吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
改めて、東日本大震災で亡くなられた方の御冥福を祈るとともに、被災地の生活となりわいの再建に向けて奮闘されている全国の皆様に敬意を表します。
今日はこの被災した自治体の現状について取り上げます。
まず、被災自治体の税収の状況について伺います。固定資産税における津波課税免除等の特例を適用した岩手県、宮城県の市町村における震災前の二〇一〇年と震災後の二〇一二年の税収を比較して減収となった自治体は幾つあるか、お答えください。
政府参考人 米田耕一郎君
お尋ねのございました岩手県及び宮城県内の市町村で固定資産税における津波課税免除等の特例措置を適用いたしましたのは、全部で二十二市町村でございました。このうち、平成二十二年度の税収と比較いたしまして、平成二十四年度の地方税収及び震災減免分に係る復興特別交付税の合計額、これが減少いたしましたのは十七団体になってございます。二十二団体中の十七団体でございます。
吉良よし子君
介のあったように、特例を適用されている二十二自治体のうち十七もの自治体が震災前に比べ税収減となっています。
今回、その一つである宮城県東松島市に状況を伺いました。仙台市の北東に位置するこの町では、現在までに死者は千百名を超え、行方不明者は二十五名、市街地の六五%が津波によって浸水という壊滅的な被害を受け、震災後は人口も減っています。
そんな中で、昨年二月に東松島市は普通会計財政収支見通しを発表し、その中で、二〇一六年度までは一般財源不足を補填する財政調整基金を取り崩して収支均衡が見込めるものの、二〇一七年度以降は基金が枯渇し、毎年度収支不足が発生すると試算しています。市によると、自主財源である市税は震災前を大きく下回る水準で推移していく、震災前並みの回復は期待できない見通しであり、地方交付税については、震災による減収補填などの一時的な増額と震災復興特別交付税の交付も見込まれるけれども、二〇一五年に実施予定の国勢調査人口の反映により、二〇一六年度以降は約二千八百人の人口減に伴って基準財政需要額が減少することを見込んでいるそうです。
大臣、この東松島市のように、人口流出による税収減などにより近い将来財政難に陥るかもしれないという危機意識を持っている被災自治体があるという認識は、問題意識はお持ちでしょうか。
国務大臣 新藤義孝君
委員は東松島市に行かれたんですか。私もそういった問題が発生することは十二分に承知をしております。直接今、被災地の自治体から要望をいただいているわけではありません、先のことですから。だけれども、そういう心配がお持ちであることは我々としては承知をしております。かつ、税だけでなくて、そもそも復興予算が先まで確保できるのかと、こういう御心配をされているところもあるということも承知をしております。
吉良よし子君
問題意識は持たれているということですが、問題は東松島市だけではないというのは明らかです。
お配りした資料を見ていただきたいのですが、二〇一四年三月五日付け、六日付けの毎日新聞では、この津波による被害を受けた岩手県と宮城県沿岸部の市町村の状況を震災前と現在で比較しています。どの自治体も歳入に占める市町村税の割合は減っています。
例えば、岩手県の陸前高田市では、二〇一一年三月の人口二万三千二百二十一人が二〇一四年一月末には一万九千四百七十二人と三千七百人以上も減り、歳入に占める市税の割合が、二〇一〇年度の一五・六一%から二〇一三年度には〇・八四%へと大きく減っています。宮城県南三陸町でも、人口は二〇一一年度から一四年度の間に三千人以上減り、歳入に占める町税の割合も一六・八九%から一・〇七%へと減っています。
とりわけ、震災によるこうした人口流出が深刻な被災自治体の場合、二〇一五年の国勢調査に基づいた二〇一六年度以降の交付税の配分額が激減するのではないかという懸念は深刻なのではないでしょうか。また、復興特別交付税も、現状では二〇一五年度までとなっている点も被災自治体の不安を増大していると考えますが、二〇一六年度以降に財政困難に陥る可能性のある被災自治体に対する対応策は何か考えていらっしゃるでしょうか。大臣。
国務大臣 新藤義孝君
