だと思います。その入所率が低下していることにつきましてはいろいろ私も幾つか調べてもらったんですけれども、高齢者の意向だとかそれから施設の老朽化など様々な原因があります。それは家族内のやり取りもあります。ですから、そういったものも踏まえてのことでありまして、いずれにしても、我々は、地域の高齢者のニーズに応えられるような措置を、運用をしていただきたいということを、それが制度の基本でありますし、これ、厚労省の方が今いろんな調査をしていただいておりますから、我々はそれを連携しながら適切に運営がなされるように心掛けてまいりたいと、このように考えます。
吉良よし子君
国が何もしていないとは言わないんですけれども、ただ、私がこれを勝手に言っていることではなくて、先ほど御紹介した厚労省の調査研究事業では、平成二十五年七月三十日に養護老人ホームに関する関係従業者の意識調査の報告書が出されているんです。
それによりますと、養護老人ホームの定員割れの原因の第一に挙げられているのが、市が財政負担を考慮した措置控えというものが挙げられているというわけで、ニーズとかの問題ではなくて、やはりそういう措置控えというものが挙げられているということです。実際、千葉県なんですけれども、対象となった十七か所の施設のうち、措置控えの傾向を感じていると答えた施設が十一施設もあったと、これが現場の声だと思います。そして、定員割れが生じていると答えたところも十四施設に上っているわけです。
一般財源化をされるまではこうしたことはほとんど起きていなかったわけですから、これら措置控えを、自治体の姿勢だとか若しくはその先の高齢者の姿勢にだけ責任を押し付けるのではなくて、実際に入れなくて漂流しているという問題がもう現在あるわけですから、何らかの財政的措置を含めて、法律が求める養護老人ホームの役割、またさらには今日的な新しい役割を果たせるように必要な措置、対策を図るべきなのではないでしょうか、大臣。大臣、お願いします。
国務大臣 新藤義孝君
それは趣旨は、そのために制度があるんですから、この制度が適切に運営がなされるように、それはまず私たちも役割分担がございます。我々は市町村に対してきちんとしたそういった指導はしてまいります。
一方で、本来の養護老人ホームの在り方について、これは厚労省が調査もされているわけですし、研究もされております。ですから、そういったことを政府としてきちんとこれは適切に運営がなされるように心掛けたいと、このように考えます。
吉良よし子君
調査もされているというお話で、先ほども現場の声も伺っているというお話も伺っていますので、是非ともそれは引き続き進めていただきたいですし、私は先日の本会議で、小泉内閣の下で進められた三位一体改革が今日の地方財政危機の大きな要因だと指摘しましたけれども、今日の時点で、この一般財源化によってそうした先ほど御紹介したような矛盾や問題がどれだけ出てきているのか、その全体を一度総括する必要があるということも御指摘して、質問を終わらせていただきます。