吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
私は、日本共産党を代表して、地方財政計画外二法案に関連して、総務大臣に質問します。
初めに、東日本大震災と原発事故から三年、復興と被災者の生活となりわいの再建のため、震災復興特別交付税の継続と拡充など必要な財政措置を政府に強く求めます。
地方自治体の役割は、住民の福祉、暮らしを守ることです。安倍内閣は、国民の声に背を向け、消費税増税と社会保障改悪、大企業本位の規制緩和に突き進んでいますが、憲法がうたう地方自治の本旨に沿って地方自治体が住民を守る役割を豊かに発揮させられるかが正面から問われています。
以下、具体的に質問します。
第一は、地方財政の危機打開の問題です。
現在の地方財政は、そもそも小泉内閣の三位一体改革で数兆円もの地方の財源が奪われたことで一気に危機に陥りました。さらに、リーマン・ショックによる景気後退が重なって一層危機を深めています。政府は、地方財政を危機に陥れた三位一体改革への反省をしていますか。
何より、政府が毎年一兆円を超える歳出特別枠を措置したのも、財政危機に陥った地方から厳しい批判を受けたからではありませんか。歳出特別枠は、特別な歳出などではない、自治体の経常経費そのものだというのが地方の訴えです。総務大臣も同じ認識をお持ちでしょうか。であれば、なぜ社会保障を始め住民サービスを支える三千億円もの経常経費の削減に踏み出したのですか。さらに、来年度以降も削減方針を進めるというのでしょうか。お答えください。
安倍内閣が四年ぶりに復活させた昨年六月の骨太の方針では、経済再生に合わせ、危機対応モードから平時モードへの切替えを進めるとし、政府はこれを歳出特別枠削減の理由にしています。しかし、どの世論調査を見ても、アベノミクスによって景気が良くなった、また今後良くなると考えている人は少数です。大半の自治体が経済再生の途上にあるという結論は、一体どんな具体的根拠に基づいているのですか。平時に戻すというのなら、三位一体改革で地方から奪った地方交付税を抜本的に復元すること、そして交付税の法定率を引き上げることこそ必要なのではないでしょうか。
第二は、地方行革の推進のために地方交付税を補助金化しようとする問題です。
政府は、一三年度、国家公務員給与を平均七・八%削減し、要請という形で地方公務員の給与削減を強要し、その分の地方交付税をあらかじめ縮減するという前代未聞のやり方を取りました。これは、自ら被災し、家族を失い、それでも寝食を忘れて復旧・復興に尽力する被災自治体にも押し付けられました。これに地方団体から厳しい批判が出るのは当然です。
ところが、政府は、一四年度から、職員定数や給与削減等の行革努力分を交付税に反映する地域の元気創造事業費を設けるとしています。地方の固有財源である地方交付税に、なぜ行革努力分というひもを付けるのですか。地域の元気創造事業費三千五百億円のうち三千億円が行革努力分です。これでは、財政力の弱い自治体ほど行革が迫られるのではありませんか。仕事量は減っていない、職員も給与もこれ以上削減できないという地方自治体の実態をどう認識していますか。お答えください。
また、一四年度の算定は、昨年七月からの給与削減分を基にしていますが、なぜですか。給与削減の要請に応えなかった自治体にペナルティーを科すためではありませんか。さらに、補正予算で設けたがんばる地域交付金の配分にも給与削減分が反映されていますが、交付税や地方への交付金支出などの機会を捉え、事あるごとに行革努力分を押し付ける、これが安倍内閣の地方に対する姿勢なのでしょうか。
政府は、地方財政計画の一般行政経費の中で、今後、地域の元気創造事業費の枠を拡大するとしています。総務大臣は、衆議院の審議でこの点を問われ、行革指標に係る割合を高くして、各地方団体に更なる行革を促すことを考えているわけではないと答弁されていますが、行革努力分による額、率の引上げはないと断言できますか。
第三は、公共施設等の除却問題です。
 安倍内閣は、公共施設を民間のもうけの対象とするPPP/PFIの抜本改革に向けたアクションプランで、今後十年間で十二兆円の事業を重点的に推進するとしました。その対象となる公共施設の大半は、地方自治体の公共施設等なのではありませんか。
