吉良よし子君
日本共産党、吉良よし子です。
今、NHKの公共放送としての在り方に多くの国民から深刻な懸念の声が上げられています。
まず、NHKに伺います。
この間の籾井会長発言に関わってNHKに寄せられた視聴者からの反響は何件か、そのうち批判的な内容は何件か、お答えください。(発言する者あり)
委員長 山本香苗君
ちょっと待ってください。指名があってから。
参考人 上滝賢二君
失礼しました。お答えいたします。
記者会見のありました先月二十五日から昨日の夕方までに寄せられました視聴者からの意見はおよそ一万七千九百件でございます。このうち批判的な意見ということのお尋ねでございますが、およそ一万一千件、六〇%余りとなっております。
吉良よし子君
私も調べましたが、経営委員の発言についても八割が批判的な意見であり、その批判的な意見の中には、誤った歴史認識、政府寄りの考え方は問題、偏った放送になるのが心配などの声があったと伺っております。私自身のツイッターにも、NHKに受信料拒否のメールを送ったというような声が寄せられています。
つまり、籾井会長の記者会見での発言や安倍首相によって任命された一部の経営委員の発言によって、公安及び善良な風俗を害しない放送、政治的に公平な放送、事実を曲げない報道、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする放送という放送法第四条で定められたNHKの公共放送としての命ともいえる根本が揺るがされているのです。
浜田経営委員長に伺います。
あなたは、十二日に開かれた経営委員会の後の記者会見で容易ならざる事態と述べたと報道されていますが、それは今指摘したNHKの公共放送としての根本に関わって今回の事態が容易ならざると認識しているということでしょうか。
参考人 浜田健一郎君
お答えいたします。
この度の籾井会長の発言は、公共放送のトップとしての立場を軽んじた行為であると言わざるを得ず、経営委員長としましては、会長に対して厳しく自覚を促したところであります。
また、経営委員による経営委員としての職務以外の場での個人の思想信条に基づく行動については、それ自体は妨げられるものではないと認識をしておりますが、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度を持って行動していくことを改めて申し合わせました。
このように、会長や経営委員の発言について各方面から寄せられている御意見等への対応のために、経営委員会と執行部の双方がNHKのかじ取りに集中することができていない状況にあり、容易ならざる事態と考えております。
吉良よし子君
この容易ならざるというのは、経営の面からだとか、そうした運営がうまくいかないからとかではなくて、やはり公共放送としてのそうしたNHKの信頼性だとか不偏不党だとか、そうした問題が根本から揺るがされている事態になっているから問題だと、公共放送の在り方が問われている問題だから容易ならざる事態なんだという認識に立っていただきたいと思うんですけれども。
そこで、籾井会長に伺います。
あなたは、問題となった発言について、就任会見で不慣れなところに何回も質問をされたのでNHK会長としての発言と個人の見解を整理し切れないまま発言をしてしまい誠に申し訳ない、個人的な見解を述べた部分については全て取り消す、具体的には、慰安婦の問題と特定秘密保護法、靖国参拝、番組編集権、国際放送の五項目と当委員会でも述べられています。
発言を取り消すと言いますが、この取り消した理由について、私見だったから取り消すのか、それとも先ほど掲げた放送法第四条に基づいた観点から誤った認識だったから取り消すのかが問題です。例えば、国際放送について、政府が右と言うことを左と言うわけにはいかないと述べられましたが、これではまるで政府の言い分を一方的に宣伝するどこかの国の国営放送と変わりません。
あなたは、衆議院の予算委員会でこの問題を指摘されて、赤と白と置き換えてもらえば誤解は起きなかったと言い、右、左と言ったことが問題だったかのような答弁されましたけれども、今でもそのように考えていらっしゃるのでしょうか。
参考人 籾井勝人君
何回も申し上げておりますが、就任会見では、不慣れだったこともあり、NHK会長という公人としての自覚が十分ではなく、記者の質問に対して、会長としての発言と個人的見解を整理し切れないままに発言してしまいました。自後になり、記者会見という公の場でこうした発言を行ったことは不適当、不適切だったと思い、個人的な見解を述べた部分については取り消させていただきました。
吉良よし子君
