吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
初めに、新藤総務大臣に伺います。
地方自治体は、住民の暮らし、福祉、そして財産を守る役目があり、地方自治体が事業を実施する場合、住民との合意を得た上で実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
国務大臣 新藤義孝君
それは地方自治体に限らず、行政というものはそのようなものを基本に、対象の住民、その地域の方々の意見を十分に踏まえた上で進めていくことだと思っております。
吉良よし子君
今日は、私は、東京都江戸川区で高規格堤防、いわゆるスーパー堤防事業と共同で進められている北小岩一丁目東部地区、通称十八班地区の土地区画整理事業について取り上げます。
この事業についてはこれまでも国会で取り上げられてきましたが、昨年五月、国土交通省関東地方整備局と江戸川区が共同事業とする基本協定を結びました。これに基づく事業計画の変更案が一月十四日に出され、本日二月七日まで縦覧、二十一日までに東京都に変更案への意見書を出すことになっています。この縦覧は土地区画整理法五十五条に基づくもので、提出された意見書は東京都都市計画審議会での審査が必要とされています。
こうした一連の手続が必要なのは、地権者が多く、その権利変更を伴う事業計画には慎重な議論と合意が必要との前提があるからと考えますが、国土交通省、いかがでしょうか。
政府参考人 望月明彦君
お答えいたします。
ただいま議員の方からお話がありました手続につきましては、区画整理事業の実施に際して、関係権利者の権利保護の観点から定められた手続であります。
吉良よし子君
権利保護の観点からということですが、江戸川区による事業の進め方は、そうした住民合意に基づくやり方だという前提から見て異常です。
本来、この計画変更に意見を言うべき住民の立ち退きが今既に始まっているんです。昨年五月の基本協定の後、区は国と協議を進める一方で、七月十六日には、十二月十六日、その五か月後までの住民立ち退きと住宅の除却を求める、その期限の翌日十二月十七日には立ち退いていない住民に一月三十一日までの除却を求める催告書を出し、催告書の期限後の二月三日には建築物等の除却についてと題した文書で、事業工程に支障があるから早く除却をと、約半年という短い期間で住民の立ち退きを迫っています。私も先月、この現場に伺いましたが、お配りした資料のとおり、ほとんどの住居が残っていないという状況です。
そもそも、スーパー堤防と土地区画整理事業計画が持ち上がった二〇〇六年当初から、十八班地区の九割近くの住民の皆さんは、住み慣れた土地を離れたくない、あのカスリーン台風でも影響はなかった、スーパー堤防は要りませんと反対でした。
現在縦覧されている計画変更の内容は、工事終了後に現地が高規格堤防特別区域となり、土地の利用法が従前と変わってしまうという重大な変更内容です。これに反対意見が多数出されて、それを受けて東京都の都市計画審議会で計画変更が認められないという可能性も否定はできないはずです。なのに、事業計画の変更に対して意見を述べるべき住民や地権者がその前に現場から立ち退かされてしまっている。
十八班地区には五十代から七十代の方も多く、中には、ついの住みかと決めて暮らしておられたのに、もう工事が終わって生きているうちには戻れない、工事が終わった段階では戻れないと泣く泣く住まいを移した九十代の方もいらっしゃると伺っています。そんな段階になって重大な計画変更の縦覧、意見募集言われても、住民の意見を、地権者の権利を尊重しているとはとても言えないのではないでしょうか。
ここで大臣に伺います。十八班地区のような、住民や地権者が意思を反映する機会を事実上奪うような江戸川区のやり方は余りにひどいと思いませんか。お願いします。
国務大臣 新藤義孝君
私ですか。
吉良よし子君
はい、是非見解を。
国務大臣 新藤義孝君
これは都市計画事業だと思いますが、そして、住民の代表である議会がその区の事業についていろいろなチェックをし、そして予算化という手続を踏んで進められてきているものだと思います。
ですから、そういったものにまず、先ほども申しましたが、住民の意見をよく聞いて、そしてその住民の福祉の向上につながる住民自治、そして団体自治が行われるように期待をしておりますし、そのように実際行われていると思っております。
ですから、今意見が相違があるならば、それはよく地元の自治体において話をしていただき、また住民の理解を得るような努力を続けてもらいたいと、このように思います。
吉良よし子君
住民の理解を得るようにという、努力と言いましたけれども、実際にはこのようにほぼ立ち退かされていると。住民が意見を言いたくても言えない状況にまで追いやられてしまっている。
スーパー堤防事業については、国も住民の意向を尊重するようにと言っているにもかかわらず、そうやって住民が意見を反映する機会を事実上奪っていて、さらには半年という短い期間でその土地から追い出すような暴挙に及んでいるということは、私は到底容認できません。
私も現地を見て実感しましたが、そもそもこのスーパー堤防という事業は必要ない事業です。にもかかわらず、江戸川区は既に篠崎公園地区に事務所を移して更に区画整理事業を進めるところだと伺っておりますし、スーパー堤防計画は首都圏と近畿圏で総延長百二十キロメートルに及ぶ計画です。首都圏では江戸川、荒川、多摩川の流域にわたる計画で、十八班地区の皆さんも、うちと同じことをほかの地域で繰り返させてはならないとおっしゃっていた。江戸川区のみならず地方自治体は、どんな事業であれ、住民の意思や財産権を第一にすべきであるとの姿勢を示すべきであり、今現在行われている十八班地区のような事業手続において民主主義をないがしろにするようなことは絶対に繰り返さないよう強く求めて、私からの質問を終わります。