これが、西暦で言うのと平成で言うのが混乱するんですよね。私の方は平成で言わせていただきたいと思いますが。御指摘のように、二十七年度の国勢調査を踏まえた二十八年度以降の被災地における普通交付税の算定の在り方、これは二十七年国調の結果の判明を受けてやることになるわけです。そうすると、当然のごとく人口が激減している地域が出てくるだろうと。それをそのまま反映させては、これは自治体の運営ができないのは、これは自明の理であります。
ですから、かつて実は東京の三宅島で火山の噴火で全島避難指示が出て、指示が解除されたんですけれども、その年にちょうど国調が当たったときがあったんですね。ですから、そういうときにいろんな工夫をいたしました。被災地の実態を踏まえた上で、そしてその自治体の財政運営に支障が出ないようないろんな工夫をしなくてはならないと、このように考えております。
それから、震災復興特交につきましても、これは、今、集中復興期間中のものが確保されていますから、それ以降については、そのときの状況を見ながら全体の復興財源フレームの中で検討していくわけであります。
しかし、最も基本とすることは、これはお金があるからやってくださいではなくて、必要なものは捻出しなければならないと。それは、被災地の復興に対してそういった、我々とすれば、まず基本は被災地の復興が第一なんですから、それに必要ないろんな手当てをできる限り工夫をしながら確保していくことが私たちの務めだと思っております。
吉良よし子君
できるだけ工夫しながらということですけれども、東松島市のように、もう現時点で収支不足を見込んでいる自治体もあるわけですから、状況を見ながらとかいうことではなく、一刻も早くこうした対応策の検討を始めていただきたいと思います。
なお、被災自治体にとって、この市町村税の減収以外にも大きな課題があります。その一つが国保税の問題です。
東松島市では、国保税を今年四月一日から一八%値上げする条例を可決しました。七年前に二町が合併し、東松島市ができて以降、一度も国保税を値上げせず、震災後も財政調整基金を取り崩しながら国保を維持してきたけれど、今年度、基金が底を尽き、市の一般会計から二億円の赤字補填をして運営したといいます。それでも、今後の国保税収の増加が見込めない下で、来年度は三億六千万円もの不足が見込まれ、苦渋の決断として一八%、一世帯当たり平均約三万円値上げに踏み切るしかなかったそうです。被災した上、国保も値上げでは、被災者にとっては重大な負担です。
ここで、厚労省に伺いますが、東松島市に限らず、被災地の市町村国保の状況についての認識と今後の対応をお答えください。
政府参考人 神田裕二君
被災地におけます国民健康保険の財政状況についてでございますけれども、被災によりますまず医療費の増加がございます。また、失業等による低所得者の増加等もございまして、財政状況が悪化しているものというふうに承知をいたしております。また、被災自治体からもそういったお話を伺っているところでございます。
これを受けまして、平成二十四年度から、被災地にあって震災前と比べまして一人当たりの医療費の増加に伴う財政負担増が三%以上になっている市町村国保に対しまして、その負担増の八割を国が調整交付金で財政支援をするということをしているところでございます。
さらに、二十五年度から二十七年度にかけましては、岩手、宮城、福島の市町村国保に対しまして、医療費増に対する特別の財政支援の割合を医療費増の割合に応じて更に高めると。先ほど三%以上を対象にしているということでございますが、五%以上の場合は九〇%、七%以上の場合は九五%の財政支援をするというような取組をすることにいたしております。
また、震災によって失業者が多く発生したことによって所得水準が下がった場合には、市町村国保に対しまして国が調整交付金を増額して支援を行うということをいたしております。
今後とも、こうした取組によってしっかりと支援をしてまいりたいというふうに考えております。
吉良よし子君
財政支援がなされているということについては確かに東松島市でも歓迎はしていましたけれども、問題は三年間に限られているということです。国保の加入者世帯は平均年齢も高く、平均の所得階層は二百万円以下に集中していますが、今年度残り一か月とあと二年で震災前のように生活再建が可能となるというのでしょうか。現在の支援が終わる平成二十七年、二〇一六年度以降も国保料の負担増を被災者に強いることなく維持していけるように財政支援を講じるべきではないでしょうか。厚労省、お願いします。