個人的見解だから取り消すのではなくて、今回の問題についてはNHKの、例えば先ほどの右と言うことを左という国際放送に関しては、国際放送に関する誤った認識だったので取り消すということでなければならないのではないでしょうか。でないと、政府の言い分を一方的に宣伝するというような在り方は公共放送じゃなく国営放送というような考え方になるのではないかということを言いたいんですね。
だから、放送法に照らして反するから取り消したのではないかということを聞きたい。はっきりしてください。
参考人 籾井勝人君
先ほども言いましたけれども、就任の初日に、私が不慣れだったこともあって、個人的な見解を述べたわけです。しかしこれが、公人としてのNHK会長としての発言と個人的見解、これが整理し切れないままに発言したもので、それを、私が個人的見解として発言したものを取り消させていただいたわけでございます。
吉良よし子君
個人的な見解ではなくて放送法の問題だと申し上げているんです。
籾井会長がNHKを政府の国営放送、御用放送機関と考えているのではないかという疑問は、特定秘密保護法についても、一応決まったことだから、世間が心配していることが政府の目的であれば大変だが、そういうことはないだろう、これが必要だったという政府の説明ですから様子を見るしかないといった発言からも見えてきます。
ちなみに、会長は、この法律が強行採決された後も修正若しくは廃止という声が八割を超えていたこと、著名なジャーナリストを始め日本を代表するような学者、文化人などが廃止を求めて今運動していることなどは御存じでしょうか。
参考人 籾井勝人君
今お話しになったことは承知しておりません。
先ほどから申しておりますように、憲法で保障された表現の自由や放送法の規定をしっかりと踏まえて視聴者・国民の期待に応えるのが公共放送NHKの役割だと考えております。また、ジャーナリズムは国民の知る権利に応えることだと認識しております。この役割を果たすために、不偏不党や自主自律の立場を守り、番組編集の自由を確保することが何よりも大事だと認識しております。
吉良よし子君
承知していないということでしたけれども、二〇一三年十二月九日、共同通信では、廃止を求める声は二八・二%、修正を求める声は五四・一%、合わせて八二・三%の世論が廃止若しくは修正を求めている、これは報道されていることですので是非知っていただきたいと思いますし、こうした問題があることから分かるように、現在まだ多くの異論があるのがこの秘密保護法の問題です。この秘密保護法のように意見が対立している問題については、放送法第四条でもできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることが求められていますが、あなたの発言は政府の言い分を一方的に擁護するものでした。
もう一度伺いますが、この秘密保護法に関する発言を取り消されたのは私見だからという観点なのか、それとも放送法第四条をゆがめてしまうから取り消されたのか、その点をはっきり御説明ください。
参考人 籾井勝人君
国会という公の場で個々の項目について御説明することは再び私の個人的見解に触れることになります。したがって、不適当だと考えますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
それから、秘密保護法については、NHKは日々のニュース番組で、法律の内容や論点、賛成や反対の立場からの御意見を幅広くお伝えしてまいりました。また、日曜討論では、各党の主張、考え方などについてもお伝えしたとおりでございます。今後も、必要に応じまして、その都度適正に報道してまいります。
吉良よし子君
必要に応じてということですが、会見ではそのように言っていなかったことが放送法に照らして問題だということを私は申し上げているんですね。そういう通り一遍のことでは済まない問題なのが、一つ一つ取り上げていてはあれなんですが、どの発言も安倍政権と深い関わりを持つ発言であり、安倍政権が推し進めようとしている政治を肯定し、それに対する批判を封じようとするものと受け取られかねない重大な発言だったんですね。ですが、NHKの公共放送としての命は放送の政府からの自律にあるはずです。
そもそも、放送の政府からの自律が重視されたのは、戦前、無線電信法第一条で、「無線電信及無線電話ハ政府之ヲ管掌ス」と定められ、放送が政府の介入と統制によって国家の国策推進機関として国民を誤った方向に導いたことへの痛切な反省があったからです。
例えば、TBSに勤務していた竹山昭子氏による「戦争と放送」という本を読みました。そこには、日本国民にとっての太平洋戦争は、一九四一年十二月八日午前七時、ラジオの臨時ニュースでの大本営発表で始まり、一九四五年八月十五日正午の天皇による玉音放送で終わったと言ってよいと書かれており、十二月八日の時点では、いよいよそのときが来ました、国民総進軍のときが来ました、国民の方々はどうぞラジオの前にお集まりくださいという呼びかけが行われ、ラジオ放送は国の方針を伝達する政府の情報機関であるとの認識であったことが書かれています。
