吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
前回に続いて、会長及び経営委員の問題について質問をします。
籾井会長の振る舞いについては、会長自身に責任があるのは当然のことですが、会長を任命した経営委員会の責任は更に大きいものがあると思います。前回の私の質問にも、浜田委員長は、会長任命は経営委員会の最も重要な役割の一つであり、責任は重く受け止めておりますと述べられたとおりです。そこで、任命権者である浜田委員長に、その任命が正しかったのかどうか、この場で伺いたいと思っております。
経営委員長は、籾井会長の発言について、この国会の場で、籾井会長の発言は公共放送のトップとしての立場を軽んじた行為であると言わざるを得ず、経営委員長としましては、会長に対して厳しく自覚を促したところでありますと述べられました。それならば罷免するのが当然だと私は申し上げましたが、経営委員長は、今後の動きを監督し、助言し、必要に応じて苦言も呈して経営委員会の職務を果たすとおっしゃって、その後の経営委員会でももう一度苦言を呈したとも伺っております。
しかし、籾井会長は、国会の場で、私的発言は取り消すと繰り返し述べられているにもかかわらず、経営委員会の中で、それでもなおかつ私は大変な失言をしたのでしょうかと述べたり、その後も真意と程遠い報道がなされているなど、様々な言い訳を繰り返しています。
経営委員長、これでも会長が、この問題の発言が公共放送の根幹を揺るがす大変な失言だったと心から反省していると言えるのでしょうか。
参考人 浜田健一郎君
会長には、就任会見での発言に関する注意の後、二月の経営委員会においても誤解を招く発言を行ったため、経営委員長として注意を行いました。経営委員会は、今週、籾井会長に対して、経営委員長から二度にわたり注意を行わざるを得なかったことについても誠に遺憾であること等を申し合わせ、会長にもその旨お伝えをしてあります。
籾井会長も、今後、視聴者・国民の皆様に対して何らかの形できちんと説明する機会を設けたい旨の発言をされております。反省の上に立ち、執行部一丸となって事態の収拾に向けた対策が行われるものと認識をしております。
経営委員会としても、一刻も早い事態の収拾に向けて、自らの責任を自覚した上で、監視・監督機能を十分果たしてまいりたいと思っております。
吉良よし子君
二度も苦言を呈した上、遺憾であることも述べなければならないと。そうやって繰り返し繰り返しおっしゃっているというのは、反省したとは言えないと言えるからではないでしょうか。
問題はそれだけではありません。この間、籾井会長が、就任直後、全理事から日付の書いていない辞表を提出させたということが明るみに出て問題になりました。籾井会長は国会でそのことを追及されて、先ほどもありましたように、一般社会ではよくあることと述べられたと。ところが、日本商工会議所の会頭からも、またほかの財界人からも、そんな話は聞いたことがない、透明性を求められる上場会社ではあり得ないとの声が出ています。また、籾井会長は、なぜそんなことをしたのかを記者に問われて、緊張感を持たせるためとも答えておりますが、私は、こうした極めて強権的、ある意味常軌を逸したこうした行動は、最も民主的であるべき公共放送のトップとしては絶対に両立するものではないし、籾井会長の会社経営者としての経営能力、統治能力も実は欠如していることを示しているのではないかと思います。
そうでなくとも、この国会での答弁においても会長は余りにも不誠実な対応を取っています。そもそも、なぜこうして国会にNHKの会長が呼ばれるのか。それは、NHKが国民の受信料によって支えられており、その国民の声を代表しているのが国会だからです。その国会で余りにも不誠実な対応、いいかげんな発言繰り返すことは、NHKの会長たる要件を著しく欠くとは思いませんか。経営委員長、お願いします。
参考人 浜田健一郎君
会長は、再三再四謝罪の言葉も述べられておりますし、今後、放送法にのっとって業務を遂行していくという決意も述べられておりますので、私どもとしては、今後の会長の行動を注視してまいりたいというふうに思っております。
吉良よし子君
その放送法にのっとっていない発言がなされたことが問題だということを前回の委員会でも私は申し上げましたけれども、更に伺います。
前回の委員会で、私は、籾井会長の秘密保護法に対する、一応決まったことだから、世間が心配していることが政府の目的であれば大変だが、そういうことはないだろう、これが必要だったという政府の説明ですから様子を見るしかないという記者会見での発言について質問をし、今、秘密保護法反対、廃止の世論が広がっているというその存在について認識をただしました。なぜなら、NHKの番組基準には、「意見が対立している公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱う。」となっており、籾井会長が繰り返し放送法、番組基準の遵守、約束した以上、記者会見から一か月くらい経過した段階では、当然反対の世論についても注意深く目配りされているだろうと思ったからです。ところが、籾井会長の答弁は、承知しておりませんというものでした。意見が対立していることそのものを知らないと公言してはばからない人物に放送基準の遵守ができるかと。できると思いますか。