政府参考人 神田裕二君
先ほども申しましたように、二十五年度から二十七年度につきましては、医療費の増加に伴う財政負担増の割合に応じてこの財政支援の割合を更に高めるということにしているところでございます。二十八年度以降につきましては、被災地の市町村国保の財政状況等を踏まえましてその後の措置については検討してまいりたいというふうに考えております。
吉良よし子君
状況を見ながらということですが、これも、国保含め三年たった被災地の自治体の状況は様々ですから、是非自治体の要望や相談に耳を傾けて、早めの対応、きめ細かい取組をお願いしたいと思います。
次に、被災自治体の職員について伺います。
大船渡市の産業医によると、二〇一三年に行った職員と派遣職員へのアンケート結果から、業務量が一・五倍から二倍に増えていることや、職員自身が被災しダメージを受けている影響などが原因で、全国平均と比較してメンタル不調が約四倍高い、派遣職員も今までと違う仕事や生活などリスク要因が高く配慮が必要だとし、長期的な視点で職員の心の健康づくりの総合的な対策が今後の課題だと指摘しています。
岩手県では、盛岡市や宝塚市からの派遣職員が自死するという痛ましい事態も起きていると伺っています。震災からの復興が本格的となるこれから、こうした自治体職員の健康と命を守ることは本当に重大な課題ではないでしょうか。
現在実施されているメンタルヘルス総合対策事業は二〇一五年度までということですが、今後、更なる職員のメンタル対策の対応強化、必要ではないでしょうか。大臣の見解をお願いします。
国務大臣 新藤義孝君
いや、これは職員の皆さんの御苦労は想像を超えるものがあるわけであります。そして、いずれも使命感に燃えて、自分を、体を犠牲にして、自分の時間を取り除いて仕事をしてくれているわけでありまして、頭の下がる思いであります。
私も、先週末に石巻に行って、全国からの応援職員の皆さんとお話もしてきました。仕事が大変だ、それから業務量が多い、そして、いろいろやはり復興の中で仕事を進めるにもいろいろな不都合があるんだというお話をしつつ、使命感を持ってやっていますと、皆さん非常に張り切って頑張っておられました。
頑張っている分だけやはり体にストレスがたまり、その体が具合が悪くなるとメンタルに行くわけであります。ですから、こういうメンタルヘルスをきちんとケアすることは極めて重要で、これはもう議員も御承知のように事業を拡大いたしましてやらせていただいているわけであります。延べでもう、二十五年度の参加者数で延べ十万人、実施団体百二十団体となると、こういう見込みがあります。
ですから、体を壊しては意味がありませんので、そこを、皆さんのその気持ちを重々しんしゃくしながら、我々とすれば、またその自治体の管理職の皆さんはそういったことに意を注いでいかなくてはならないだろうと思いますし、その後については、今まだ決めておりませんが、当然のごとく対策は打っていかなくてはならないと、このように考えております。
吉良よし子君
やはりこれも問題は、平成二十七年度で一回終わってしまうというところが一つの問題になると思いますが、メンタルという部分であれ、復旧復興であれ、これから長く続くことですので、そうした職員の皆さんへの対応、メンタル支援、是非やっていただきたいと思います。
また、この復興復旧の大きな課題として、被災自治体の職員不足の問題があります。ここで会計検査院に伺います。二〇一二年十月に東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果を出していますが、この中で、復旧復興事務の人的な実施体制についてどのような所見を出されましたか。
説明員 鈴木繁治君
お答え申し上げます。
会計検査院は、参議院からの検査要請を受けまして、二十四年十月に「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について」を御報告しております。そして、関係府省等は連携して、被災地の地方公共団体は限られた人員で震災前と比較して膨大な事業を実施して復旧復興に取り組んでいることから、その復旧復興事業の人的な実施体制及び制度の運用状況について現状を把握して、必要な支援に努めるよう留意して、復興施策の推進及び支援に適切に取り組む必要があることを所見として御報告しております。