まさに、こういう戦前の国営放送という在り方が国民から批判能力を奪って戦争への道へと導いていった、そういう反省の下、放送を市民社会の公共的メディアへと生まれ変わらせようという意図が戦後の放送法、現在の放送法に込められた。それが放送法第一条の不偏不党、真実、自律、表現の自由という言葉の中身のはずです。幾ら発言を取り消したといっても、私はこの公共放送の原点を否定するような発言をした籾井会長はNHK会長の任にふさわしくないと考えます。
籾井会長、あなたが責任取ってやるべきなのは発言の取消しではなく、辞任することしかないのではないでしょうか。いかがでしょう。
参考人 籾井勝人君
視聴者の皆様とか海外からもいろんな反響が寄せられることは承知しています。私は、NHKの会長職としての重みを受け止め、放送法にのっとり、公共放送の使命をしっかり果たしていくことで、これまで以上に信頼を得られるよう全身全霊で努力をしてまいります。
私は、やはり、NHKというのは放送法で律されていると同時に、やっぱりこれに従ってやらなきゃいけないということですから、放送法の不偏不党、真実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保すること、政治的に公平であること、報道は事実を曲げない、それから意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること、これは放送法第四条にもきちんと書いてあるとおりでございますから、私は、就任以来、ずっと放送法ということを軸にして、さもなければ、それこそ皆様が危惧されるように、個人によって左右されるということがあるわけです。私は、放送法というものを軸にして私の経営を続け、常にそこに回帰しながらNHKの立場を続けていきたいと思います。
吉良よし子君
ですから、その放送法に違反した発言がなされたから問題だと、任にふさわしくないということを申し上げているのですが、会長御本人が辞任されないと言いますので、浜田経営委員長に伺います。
会長の問題は、会長を選んだ経営委員会自身も重大な責任を負っていると思いますが、いかがでしょうか。
参考人 浜田健一郎君
経営委員会としては、NHKの会長任命という職責の重さを深く受け止め、昨年七月に指名部会を設置して半年間にわたり審議を行ってまいりました。今回の会長任命は、経営委員会が十分な時間を掛けて業績評価、業務の現況の確認や資格要件の検討を行いました。また、様々な論議を踏まえて定めた内規に従って自律的に粛々と行ってまいりました。
会長任命は経営委員会の最も重要な役割の一つであり、責任は重く受け止めております。今後の業務執行が放送法を遵守したものとなるよう、経営委員会としてもしっかり監督をしてまいります。
吉良よし子君
責任を受け止めていらっしゃるということですけれども、放送法五十五条は、会長が職務の執行の任に堪えないと認めるときや会長たるに適しないと認めるときは、経営委員会が会長を罷免することができるとなっております。
籾井会長の発言は、国内ばかりでなく国際的にも大きな反響を呼んでいます。ニューヨーク・タイムズ、イギリスのフィナンシャル・タイムズ、韓国の中央日報などが厳しく批判し、フランスのル・モンドは、安倍氏の干渉がNHKのイメージを汚していると書いています。イギリスの公共放送BBC電子版は、初会見の席で政治的立場を表明したことに衝撃を受けた、安倍首相はNHKを服従させる狙いで会長指名を行ったと報じました。
経営委員長、会長発言は国民からの信頼を裏切っただけでなく国際的な信用も失墜させた、その責任が問われるべきであり、経営委員会として会長たるに適さないとして罷免するのが当然なのではないでしょうか。
参考人 浜田健一郎君
この度の籾井会長の発言は公共放送のトップとしての立場を軽んじた行為であると言わざるを得ません。あわせて、視聴者・国民の皆様に対して、今回の事態につきましては経営委員会の長として遺憾であると申し上げました。経営委員長としましては、会長に対して厳しく自覚を促し、適切な事態の収拾を速やかに行うよう要請をしました。会長から反省の言葉と、業務執行に当たっては放送法を遵守するとの明言を得、役職員一丸となって事態の収拾に当たる決意も示されました。
経営委員会といたしましては、今後の動きを監督し、助言し、必要に応じて苦言も呈して、経営委員会の職務を一層果たしてまいりたいと思っております。
吉良よし子君