更に言いますと、私はこの質問の前に、こうした世論が存在することを具体的に、いつのどこが行った世論調査かも含めて通告もしておりました。経営委員長、これでも籾井氏は会長にふさわしい人物だと言い切れるのでしょうか。
参考人 浜田健一郎君
籾井会長は、大きな組織を運営してきた実績、豊富な海外経験、ITに関する深い見識などをお持ちであることから、NHK会長の資格要件を満たす方と判断して会長に任命しました。
会長は、就任会見での特定秘密保護法についての個人的見解は取り消されており、こうした事態につきましても反省もされています。そして、放送法を遵守し、不偏不党、公平公正の立場を貫くと明言もされております。御指摘の点に関しても、今後の業務執行の中で一層見識を高められ、放送法のスタンスに立った対応をされるものと認識をしております。
吉良よし子君
大きな組織運営した実績を認められてということでしたが、先ほど申し上げたとおり、ほぼ経済界の皆さんがそんなこと一般社会、上場会社ではあり得ないとされるような理事の辞表の提出を求めるなど、あり得ない行動をされている。これだけでもそういう資格要件に満たないと思いますし、秘密保護法の件に関しても、その発言自体ではなくて、そうした世論の動向すら知らないということが問題なのではないかということを私は申し上げているんです。
先ほども質問の中で、この件に関わってNHKに寄せられた意見が三万二千三百件超えた、批判は二万件超えているというお話がありましたけれども、これは前回私が質問してから僅か一か月でほぼ二倍の数字になっているということです。
改めて伺いますけれども、NHKにかつてこれほどの意見や批判が寄せられたことはあるでしょうか。
参考人 上滝賢二君
お答えいたします。
記録が残っている中では、平成十六年七月に明らかになりました元チーフプロデューサーの不正経理事件、これに端を発しました一連の不祥事の視聴者反響が最も多かったものでございます。このときの視聴者反響は、今回の会長就任会見から昨日までと同じく四十八日間でおよそ五千八百件となっております。
吉良よし子君
五千八百件と三万二千三百件、大きく差があると、かつてないほどの批判にNHKがさらされているということなのではないでしょうか。
さらに、三月十日には、放送を語る会、日本ジャーナリスト会議、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター、NHKを監視・激励する視聴者コミュニティなどに参加されている市民団体の皆さんが、籾井会長、長谷川、百田経営委員の罷免を求めて、八千五百七十五人もの署名を添えて総理大臣に申入れを行いました。その皆さんに話を聞くと、二月二十七日にネット上で始めた署名が短期間に六千名を超え、街頭で署名に立つと通行人が向こうから署名をするために近づいてくる、署名用紙を持ち帰る人も現れるなど、かつてない大きな反響だったそうです。
経営委員長、こうした国民の意見や市民の意見に真摯に耳を傾けて、会長を罷免するという決断を下すべきなのではないでしょうか。
参考人 浜田健一郎君
そのような申入れがあったことは承知しております。市民団体からの要求に限らず、今回の事態に関して多くの視聴者の方々から意見をいただいていることは真摯に受け止めております。経営委員長といたしまして会長には二度にわたって注意を行い、また先日の経営委員会では申合せを行って、経営委員会の総意としても誠に遺憾であることを確認し、会長にもその旨を伝えました。
籾井会長は、業務執行に当たっては放送法を遵守すると繰り返し明言しています。反省の上に立ち、会長としての職務を執行していただけるものと期待をしております。会長以下執行部が一丸となって今後ともNHKが放送法で定められた公共放送の使命を果たすよう、経営委員会としても監督する役割を果たしていきたいというふうに思っております。
吉良よし子君
会長が反省に立っているからとおっしゃっていますけれども、その会長が発言を取り消したのは個人的見解だからだとおっしゃっていると。しかし、国民側はそう感じていないわけですよね。公共放送の根幹を揺るがす問題なんだと、放送法の、不偏不党、真実、自律の、それを揺るがす問題だと認識している、そしてその反省が会長には全く見られないから批判の声がいまだに広がり続けているのではないでしょうか。