老朽化した公共施設の除却自体は、地方自治体にとっても切実な課題です。その意味では、除却にも地方債を充当できる特例を新設することは当然です。しかし、その地方の声を逆手に取って、地方自治体の公的資産を事業規模先にありきの民間開放路線に委ねるなら、公共サービスの後退、公務リストラの加速につながらざるを得ないのではないでしょうか。大臣の認識を伺います。
また、地方自治法の改正に向けて、市町村間、市町村と都道府県間の新たな連携が強調され、フルセットからの脱却、集約とネットワーク化の方向が打ち出されています。市域を越えた公共施設等の適正配置は、新たな自治体再編、道州制に向けたてことなるのではありませんか。
公共施設等の老朽化対策は、住民と自治体が主体となって進めるべきであり、それを支援する財政措置の拡充こそが必要ではないでしょうか。
第四は、消費税増税に関わる問題です。
四月からの消費税増税は、東日本大震災からの復興、被災者の生活となりわいの再建に大きな障害となります。地方に係る各税目には、地方自治体が住民の実情を考慮し独自に減免できる仕組みがあります。しかし、消費税は税の性格上、独自の減免措置がとれないのではないでしょうか。地方自治体が復旧・復興、被災者の生活となりわいの再建のために消費税増税の影響を遮断、軽減する方法があるのか、伺います。
二つ目は、軽自動車や原付、オートバイ等への大幅な増税です。軽自動車の需要増加は、長年にわたる国民所得の低迷から、価格でも維持費でも安価な軽自動車を選択したためであり、庶民の自衛策の結果です。ところが、政府は、自動車取得税は二重課税という自動車業界の要望には自動車取得税の税率引下げで応える一方で、その穴埋めに軽自動車税の大幅増税を行うというのです。圧倒的な国民にとって消費税増税に加えた二重の負担増になるという認識はお持ちでしょうか。とりわけ、公共交通機関が衰退に追い込まれた地方では、軽自動車、原付、オートバイは、通勤通学を始め、若者からお年寄りまでの欠かせない交通手段です。軽自動車等の税率引上げが地方の経済と雇用、生活全体に及ぼす影響は重大であり、中止すべきではありませんか。
もう一つは、地方消費税の引上げにより拡大する自治体間の税収格差を是正するとして新設される地方法人税です。地方消費税の増収分が不交付団体にはそのまま入るのに、交付団体では増収分が減らされるという矛盾を解消するために、地方の固有の財源である法人住民税から一部を国に吸い上げて配分し直すというものです。しかし、消費税の増税がなければこうした措置は必要ないし、本来、自治体間の税収格差の是正は、地方交付税の財源保障と財政調整の両機能の強化で行われるべきではありませんか。
消費税増税は、国民に耐え難い負担を押し付けるだけでなく、国民の暮らしを壊し、景気を悪化させ、地方の財政にとっても税収減とゆがみをもたらす最悪の選択です。四月からの消費税増税の中止を強く求め、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕
国務大臣 新藤義孝君
吉良議員から確かに二十一問お尋ねをいただきました。
まず、震災復興特別交付税についてのお尋ねであります。
震災復興特別交付税については、昨年一月の復興推進会議において、平成二十三年度から二十七年度までの集中復興期間中はその財源を確保することとしており、まずは平成二十七年度までの復興の加速化に取り組んでいくことが必要と考えております。集中復興期間後の震災復興特別交付税の在り方については、全体の復興財源フレームの中で検討されるものと考えております。
次に、三位一体の改革についてお尋ねがありました。
三位一体の改革については、かねてより地方から要望があった三兆円の税源移譲の実現による地方の自主財源の強化、補助金改革による地方の自由度の拡大により、地方の自立や地方分権の進展に資するものであり、分権改革の実現に向けた大きな前進であったと認識をしています。
しかし一方で、結果として、地方交付税の削減が急激に行われたこともあり、特に財政力の弱い団体には厳しいとの声があったと認識をしています。また、国庫補助負担金改革において、単なる国の負担率の引下げによる、地方の自由度や裁量の拡大につながらないものが含まれるなどの課題もあったことと認識をしております。