ですが、苦言を呈するだけでは問題だと、やはり罷免するのが当然だと思うんですけれども、こうした経営委員会が毅然とした対応をできないのは、やはり経営委員会自体にも大いに問題があるからではないでしょうか。そして、その責任は経営委員を任命した安倍首相にあります。特に百田氏と長谷川氏については経営委員たる資格に欠けると考えます。経営委員を罷免する権限は任命した総理大臣にありますが、この二人について罷免するよう、新藤総務大臣から総理に言うべきではないでしょうか。大臣、お願いします。
国務大臣 新藤義孝君
経営委員は、委員も御承知だと思いますが、放送法の第三十一条第一項に基づいて、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、教育、文化、科学、産業といった分野等を考慮して、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命されることになっているわけであります。
実際の選任に当たりましては、私が放送法を所管する立場から、任命権者である総理と御相談しながら人選を行って、国会の同意を得て、これはそのルールに従って適切に選任されたものというふうに思っております。
そして、この経営委員のお二人については、それぞれの分野で幅広く活動されている、また活躍をされている方だという観点から選任をされたものであります。
そして、経営委員会は、この多様な経験と知識を有する委員の合議体であります。経営委員一人一人がその業務に従事することはないと、このようになっているわけでございまして、この経営委員会全体として、放送法第一条に定める放送の不偏不党、真実及び自律の保障という原則に従ってその役割を果たしていただくことを私たちは期待をしているわけでございます。
吉良よし子君
しかし、ルールにのっとって選ばれたとはいえ、もうここで問題が起きているわけですね。
例えば百田氏。思想信条などの問題でも見過ごせない問題点はたくさんありますけれども、都知事選での応援のマイクを握って不特定多数の公衆を前に、自らが応援している以外の候補者に対して、私から見れば人間のくずみたいなものですと述べました。
大臣、人を人間のくず呼ばわりすること、これは思想信条以前の社会人として既に失格であるとは思いませんか。
国務大臣 新藤義孝君
過日、それは予算委員会においても同様の御質問がほかの方からいただきました。総理に対して見解が求められて、総理は、しょっちゅう自分も人間のくずと呼ばれていると、こういうようなお話をされたわけであります。
私自身は、この経営委員について個人的に行った発言について、政府としてはコメントは差し控えます。
それから、放送法上で経営委員の言動を制限する規定は存在せずに、経営委員としての職務以外の場において自らの思想信条に基づいて行動すること自体は、これは妨げられるものではないんだというふうに認識をしております。
問題は、やはり放送法に照らしてしっかりとした見識を持って、そして、この経営委員会はNHKの経営上の最高意思決定機関として位置付けられているわけでありますから、先ほども申しましたように、経営委員の合議体としてこの経営委員会の役割というものをしっかりと果たしていただきたいと、私はそれを期待しているわけでございます。
吉良よし子君
ですから、思想信条の問題ではないと申し上げているんです。
実際、百田氏自身も、人のことをくずと呼んだのは褒められた発言ではなかったと経営委員会でおっしゃったという報道もありました。そう本人がおっしゃっているのであれば、もうこの経営委員をやる資格はない、罷免しかないのではないでしょうか。
国務大臣 新藤義孝君
NHKは、自主自律、不偏不党、NHK自体がそういうことで運営してもらわなきゃ困るわけであります。ですから、経営委員会の中で何が起きているのか。それは、経営委員会の皆さんが御努力をされている。我々はそれを見守っている。法律を犯すことがない。そういうことがあってはならないように、我々もきちんと見ております。
だけれども、一人一人の一つ一つの意見を、個人的なものを例えば誰かがやめろとか言うこと自体が、それはNHKに対する圧力になりませんか。どんな圧力にも屈することなく、中立公平な放送を私はやってもらいたいと期待をしているわけでございます。
吉良よし子君
その不偏不党が今揺るがされている事態になっているからこそ問題だと、見直すべきではないかということを御質問しているわけです。
百田氏だけではありませんね。長谷川氏の問題もあります。この方も、憲法観など、見過ごすことのできない重大な問題はありますけれども、とりわけ、二十一年前の朝日新聞本社での短銃による自殺犯人に対して追悼文を寄せ、天まで持ち上げた、そのことは思想信条にとどまらない問題です。
警察庁に聞きます。二十一年前の朝日新聞本社での短銃自殺事件の概要及び罪名、また、その人物が過去に起こした事件についても説明をしてください。
政府参考人 高橋清孝君
お答えいたします。