吉良よし子君
実際この東日本大震災で犠牲になった自治体職員も少なくないし、また、先ほど大臣がおっしゃったように、職員の多くが自ら被災し、家族を失っても、必死で復旧復興に尽力していると伺っていますが、その限られた人員で膨大な業務をこなしていると、その実態を把握し、支援するようにというのが会計検査院の指摘であり、だからこそ今被災自治体で震災復興特別交付金によって復興業務に対応するために採用された職員の経費等を措置できていること、これは重要です。
同時に、被災地での生活となりわいの再建に当たっているこうした職員はこの交付税措置が終わった後もまだ必要であり、震災復興特別交付金が終わっても雇用の継続ができるよう措置を講ずるべきなのではないでしょうか。大臣、お願いします。
国務大臣 新藤義孝君
これは、復興を加速するために、それから復興をやり遂げるためにも、マンパワーの確保というのが極めて重要だと思います。そして、被災団体においてこの復旧復興業務の対応のための職員採用、それから地方自治法に基づく中長期の派遣職員の受入れを行った場合に、必要経費について震災復興特交によって財政措置を講じているわけであります。ですから、そういったものをきちんと継続しながらこのマンパワーの確保に努めていきたいと、このように考えております。
吉良よし子君
被災自治体の職員不足の問題はかなり深刻で、全国紙などが今年の三・一一前に取った被災自治体へのアンケートでもこの職員の不足が指摘されていますが、その中で言われているのが、復興特交は是非継続はしてほしいんですが、将来を見通して採用に踏み出せるだけの財政的な裏付けがあれば更に自治体職員も採用できるのにという自治体の採用者の方のお話も伺っています。
この震災に関わる業務だけではなく、今後被災自治体では地域コミュニティーの維持など震災対応以外の通常業務に当たる職員も必要であり、その人員も更に増やさなければならないのではないでしょうか。自治体がそれぞれの町の将来を担う若い世代の採用などを含めた具体的な方策を今後取れるような財政的支援を検討すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
国務大臣 新藤義孝君
これは今、制度の中で、まずこの全国普遍的で標準的な財政需要を普通交付税で算定をする、あわせて、災害関係経費などの普通交付税の画一的な算定方法では捕捉できない特別な財政需要について特別交付税で算定することと、こういうふうに制度を分けているわけであります。
この東日本大震災の被災団体の職員給与については、これは標準的な業務に必要な職員給与費は普通交付税で、そして被災団体特有の災害復旧の対応のための職員採用、そういったものについては震災復興特交でやっていると、こういうふうに分けているわけでありますね。ですから、それは必要に応じてやっていかなくてはいけないということだと思います。
今現状で復興期間中に、この復興が続いている間は復興特交できちんと見れるわけですから、その上で将来の需要を見越すというのは、それが復興が終わったときにどういう町ができているか、それは逐次需要というのは変わっていくと思います。それに対して、需要がきちんと生じれば標準的な普通交付税措置ができるわけでありますから、これは経過を見ながらやっていかなければならないだろうと、このように思います。
単純な足切りなんてするつもりはまるでありませんけれども、やはり実態を捉えた上でこれは制度をうまく有効活用していく必要があるんではないかと考えます。
委員長 山本香苗君
時間過ぎておりますので、吉良よし子さん。
吉良よし子君
状況を見ながら見ながらと言いますけど、やはり将来見通せるということが被災自治体にとっては重要だと思いますし、この間、全国の自治体でも集中改革プランで人員削減行われているということも大きな問題だと思います。今日はこれ以上の議論はしませんけれども、改めて被災自治体の職員の抜本的な増員は被災地の復興につながる道であるということを訴えるとともに、被災自治体が議会とも協力しながら被災者の生活となりわいの再建に尽力していることに敬意を表し、全ての被災者の皆さんが震災前の暮らしを取り戻せるまで私たちも自治体、議会と協力して今後も奮闘する決意を申し上げて、今日の質問を終わります。