次に、歳出特別枠については五点いただきました。
歳出特別枠は、リーマン・ショック後の景気低迷が続いていること等を踏まえ、地方が地域の活性化や地域雇用の創出等の施策に取り組めるよう地方財政計画に計上したものであります。
総務省としては、地域経済は、アベノミクスにより初動の効果は上げているものの、本格的な回復に至っておらず、地域経済の活性化等に要する歳出の計上が必要というふうに考えたわけであります。
こうした認識を踏まえまして、平成二十六年度の地方財政計画における歳出特別枠については、地域経済活性化に向けた地方団体の取組を息長く支援する観点から、歳出特別枠のうちの三千億円を地域の元気創造事業費として経常的な一般行政経費の中に振り替えて計上し、その振替分を含めて前年度水準を実質的に維持したわけであります。この歳出特別枠については、経済再生に合わせて削減したという認識は持っておりませんが、今後とも、一般財源総額の確保などの観点を踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。
次に、三位一体改革で削減された地方交付税の復元と法定率の引上げについてのお尋ねでございます。
三位一体の改革においては、平成十五年度から平成十八年度の間に地方交付税が二・二兆円の減となっておりますが、その後の地方財政対策により様々な措置を講じた結果、平成二十六年度の地方交付税を含めた一般財源総額については六十・四兆円を確保して、三位一体改革前の平成十五年度と比較して一・九兆円の増となっているところであります。
今後とも、地方が安定的に財政運営を行うことができるよう必要な一般財源をきちんと確保するとともに、地方交付税の本来の役割である財源調整機能と財源の保障機能が適切に発揮されるようにその総額を適切に確保してまいりたいと存じます。
次に、地域の元気創造事業費についてであります。
この地域の元気創造事業費は、通常の普通交付税の算定に加えまして、各地方団体が地域活性化に取り組むための財政需要について、人口を基本とした上で、行革努力の取組と地域経済活性化の成果指標を反映することにしたわけであります。その際に、各地方団体が行革により捻出した財源を活用し、地域経済活性化の取組を行っていると考えていること、また、地域経済活性化に積極的に取り組み、成果指標を全国標準よりも伸ばしている地方団体は、地域経済活性化に全国標準よりも多く取り組んでいると考えられることなどを踏まえまして、全国的かつ客観的な統計データが存在する指標を用いて各地方団体の努力を多面的に反映することにしたわけであります。
したがって、行革努力分というひもを付けているであるとか、それから、財政力の弱い団体ほど行革が迫られる、ペナルティーを科す、あるいは行革努力を押し付けているとの御指摘は当たらないというふうに考えております。これまで各地方団体が行政サービスを効率的に提供していくために、定員管理や給与の適正化などの行政改革を進めてきたという実態を踏まえたものというふうに認識をしているわけであります。
また、がんばる地域交付金についても、行革努力に応じて加算をしているものでありまして、これは御指摘は当たらないと、このように考えております。
なお、平成二十五年度の給与水準については、平成二十五年一月の閣議決定における地方公務員に係る給与削減の要請を踏まえ、同年七月から国家公務員と同様の給与削減措置を実施することを前提として地方財政計画の策定などが行われたことを考慮すれば、これは七月一日時点の給与水準を基本として用いることが合理的であると、このように考えております。
また、地域活性化分の算定額については、今後、地域経済活性化の成果指標の反映度合いが増していくのに合わせて増額することを検討することとしております。したがって、行革指標に係る割合を今後更に高くすること等を特別に考えているわけではございません。
いずれにしましても、地域の元気創造事業費の具体の算定方法については、本年夏の普通交付税の決定までに地方団体からの意見なども踏まえた上で決定をしてまいりたいと、このように考えております。