御質問の朝日新聞の事件の人物というのは野村秋介氏だというふうに理解しておりますけれども、この野村秋介氏が関わった主な事件としましては三件ございます。
一件目は、昭和三十八年七月十五日、神奈川県平塚市の河野一郎建設大臣、当時の私邸に侵入し、ガソリンをまいてこれを全焼させた放火等の事件。二件目は、昭和五十二年三月三日、都内千代田区の経団連会館に侵入し、拳銃、猟銃を発射して会長室に立てこもった逮捕監禁等の事件。三件目は、平成五年十月二十日、都内中央区の朝日新聞東京本社内で同社社長らと面会中、拳銃を使用して自殺した銃刀法違反等の事件であります。
吉良よし子君
放火、猟銃発砲、立てこもり、まさに反社会的人物であり、被疑者として書類送検もされていると。
こうした反社会的な人物を擁護することのどこが思想信条の問題なのか。反社会的活動及び反社会的人物を礼賛する人物が経営委員にふさわしいと言えるのでしょうか。即刻罷免するべきではありませんか。大臣、お願いします。
国務大臣 新藤義孝君
まず、経営委員会、経営委員が経営委員としての職務以外の場において自らの思想信条に基づいて行動すること自体は妨げられないわけであります。それはまさに思想信条、表現の自由の世界であります。一方で、経営委員としてのこれは放送法に基づくいろいろな経営委員会での活動、これは求められているわけであります。
私とすれば、まず、経営委員についての個人的に行った発言等については、これは政府としてコメントすることはできないんです。そして、その上で、この長谷川さんの場合は、これは言語を主題として我が国における思想や哲学の在り方を探求している、我が国を代表する哲学家、評論家の一人である、こういったことはこれまでの評価としてこの国の中から認められております。
そういう中で、長谷川氏自体も、これも私が聞いている範囲でありますけれども、NHKが真の意味での公共放送としての役割を果たすことができるようにお手伝いをするための基本姿勢は、常に根本から物事を考える、常に根本から物を考えて是々非々の判断をし、その議論において、常に反対意見にも耳を傾け、真っ当な議論を心掛けたいと、こういうことをおっしゃっているというふうに私は聞いております。
NHKの経営について、いろんな観点からいろんなお考えがあると思います。けしからぬという人もいれば、よく言ったという人もいる。そういったものをきちんと踏まえた上で、公平な、公正な公共放送としての放送がなっているかどうか、そういったことを私は経営委員会として是非大所高所からのいろんなものを見ていっていただきたいと、またそのことを、役割を期待をしているわけでございます。
吉良よし子君
何度も言いますけれども、表現の自由だとか個人の見解のもう域を超えている問題だということを私は申し上げたいんですね。
放送法三十一条、引用されていましたけど、「委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、」と書かれていますが、反社会的な人物を礼賛するような人物が公正な公共の福祉に関する判断ができるかどうか、そこが問われていると思うんです。こうした事実に照らせば、百田氏、長谷川氏共に経営委員としての資質が問われている、そういう人物であることは明らかであり、罷免しかないと思いますし、また、籾井会長についても思想信条のレベルではない資質が問われています。
例えば、従軍慰安婦問題についての発言は、軍による慰安婦制度が旧日本帝国とナチス・ドイツの軍隊に特有なものだったことは既に世界の共通認識になっている中で、戦争地域にはどこにでもあったなどという事実誤認の余りに不見識な発言をなさいました。こうした経過の中、経営委員の発言を理由にしてアメリカ大使館がNHKの取材に難色を示したという報道もなされている。このように、公共放送であることに誇りを持って働いている現場職員の仕事の足を引っ張るような経営委員又は会長にその役割を担う資格はないと考えます。
私が国会に来て半年、昨年の臨時国会で秘密保護法が強行されたことを始め、安倍内閣による目に余る暴走が続いています。しかも、集団的自衛権など、立憲主義を根底から覆すようなことを国会の場で公然と発言されている。こうして政府が偏った道へと暴走を、突き進もうとしている今こそ、国民の受信料によって支えられているNHKが不偏不党、真実、自律を持った公共放送としての報道姿勢を貫くことが求められているのではないでしょうか。大本営発表を垂れ流し、国民を誤らせた戦前の轍は踏まないと歩んできた戦後のNHKの歴史が、今重大な危機に瀕していると言わざるを得ません。
その今現場で働く職員の皆さんを始め、NHK関係者の皆さんが公共放送としての役割を果たすため最善の努力を尽くすことを心から願って、私からの質問を終わらせていただきます。