昨日、Jリーグで差別的横断幕を掲げた浦和レッズが厳しい処分を受けました。横断幕を掲げたサポーターは反省していると言っていますが、村井チェアマンは、掲げた側の考えではなく、受け手がどう感じるかに目を向けるべきと指摘されたと。
より公共性の求められるNHKこそそういう立場に立って、受け手側がどう考えているのか、国民に対して、これだけ国民がNHKに対して批判の声を上げている、そのことに真摯に耳を傾けて決断を下すべきなのではないでしょうか、経営委員長。
参考人 浜田健一郎君
籾井会長は、業務執行に当たっては放送法を遵守すると繰り返し明言して、不偏不党の立場を取っていく旨も表明をしています。反省の上に立ち、会長としての職務を執行していただけるものと期待をしています。籾井会長以下執行部が一丸となって今後ともNHKが放送法で定められた公共放送の使命を果たすよう、経営委員会としても監督する役割を果たしていきたいというふうに思っております。
吉良よし子君
不偏不党の立場が守れていない事態に陥っているのじゃないかという指摘もしていますし、経営委員会も監督、是正していくと言っていますけれども、何度も何度も苦言を呈していても反省する様子が見られないから批判の声が今これだけ広がっているんじゃないかということを訴えているんですね。
籾井会長の例えば従軍慰安婦に関わる発言については、国際的にも大きな反響を呼んでいて、前回私は、イギリスのBBC放送の、安倍首相はNHKを服従させる狙いで会長指名を行ったという報道を紹介いたしましたが、AP通信は二月二十四日に配信した記事で、NHKの会長の発言は、安倍政権が保守的で修正主義的な議題を推し進めているかもしれないことを示唆する、ここ数週間で発生した一連の出来事の一つであるとも報じています。
これは、会長発言の問題だけではなく、安倍内閣が送り込んだ経営委員百田氏の南京大虐殺はなかった発言、長谷川氏の反社会的で右翼テロの実行犯を持ち上げた発言と続いて、今やNHK自身が国際的にも信用を失いかねない重大な岐路に立たされていると言っても言い過ぎではないと思います。
ここで、私は副会長に伺います。
私は今こそ、NHKがこうした侵略戦争の肯定、美化、右翼テロリズム賛美、NHKの報道は政府見解と同じなどとする妄言とは無縁であること、そして、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って放送による言論と表現の自由を確保していくことを内外に改めて宣言することが必要であると思います。是非はっきりとその立場を述べていただきたいと思います。副会長にお願いします。
参考人 堂元光君
お答えをいたします。
会長もこれまで繰り返し申し上げてきたことでございますけれども、NHKとしましては、放送法、それと番組基準、そしてガイドライン、これに基づいて放送しているということでございます。すなわち、報道機関として不偏不党を守る、番組編集の自由を確保する、何人からも干渉されない、ニュースや番組が外からの圧力や働きかけによって左右されてはならない、NHKは放送の自主自律を堅持する、こうした立場を守っていくことにいささかも変わりがないということを申し上げておきたいと思います。
吉良よし子君
そうした基準に立っているということですよね。
さらには、NHK番組基準の中では、暴力行為はどのような場合にも是認しない、人命を軽視したり自殺を賛美したりしない、犯罪については、法律を尊重し、犯人を魅力的に表現したり犯罪行為を是認するような取扱いはしないとされています。しかし、長谷川氏の朝日新聞社拳銃自殺犯人への評価は、どこまでも自殺を賛美し、犯人を魅力的に表現するものにほかなりません。この人が経営委員に居座り続けて何ら問題にされないのなら、私が紹介した番組基準が有名無実のものになってしまうのではないかと危惧しております。
副会長、もう一度、NHKは誰が何と言おうと今示した番組基準は守り抜くと、その決意を明らかにするべきではありませんか。
参考人 堂元光君
お答えをいたします。
経営委員の言動等につきましては、私ども執行部としては答える立場にございません。
一方、先ほど申し上げましたけれども、公共放送としての原点、報道機関としての原点、これはいささかも揺るぎございません。そのことを改めて強調しておきたいと思います。
吉良よし子君
私が指摘した先ほどの二つの点でのNHKの現時点での立場、一般的な放送法遵守などの言葉ではなく、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って言論と表現の自由を確保していくことであるとか、暴力行為はどのような場合にも是認しないであるとか、そういった立場を具体的に今NHK自身が述べることは極めて重要であると同時に、そうしたことを根幹から揺るがす発言をしている籾井会長はその会長の任にふさわしくないことを改めて申し上げて、私からの質問を終わります。