次に、アクションプランについてのお尋ねをいただきました。
PPP/PFIの抜本改革に向けたアクションプランにおいて、今後十年間で十二兆円に及ぶPPP/PFI事業を推進するとの目標を設定しました。この目標は、民間の提案、イニシアチブを最大限尊重することから、具体の事業計画を精緻に積み上げたものではなく、各府省による取組の推進やインフラ投資市場の活性化等が図られることを前提にして、官民で共有するべきものとして設定したものであり、国や地方公共団体といった事業主体別の事業規模目標は定めておりません。
次に、公共施設等の除却問題についてのお尋ねがございました。
総務省では、地方公共団体における公共施設等の老朽化対策が地域の実情に応じ長期的視点から総合的かつ計画的に行われ、財政負担の軽減、平準化が図られるよう、公共施設等総合管理計画の策定を要請する予定であります。この計画の策定に当たっては、民間による類似のサービスの提供の状況や民間所有施設を利用しての公共サービスの提供の可否等を検討し、地域の実情に応じ民間活力の活用も積極的に検討することは重要であると、このように考えております。
また、道路網や交通機関の整備が進み交通ネットワークが発達した地域においては、隣接する市町村を越えて住民の経済活動や交流が活発に行われている状況もあります。こういった市町村間や都道府県と市町村との連携の下で計画を検討することも重要ではないかと、このように考えているわけであります。
最後に、消費増税についてのお尋ねをいただきました。
一点目、東日本大震災の被災者にとって消費税率の引上げの影響を遮断、軽減する方法はあるかとのお尋ねであります。
消費税の仕組みに鑑みますと、特定の地域や特定の者に配慮した特例を設けることは執行面や課税の公平性の観点から困難ではないかと、このように考えています。東日本大震災の被災者については、国税、地方税を通じ課税免除等の税制上の特例措置を講じているところでありますけれども、今後とも、予算など税制以外の施策も含めて、引き続き政府一丸となってしっかりとした支援をしてまいりたいと、このように考えています。
二点目は、軽自動車税の見直しについてのお尋ねであります。
軽自動車税の見直しは、自動車関連税制において自動車取得税廃止やその代替財源等が大きな課題であったところ、車体課税の不均衡の是正を検討すべきという地方財政審議会の検討会報告書、そして地方団体からの要望、こういったものも踏まえて与党税制調査会における議論を経て決定されたものであります。
軽自動車が公共交通機関の不十分な地域などで生活の足として使われているということは私も理解をしております。今回の改正内容は、自動車取得税において軽自動車に係る税率の引下げを行った上で、軽四輪車に係る新税率の適用を平成二十七年の四月以降に取得される新車からとするなど、様々な形で配慮がなされたものとなっていると考えております。
三点目、消費税の引上げとそれに伴う税源偏在の是正についてのお尋ねであります。
今回の消費税と地方消費税の税率引上げは、国と地方を通じて社会保障に係る支出の増大が続く中で、社会保障の安定財源の確保と財政健全化の同時達成を図るものであって、地方税財政にとっても必要不可欠な措置であると、このように考えています。
また、地方消費税の充実により生じる交付団体と不交付団体間の財政力格差については、交付税制度では調整することが困難であります。そのために、税制抜本改革法の規定に基づいて、地方消費税の増収の範囲内で、偏在性の大きい法人住民税法人税割の一部を国税化し、その税収全額を地方交付税原資とすることにより地方団体間の財政力格差の縮小を図ることにしたわけであります。
そして、最後のお尋ねであります消費税率、四月からの引上げを中止すべきではないかと、こういうことであります。
この消費税率の引上げは、地方の社会保障の充実、安定化、さらには地方財政の健全化に寄与するものであります。消費税率八%の引上げに当たりましては、これに伴う影響を緩和し、その後の経済の成長力を底上げするための好循環実現のための経済対策を着実に実行し、政府一丸となって経済再生と財政再建の同時達成に取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)